2025.03.17更新

「ハイフ(HIFU)」は、いまや“切らないリフトアップ”の代名詞のように語られることもありますが、本来のHIFUは、流行から生まれた技術ではありません。

音(超音波)を一点に集め、皮膚表面を大きく傷つけずに、体内の“狙った場所”だけに作用させる・・・その発想は、長い医療の挑戦の延長線上にあります。

この記事では、HIFUが「医療の夢」から「美容の選択肢」へ育ってきた道のりと、普及した今だからこそ大切な安全性、そして未来の方向性を、できるだけ分かりやすく整理します。


HIFUの原点は「切らずに治療する」医療の挑戦

HIFUのメカニズム


HIFUはHigh-Intensity Focused Ultrasound(高密度焦点式超音波)の略で、超音波エネルギーを焦点(フォーカス)に集めて、体内の一点で熱を発生させる技術です。

イメージとしては、虫眼鏡で光を集めて紙の一点だけを熱くするのに近い発想です。この「体の外から、体内の一点だけを変える」という考え方は、20世紀中頃から研究されてきました。ただ当時の最大の壁は、身体の中のターゲットが見えないことでした。


画像診断の進歩が、HIFUを“実用技術”に変えた

ハイフの美容への応用


HIFUが再び大きく前進した背景には、超音波(エコー)やMRIなど、画像診断・画像ガイドの進歩があります。狙う部位を確認しながら照射を設計できるようになったことで、HIFUは「理論として面白い」から「医療として使える」へ近づきました。

医療の世界で評価されたのは、単に“切らない”という点だけではありません。出血や術後の腫れ・回復期間といった負担を抑えつつ、ターゲットにピンポイントにエネルギーを届けられる可能性が示されたことが大きいのです。

この成功が、「メスを使わずに熱エネルギーを届けるなら、美容にも応用できるのでは?」という発想につながっていきます。


美容への決定打は「顔の層構造」との出会い(SMASをどう考えるか)

顔の層構造

美容領域でHIFUが注目された理由は、「熱を入れられる」からだけではありません。もう一つの鍵が、顔の“層構造”の理解です。

顔は、表面から見える皮膚(表皮・真皮)だけでできているわけではありません。皮下脂肪、線維性の層、表情筋やその周辺構造など、いくつもの層が重なっており、たるみやもたつきの原因も人によって異なります。

そこで美容HIFUでは、どの層に、どの深さで、どれくらいの密度で当てるかを設計していきます。言い換えると、同じ「たるみ」という言葉でも、原因の層が違えば“答え”も変わるということです。

ここで重要なのは、深く当てれば良いわけではない点です。脂肪量が少ない方、輪郭が細い方に同じ設計を当てると、引き締まりより先に“ボリューム変化”が目立ってしまう場合があります。美容HIFUは、機器名よりも「診断と設計」が結果を左右します。


第2世代以降の進化は「痛み・時間・ムラ」を減らす競争

「痛み・時間・ムラ」を減らす競争


美容HIFUの普及期には、痛みや施術時間、照射のムラ、コストなど、いくつもの課題がありました。2010年代以降の進化は、簡単に言えば“患者体験を良くする方向”に進んできた歴史でもあります。

照射効率を上げる工夫(例:複数ライン照射の発想)、施術プロトコルの洗練、エネルギー設計の改善などにより、同じ「HIFU」という言葉でも、体感や仕上がりの安定性は変わってきました。

ただし、ここでも本質は同じです。速さは価値になり得ますが、雑さは価値になりません。“強い一発”より、“狙った小さな点の積み重ね”。この設計思想が、現代のHIFUの基本です。


普及と同時に増えた課題——火傷・神経・“こけ”はなぜ起こる?

火傷・神経・こけ


HIFUが広がるにつれて、トラブルの話も目にするようになりました。ここで大切なのは、恐怖心を煽ることではなく、「なぜ起きるか」を構造的に理解することです。トラブルの多くは、機器の善し悪しだけでなく、適応・設計・当て方の組み合わせで起こります。

火傷(やけど):表層に熱が偏る条件(密着不良、照射の重なり、冷却やジェルの扱いなど)


神経症状:深度選択や照射部位の設定が不適切な場合に、しびれや違和感などが出る可能性


“頬こけ”:脂肪が少ない方・輪郭が細い方に、脂肪層への影響が強く出る出力で照射を重ねた場合に起こり得る症状


これらは「出力を弱くすればゼロ」という単純な話ではありません。安全性は、出力よりも正確な施術の計画と実行に負うところが大きいのです。


効く人・効きにくい人——HIFUの適応は“期待値”で整える

HIFUが得意とするのは、一般に「軽〜中等度のたるみ」「輪郭のもたつき」「引き締めやハリ感の底上げ」といった領域です。一方で、皮膚の余りが大きい、脂肪が少ない痩せ型のお顔立ちの方では、HIFU単独に期待を寄せすぎると満足につながりにくいことがあります。

HIFUは「若返りを約束する魔法」ではなく、たるみの進行を賢く遅らせたり、輪郭の“印象”を整えたりする非外科的な選択肢です。現実的な期待値を共有することが、結果の満足度を大きく左右します。


当院のHIFU設計——「ドクター照射」で何が変わるのか

施術風景


当院ではHIFU施術を医師が担当し、診察で「どの層が主な原因か」「左右差」「脂肪量」「皮膚の張力」などを確認したうえで、深度・出力・ショット配置を施術計画を立てます。

同じ機器でも、同じ結果にはなりません。違いは、施術計画と施術の正確さです。

また、必要以上に当てない判断も重要です。こけが起こりやすい顔立ちや、HIFUより別のアプローチが合理的なケースでは、施術内容を調整したり、代替案を提案したりします。

