2021.06.04更新


2017年に発表されたオイリースキンの総説(まとめ的論文)では、皮脂分泌を抑えるコスメ成分も出てきます。手元にオイリースキン向けのコスメがあったら、成分を照らし合わせてみて下さい。

取り上げられていたのは、
・ナイアシンアミド(ニコチン酸アミド)
・グリーンティー
・Lカルニチン
の3つ。

なお、日本では皮脂を抑制する効能があるとして、「米エキス」が、この効能では初めて医薬部外品として承認されています。現在は製品化されているようです。

ビタミンCは?と思う方は相当の美容通。確かに、日本では「ビタミンCは皮脂を抑える」とよく言われています。しかし、どんなに調べてもその根拠が見つからないし、だいたい英語の文献ではそんなこと書かれていません。

日本語の文献もよくよく観察すると、皮膚科寄りの「硬派」な本で書かれることはなく、もっぱら美容寄りの「軟派」な本での定番表現のようです。


もしかしたら、偉い先生が、個人的見解として口にしたことが、いつのまにやら美容業界では医学的事実のようになったのかもしれません。ありがちな話です。


(参考文献)
1)Oily skin:A review of treatment options
Endly DC,Miller RA
J Clin Aesthet Dermatol
2017;10(8):49-55

2)ニキビや毛穴の開きが気になるひとへの化粧品
小林美和
美容皮膚医学BEAUTY
2019;2(7):50-58

3)Meeting the Challenges of Acne Treatment in Asian Patients:A Review of the Role of Dermocosmetics as Adjunctive Therapy.
Goh CL,et.al
J Cutan Aesthet Surg
2016;9(2):85-92

 

 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2021.05.21更新

オイリースキンについは、皮膚科の領域では、ニキビや脂漏性皮膚炎と関わりがあり、それぞれ患者数は多いはずですが、学問的に興味を持たれないらしく、文献は多くありません。

それでも比較的新しい総説(医学雑誌に掲載された「まとめ」のような論文)を中心に、現状をまとめてみました。はたしてオイリースキンは治療で改善できるのでしょうか?

皮脂の抑制に有効と認められているのは、

■内服薬
1)イソトレチノイン(アキュテイン)・・皮脂を80%抑えるというデータもあります。米国では重症のニキビに対する最後の切り札的な存在なのもうなずけます。しかし催奇形性、精神疾患のリスクがあり、軽々しく使える薬ではありません。米国では催奇形性への対策として厳格な避妊のプログラムが決められていて、それに基づいて使われています。薬剤のリスクに及び腰な日本で承認される見込みはありません。こうしたハイリスクな薬でも、一部のクリニックで販売されていますが、口先ばかりのリスク説明だけでいいのか、正直不安を覚えます。
2)スピノロラクトン
スピロノラクトンには抗男性ホルモン作用があり、美容医療においては、皮脂の抑制や女性の脱毛症、多毛症の治療として使われることがあります。
3)「経口避妊薬」
以前に比べ「経口避妊薬」は、生理に関連した病気や症状の緩和目的に積極的に使われているようです。単なる避妊目的というより、生理周期をしっかりコントロールしようということでしょうか。そうなると「経口避妊薬」という名称も、古くさく感じられます(しかし、英語もoral contraceptivesのままだから仕方ありませんか・・)。美容医療では、ガイドラインにはない使用法ですが、大人ニキビに使われることがあります。

注)当院では1)~3)のいずれも処方していません。

■外用剤
4)レチノイド(トレチノイン療法)・・意外なことに毛穴は縮小させるものの、皮脂を抑えるデータは不十分という評価でした。レチノイドは、当院ではメラフェードを取り扱っています。ゼオスキンの基本的なコンセプトもトレチノイン療法です。

■その他
5)光線力学療法
昔からニキビ治療として一部の施設で行われていますが、広まることもなく、大きな話題にもならずそのままですから、効果のほども推して知るべしかと。
6)ボツリヌストキシン(ボトックス)
promising treatment option(有望な治療選択肢)と評価されています。炎症を起こす神経伝達物質も抑え、敏感肌タイプのオイリースキンにも有用とか。この場合のボトックスは、当院でボトックスリフトと呼んでいますが、細かく皮内に注射するボトックスのこと。欠点としては、鼻に施術できないことが挙げられます。

このように並べると、美容クリニックにとって、オイリースキンに有効な施術は限られていて、事実上ボトックス一択のようです。

 

(参考文献)
1)Oily skin:A review of treatment options
Endly DC,Miller RA
J Clin Aesthet Dermatol
2017;10(8):49-55

2)Oily sensitive skin:A review of management options
Ji YH,et.al
J Cosmet Dermatol
2020;19:1016-1020

3)Oily skin:An overview
Sakuma TH,Maibach HI
Skin Pharmacol Physiol
2012;25:227-235

 

 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

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