2024.10.04更新

毎日何気なく行っている洗顔。スキンケアの第一歩として欠かせない習慣ですが、実はその「洗う」という行為そのものに、肌を傷めるリスクが潜んでいることをご存知でしょうか。

洗顔の方法や回数を間違えると、肌荒れや乾燥を引き起こす原因になりかねません。今回は、洗顔の歴史を振り返りながら、私たちが忘れてはならない「洗顔のリスク」についてお話しします。


日本人と洗顔の歴史

日本人の洗顔の歴史

日本における洗顔の歴史は古く、平安時代中期に編纂された『延喜式』には、洗料として澡豆(そうず)や皂莢(さいかち)が記されています(資料1)。当時の上流階級の女性たちは、これらを洗浄料として顔や髪を洗っていたと推測されます。

洗顔が一般に広まったのは江戸時代のことです。この時代、すでに「きめ細かでつややかな素肌」を目指すスキンケア意識が芽生えており、洗顔料としては糠(ぬか)が広く用いられていました(資料2)。

興味深いのは、文化10年(1813年)に著された佐山半七丸の『都風俗化粧伝』の記述です(資料3)。糠袋の項には、こう書かれています。

「糠袋を使うときは、顔に強くあてて洗ってはいけない、顔の肌理(きめ)が壊れる。そっとまわして使えば、糠汁もよく出て肌の肌理も細やかになり顔につやが出る」、さらに「熱すぎるお湯での洗顔は、肌に皺ができるため、ぬるま湯で」という注意書きもあります。

200年以上前から「擦りすぎは禁物」「熱いお湯はNG」という洗顔の基本が認識されていたのです。過度な洗顔が肌荒れや乾燥を招くことは、江戸の人々もすでに経験的に知っていたといえるでしょう。


洗顔が持つ最大のリスクとは

洗顔が持つ最大のリスク

洗顔の最大の潜在的問題点、それは肌のバリア機能を破壊しかねないということです。

肌の最も外側にある角質層は、外部刺激から体を守り、体内の水分蒸発を防ぐ「バリア」の役割を担っています。このバリア機能がダメージを受けると、乾燥・肌荒れ・敏感肌といったトラブルを招くだけでなく、本来なら肌に侵入できないはずの物質が体内に入り込む可能性が生じます。

特に乾燥肌の方は要注意です。もともとバリア機能が弱い状態にあるため、誤った洗顔方法や過剰な洗顔回数によって、さらに症状を悪化させてしまうリスクがあります。


洗顔がバリア機能を壊した実例

洗顔がバリア機能を壊した実例

洗顔が肌のバリア機能を損なうことを、私たちに強く印象づけた出来事があります。2011年に社会問題となった「石鹸による小麦アレルギー発症事件」です(資料4)。

特定の石鹸を使用していた方々が、ある日突然、小麦を含む食品を食べて重篤なアレルギー症状を発症するという事態が相次ぎました。原因は、その石鹸に含まれていた加水分解コムギ(小麦由来成分)でした。

しかし、問題の本質はそれだけではありません。洗顔によって肌のバリア機能が低下したことが、この事態の背景にあったのです。

小麦アレルギーが発症したということは、小麦の成分が皮膚の角質層を通過し、その奥にある免疫細胞(ランゲルハンス細胞など)に到達したことを意味します。つまり、洗顔が肌表面のバリア機能の突破を許してしまったわけです。

現在は危険な成分は排除され、石鹸の成分自体を過度に心配する必要はありません。しかし、この事件が教えてくれた教訓を「過去の話」として忘れ去ってはならないのです。


まとめ:洗顔は諸刃の剣

洗顔はスキンケアの基本であり、美肌づくりに欠かせない習慣です。しかし同時に、すべてを台無しにしかねないリスクも伴う行為であることを忘れてはなりません。

洗顔による肌荒れや乾燥を防ぐためには、以下のポイントを意識しましょう。

✅洗顔回数は1日2回(朝・夜)を基本に、過剰な洗いすぎを避ける
✅乾燥肌の方は、朝はぬるま湯だけの洗顔も選択肢のひとつ
✅ゴシゴシ擦らず、泡で優しく洗う
✅熱いお湯ではなく、ぬるま湯(32〜34℃程度)を使用する

江戸時代の人々が「強く擦ってはいけない」と戒めていたように、洗顔は「優しく、丁寧に」が鉄則です。

洗顔が肌のバリア機能を壊しかねない行為である——この教訓を肝に銘じて、日々のスキンケアに取り組んでいただければと思います。



【参考資料】


1 ポーラ文化研究所「原始化粧から伝統化粧の時代へ 平安時代4」(『化粧文化』日本の化粧文化史)https://www.cosmetic-culture.po-holdings.co.jp/culture/cosmehistory/010.html
(最終閲覧日:2025年12月5日)

2 国立国会図書館. “第1章 江戸時代の化粧”. 本の万華鏡 第29回 めーきゃっぷ今昔 ―江戸から昭和の化粧文化―
https://www.ndl.go.jp/kaleido/entry/29/1.html
(最終閲覧日:2025年12月4日)

3 ポーラ文化研究所. “伝統化粧の完成期 江戸時代4 美肌意識とスキンケアの現れ<洗顔>”. 日本の化粧文化史
https://www.cosmetic-culture.po-holdings.co.jp/culture/cosmehistory/017.html
(最終閲覧日:2025年12月4日)

4 化粧品開発とその障害の歴史 II 〈洗顔石鹸に含まれた加水分解コムギ(グルパール®19S)による 即時型コムギアレルギーとロドデノール誘発性脱色素斑〉
松永佳世子
日本香粧品学会誌
2022;46(4):364–374

 


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制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2025年12月5日)

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2024.10.01更新


多くの人が日焼け止めを十分な量塗っていないという事実をご存知ですか?実は、適切な量を塗らないと、表示されているSPF(日焼け防止指数)の効果は得られません。海外でよく使われる「ティースプーンルール」についてご紹介します。


tea spoonルール


ティースプーンルールとは?
2002年、ジェフリー・シュナイダーによって提唱された「ティースプーンルール」は、日焼け止めの適量使用を促すための簡単な指針です。研究によると、多くの人が必要量の20〜60%しか塗っていないことが判明。そこで、誰でも簡単に測れるティースプーンを使った方法が考案されました。

オリジナルのティースプーンルール
シュナイダーが提案した当初のルールは以下の通りです:

