ディフェリン

ディフェリンの意外な効果と使い方:徹底解説


ディフェリンは、ニキビ治療薬として広く知られていますが、実はエイジングケアにも非常に効果的です。

皮膚のターンオーバーを促進し、肌を新しく作り替えてくれます。これにより、肌の弾力が増し、細かいシワやたるみの改善が期待できます。

レチノイドの中でも刺激がマイルドなため、これまでトレチノインなどのレチノイドを使いこなせなかった方にも適しています。



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こんな方におすすめ

 

  • 1.お肌のエイジングケアに取り組みたい
  • 2.肌のざらつき、毛穴、シミ、くすみ、シワが目立つ
  • 3.トレチノインに挫折した




ディフェリンの使い方 

はじめの1ヶ月

1日おきに、夜の洗顔後水分をよく拭き取ってから最初に使います。

エイジングケアですからお顔全体に塗ります。

*1日おきでも刺激症状が強ければ、3日に1度、4日に1度と間隔をあけ、症状が収まったら少しずつ間隔を戻します。場合によりショートコンタクト法を指導することもあります。

2ヶ月目以降

刺激症状が収まっていたら、夜1回から朝、夜の1日2回に増やします。

念のため、昼は日焼け止めをお使い下さい。

ディフェリンは休薬期間を置く必要はありません。継続して使用して下さい。

*当院ではご不明な点やお困りのことがある方には医師がメールでお答えして、続けて使えるようサポートしています。



刺激反応への対策

 

ディフェリンを使い始めて数日すると、多くの方で刺激反応が出現します。

刺激反応には

  • 赤み
  • 皮むけ
  • ヒリヒリ感
  • 乾燥

があり、これらは使用を中止してしまう原因になります。

この反応は、1〜2週間すれば自然になくなります。

従来対策としては

  • 必ず保湿剤を併用する
  • 塗る量を減らす

などと指導されてきましたが、これでは不十分であり、上記の使い方をおすすめします。



 

 

価格表

アダパレン(ディフェリン)価格(税込)
0.1%ゲル 1,980円
0.3%ゲル 準備中


*当院では保険診療は行っていません。自由診療で全額自己負担になります。


その他のレチノイド療法

 

 




よくいただくご質問

Q

刺激反応について

A

アダパレン(ディフェリン)の代表的な作用が皮膚のターンオーバーの促進ですが、刺激反応とはそれが極端に現れた症状です。皮膚には耐性が生じるので、1,2週間で症状は収まります。もしまったく刺激症状がない場合は、濃度が低いことも考えられます。

Q

アダパレン(ディフェリン)にはどんな作用がありますか?

A


アダパレン(ディフェリン)は、第3世代レチノイドで
1)表皮での新陳代謝促進
2)真皮でのコラーゲンの増生と分解の抑制
3)紫外線の悪影響の抑制
などの作用があります。

Q

A


アダパレン(ディフェリン)は、第3世代合成レチノイドです。

レチノイドは細胞の核内にあるレチノイド受容体に結合して、さまざまな作用を及ぼします。天然型のトレチノインは、すべての受容体に結合し広範な作用を発揮します。アダパレン(ディフェリン)は、選択的に皮膚にある受容体をメインに結合します。

