2022.03.24更新

大げさな言い方になりますが、人生100年時代には中分子ヒアルロン酸は必須です。使わなければ命が100年もっても、肌がもたないから。

みんなにとって必要なものなので、作り方を公開します。これを商品化して一儲けしようという人が出てこないように。

作り方は簡単、容器に水とヒアルロン酸粉末を入れて振るだけ! ポイントはヒアルロン酸の分子量。5万から40万のヒアルロン酸を選ぶこと。

使い方は、顔には化粧水として、ボディには保湿クリームと併用してお使い下さい。


100ccの3%ローションを作成する方法
*あくまで自己責任としてご使用下さい。
*防腐剤、保存料は入っていませんので、冷蔵保存とし、1週間以内に使いきって下さい。色やにおいなど変化があればただちに使用を中止し、破棄して下さい。


1)用意するもの
・中分子ヒアルロン酸粉末(分子量5万~40万程度)
*ここでは誰でも入手しやすいようにニチエーのヒアルロン酸粉末で紹介しています。楽天で買えます。食品用です。
・精製水
・ビーカー
・(滅菌)容器
・計量器
・薬包紙(計量器に載せておく)

準備

2)精製水をビーカーに50ccとり、容器に入れる

精製水

3)計量器に載せた薬包紙の上にヒアルロン酸粉末を3.0g取ります。

ヒアルロン酸粉末

4)ヒアルロン酸を容器に入れます

ヒアルロン酸を容器へ

5)容器にフタをしてよく振る

振る

6)もう一度ビーカーに精製水50ccをとり、容器に入れる
7)容器にフタをしてよく振る


ヒアルロン酸粉末は溶けにくいときは、
5')精製水をビーカーに20ccとり、容器に入れる
6')容器にフタをしてよく振る
7')精製水をビーカーに30ccとり、容器に入れる
8')容器にフタをしてよく振る
のように水を少しずつ加えてもいいでしょう。

また、時間が経てば溶解するので、一晩放置すればたいてい溶けています。


ヒアルロン酸濃度は1%あればいいのですが、1%だとほぼ「水」で使いにくいので、ここでは3%で紹介しています。

注)厳密に言えば、3%濃度にするには、ヒアルロン酸3gを精製水97gに溶かすことになりますが、実用上変わりませんから、ヒアルロン酸3gを精製水100ccに溶かしています。

注)防腐剤、保存料は入っていませんので、冷蔵保存とし、1週間以内に使いきって下さい。色やにおいなど変化があればただちに使用を中止し、破棄して下さい。



中分子ヒアルロン酸がなぜこれまで商品化されなかったか?

おそらくそれは皮膚の老化が相当に進んだいわゆる「皮膚粗鬆症」には効果を認めても、そこまで老化が進んでいない肌では効果が見られなかったから。

しかし、エイジングケアとして考えれば、意味がないとは思いません。若い頃から使うことで、「皮膚粗鬆症」の症状の出ることを大幅に遅らせたり、防ぐことができるはず。

中分子ヒアルロン酸ローションが今すぐに役立つのは、自宅や高齢者施設で介護を受けている高齢者の方々の肌ケア。

私の小さな試みが、そんな方々の手足から少しでも内出血のアザや傷を減らすことにつながりますように。

 

関連サイトもお楽しみ下さい

 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.03.20更新

ニキビ治療薬であるディフェリンが、エイジング治療薬にもなるのはちょっと不思議に思うかもしれません。しかも、どちらでも第一選択という治療戦略上重要なポジションを占めています。

10代、20代のまだ「老化」を想像すらできない人たちがニキビ治療でディフェリンを使い、そして時が経って、「老化」に直面した頃に、また再びディフェリンのお世話になるというわけ。

ディフェリンという塗り薬は、第3世代合成レチノイドに分類されます。ちなみに合成レチノイドの最新事情を紹介すると、第4世代トリファロテンはニキビ治療薬として米国FDAが承認しています。第4世代で、まだ未承認ですが、注目はセレチノイドG。塗ってラップ巻いて密封療法のようにして使用しても刺激症状が出ないらしい、つまり無刺激。

そもそも合成レチノイドは、「刺激症状がなくて、効果はトレチノイン以上」を目標として、開発がすすめられています。「効果はトレチノイン以上」については、タザロテン、トリファロテンが、「刺激症状のない」ことではセレチノイドGが登場したので、あとはひとつで両方の条件を満たす製剤が誕生するかに期待が集まります。