各腕と顔・首の領域:ティースプーン半分強(約3mL)
各脚、胸、背中:ティースプーン1杯強(約6mL)
これらを合計すると約33mLとなり、成人の体全体をカバーするのに必要とされる35mLに近い量になります。


2013年の改訂版ティースプーンルール
2013年、Isedeh、Osterwalder、Limによって、より使いやすい改訂版が提案されました。主な変更点は以下の通りです:

単純化:半ティースプーンや1ティースプーン強といった細かい指定を、1ティースプーンまたは2ティースプーンの単位に簡略化。

部位の調整
顔・頭・首:1ティースプーン
各腕(左右):1ティースプーンずつ
胴体(前面と背面):合計2ティースプーン
各脚(左右):2ティースプーンずつ


現実的な適用:服で覆われる部分を考慮。
顔と頭部の重視:最も露出する部位として1ティースプーンを割り当て。


ティースプーンルールの意義
このルールの目的は、誰もが簡単に覚えられ、実践できる方法を提供することです。専門的な「2mg/cm²」という基準を、一般の人々が家庭で簡単に測れる方法に置き換えたのです。
改訂版では、合計9ティースプーン(約45mL)となり、「ゴルフボール」や「ショットグラス」のサイズに相当します。


まとめ
「ティースプーンルール」は、日焼け止めの適切な使用量を簡単に測る方法として考案されました。このルールを覚えて、正しい量の日焼け止めを使用することで、表示されているSPFの効果を十分に得ることができます。

適切な日焼け止めの使用で、健康的で美しい肌を保ちましょう!

 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2024.09.28更新

日焼け


私たちの肌が日光に当たると、徐々に肌の色は変わります。この現象は実は私たちの体を守るための賢い自然の防御システムが働いている証拠なのです。

メラニン色素が肌を守る仕組み
日光には、目には見えない「紫外線」が含まれています。この紫外線は、適度であればビタミンDを生成するなど健康に良い影響もありますが、過剰に浴びると肌にダメージを与え、長期的には皮膚がんのリスクを高める可能性があります。そんな紫外線から私たちを守るために働いているのが、肌に含まれる「メラニン色素」です。


紫外線とメラニンの関係
紫外線が肌に当たると、皮膚の奥にあるメラノサイトと呼ばれる細胞がメラニンを作り始めます。このメラニンは天然の紫外線吸収剤で、紫外線が皮膚の奥深くにまで届いて細胞を傷つけるのを防ぎます。

「メラニン・キャップ」とは?
メラニンは、肌の細胞の核を覆うように集まることで「メラニン・キャップ」と呼ばれる防御構造を作ります。これは、細胞の核にあるDNAが紫外線によって損傷するのを防ぐ役割を果たします。メラニンはまるで小さな傘のように、紫外線から大切な遺伝子情報を守る盾となっているのです。

肌が黒くなるのは自然の防御反応
私たちの肌が日光に当たると黒くなるのは、メラニンを生成して遺伝子情報、つまりは「種の保存」のために働いている結果なのです。


 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2024.09.27更新

 

日焼け止め


「日焼け止めって本当に毎日使わないといけないの?」そんな疑問を持ったことはありませんか?しかし、日焼け止めを使わないことで将来、後悔することになるかもしれません。


日焼け止めを使わない理由は「面倒だから」
実は、日焼け止めを使っていない人に理由を尋ねると、最も多く返ってくる答えが「面倒だから」というもの。日焼け止めを毎日塗るのは手間がかかるように感じるかもしれません。しかし、その少しの手間を惜しむことで、将来の肌の健康に大きな影響を与える可能性があるのです。

それでも日焼け止めはやっぱり使うべき!
なぜ、日焼け止めを毎日使うことがそんなに重要なのでしょうか?その理由は、紫外線が肌の老化を加速させるからです。実際、肌の老化の80%が紫外線によるダメージだと言われています。つまり、しわやたるみ、シミといった肌の悩みの大部分は、紫外線によって引き起こされているのです。
紫外線を浴びることで、肌のコラーゲンやエラスチンが破壊され、弾力やハリが失われていきます。その結果、若々しい肌が徐々に老化してしまいます。さらに、紫外線はDNAを傷つけるため、皮膚がんのリスクも高まります。

生成AIも推奨!若々しい肌を保つには日焼け止めが必須
さまざまな美容方法やスキンケア製品の中から、生成AIが選んだ第1位の対策がなんと「日焼け止めの使用」でした。これは、日焼け止めが肌の老化を防ぐための最も効果的で現実的な方法であることを示しています。たとえどれだけ高価なスキンケア製品を使用しても、紫外線によるダメージを防がなければ、肌の老化を止めることは難しいのです。


日焼け止めは、単なる美容アイテムではなく、将来の肌を守るための投資です。毎日少しの手間をかけることで、10年後、20年後の自分の肌に自信を持てるようになります。面倒くさいと感じるかもしれませんが、そのわずかな努力が、若々しく健康的な肌を保つ鍵です。

 

 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2024.09.23更新

 

色白信仰

 

1 日本人はなぜ色白を好むのか?美意識の特徴と「色白は七難隠す」の意味

「色白は七難隠す」という言葉があるように、日本では古くから白い肌が美しいとされてきました。この「色白」への憧れは、単に個人の好みを超え、文化的な美意識として深く根付いています。

この価値観に西洋文化の影響を指摘する意見もありますが、実は日本の「色白」信仰は、独自の歴史的背景と文化的土壌の中で育まれてきたものです。

本記事では、なぜ日本人がこれほどまでに「色白」を追い求めるのか、その理由を歴史的変遷とともに深掘りしていきます。


2 【色白の歴史】平安時代から続く「美白」の基準と定義

日本における「色白」への美意識は、驚くべきことに千年以上の長きにわたり、途切れることなく受け継がれてきました。この価値観の源流は、遠く平安時代にまで遡ることができます。


2-1 平安貴族の「白き肌」は高貴さの象徴

平安時代の女性

平安時代の貴族社会において、「白い肌」は美しさの絶対的な条件の一つとされていました。『源氏物語』などの文学作品にも描かれているように、当時の貴族女性たちは、顔に白粉(おしろい)を厚く塗り重ねることで、現実の肌の色とは異なる、人工的なまでの白さを追求しました。この時代の絵巻物を見ても、登場する高貴な女性たちは一様に白い肌で描かれており、それが理想の姿であったことがうかがえます。