こうした選択的な受容体との結合が、副作用の軽減、使用する上での安全性に寄与していると考えられています。

Q

妊娠、授乳中について

A


妊娠している、妊娠しているかもしれない、または妊娠を希望して治療をしている方は使用しないで下さい。妊娠中の使用に関する安全性は確立していません。

授乳中には使用しないことが望ましいですが、やむを得ず使用する場合は、授乳を避けて下さい。母乳への移行についてはわかっていません。




ディフェリンのエビデンス

これまでのX(旧Twitter)への投稿を集めました

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~ディフェリン(1)
      ディフェリンが最初にニキビ治療薬として米国FDAに承認されたのは1996年。米国では、2016年から0.1%ゲルは薬局でも購入できる。0.1%クリーム、ローション、0.3%ゲルは処方箋が必要。
      StatPearls 2022 Jan 4  (2022年3月7日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~ディフェリン(2)
      ディフェリンは、第3世代合成レチノイド。合成レチノイドは、トレチノインの副作用を軽減させることを目指して開発されている。
      StatPearls 2022 Jan 4  (2022年3月8日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~ディフェリン(3)
      米国FDAに承認されたニキビ治療に使われるレチノイドは、ディフェリン、トレチノイン、タザロテン、トリファロテン。作用機序は、いずれもコメド(白ニキビ)の予防と抗炎症作用。
      StatPearls 2022 Jan 4  (2022年3月9日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~ディフェリン(4)
      米国FDAに承認されたニキビ治療に使われるレチノイドは、ディフェリン、トレチノイン、タザロテン、トリファロテン。ディフェリンは効果はもっともマイルドだが、もっとも使いやすい。
      StatPearls 2022 Jan 4  (2022年3月10日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~ディフェリン(5)
      ディフェリンは、他のレチノイドに比べ、物質としての安定性にすぐれている。そのため使用にさいし、日中紫外線を浴びても問題になることは少ないし、薬剤として過酸化ベンゾイルの配合も可能(エピデュオゲル)。
      StatPearls 2022 Jan 4  (2022年3月11日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~ディフェリン(6)
      ディフェリンの抗炎症効果は、ベタメタゾン吉草酸エステルクリーム(ステロイド)にも匹敵する。
      StatPearls 2022 Jan 4  (2022年3月12日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~ディフェリン(7)
      ディフェリンの米国FDAによる胎児に対するリスク分類はカテゴリーC。妊娠中はさけるべきとされる。
      StatPearls 2022 Jan 4  (2022年3月13日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~ディフェリン(8)
      日光角化症、日光性のシミへのディフェリン0.1%、0.3%ゲルの効果を調べた研究。使用法は、夜1回、洗顔後に豆粒大(a pea-sized)を顔全体に塗る、1ヶ月後に刺激反応が収まっていれば、2ヶ月目以降は夜にも塗る。
      J Am Acad Dermatol
      2003;49(1):83-90  (2022年3月14日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~ディフェリン(9)
      光老化の症状である日光角化症へのディフェリン0.1%、0.3%ゲルの効果。0.3%ゲルは、9ヶ月間の使用で日光角化症(前癌病変)の数を減らした。
      (補足:日光角化症に効果ないとした文献もある。)
      J Am Acad Dermatol
      2003;49(1):83-90  (2022年3月15日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~ディフェリン(10)
      光老化の症状である日光性のシミへのディフェリン0.1%、0.3%ゲルの効果。数は変わらなかったが、色味は、0.1%、0.3%ともにおよそ60%の症例で改善した。
      J Am Acad Dermatol
      2003;49(1):83-90  (2022年3月16日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~ディフェリン(11)
      光老化の症状へのディフェリン0.1%、0.3%ゲルの効果。効果があったのは
      ・斑状のシミ
      ・全体の印象
      ・小ジワ
      ・赤み
      変わらなかったのは大ジワ。
      J Am Acad Dermatol
      2003;49(1):83-90  (2022年3月17日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~ディフェリン(12)
      光老化症状へのディフェリン0.1%、0.3%ゲルの効果をみた研究。使い続けられるかは、0.1%、0.3%ゲルに差はなかったが、刺激反応の出現率は、0.1%ゲルで25%、0.3%ゲルで40%。
      (補足:やはり濃度が高い方が大変。)
      J Am Acad Dermatol
      2003;49(1):83-90  (2022年3月18日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~ディフェリン(13)
      南米チリの女性40人に0.3%ゲルを夜1回6ヶ月使用した研究。小ジワ、メラニン色素量、バリア機能、保水性が改善した。刺激反応から使用を中止したのは3名。
      (補足:対象者はスキンタイプⅡ~Ⅲで、日本人と同様。)
      J Dermatolog Treat.
      2012;23:57-64  (2022年3月19日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~ディフェリン(14)
      南米チリの女性40人に0.3%ゲルを夜1回6ヶ月使用した研究。自己診断としては、対象者の97%が、皮膚が柔らかくなったと回答した。
      (補足:対象者は、いずれも経済的にコスメ、美容医療に無縁だった人たち。)
      J Dermatolog Treat.
      2012;23:57-64  (2022年3月20日)




参考文献

 

1)Adapalene
Tolaymat L,et al.
StatPearls
2022 Jan 4
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK482509/

2)Assessment of adapalene gel for the treatment of actinic keratoses and lentigines: a randomized trial
Kang S,et al.
J Am Acad Dermatol
2003;49(1):83-90

3)Clinical efficacy of adapalene(Differin) 0.3% gel in Chilean women with cutaneous photoaging
Herane MI,et al.
J Dermatolog Treat.
2012;23:57-64

4)Comparable efficacy of adapalene 0.3% gel and tretinoin 0.05% cream as treatment for cutaneous photoaging
Bagatin E,et al.
Eur J Dermatol.
2018;28(3):343-350