“当てる技術”と同じくらい、“当てない選択”が安全性と美しさを守ります。

※HIFUは医療行為であり、効果の感じ方・経過には個人差があります。施術には痛み、赤み、腫れ、熱感、内出血、しびれ・違和感などのリスクが伴うことがあります。詳細は診察時にご説明します。


未来編——可視化×個別最適化×コンビネーションへ

これからのHIFUは、「より強く」ではなく「より精度高く」という方向に進むはずです。狙いを可視化し、個々の顔立ち・皮膚や脂肪の特性に合わせて設計する“個別最適化”が進めば、効果の再現性と安全性はさらに高まります。

また、HIFUが得意な領域と、他施術が得意な領域を整理して、必要に応じて組み合わせる“治療設計”も、より一般的になっていくでしょう。

未来のHIFUは、強さではなく精度で語られます。


まとめ

HIFUは、医療の「切らずに治す」という願いから育ち、画像技術の進歩と顔の層構造の理解によって、美容の実用技術へ進化してきました。そして普及した今こそ、最も重要なのは“機器名”ではなく、適応判断と施術計画です。

気になる方は、まず「自分はHIFUが向くのか」「どんな施術計画が安全か」を確認するところから始めてください。相談の段階で、やらない選択肢まで含めて検討できることが、納得できる結果への近道です。



ドクター施術のハイフをお試し下さい

 

 

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制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2025年12月13日)

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2025.02.02更新

 

はじめに

首の横ジワは「年齢が出るサイン」と思われがちですが、実は20代でも一定割合で見られ、30代以降では多くの人に目立ってきます。

つまり首の横ジワは、“老化だけ”で片づけにくい変化です。

近年はスマホ姿勢による“Tech Neck”が注目されていますが、もう一つ見落とされやすいのが「睡眠習慣」。

寝ている間は姿勢を直しにくく、同じ首の角度が長時間続くことがあります。もし枕や寝姿勢で首が折れた状態が毎晩続けば、日中以上に“同じ折れ線”が固定される可能性も。

この記事では医学的に言える範囲を押さえつつ、原因の整理と、今日からできる現実的なケア(姿勢・紫外線・保湿・睡眠)をわかりやすくまとめます。


首の横ジワは“いつから”目立つ?──20代でも珍しくない

首の横ジワは、必ずしも「50代から急に出る」ものではありません。

医学文献では、20代でも半数程度に横ジワが見られ、30代ではほとんどの人に確認されるといった報告もあります(文献1)。

ここで大切なのは、横ジワを見つけた瞬間に「もう老けた」と結論づけないこと。首は顔よりケアが後回しになりやすく、さらに姿勢・紫外線・乾燥・寝方など複数の条件が重なって“折れ線”が定着しやすい部位です。

だからこそ、早い段階から“予防の積み上げ”を始める価値があります。


原因は単独では決め打ちできない

首の横ジワの原因


結論から言うと、「首の横ジワの原因はこれ」と単独犯のように断定できる研究はありません。現時点では、いくつかの要因が複合的に関与すると考えるのが自然です。

・内在性加齢と皮膚構造:コラーゲンや弾性線維の変化、皮膚の薄さ、乾燥しやすさなど
・反復する首の動き:同じ場所が何度も折れることで線が残りやすい
・紫外線:光老化の影響が首にも蓄積する
・生活習慣:喫煙、栄養、環境ストレスなど
・解剖学的・遺伝的要因:皮下脂肪のつき方、皮膚の厚み、局所の支持構造など

ポイントは「原因探し」より「積み上げを減らす」こと。首の横ジワは、生活の中で“折れやすい条件”が重なるほど目立ちやすくなる、と理解すると対策が組み立てやすくなります。


現代要因:Tech Neckを“ちゃんと”語る

Tech Neckの予防法

Tech Neckは、スマホやPCをのぞき込む姿勢が続くことで首が前屈し、皮膚に同じ折れが入りやすくなる—という文脈で語られます。

大事なのは、これを都市伝説にも絶対原因にもせず、「起こりやすい条件」として扱うことです。

まず“頑張り方”を変えましょう。おすすめは、気合いで正すより「環境を整える」ことです。

①スマホの位置を少し上げる(胸の前→鼻の前へ)
②同じ角度を固定しない(30〜60分に1回、首を起こすだけでOK)
③PC環境を整える(画面を上げ、手元を下げる)

「ずっと正しい姿勢」を目指すより、うつむく時間を“こまめに途切れさせる”。それだけでも続けやすい対策です。


仮説:横ジワは“睡眠習慣”の影響がTech Neckを上回る可能性

首のシワの原因:睡眠習慣

ここは断定ではなく仮説です。首の横ジワと睡眠習慣の関係を直接証明した強いエビデンスはありません。

ただ臨床的に見落とされがちで、理屈として筋が通る点があります。

理由は3つ。
①睡眠は毎日6〜8時間と“時間が長い”。
②寝ている間は無意識で“修正が難しい”。
③人によっては同じ姿勢が続きやすい。

もし枕の高さや寝姿勢で首が折れた角度が長く続けば、日中のうつむき以上に“同じ折れ線”が固定される可能性があります。

チェックしたいのは次の条件です。

✅枕が高すぎて顎が胸側に寄りやすい
✅横向きで首が下に落ち、前面がねじれる
✅うつ伏せで首のねじれが強い(気になる人は頻度を減らすのも一案)
✅冬の乾燥や寝具の摩擦で折れ線が強調されやすい

枕選びは「高さの正解」探しではなく、「首も下から支えて折れにくい時間を増やす」方向で考えるのが現実的です。

睡眠習慣セルフチェック(30秒)

✅朝起きた時、首の前面に“くっきりした折れ跡”がある
✅起床時に顎が引けて首がつらい/肩がこる
✅仰向けより横向きが多いのに、枕の高さを変えたことがない

当てはまる場合は、いきなり買い替えより「タオルで微調整」がおすすめです。

枕の下に薄いタオルを1枚ずつ足し引きして、
①顎が上がりすぎない、
②首の下がすき間なく支えられる、
③横向きで首が下に落ちない
—この3点がラクに保てる範囲を探します。痛みやしびれが出る調整は中止してください。