2-2 社会的ステータスとしての「色白」

では、なぜ平安時代の貴族たちは、それほどまでに「白い肌」を理想としたのでしょうか。その背景には、当時の社会構造と生活様式が大きく関わっています。

平安時代の主な労働力は農民であり、彼らは屋外での厳しい労働を強いられていました。そのため、日に焼けた肌は、肉体労働に従事する階層の象徴と見なされがちでした。一方で、貴族階級、特に女性は、ほとんどの時間を屋内で過ごし、直射日光を浴びる機会が少なかったのです。その結果、「日に焼けていない白い肌」は、労働とは無縁の優雅な生活を送る特権階級の証となりました。

このように、肌の色は社会階層を可視化する指標となり、「色白」であることは高貴さや富、そして教養を体現するものとして、人々の羨望の的となったのです。この価値観は、貴族社会だけでなく、徐々に他の階層へも影響を与えていくことになります。


3 江戸時代・明治時代の美白文化|「色白は七難隠す」は本当か?

江戸時代の女性の姿

平安時代に確立された「色白」への憧れは、時代を経ても薄れることなく、江戸時代になるとさらにその裾野を広げ、庶民の間にも浸透していきました。


3-1 庶民に広がった白粉文化とスキンケア

江戸時代は、泰平の世が続いたことで町人文化が花開き、化粧文化も大きく発展しました。それまで主に貴族や武家階級のものであった白粉は、生産量の増加や流通の整備に伴い、次第に庶民にも手が届くものとなっていきます。浮世絵に描かれる美人画を見ても、芸者や町娘たちがこぞって白い肌に化粧を施している様子が描かれており、「色白」が幅広い層の女性たちの共通の願いであったことがわかります。


江戸の化粧事情と「色白」への情熱

江戸時代の女性たちにとって、白粉は美しさを手に入れるための必須アイテムであり、その使用方法は細かく研究されていました。当時の化粧指南書には、白粉の塗り方や、肌質に合わせた使い方などが詳細に記されており、いかに「色白」に対する関心が高かったかを物語っています。

また、白粉だけでなく、肌そのものを白く保つための民間療法的なスキンケアも行われていたようです。例えば、米ぬかやへちま水などが、肌を滑らかにし、色を白くする効果があると信じられていました。このように、江戸時代の女性たちは、化粧とスキンケアの両面から、「色白」という理想の美を追求していたのです。この情熱は、現代の美白ケアにも通じるものがあると言えるでしょう。特に現代では、レチノールピールCDトレチノインなど、ビタミンA誘導体を用いた科学的な肌質改善が可能です。


3-2 西洋化の波と明治以降の「色白」:変わらぬ日本の美意識

明治時代の女性の姿

明治維新を迎え、日本が急速な西洋化の道を歩み始めると、美意識の世界にも大きな変化が訪れます。しかし、そのような時代の潮流の中にあっても、日本古来の「色白」への憧憬は、形を変えながらも根強く生き残りました。


西洋文化との出会い:それでも「色白」が選ばれ続ける理由

明治時代に入ると、西洋の文化や文物が怒涛のように日本に流入し、服装や髪型、化粧品に至るまで、西洋風のものがもてはやされるようになりました。一時は、日本の伝統的な化粧や美意識が古臭いものとして否定される風潮すらありました。

しかし、興味深いことに、「肌の色」に関しては、依然として日本の伝統的な「白い肌」が好まれる傾向が続きました。その理由の一つとして、西洋の美意識の中にも「白い肌」を貴ぶ価値観が存在していたことが挙げられます。そのため、西洋文化の影響を受けつつも、日本独自の「色白」信仰は、ある意味で補強される形で存続したと考えられます。

また、明治期の知識人の中には、日本の伝統文化を見直す動きもあり、その中で日本の美意識の独自性が再評価されることもありました。このような背景も、「色白」という価値観が完全に西洋化されずに残った一因と言えるでしょう。


近代化と「色白」美意識の変容と継続

大正、昭和と時代が進むにつれて、化粧品も科学技術の進歩とともに進化し、より安全で効果的なものが登場します。白粉も、鉛を含まない安全なものが主流となり、より自然な仕上がりが求められるようになりました。

この時代においても、「色白」は美しさの重要な要素であり続けました。雑誌の広告や映画女優の姿を通して、理想の「色白」像が提示され、多くの女性たちがそれを目指しました。日焼けを避けるための日傘や帽子も、ファッションアイテムとして定着し、美白を意識した生活様式が一般化していきます(現代においても医療機関専売のUVプロテクトミルクなどで徹底した遮光を行うことは美白の基本です)。戦後の高度経済成長期を経て、生活が豊かになるにつれて、美容への関心はさらに高まり、「色白」を維持・追求するための努力は、より日常的なものとなっていったのです。


4 色白のメリットと現代の美白医療|肌を白くする方法(医療)

そして現代。科学技術の進歩は目覚ましく、美容の世界も日々進化しています。その中で、日本人の「色白」への憧れは、どのような形で受け継がれ、また、なぜ今もなお多くの人々を惹きつけているのでしょうか。


4-1 清潔感と若々しさをつくる現代の「色白」

現代において「色白」の肌が好まれる理由として、まず「清潔感」が挙げられます。シミやくすみのない均一なトーンの白い肌は、健康的で清らかな印象を与えます。また、肌の白さは「若々しさ」とも結びつけて考えられることが多く、エイジングケアの一環として美白を重視する人も少なくありません。

さらに、「色白」は「上品さ」や「洗練されたイメージ」を喚起する要素でもあります。きめ細かい白い肌は、どこか儚げで繊細な印象を与え、それが日本的な美意識と響き合う部分があるのかもしれません。現代の女性たちが美白を目指す背景には、単に肌の色を白くしたいというだけでなく、これらの複合的なイメージに対する憧れがあると言えます。


5 港区(浜松町・大門・芝公園)で美白治療ができる美容皮膚科として

平安時代から現代に至るまで、千年以上にわたり日本人に愛され続けてきた「色白」の美意識。それは、単なる流行や西洋文化の模倣ではなく、日本の歴史、社会、文化の中で独自に育まれ、時代とともに少しずつ形を変えながらも、その核となる部分は変わらずに受け継がれてきました。

日焼けした肌が健康的で美しいとされる価値観も存在する現代において、なぜ日本人はこれほどまでに「色白」にこだわるのか。その理由は、貴族社会におけるステータスシンボルとしての意味合い、江戸時代の庶民文化としての爛熟、そして現代における清潔感や若々しさ、上品さといった多層的なイメージの集積にあるのです。