さて、レチノイドを使った老化治療ということに話を戻すと、現状で米国FDAが承認しているのは、トレチノインとタザロテンのみ。残念ながらディフェリンは承認されてはいません。しかし、同じニキビに効くレチノイドですから、老化に効かないわけはなく、実際いくつか臨床試験も行われ、結果を残しています。

興味深かったのは、皮膚科のトップジャーナル(米国皮膚科学会の公式ジャーナル)。さすがに敷居が高いところはいい加減な言い方は許さないというか、光老化全体の治療とは認めず、その症状である前がん病変、シミの2つに対象を絞ってディフェリンの効果をみた臨床研究になっています。

FDAもまだ公式には老化を疾病とは認めていないので、米国皮膚科学会としても他の安っぽいジャーナル(?)みたいに、すぐに雑な言い方をして光老化に有効とは意地でも言わせたくなかったのでしょう。

このときの臨床試験での使用方法というのが、夜1回、洗顔後に豆粒大(a pea-sized)を顔全体に塗る、1ヶ月後に刺激反応が収まっていれば、2ヶ月目以降は朝にも塗るというもので、ディフェリンをエイジングケアとして使うならこの使用法をおすすめしたいと思います。

どこまでも慎重な姿勢を崩さない米国皮膚科学会にかわって、どこまでも軽い私に言わせてもらえれば、ディフェリンは光老化、つまりは肌の老化に効果的です。

レチノイドでしばしば問題になる刺激反応も、すでにニキビ治療薬として広く使われているのですから恐れる必要はありません。日本で唯一の厚労省承認のレチノイド・ディフェリンは30代、40代のエイジングケアとして第一選択です(更年期が視野に入ってきたらレチナールをおすすめします)。


 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.03.13更新

その昔、中国の秦の始皇帝は、家来に命じて「不老不死の薬」を探させたとか。今の時代にあてはめれば、レチノイドはまさに、お肌の「不老不死の薬」というにふさわしい存在です。

ただし、レチノイドには、やっかいな副作用として刺激反応があります。そこで製薬メーカーは、「刺激作用のないトレチノイン」のような合成レチノイドを目指して新薬の開発に取り組んでいます。

今回、当院で取り扱いを開始したタザロテンは第3世代の合成レチノイド。日本でニキビ治療に使われるディフェリンと同世代になります。ディフェリンは繊細な(?)日本人にピッタリなマイルドなレチノイド。ハードなタザロテンが日本で承認薬として使える日はきっと来ないでしょう。

トレチノインとタザロテンはすでに米国FDAが、ニキビに対してだけでなく、光老化にも有効と認めています。そうなると、きっとゼオス〇ンをお使いの人など、どっちがいいの?と気になるのではないでしょうか。

結論からいうと、臨床試験では互角です。ただタザロテンの方が早期から効果を認めやすいので、使うならタザロテンでしょう。

ただ、ある文献で実際に臨床で使っている米国の医師が「ディフェリンは効果はマイルドだが、使い続けやすい」に続けて、「トレチノインは効果も使いやすさも中くらい」、「タザロテンはもっとも効果が強いが、もっとも続けにくい」と語っています。

米国人にも使い続けるのは大変と言わせてしまうとなると、日本人にとっては、タザロテンをアンチエイジング目的に毎日顔全体に塗るのはちょっときついかもしれません。

タザロテンで特筆すべきは「塗るだけのニキビ痕(アクネスカー)治療薬」であること!論文では、片顔はタザロテンを夜に1回3ヶ月間塗るだけ、片顔は月に一度、合計4回ダーマローラーをするという設定で、治療効果に差がなかったという衝撃的すぎる結末が報告されています。

さらにタザロテンは毛穴を小さくする効果も高いと評判です。ですから全体は無理でも、気になるところに部分的に使うのも十分ありだと思います。

もし不老不死の薬を捜索中の家来が私の前に現れたら・・バカバカしい空想話ですが・・、さっと私は「レチノイド」を差し出して、家来には始皇帝に献上するとき、こう耳打ちするように伝えます。「これで最期までお肌はピチピチです。」

きっと私はご褒美として酒池肉林に1年くらい招待されるに違いありません。

 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