まとめ

首の横ジワは加齢だけでは語れません。日中のTech Neckに加え、夜の睡眠習慣も“折れ線の固定”という観点では重要な可能性があります。

まずは紫外線と保湿、次に姿勢と睡眠。できることから積み上げていきましょう。

 

(文献1)

Characteristic features of neck skin aging in Chinese women
Xiaoyuan Xie, et al.
J Cosmet Dermatol
2018 Oct;17(5):935-944

 

 


首のシワに対する施術


首のスキンケア

 

 

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制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2025年12月15日)

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2025.01.17更新

 はじめに

「傷んだ髪を内側から修復」というキャッチコピーをよく目にしますが、本当にダメージを受けた髪は元通りになるのでしょうか。 美容皮膚科学の観点から結論をお伝えすると、頭皮から外に出ている髪を完全に再生させることはできません。しかし、見た目や手触りを大きく改善する「修復ケア」は十分に可能です。本記事では、広告でよく聞く「内側から修復」の正体について解説します。

髪の内側からの修復

髪の基本構造と「生きている部分」

髪は3層構造になっています。外側の「キューティクル」がツヤや手触りを左右し、中間層の「コルテックス」が髪の強度や弾力、色味を決め、中心部の「メデュラ」が太さやボリューム感に関係しています。

重要なのは、頭皮内の毛根や毛母細胞は細胞分裂を繰り返す"生きた組織"ですが、頭皮から外に出た髪は角化した"死んだ細胞"の集まりという点です。そのため、一度強いダメージを受けると皮膚のように自己再生することはなく、完全に元に戻すことは構造上不可能なのです。


髪の3層構造


「内側から修復」の正体

髪の修復ケアには2つのアプローチがあります。

1つ目は「内部補修」です。ダメージでコルテックス内部のたんぱく質や水分が流出した隙間を、加水分解ケラチンやアミノ酸などで一時的に埋めることで、ハリやコシを感じやすくします。あくまで"補う"ケアで、構造を作り直すわけではありませんが、見た目や触感は大きく変わります。

2つ目は「表面コーティング」です。シリコンやオイル成分で乱れたキューティクル表面をなめらかにコートし、ツヤと指通りを良くします。 つまり、「髪の修復」とは、内部を補強し表面をコーティングすることで見た目と感触を改善しているのが実際のところです。


現実的な髪の修復ケアのポイント

「頭皮から出た髪を完全再生させることはできない」という前提を理解することが大切です。そのうえで、内部補修と表面コーティングにより、ツヤや手触りなど見た目の印象は大幅に改善できます。

ただし、効果は一時的なため、シャンプーや摩擦で徐々に落ちていきます。良い状態をキープするには継続的なケアが欠かせません。

何より重要なのが「これ以上傷めない工夫」です。高温のヘアアイロンやブリーチを繰り返すと、修復ケアが追いつきません。熱の温度設定見直しや施術回数のコントロールなど、「ダメージを減らす工夫」と「修復ケア」を両輪で考えることが重要です。


まとめ:広告と現実のギャップを知ることが第一歩

「髪の修復」の現実的なゴールは、「ダメージを目立たなく整え、悪化を防ぎながら、見た目と触感をできる限り良い状態に保つこと」です。この前提を知っておくと、広告表現に振り回されず、自分に合ったケア製品を冷静に選べます。

一方で、抜け毛の増加、髪の細さ、地肌の目立ち、頭皮のかゆみや赤みなどは、頭皮や毛根のトラブルの可能性があります。市販品だけでの対処には限界があり、専門的な診察、診断が必要なケースでは皮膚科でご相談下さい。


 

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 *2025年10月1日調べ


 

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制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2025年11月24日)

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2025.01.02更新

 眉が伸びるのはエイジングサイン


以前は感じたことなかったのに、年齢を重ねて眉毛が伸びていたり、まばらに見えたりしていることに気づいていませんか?

それは眉毛の「老化」が始まっているせいかもしれません。今回は、眉毛の「老化」について解説します。


なぜ眉毛が伸びるの?その原因を解明!

子どもや若い人の眉毛は「生え変わり」が早い

若いころの眉毛は、「毛周期(ヘアサイクル)」がスムーズに機能しています。そのため、眉毛の成長期も短く、必要以上に長くなることはありません。長くなる前に抜けて生え変わってしまうのです。

男性の眉毛の「老化」

男性では年齢を重ねると、毛包(毛根)の男性ホルモンの感受性が高まり、毛周期の成長期が延長するようになります。そうなると同じ毛が伸び続けるため、眉毛が長くなる傾向があります。


女性の眉毛の「老化』

女性ではエストロゲンの低下の影響が大きく、更年期頃から眉毛が「細く・まばら」になる現象が見られます。ただ一部の毛包(毛根)では男性と同じ現象が見られ、本数は少ないですが長い毛になります。

加齢以外の原因も
甲状腺機能低下症や過去の過剰な抜毛・アートメイクも眉がまばらになる原因になります。

 

*また、加齢とともに皮膚がたるみ、眉毛の位置そのものが下がってくることも「老け見え」の大きな原因です。お肌のたるみケアを取り入れることで、スッキリとした目元を取り戻しましょう。


▶ 切らずに目元・額をリフトアップ!たるみ治療


ハイフブロウリフト






眉毛の「乱れ」が与える印象

老けた印象を与えやすい

眉毛が整っていないと、顔全体のバランスが崩れ、だらしない印象を与えることがあります。特に、目元の印象は顔の第一印象を大きく左右するため、眉毛の手入れは非常に重要です。


眉毛が乱れると疲れた顔に見える

眉毛が整えられていないと、目元がぼやけた印象になり、疲れて見える原因にもなります。

 