美の基準は時代や文化によって多様であり、絶対的なものではありません。しかし、日本の「色白」美意識の歴史と、その背景にある人々の願いや想いを知ることは、現代の美容トレンドをより深く理解し、自分自身の美しさを見つめ直すための一つの手がかりとなります。これからも、この「色白」への憧れは、日本の美意識の重要な一部として、未来へと受け継がれていくでしょう。

 

▼ 当院の医療美白アプローチ

歴史の中で人々が憧れた「白さ」を、現代では医学的なアプローチで叶えることが可能です。当院では、ライフスタイルや肌の状態に合わせて最適な治療をご提案しています。

【シミ・くすみを一掃したい方へ(レーザー治療)】
Qスイッチルビーレーザー
ピンポイントの濃いシミやそばかすを強力に除去します。

ルビーフラクショナル
顔全体のくすみを取り除き、ワントーン明るい肌へ導きます。

【肌のターンオーバーを整えたい方へ(ピーリング)】
ケミカルピーリング
古い角質を除去し、透明感のある新しい肌の再生を促します。

マッサージピール
「若々しさ(ハリ)」も同時に叶える人気の施術

【注射系肌治療】
フィロルガ水光注射
最も基本的な肌育注射


【ご自宅で継続する美白ケア(ホームケア)】
ハイドロキノン
「肌の漂白剤」とも呼ばれる強力な美白剤です。

アゼライン酸
ニキビ跡の色素沈着や赤みが気になる方に適しています。

ビタミンCジェル
メラニンの生成を抑え、毛穴の引き締め効果も期待できます。

 

 

 

「美白」関連ブログ記事

 

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制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2026年1月1日)

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2024.09.21更新

 

eyecontact


1 はじめに

人と話すとき、相手の目を見ますか?それとも少し視線をそらしますか?

実は「アイコンタクト」の取り方は、国や文化によって大きく異なります。最新の脳科学研究により、目と目を合わせることが私たちの脳に与える驚くべき影響も明らかになってきました。


2 アイコンタクトで脳波が同期?脳科学が解明する視線の効果

最新の研究で、とても興味深いことが分かってきました。fMRI(機能的磁気共鳴画像)という装置を使った実験では、相手の目を見つめているとき、脳の特定の部分が活発に働くことが確認されています(文献1)。

さらに驚くべきことに、二人がアイコンタクトをしているとき、お互いの脳波が同じリズムで動き始めるのです。まるで二人の脳が会話をしているかのように、同じパターンで活動することが分かりました(文献2)。

つまり、目と目を合わせることは、単に「見る」だけではなく、相手と深くつながる特別な行為なのです。


3 【欧米】信頼と第一印象を決める「自信の表れ」としてのアイコンタクト

アメリカやヨーロッパでは、相手の目をしっかり見ることが大切にされています。

信頼の証:目を見て話す人は誠実で信頼できると思われます
自信の表れ:ビジネスシーンでも積極的なアイコンタクトが評価されます
魅力度アップ:研究では、適度なアイコンタクトをする人の方が魅力的に見えるという結果も(文献3)

これらの特徴は、個人の意見や感情を重視する「個人主義的」な文化と深く関わっています。

*自信を持ってアイコンタクトをとるための目元ケア(切らないブロウリフト)はこちら


4 【日本・東アジア】アイコンタクトが苦手?「怒っている・近づきがたい」という誤解

一方、日本や中国などでは、アイコンタクトの取り方がまったく違います。

礼儀として:目をじっと見つめることは失礼とされることがあります
上下関係:特に目上の人には、視線を少しそらすのがマナー
◉日本人はアイコンタクトをとられると、「近づきがたい」「怒っている」と感じやすい(文献4)

この違いは、集団の調和を大切にする文化的背景から生まれています。


5 【中東・アフリカ】異性間はタブー?宗教やマナーによる視線のルール

中東やアフリカの一部では、さらに複雑なルールがあります。

同性同士:長めのアイコンタクトが友情や尊敬を表すことも
異性間:宗教的・文化的な理由から、視線を合わせないことがマナーの場合も
地位による違い:社会的立場によってアイコンタクトの取り方が変わります


6 異文化コミュニケーションにおける「視線」の重要性と誤解を防ぐコツ

グローバル化が進む現代では、異なる文化背景を持つ人々と接する機会が増えています。

アイコンタクトの文化的な違いを理解することで:
誤解を防ぐことができます
より良い人間関係を築けます
相手の文化への敬意を示せます


7 自信を持って目を見て話すために(まとめ・治療案内)

⚪️アイコンタクトは、文化によって「正解」が異なる奥深いコミュニケーション方法です。

⚪️科学的研究により、目と目を合わせることが脳レベルで人と人をつなぐ特別な行為であることが証明されました。同時に、その表現方法は文化によって多様であることも分かっています。

⚪️大切なのは、相手の文化的背景を理解し、尊重しながらコミュニケーションを取ること。この理解があってこそ、真の意味での「目と目で通じ合う」関係が築けるのではないでしょうか。

 


アイコンタクトのための治療

 


【参考文献】



1) Neural mechanisms of eye contact when listening to another person talking

Jing Jiang, et al.

Soc Cogn Affect Neurosci

2017;12(2):319-328



2) Real-Time Eye-to-Eye Contact Is Associated With Cross-Brain Neural Synchronization in Angular Gyrus

J Adam Noah, et al.

Front Hum Neurosci

2020:14:19

3) Predictive gaze cues and personality judgments: Should eye trust you?
Andrew P Bayliss, Steven P Tipper
Psychol Sci
2006;17(6):514-20

4) 日本人はアイコンタクトをとられると「近づきがたい」と感じる―より円滑な異文化コミュニケーションに向けて―
東京大学PRESS RELEASES
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/press/p01_250314.html


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制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2026年1月3日)

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2024.07.29更新

1 はじめに

紫外線対策への意識が世界的に高まる中、日焼け止めは現代のスキンケアに欠かせないアイテムとなりました。世界の日焼け止め市場は2017年の15.5億ドルから、2029年には53.4億ドルに達すると予測されており(文献1)、驚異的な成長を続けています。

しかし、この市場拡大とともに「SPFは高ければ高いほど良いのか?」という疑問も浮上しています。

SPF100の日焼け止めは本当に必要なのでしょうか?そして、高SPF製品による肌荒れのリスクはどの程度なのでしょうか?


本記事では、SPFの最高値に関する国際的な規制状況と、日焼け止めによる肌荒れの関係について、最新の皮膚科学的エビデンスに基づいて詳しく解説します。


2 SPFの最高値と日本の規制:なぜ最大は50+なのか


日本におけるSPF戦争

2-1 日本におけるSPF規制の歴史と「SPF戦争」

かつて日本では「SPF戦争」と呼ばれる時代がありました。各メーカーが競ってSPF値を高め、ついにはSPF100を超える日焼け止めまで登場したのです。しかし、この競争には大きな落とし穴がありました。

高SPF製品の使用者から肌荒れの報告が相次いだことを受け、1999年に日本化粧品工業連合会(粧工連)は自主規制を導入。SPFの最大値を50+と定め、2025年現在もこの基準が継続されています。この決定は、効果と安全性のバランスを重視した結果でした。

2-2 世界と日本の違い:SPF100が存在する国と規制

興味深いことに、SPFの最大値に関する規制は国によって大きく異なります。
アメリカでは現在もSPF値に上限規制がありません。市場にはSPF100の日焼け止めも流通していますが、FDA(米国食品医薬品局)は将来的にSPF60+を上限とする新規制を提案しています。

一方、EUでは公式な上限値は設定されていないものの、SPFが50を超える製品はSPF 50+と表示しなければならないという表示規制があるため、実質的にSPF50+が最大値として機能しています。


3 SPF100の日焼け止めは必要?SPF50との違いと効果

3-1 理論値と実際の効果:SPF50と100の差

理論的には、SPF50の日焼け止めは紫外線の98%をカットし、SPF100は99%をカットします。わずか1%の差に思えますが、2018年の米国皮膚科学会誌に掲載された研究では興味深い結果が示されました(文献2)。

199名を対象とした比較試験において、SPF100+製品はSPF50+製品より有意に高い日焼け防止効果を示したのです。これは、実際の使用条件下では理論値以上の差が生じることを示唆しています。


3-2 なぜ表示通りの効果が出ないのか

多くの人は推奨量(2mg/cm²)よりも少ない量の日焼け止めしか塗りません。塗布量が不足すると、実際のSPF値は表示値を大きく下回ります。このため、高SPF製品を使用することで、塗布量不足による防御力低下をある程度カバーできる可能性があります。


4 日焼け止めで肌荒れする原因|高SPFと成分の関係

4-1 SPF値が高いほど肌荒れリスクが上がる理由

SPFが上昇するにつれて、紫外線フィルターの成分濃度も必然的に増加します。一つのフィルター成分には配合上限があるため、SPFの高い日焼け止めでは複数のフィルターを組み合わせる必要があります。

その結果、高SPF製品は
●よりオイリーな使用感になりやすい
●複数の化学フィルターによる刺激リスクが上昇
●アレルギー反応や接触性皮膚炎の可能性が高まる
ことになります。

もし日焼け止めで肌が荒れてしまった場合や、もともとバリア機能が低下している場合は、保湿による保護が最優先です。
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4-2 注意すべき成分と肌への負担

最も刺激性が報告される成分として、以下の3つが挙げられます:

⚫️アボベンゾン(高SPF製品の79%に含有)
⚫️オクトクリレン(77%)
⚫️オキシベンゾン(69%)
これらの成分は高SPF製品ほど高濃度で配合される傾向があり、肌荒れのリスクを高める可能性があります。


5 規制のない米国でもSPF100は少数派?消費者の動向

5-1 アメリカ市場から見える消費者心理

規制のないアメリカ市場のデータは非常に興味深い示唆を与えてくれます。2024年の調査(文献1)によると、アメリカの消費者のSPF選択は:
●SPF50:25%
●SPF30:23%
●SPF15:6%
●SPF100:3%

注目すべきは、規制がないにも関わらず、SPF100の日焼け止めを選ぶ人はわずか3%という点です。消費者は本能的に「効果と安全性のバランス」を求めていることがわかります。


5-2 日本市場の特徴

日本では、SPF50+/PA++++製品がプレミアムセグメントを形成しています。日本のサンケア製品市場規模は2024年に約1,242億円、2033年には約2,044億円に達すると予測されており(文献3)、特に「軽い使用感」と「化粧下地との相性」を重視した製品開発が進んでいます。


6 【医師推奨】日焼け止めSPFの正しい選び方

6-1 医学的コンセンサスに基づく選択

米国皮膚科学会(AAD)をはじめとする主要な皮膚科学会は、SPF30以上の広域スペクトラム日焼け止めを推奨しています。SPF30-50の範囲が「防御効果と刺激リスクのバランスが最適」という医学的コンセンサスが形成されています。


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敏感肌の方にも安心。クリニック推奨の医療機関専売の日焼け止め「UVプロテクトミルク」。 肌への負担を抑えつつ、日常の紫外線をしっかりカットします。


6-2 シーン別・肌質別の最適なSPF値

日常使い(▶︎おすすめはUVプロテクトミルクN
⚪️SPF30、PA+++以上
⚪️軽い使用感の製品
⚪️毎日継続できる快適さを重視

屋外活動・レジャー(▶︎おすすめはUVプロテクトミルクS
⚪️SPF50+、PA++++
⚪️耐水性のある製品
⚪️2-3時間ごとの塗り直しが重要

敏感肌・肌荒れが心配な方(▶︎おすすめはUVプロテクトミルクN
⚪️酸化亜鉛・酸化チタン配合のノンケミカル製剤
⚪️SPF30程度でも十分な効果
⚪️パッチテストを行ってから使用


7 最後に:SPFの最高値より大切なこと


SPF最高値より大切なこと

日焼け止めのSPF最大値は、各国の規制や市場の自主規制により異なりますが、重要なのは「高ければ良い」という単純な話ではありません。

SPF100の日焼け止めには確かに高い防御効果がありますが、同時に肌荒れのリスクも上昇します。日本でSPFの最高値が50+に規制されているのは、この効果とリスクのバランスを考慮した結果なのです。

最も大切なのは
◉適切なSPF値(30-50)の製品を選ぶ
◉十分な量を塗布する(顔全体で小さじ1/2程度)
◉外にいる間は2-3時間ごとに塗り直す
◉自分の肌質に合った製品を選ぶ