*しかし、いくら眉毛を整えても「なんとなく不機嫌そう」「眉の位置が下がってきた」と感じる場合は、眉周りの筋肉や皮膚のたるみが原因かもしれません。

そのような場合は、美容医療での「シワ治療」や「リフトアップ」が効果的です。眉間のシワが消えるだけで、お顔の印象はぐっと優しく若々しくなります。

▶ 眉間や額のシワを解消して若々しい目元へ|シワ取り注射


ゼオミンブロウリフト



伸びた眉毛対策〜月に1度はトリミング〜

自宅で簡単にできる眉毛ケア
自宅で眉毛のトリミングを行う際は、次のポイントを意識しましょう。
1 専用の眉ハサミを使う
普通のハサミではなく、細かい作業がしやすい眉専用のハサミを使用してください。
2 眉コームで毛流れを整える
眉コームを使って眉毛を整えた後、長い部分を少しずつカットします。
3 左右対称を意識する
トリミング中に左右のバランスを確認しながら進めることが大切です。


プロの施術で完璧な眉毛に
眉毛のケアに自信がない方は、美容室やサロンでのプロの施術を検討してみてください。専門家によるトリミングや眉毛デザインで、理想的な眉毛を手に入れることができます。



まとめ

眉毛の「乱れ」は、体が年齢とともに変化しているサインの一つです。しかし、適切なケアとトリミングを行うことで、老化の印象を抑え、若々しい印象をキープすることができます。月に一度の眉毛ケアを習慣化し、プロの力も活用して、理想的な眉毛を目指しましょう!

 

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制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2025年5月4日)

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2024.11.19更新

はじめに

「最近、実年齢よりも老けて見られることが増えた」
「高い化粧品を使っても、肌のくすみや口元の縦じわが消えない」


もしあなたが喫煙者、あるいは過去に喫煙習慣があったなら、そのお悩みは単なる加齢ではなく、「タバコ顔(スモーカーズフェイス)」(文献1)かもしれません。

喫煙は「百害あって一利なし」と言われますが、美容においても最大の敵です。タバコは肌の老化時計を急速に進め、独特の「タバコしわ」や「タバコ老化」を引き起こします。

今回は、タバコが引き起こす肌老化のメカニズムと、一度できてしまったタバコ顔への対策について、医師の視点で詳しく解説します。


その老け顔、実は「タバコ顔」かも?特徴とチェックリスト

「タバコ顔(スモーカーズフェイス)」という言葉をご存じでしょうか?これは、長年の喫煙習慣によって形成される特有の顔つきのことを指す医学的な通称です。

双子研究でも明らか!喫煙者特有の顔つきとは

アメリカで行われた有名な「双子の研究」があります。遺伝子が全く同じ一卵性双生児でも、一方が喫煙者で、もう一方が非喫煙者の場合、数十年後の見た目には残酷なほどの差が現れました(文献2)。


喫煙の有無双子研究


喫煙者の顔は非喫煙者に比べ、明らかにシワが深く、皮膚が垂れ下がり、老化が進んでいたのです。これは、タバコが遺伝的要素を超えて老化(タバコ老け)を加速させる強力な要因であることを証明しています。

「タバコ顔」の具体的特徴(文献2)

鏡を見て、以下の特徴に当てはまるものはありませんか?
✅目尻や口元のシワが深い(放射状に広がるシワ)
✅肌がくすんでいる(透明感がなく、黒ずんだり土気色に見える)
✅頬がこけている(やつれた印象、げっそり感)

これらは典型的なタバコ顔の特徴です。年齢のせいだと諦めていたその変化は、実はタバコによるダメージの蓄積かもしれません。


なぜタバコで「しわ」や「老化」が加速するのか?

なぜタバコを吸うだけで、これほどまでに肌はボロボロになってしまうのでしょうか。主な原因は、有害物質による「組織の破壊」と「血流の悪化」です。

肌の弾力を支えるコラーゲン・エラスチンの破壊

肌のハリや弾力は、真皮層にある「コラーゲン」や「エラスチン」といった線維成分によって支えられています。しかし、タバコを吸うと体内で大量の「活性酸素」が発生します。

この活性酸素は、健康な細胞を酸化(サビ)させ、コラーゲンやエラスチンを分解したり、生成を妨げたりします。建物を支える柱が腐ってしまうのと同じで、肌は弾力を失い、深い「タバコしわ」やたるみが生じてしまうのです。

血流不全による「肌の酸欠」とくすみ

タバコに含まれるニコチンには、血管を収縮させる強い作用があります。

喫煙すると毛細血管がギュッと縮まり、肌細胞に必要な酸素や栄養が届きにくくなります。いわば、肌が常に「酸欠・栄養失調」の状態にあるようなものです。

さらに、タバコに含まれる一酸化炭素は、酸素を運ぶヘモグロビンと結合しやすく、酸素の運搬を邪魔します。これにより肌のターンオーバー(生まれ変わり)が乱れ、独特のどす黒い「くすみ」や乾燥を引き起こします。

口元の「スモーカーズライン(梅干しジワ)」ができる物理的理由

タバコ顔の大きな特徴の一つに、「スモーカーズライン」と呼ばれる口周りの縦ジワがあります。

これは肌質の劣化に加え、「タバコを吸う時に口をすぼめる」という動作を何年も繰り返すことで定着する「表情ジワ」の一種です。加齢による筋肉の衰えと、喫煙動作による特定の筋肉への負荷が重なり、消えない深いシワとなって刻まれます。


タバコシワ


受動喫煙(副流煙)でも肌は老化する?