これらの基本を守ることで、肌荒れのリスクを最小限に抑えながら、効果的な紫外線対策が可能になります。日焼け止めは毎日使うものだからこそ、「続けられる」製品選びが何より重要なのです。


【シミが気になり始めた方へ】
適切な紫外線対策をしていても、過去の蓄積でシミができてしまうことがあります。当院では、できてしまったシミに対する専門的なレーザー治療も行っています。
▶︎▶︎気になるシミをピンポイントで治療「Qスイッチルビーレーザー」について詳しく見る


【参考文献】
1) Market.us "Sunscreen Industry Statistics and Facts (2025)"
https://media.market.us/sunscreen-industry-statistics/

2) SPF 100+ sunscreen is more protective against sunburn than SPF 50+ in actual use: Results of a randomized, double-blind, split-face, natural sunlight exposure clinical trial. Williams JD, et al.
J Am Acad Dermatol
2018;78(5):902-910

3) IMARC Group "Japan Sun Care Products Market Price Trends, Report 2033" https://www.imarcgroup.com/japan-sun-care-products-market

 

 

 

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制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2025年7月20日)

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2023.05.12更新

美容クリニックでボツリヌス療法(ほんとうは製剤名で書いた方がわかりやすいですが)を続けていると、だんだん効きが悪くなったり、効果の持続時間が短くなったりすることがあります。それがボツリヌス療法の「耐性」問題。


この「耐性」については、以前から防ぐ方法はわかっていました。それはドイツのメルツ社が製造するゼオミンを使うこと。ゼオミンは神経毒素以外の余分なボツリヌス菌由来のタンパク質を含みません。そのため免疫を刺激して抗体を作ることがないとされ、実際ゼオミンのみを使用していて耐性が生じたとする報告はありません。


ただし、実際に美容目的でボツリヌス療法を続けて、中和抗体ができてしまう確率は、0.2~0.4%と高くはありません。「美容医療でのボツリヌス療法で使われる量は少ないから心配しなくてもよい」という楽観論が支配的でした。


そのため、美容医療業界では、ボツリヌス療法でどの製剤を使うかは、「耐性」問題が表面化しない限りどれでもいいが、「耐性」が疑われ出したらゼオミンに変更するというのが、これまでの「常識」でした。


ゼオミン自体はかなり前から市場に出回っている製剤ですから、日本でも扱っているクリニックは数多くあります。その他の製剤とともに製剤選択肢のひとつとして位置付けられているに過ぎません。


ところが、これまでの「常識」を見直す動きが出始めました。この動きを牽引しているのは、なんと米国形成外科学会(正確には米国形成外科学会の関連オープンアクセス誌)です。


背景にあるのは、ひとつは「美容医療でのボツリヌス療法で使われる量は少ないから」を言い訳にしていたのに、美容医療でのボツリヌス療法の適応が広がり、使用量も増えていること。もうひとつは美容医療以外でもボツリヌス療法が使われる疾患の増加。


ボツリヌス療法を取り巻く状況は大きく様変わりしています。ボツリヌス療法で検索すると、驚くほど多くの一般診療の医療機関が引っかかるご時世になりました。今のところボツリヌス療法が使われるのは一部の神経疾患ですが、その中には脳卒中の後遺症も含まれ、決して珍しい疾患だけとは言い切れません。今後さらに多くの病気治療に使われるようになることも予想されます。将来的には誰でも病気の治療のためにボツリヌス療法が必要になるかもしれません。


「耐性」の何が問題かと言えば、将来ボツリヌス療法が適応となる疾患になったときに、耐性ができていたらボツリヌス療法が使えなくなることなのです。


個人的な見解ですが、米国形成外科学会はその公的な立場上、あからさまに一社の製剤を勧めるわけにはいかない。それでも重大な問題であるからメッセージは発する必要がある。そこで学会直属の機関誌ではなく、学術誌としては格下になるけれども、逆にオープンアクセス誌だから誰にも見てもらえる姉妹誌から、「耐性」を扱う文献を掲載することにしたのではないでしょうか。昨年2回も。


その中では、「耐性の症状が生じる前から」、「初めてボツリヌス療法を受ける人にも」、「できるだけ耐性を生じにくい製剤(つまりはゼオミン)」を使うべきと結論づけられています。ボツリヌス療法のスタンダードを、これまでのように耐性を疑ってからゼオミンに変更するのではなく、初めから(!)使う方向へと変わることを促す内容です。


こうした文献を読んで、当院ではボツリヌス療法で使う製剤をボトックスからゼオミンに変更しました。厚労省承認製剤のボトックスか、耐性を作らないゼオミンか相当悩みましたが、美容でのボツリヌス療法で「耐性」を生じさせることは、何としても防がなければならないという思いが決め手になりました。

 

未来につなげるボツリヌス療法


ゼオミン(BOCOUTURE)を取り扱う代理店に発注した時に聞いた話では、まだ国内の美容クリニックで明らかな動きはないということでした。米国形成外科学会の関連オープンアクセス誌上で展開される啓蒙活動に、日本の美容医療界がどう反応するのか、それとも気づかずにスルーするのか、既読スルーするのか興味深く見守りたいと思います。

 

 

(参考文献)
1) Neurotoxin Impurities: A Review of Threats to Efficacy
Je-Young Park, et al.
Plast ReconstrSurg Glob Open
2020;8(1):e2627

2) Immunogenicity Associated with Aesthetic Botulinumtoxin A: A Survey of Asia-Pacific Physicians' Experiences and Recommendations
Je-Young Park, et al.
Plast ReconstrSurg Glob Open
2022;10(4):e4217

3) Emerging Trends in Botulinum Neurotoxin A Resistance: An International Multidisciplinary Review and Consensus
Wilson W S Ho, et al.
Plast ReconstrSurg Glob Open
2022;10(6):e4407

4) Immunogenicity of Botulinum Toxin Formulations: Potential Therapeutic Implications
Warner W Carr, et al.
Adv Ther
2021;38(10):5046-5064




 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.10.02更新

日焼け止めの課題

それは、もっと長波長側への防御能の拡大。

現在米国では、紫外線のUVBの防御能の目安には日本と同様にSPFがありますが、UVBより波長の長いUVAについては、“broad spectrum”というちょっとわかりにくい表現を採用しています。

そして、日焼け止めというのは波長が長いほど防御は難しくなるわけですが、少なくとも370nmまでの波長までは90%以上をブロックできる日焼け止めだけが“broad-spectrum”と表記できることになっています。ただし370nmは320~400nmのUVA領域。つまり長波長のUVAは十分ブロックできなくても仕方ないと認めた基準なのです。

このように現状では、紫外線のUVA領域ですら、全体をカバーできていないのが現状なのに、ここにきて、さらに長波長の可視光線の問題が話題になっています。

従来は可視光線(人が目で光、色として捉えることができる波長の光線)は皮膚には無害とされていたのですが、可視光線の中でも特にブルーライトは、肌の色の濃いタイプの人では日焼けの原因になることが確定的になってきました(色白の人では赤くなるだけ)。


可視光線の防ぎ方

では可視光線対策にはどうすればいいの!とすぐに心が騒ぐ気持ちもわかりますが、実は可視光線は目に見えるので、その防御能もある程度見た目からも判断できます。

まず透明な日焼け止めはまったく無力。可視光線を吸収も反射もしないからこそ透明なのですから。

塗って白くなる日焼け止めはある程度有効。白く見えるということは可視光線全域を表面で反射しています。当然ブルーライトもある程度反射しています。

可視光線対策としてもっと優れているのが、黄色や赤や黒の色素でブルーライトを吸収してしまう方法。たとえば黄色に見えるのは黄色だけを反射してそれ以外の色を吸収しているから黄色に見えるわけで、ブルーライトも吸収しています。黒はすべての可視光線を吸収しているからそう見えるので、これが一番強力。ただし、黒の日焼けめでは売れそうにありません。

実際には、黒、赤、黄色をした酸化鉄を白の酸化チタンと合わせることで、肌の色味に合わせて調整した日焼け止めがあります。これが米国で販売されているtinted sunscreen(「色つき」日焼け止め)


「色付き」にしてくれ


次世代の標準日焼け止めか!?

これが現状では、可視光線対策としての日焼け止めの決定版。tinted sunscreen(「色つき」日焼け止め)を使用すれば可視光線の浸透を93~98%防げるとか。最近の日焼け止めの文献では、肌の色の濃いタイプの方には、tinted sunscreen(「色つき」日焼け止め)を推奨しています。


tinted sunscreen(「色つき」日焼け止め)が必要なのは?

「次世代の」と大げさに書きましたが、全員にtinted sunscreen(「色つき」日焼け止め)が必要なわけではありません。

tinted sunscreen(「色つき」日焼け止め)が必要なのは、
1)光線過敏症状のある方
2)肝斑や色素沈着で治療している方
3)肌の色の濃いタイプで日焼けを避けたい方
に限られます。

「限られます」としたものの、3)を入れたら、結構な割合の人が当てはまりそう。

日本でtinted sunscreen(「色つき」日焼け止め)はどう手に入れたらいい?

では、日本で市場に出回っている製品にもtinted sunscreen(「色つき」日焼け止め)に該当する日焼け止めはあるのでしょうか?それとも海外のサイトから購入するしかないのでしょうか?

もっと時代の先端を走って!NAVISION

当院でも取り扱っているナビジョンを見ていると、「色つき」の日焼け止めがあって、それには見分けるポイントになる「酸化鉄」が含まれています。もしかしてtinted sunscreen(「色つき」日焼け止め)?とさっそく問い合わせてみましたが、「この製品は可視光線対策として設計されていません。」だって。「今後も研究を継続していきます」って、もっと自分から道を切り開いていかなかったら、永遠にラロッシュ・ポゼに勝てないよ!


とぼけるな、ラロッシュ・ポゼ!

世界的に美容皮膚科御用達の日焼け止めの感もあるラロッシュ・ポゼの製品の中から、米国ではtinted sunscreen(「色つき」日焼け止め)として販売しているものなら間違いないと思い、問い合わせたところ「日本で販売されている製品の中で、どれが米国ではtinted sunscreenと表記しているか、こちらでは把握しておりません!」とまさかのすっとぼけた回答。製品の中には酸化鉄を含む「色つき」があって怪しいが・・・。どうもラロッシュ・ポゼは米国で出している製品と日本を含むアジアで出している製品は違うらしい。

最後は米国頼みか・・

最大の問題は、tinted sunscreen(「色つき」日焼け止め)の決め手になる成分の酸化鉄が、実は米国FDAのリストでは無効(!)な成分に分類されていたり、紫外線のSPFに相当する防御能の表記も定まっていないなど、とにかく制度が時代遅れになっていること。

tinted sunscreen(「色つき」日焼け止め)を名乗るルールもないから、悪意を持ったメーカーの登場を防げません。

米国FDAが動けば、世界が動くわけですから、どうしても期待してしまうのですが、FDAは日焼け止めについては、有効成分の承認が遅れていることも長らく批判されていて、日焼け止め部門(そんなのあるか知らんけど)の動きの遅いのが気になります。

結論

可視光線からの保護:

⚪️最新の研究では、可視光線も肝斑の悪化に関与する可能性が示唆されています。
⚪️酸化鉄を含む色付きの日焼け止めは、可視光線からも保護する効果がありますが、日本で製造販売される日焼け止めは酸化鉄を含んでいても可視光線防御には十分ではなく、この意味で推奨できる日焼け止めはありません。
⚪️可視光線からの保護のためには、抗酸化療法(ビタミンE+Cなど)を推奨します。


 追加)ようやく国内の製品で、(色味の調整ではなく)フィルターとして酸化鉄を含む製品を見つけました!ロート製薬のDRX UVプロテクトミルクSです。


1)光線過敏症状のある方
2)肝斑や色素沈着で治療している方
3)肌の色の濃いタイプで日焼けを避けたい方
4)美白ケアのレベルを上げたい方
に強く推薦します。

当院で販売を開始しました。
DRX UVプロテクトミルクS 1本(40ml)2,310円(税込)



DRX UVプロテクトミルクS

 

 関連サイト

 

(参考文献)
1) Photoprotection beyond ultraviolet radiation: A review of tinted sunscreens
Lyons AB, et al.
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1393-1397

2) Practical guide to tinted sunscreens
Torres AE, et al.
J Am Acad Dermatol.
2022;87(3):656-657

5) Visible light Part II: Photoprotection against visible and ultraviolet light
Geisler AN, et al.
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1233-1244


 

 

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制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2025年7月25日)