「私は吸わないけれど、家族やパートナーが吸っている」という方もいらっしゃるかもしれません。残念ながら、タバコの先から出る副流煙(受動喫煙)にも、多くの有害物質が含まれています。

直接喫煙との違いとリスクについて

現時点では、受動喫煙だけで「タバコ顔」になると断定するまでの十分な臨床データ(エビデンス)は揃っていません。しかし、副流煙にはフィルターを通さない分、高濃度の有害物質が含まれていることは事実です。

たとえご自身が吸わなくても、煙にさらされる環境にいれば、活性酸素による肌ダメージを受けるリスクは否定できません。美肌を守るためには、できるだけタバコの煙を遠ざけることが賢明です。


タバコ顔にならない・治すための対策

では、タバコによる老化(タバコ 老け)を防ぎ、改善するにはどうすればよいのでしょうか。対策は「これ以上の悪化を防ぐこと」と「できてしまったダメージを治療すること」の2つです。

【生活習慣】禁煙で肌年齢は取り戻せるか?

最も基本的かつ重要な対策は、やはり「禁煙」です。禁煙をすると肌のくすみが取れて顔色が明るくなることが医学的にも分かっています。(文献3)。

「今さらやめても遅い」ということはありません。今日タバコをやめることは、5年後、10年後のあなたの肌を守る最良のスキンケアです。

ただし、禁煙はあくまで「マイナスをゼロに戻す(これ以上の老化を止める)」行為であり、すでに深く刻まれたシワを完全に消すには時間がかかります。

【美容医療】刻まれた「タバコしわ」を消すアプローチ

一度完成してしまった「タバコ顔」や深いシワを、セルフケアだけで改善するのは困難です。しかし、現代の美容医療では、それぞれの症状に合わせた即効性のある治療が可能です。

◉口元の縦ジワ(スモーカーズライン)には「ボトックス(ゼオミン)注射」
口をすぼめる筋肉の過剰な動きをリラックスさせることで、シワを寄りにくくし、滑らかな口元を取り戻します。
◉こけた頬・深いほうれい線には「ヒアルロン酸注入」
タバコ老化で減少した皮下組織のボリュームを補います。げっそりとした印象を改善し、ふっくらとした若々しい輪郭を作ります。
◉肌全体のハリ・質感改善には「ダーマペン」
肌への微細な針刺激により、破壊されたコラーゲンの再構築を促し、肌の密度を高めて弾力を取り戻します。


まとめ

⭐️タバコは、美容にとって最も避けるべき老化因子の一つです。「タバコ顔」や「タバコしわ」は、長年の蓄積によって作られますが、諦める必要はありません。

⭐️まずは禁煙で老化のアクセルを緩めること。そして、すでに気になっているシワやたるみについては、美容医療の力を借りることで十分に改善が期待できます。

⭐️「私の肌もタバコ顔かも?」と気になった方は、ぜひ一度当院にご相談ください。あなたの肌の状態に合わせ、最適な若返りプランをご提案いたします。






【参考文献】
1)Smoker's face: an underrated clinical sign?
D Model
Br Med J (Clin Res Ed)
1985;291:1760-2.

2)Facial changes caused by smoking: a comparison between smoking and nonsmoking identical twins
Haruko C Okada
Plast Reconstr Surg
2013 Nov;132(5):1085-1092

3)Changes in skin color after smoking cessation
Young Hye Cho, et al.
Korean J Fam Med
2012 Mar 30;33(2):105–109

 

 

関連施術

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2024.11.04更新

 

スマホ首

 


スマホが手放せない現代、若い世代の間で「スマホ首」が深刻な問題となっています。気づかぬうちに日常生活に潜むスマホ首のリスクと、その対策法について知り、健康的な生活習慣を手に入れましょう。この記事では、スマホ首のメカニズム、健康に及ぼす影響、簡単にできる予防法をご紹介します。


スマホ首とは?スマホによる首への負担が健康に及ぼす影響

スマホ首とは、スマートフォンを操作する際に首を下に傾けた姿勢が長時間続くことで、首や肩に負担がかかり、痛みやこりが生じる状態を指します。実際、首を約15度傾けると、頭の重さが約12kg分の負担に感じられるといわれており、これは通常の3倍以上にあたります。この状態が続くと、以下のような症状が現れる可能性があります。

首や肩のこり・痛み
スマホ首は筋肉を緊張させ、血流を悪化させます。これが首や肩の慢性的なこりや痛みにつながります。

頭痛や目の疲れ
首の筋肉が緊張すると、頭痛や目の疲れといった症状が出やすくなります。血流が悪くなるため、酸素や栄養素が脳に届きにくくなることも一因です。

姿勢の悪化と背骨への影響
スマホを使うたびに前かがみになると、猫背や巻き肩など姿勢が崩れやすくなります。さらに、長期間続くと背骨のカーブが変わり、骨や筋肉に永久的な負担がかかる可能性もあります。


スマホ首の予防法:日常に取り入れたい簡単な習慣
スマホ首の予防には、まず姿勢を意識することが大切です。以下のポイントを押さえて、負担を軽減しましょう。

1. スマホを目の高さに持ち上げる
スマホを目の高さまで持ち上げ、首が前傾しないようにすることで、首への負担を軽減できます。慣れないうちは少し疲れるかもしれませんが、意識して続けることで徐々に習慣化されていきます。

2. 1時間に1回は首を真っ直ぐにして休ませる
長時間のスマホ使用を避け、1時間に1回はスマホを置き、首を真っ直ぐに保ちましょう。数分でもよいので、休憩をとることで筋肉がリラックスし、血行が促進されます。

3. 定期的に首のストレッチを行う
首や肩の緊張をほぐすために、簡単なストレッチを取り入れましょう。以下のストレッチがスマホ首の改善や予防に役立ちます。

首回し
首をゆっくりと左右に回し、筋肉をほぐします。急に動かすと筋を痛めることがあるため、ゆっくり行いましょう。

肩上げ
両肩を耳に近づけるように上げ、数秒キープした後ゆっくりと下ろします。この動作を数回繰り返すことで、肩周りの緊張がほぐれます。

首の前後のストレッチ
首を前に倒し、あごを胸に近づけるようにします。次に首を後ろにそらし、目線を天井に向けて数秒間キープします。この動作は首の前後の筋肉をほぐすのに効果的です。