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.09.14更新

日焼け止め30分前問題


夏になると決まってネットに「日焼け止めは、外に出る30分前に塗るべき」というネット記事が流れ、ときにはX(旧Twitter)で議論を巻き起こします。

先日もネット記事にX上で批判の嵐が巻き起こり、中にはメーカー各社に確認を取る方も現れて、結局、質問した10社ほどのすべて
「塗ればすぐに有効」と返答したと投稿されていました。そのときXでは「即効説」の圧勝となり、「30分前説」は瞬殺されました。

確かに塗った瞬間から肌に到達する紫外線を反射・吸収するはずですから、「即効説」が当然に思えます。しかし医師としては、「即効説」を声高に叫ぶのはちょっと気が引けるのです。


日焼け止めを塗るタイミングは「30分前」が正解?ネットの議論を検証

ネット上では「日焼け止めは塗ってすぐ効く」という主張と、「30分前に塗らないと意味がない」という主張が対立しています。化粧品メーカー各社への問い合わせ結果を見る限り、業界の見解は「塗布直後から効果がある」で一致しているようです。

では、なぜ「30分前説」がこれほど広まっているのでしょうか。実はこの説、単なる都市伝説ではなく、れっきとした国際機関の推奨に基づいているのです。


なぜWHOや医学文献は「15~30分前」を推奨するのか

「即効説」に気が引ける理由は、外出時の日焼け止めを塗るタイミングとして、米国皮膚科学会は15分前(文献1)、WHO(世界保健機関)は20〜30分前(文献2)を推奨しているからです。普段目にする医学文献でもほとんどが、外出の15〜30分前に塗るようにと書かれています。

「なぜ外出の15〜30分前でなければならないのか?」——この疑問に答えるため、私は基礎的な日焼け止めの文献を手当たり次第に読むことにしました。最も愚直で遠回りに思えましたが、案外あっけなく答えを見つけることができました。

教えてくれたのは、カナダ皮膚科学会の公式ジャーナルでした。そこには「日焼け止めの試験方法に基づいて、日光を浴びる15~30分前に露出部位に日焼け止めを塗るべきと言われるが、この使用法を支持する証拠は完全に欠如している」と明確に述べられていました(文献3)。

つまり、世界の権威ある機関が「15〜30分前説」を取る理由は、国際的な試験プロトコルにあったのです。日焼け止めの効果を測定する際、水分の影響や肌への定着などのばらつきを排除するため、塗布後一定時間(15分~30分)を置いてから測定を開始することになっています。

公式には日焼け止めを塗ってすぐに効果を発揮することは「証明されていない」——あくまで一定時間を置いた後の効果が「証明されている」だけ。それが「日焼け止め15〜30分前」説の本当の理由なのです。


医学的根拠が示す真実:日焼け止めは直前でも効果がある

同じ文献に、「即効説」を裏付ける根拠も示されています。UV写真技術を用いて、日焼け止めが実際にいつから保護効果を発揮するかを視覚的に評価した研究によれば、日焼け止めの保護効果は塗布直後から始まり、その効果は最長でも10分後には最適化されることが実証されました(文献4)。

現代の医学的コンセンサスとしては、日焼け止めは塗布直後から効果があり、水に入る場合を除いて15〜30分待つ必要はないというのが最新の見解と言えるでしょう。

世界的権威はあくまでも「試験で証明された効果」を推奨する立場を取ります。そのため、実生活での使い方とは少しズレが生じているのです。


外出直前や水に入る時など、シーン別日焼け止めの正しい使い方

では、実際の生活ではどうすればよいのでしょうか。シーン別にポイントをお伝えします。

外出直前でも塗らないよりはずっとよい
たとえ出かけるギリギリに塗ったとしても、日焼け止めは確実に紫外線をブロックしてくれます。「30分前に塗れなかったから今日は諦めよう」と考える必要はありません。塗らないよりは塗るほうが圧倒的に効果的です。


水に濡れる予定があるなら早めに塗る
プールや海水浴など水に入る直前の塗布は、まだ肌に定着していない分、流れ落ちやすくなります。その場合は少なくとも10分前に塗っておくと安心です。ウォータープルーフタイプでも、肌になじませる時間を確保したほうが効果を発揮しやすくなります。


こまめな塗り直しを心がける
どんなにSPFが高くても、時間の経過や汗、水などで落ちてしまうことがあります。屋外で長時間過ごす場合は2〜3時間おきを目安に塗り直して、しっかりとした保護効果をキープしましょう。


まとめ

✅日焼け止めを30分前に塗ることを推奨する理由は、日焼け止めの効果を測定する際の国際的ルール(試験プロトコル)に基づいていることが最大の根拠でした。「塗った直後にはまったく効かない」というわけではなく、外出直前に塗っても十分に効果は期待できます。

✅これからも「日焼け止めは外に出る30分前に塗るべき!」というニュースを見かけるかもしれませんが、その理由を知った今なら、必要以上に神経質になることはないでしょう。

✅大事なのは、外出のタイミングやシーンに応じて賢く塗ること。あなたの肌を守る最適な方法で、今年も紫外線対策をしっかり行ってください。

当院では、肌への負担を抑えつつ高い遮光効果を持つ医療機関専売の日焼け止めを取り扱っています。市販品で肌荒れしてしまう方や、より確実な対策をしたい方はぜひご相談ください。

▶ 当院取り扱いの「UVプロテクトミルク」詳細はこちら

+αのアドバイス:紫外線を浴びてしまったら 日焼け止めで防ぎきれなかった紫外線ダメージには、抗酸化作用のあるビタミンCでのケアが有効です。塗るタイミングと合わせて、日々のスキンケアも見直してみましょう。

▶ 紫外線ダメージのケアに「高濃度ビタミンCジェル

 

▶すでにできてしまったシミが気になる方へ


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【参考文献】

1) How to apply sunscreen(米国皮膚科学会サイト)https://aad.org/public/everyday-care/sun-protection/shade-clothing-sunscreen/how-to-apply-sunscreen

2) 世界保健機関 (WHO). “Radiation: Protecting against skin cancer”. 2024-07-16.
https://www.who.int/news-room/questions-and-answers/item/radiation-protecting-against-skin-cancer
(参照 2026-01-08)

3) Sunscreen application, safety, and sun protection: the evidence
Heidi Li, et al.
J Cutan Med Surg
2019;23(4):357-369

4) Time required for a standard sunscreen to become effective following application: a UV photography study
M V de Gálvez, et al.
J Eur Acad Dermatol Venereol
2018 Apr;32(4):e123-e124

 

 

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制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2026年1月9日)

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

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