スマホ首を防ぐためのライフスタイルの工夫
日常生活の中でスマホ首を予防するには、以下のようなライフスタイルの工夫が役立ちます。


1. スマホ使用時間を見直す
スマホの使用時間が長いと、その分だけ首や肩に負担がかかります。1日の使用時間を記録し、長時間使用しないように工夫しましょう。

2. デジタルデトックスを実践する
スマホに依存せず、1日の中でスマホから離れる時間を設ける「デジタルデトックス」を取り入れるのもおすすめです。たとえば、寝る1時間前はスマホを触らないようにするなど、意識的にスマホから距離を置く習慣をつけましょう。

3. 姿勢をサポートするアイテムを活用する
姿勢サポーターやスマホスタンドなどのアイテムを活用するのも一つの方法です。姿勢を整えるためのサポーターを装着すると、無理なく正しい姿勢をキープしやすくなります。また、スマホスタンドを使えば、スマホを持たずに目の高さに合わせることができ、首への負担を軽減できます。


まとめ

スマホ首は、毎日のスマホ使用によって知らないうちに引き起こされる現代病ともいえます。スマホを持つ位置や使用時間を見直し、定期的に首のストレッチを行うことで、首や肩への負担を減らすことが可能です。健康な首と肩を保つため、今からできる対策をぜひ始めてみてください。

 

 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2024.10.28更新

 

朝の顔のむくみ

 

顔のむくみは、外見だけでなく気分まで重くしてしまうもの。今回は、顔がむくむ原因とその予防策について詳しくご紹介します。

朝の顔のむくみ、その三大原因は?

顔のむくみは、体内の水分バランスが崩れることで起こります。通常、血液やリンパ液が全身を循環し、余分な水分を排出しますが、このバランスが崩れると皮膚の下に水分がたまり、むくみが生じます。ここでは、朝の顔のむくみを引き起こす主な原因を3つ解説します。

1. 横になって寝ることによるむくみ

寝ている間は長時間横になっているため、重力の影響を受けにくくなり、顔や手足に水分が偏りがちです。その結果、顔がむくみやすくなります。

◎対策
就寝中に頭が心臓とほぼ同じ高さになると、日中に下半身にたまっていた水分が顔に移動しやすくなります。枕の高さを調整して、頭を心臓よりやや高めに保ち、顔への水分移動を抑えましょう。


2. 塩分の摂りすぎ

塩分には、水分を体内に保持しやすくする働きがあります。そのため、前日に塩辛い食べ物を多く食べると、翌朝に顔がむくみやすくなります。

◎対策
外食やインスタント食品には塩分が多く含まれているため、むくみやすい方は特に注意が必要です。食事の際は塩分量に気を配り、できるだけ控えめにするよう心がけましょう。


3. アルコールの摂取

アルコールもむくみの原因のひとつです。アルコールには一時的な利尿作用があり、水分が排出されて脱水気味になりますが、その後リバウンドで水分を保持しようとするため、逆にむくみが出ることがあります。

◎対策
一見逆効果に思えるかもしれませんが、飲酒の際はこまめに水分を摂って脱水を予防し、就寝前にも水を飲んでリバウンドを和らげましょう。もちろん、おつまみに塩分の多いものを選ぶとさらにむくみやすくなるので、控えるようにしてください。



その他のむくみ改善におすすめの生活習慣


1. 朝、起床したら早めにベッドから出る

身体のむくみは、心臓より高い位置に保つと改善しやすく、低い位置にあると悪化しやすいのが原則です。
起床後は早めにベッドから離れて立ち上がるだけでも、顔が心臓より高い位置になるため、むくみが改善されやすくなります。


2. むくんでいたらマッサージする

顔の中心から外側に向かってやさしくマッサージし、さらに耳から鎖骨に向かって首をマッサージするとリンパの流れが促進され、むくみが改善されやすくなります。

顔のマッサージ


3. 適度な睡眠時間を守る

寝不足も寝過ぎも、顔のむくみの原因になります。

▶︎寝不足(5時間以下)
交感神経の緊張やホルモンの乱れにより、水分をため込みやすい体内環境をつくり、顔のむくみを助長します。


▶︎寝過ぎ(10時間以上)
同じ姿勢で長時間横になっているため、局所的なむくみが生じ、顔のむくみにつながります。


一般的には6~8時間程度の睡眠が、むくみを抑えやすいとされています。なお、睡眠時間だけでなく質や呼吸障害がないことも大切です。


4. 適度に身体を動かす

日中の適度な運動は血液やリンパの流れを促進し、むくみにくい体質づくりに役立ちます。散歩や軽いストレッチなど、毎日続けやすい運動を取り入れてみましょう。
【補足】
「運動不足がリンパ循環を鈍らせ、顔の一過性むくみを長引かせる」という説には生理学的な裏付けがあります。ただし、顔のむくみだけに注目した大規模研究はなく、「運動はあくまでむくみ対策の一つ」と考えるのが妥当でしょう。


5. “長時間つけっぱなしの冷房でむくむ”は都市伝説!?

美容・健康系サイトなどで「長時間つけっぱなしの冷房は体を冷やして血流を滞らせ、その結果顔がむくむ」という主張を見かけます。

しかし、実際には皮膚を冷やすと血管は収縮し、炎症や浮腫(むくみ)を減らす方向に作用するのが医学の常識です。捻挫の際に患部を冷やすのも、腫れを早く引かせるためです。

さらに、網羅的に医学文献を調べても「冷やすとむくみが増す」という明確なエビデンスは見当たりません。むくみをエアコンのせいにはしないようにしましょう。



まとめ

顔のむくみは、日常的な習慣の見直しと簡単なセルフケアで改善が期待できます。朝からすっきりとした顔で一日をスタートできるよう、ぜひ今回ご紹介した方法を取り入れてみてください。

マッサージや生活習慣を気をつけても『顔の大きさが変わらない』『フェイスラインがぼやけている』と感じる場合、それはむくみではなく脂肪やたるみが原因かもしれません。美容医療の力で、すっきりとした小顔を目指しませんか? → 脂肪溶解注射医療ハイフ

【注意】
もしもむくみが長期間続いたり、指で押した跡がなかなか消えない場合は、何らかの病気が隠れている可能性もあります。そのような場合は早めに医療機関を受診することをおすすめします。

 

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制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2025年5月3日)

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2024.10.28更新

 

正しいリップケア

 


第1章:唇が赤い理由:血液と皮膚の構造

唇が赤い理由は、顔の他の部分と比較して、唇の皮膚が非常に薄く、下に流れる血液が透けて見えるからです。唇の皮膚は「角層」という外側の保護層が非常に薄く、皮膚の中でも特にデリケートな部分です。顔の他の部分の皮膚には皮脂腺や汗腺があり、これが自然な潤いを保つ働きをしていますが、唇にはほとんどそのような機能がありません。そのため、唇は乾燥や外的な刺激に対して非常に敏感で、荒れやすい傾向があります。唇は非常にデリケートで、日常的に特別なケアが必要です。

このように、唇が赤く見えるのは、皮膚の薄さと血液の透過によるものであり、それが唇を特に保護すべき部分である理由ともなっています。


第2章:リップケアの落とし穴:過度のメイクがもたらすリスク
日常的にリップメイクを行うことは美しい唇を保つための手段ですが、実は過度のリップメイクが唇に悪影響を与えることもあります。特に、リップメイクの成分には、乾燥を引き起こすものや、唇に刺激を与える成分が含まれていることがあります。これにより、唇が荒れやすくなり、ひび割れや皮むけなどのトラブルを引き起こすことがあります。

また、頻繁なメイクのオフや、長時間のメイク保持は、唇に負担をかける大きな要因です。メイクを落とす際に使われるクレンジング製品が強力すぎる場合、唇の繊細な皮膚を傷つけ、バリア機能を低下させることが知られています。このため、リップメイクは適度に行うことが大切であり、定期的にメイクを休ませ、唇に自然な休息を与えることが重要です。

さらに、リップクリームや保湿成分が含まれている製品を選び、乾燥や刺激を防ぐこともリップケアの基本です。正しいケアを心がければ、唇の健康を守りつつ美しさを保つことができます。


第3章:唇の老化を防ぐためのケア方法
唇の老化を防ぐためには、まず適切なケアと休息が不可欠です。日常的にリップメイクをしている場合、特に重要なのが「メイクオフ」です。唇の皮膚は非常に薄くデリケートなため、強いクレンジング剤は避け、優しく丁寧にメイクを落とすことが推奨されます。これにより、唇のバリア機能を守り、乾燥や刺激を防ぐことができます。

休日にはリップメイクを休み、唇に自然な休息を与えることも、老化防止に効果的です。また、保湿ケアを日常的に行うことも大切です。ヒアルロン酸やセラミドなど、保湿成分が豊富に含まれたリップクリームを使うことで、唇の水分を保ち、乾燥から守ることができます。

さらに、唇の老化の大きな要因である紫外線からの保護も忘れてはいけません。紫外線はシワやたるみを引き起こしやすいため、UVカット機能があるリップクリームを使用し、紫外線ダメージを防ぐことが必要です。これらのケアを継続することで、唇の老化を遅らせ、健康で美しい唇を保つことが可能です。

 

 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2024.10.04更新

毎日何気なく行っている洗顔。スキンケアの第一歩として欠かせない習慣ですが、実はその「洗う」という行為そのものに、肌を傷めるリスクが潜んでいることをご存知でしょうか。

洗顔の方法や回数を間違えると、肌荒れや乾燥を引き起こす原因になりかねません。今回は、洗顔の歴史を振り返りながら、私たちが忘れてはならない「洗顔のリスク」についてお話しします。


日本人と洗顔の歴史

日本人の洗顔の歴史

日本における洗顔の歴史は古く、平安時代中期に編纂された『延喜式』には、洗料として澡豆(そうず)や皂莢(さいかち)が記されています(資料1)。当時の上流階級の女性たちは、これらを洗浄料として顔や髪を洗っていたと推測されます。

洗顔が一般に広まったのは江戸時代のことです。この時代、すでに「きめ細かでつややかな素肌」を目指すスキンケア意識が芽生えており、洗顔料としては糠(ぬか)が広く用いられていました(資料2)。

興味深いのは、文化10年(1813年)に著された佐山半七丸の『都風俗化粧伝』の記述です(資料3)。糠袋の項には、こう書かれています。

「糠袋を使うときは、顔に強くあてて洗ってはいけない、顔の肌理(きめ)が壊れる。そっとまわして使えば、糠汁もよく出て肌の肌理も細やかになり顔につやが出る」、さらに「熱すぎるお湯での洗顔は、肌に皺ができるため、ぬるま湯で」という注意書きもあります。

200年以上前から「擦りすぎは禁物」「熱いお湯はNG」という洗顔の基本が認識されていたのです。過度な洗顔が肌荒れや乾燥を招くことは、江戸の人々もすでに経験的に知っていたといえるでしょう。


洗顔が持つ最大のリスクとは

洗顔が持つ最大のリスク

洗顔の最大の潜在的問題点、それは肌のバリア機能を破壊しかねないということです。

肌の最も外側にある角質層は、外部刺激から体を守り、体内の水分蒸発を防ぐ「バリア」の役割を担っています。このバリア機能がダメージを受けると、乾燥・肌荒れ・敏感肌といったトラブルを招くだけでなく、本来なら肌に侵入できないはずの物質が体内に入り込む可能性が生じます。

特に乾燥肌の方は要注意です。もともとバリア機能が弱い状態にあるため、誤った洗顔方法や過剰な洗顔回数によって、さらに症状を悪化させてしまうリスクがあります。


洗顔がバリア機能を壊した実例

洗顔がバリア機能を壊した実例

洗顔が肌のバリア機能を損なうことを、私たちに強く印象づけた出来事があります。2011年に社会問題となった「石鹸による小麦アレルギー発症事件」です(資料4)。

特定の石鹸を使用していた方々が、ある日突然、小麦を含む食品を食べて重篤なアレルギー症状を発症するという事態が相次ぎました。原因は、その石鹸に含まれていた加水分解コムギ(小麦由来成分)でした。

しかし、問題の本質はそれだけではありません。洗顔によって肌のバリア機能が低下したことが、この事態の背景にあったのです。

小麦アレルギーが発症したということは、小麦の成分が皮膚の角質層を通過し、その奥にある免疫細胞(ランゲルハンス細胞など)に到達したことを意味します。つまり、洗顔が肌表面のバリア機能の突破を許してしまったわけです。

現在は危険な成分は排除され、石鹸の成分自体を過度に心配する必要はありません。しかし、この事件が教えてくれた教訓を「過去の話」として忘れ去ってはならないのです。


まとめ:洗顔は諸刃の剣

洗顔はスキンケアの基本であり、美肌づくりに欠かせない習慣です。しかし同時に、すべてを台無しにしかねないリスクも伴う行為であることを忘れてはなりません。

洗顔による肌荒れや乾燥を防ぐためには、以下のポイントを意識しましょう。

✅洗顔回数は1日2回(朝・夜)を基本に、過剰な洗いすぎを避ける
✅乾燥肌の方は、朝はぬるま湯だけの洗顔も選択肢のひとつ
✅ゴシゴシ擦らず、泡で優しく洗う
✅熱いお湯ではなく、ぬるま湯(32〜34℃程度)を使用する

江戸時代の人々が「強く擦ってはいけない」と戒めていたように、洗顔は「優しく、丁寧に」が鉄則です。

洗顔が肌のバリア機能を壊しかねない行為である——この教訓を肝に銘じて、日々のスキンケアに取り組んでいただければと思います。



【参考資料】


1 ポーラ文化研究所「原始化粧から伝統化粧の時代へ 平安時代4」(『化粧文化』日本の化粧文化史)https://www.cosmetic-culture.po-holdings.co.jp/culture/cosmehistory/010.html
(最終閲覧日:2025年12月5日)

2 国立国会図書館. “第1章 江戸時代の化粧”. 本の万華鏡 第29回 めーきゃっぷ今昔 ―江戸から昭和の化粧文化―
https://www.ndl.go.jp/kaleido/entry/29/1.html
(最終閲覧日:2025年12月4日)

3 ポーラ文化研究所. “伝統化粧の完成期 江戸時代4 美肌意識とスキンケアの現れ<洗顔>”. 日本の化粧文化史
https://www.cosmetic-culture.po-holdings.co.jp/culture/cosmehistory/017.html
(最終閲覧日:2025年12月4日)

4 化粧品開発とその障害の歴史 II 〈洗顔石鹸に含まれた加水分解コムギ(グルパール®19S)による 即時型コムギアレルギーとロドデノール誘発性脱色素斑〉
松永佳世子
日本香粧品学会誌
2022;46(4):364–374

 


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制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2025年12月5日)

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2024.10.01更新


多くの人が日焼け止めを十分な量塗っていないという事実をご存知ですか?実は、適切な量を塗らないと、表示されているSPF(日焼け防止指数)の効果は得られません。海外でよく使われる「ティースプーンルール」についてご紹介します。


tea spoonルール


ティースプーンルールとは?
2002年、ジェフリー・シュナイダーによって提唱された「ティースプーンルール」は、日焼け止めの適量使用を促すための簡単な指針です。研究によると、多くの人が必要量の20〜60%しか塗っていないことが判明。そこで、誰でも簡単に測れるティースプーンを使った方法が考案されました。

オリジナルのティースプーンルール
シュナイダーが提案した当初のルールは以下の通りです:

各腕と顔・首の領域:ティースプーン半分強(約3mL)
各脚、胸、背中:ティースプーン1杯強(約6mL)
これらを合計すると約33mLとなり、成人の体全体をカバーするのに必要とされる35mLに近い量になります。


2013年の改訂版ティースプーンルール
2013年、Isedeh、Osterwalder、Limによって、より使いやすい改訂版が提案されました。主な変更点は以下の通りです:

単純化:半ティースプーンや1ティースプーン強といった細かい指定を、1ティースプーンまたは2ティースプーンの単位に簡略化。

部位の調整
顔・頭・首:1ティースプーン
各腕(左右):1ティースプーンずつ
胴体(前面と背面):合計2ティースプーン
各脚(左右):2ティースプーンずつ


現実的な適用:服で覆われる部分を考慮。
顔と頭部の重視:最も露出する部位として1ティースプーンを割り当て。


ティースプーンルールの意義
このルールの目的は、誰もが簡単に覚えられ、実践できる方法を提供することです。専門的な「2mg/cm²」という基準を、一般の人々が家庭で簡単に測れる方法に置き換えたのです。
改訂版では、合計9ティースプーン(約45mL)となり、「ゴルフボール」や「ショットグラス」のサイズに相当します。


まとめ
「ティースプーンルール」は、日焼け止めの適切な使用量を簡単に測る方法として考案されました。このルールを覚えて、正しい量の日焼け止めを使用することで、表示されているSPFの効果を十分に得ることができます。

適切な日焼け止めの使用で、健康的で美しい肌を保ちましょう!

 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

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