■Twitterから
最近、Twitterで議論を呼んだのが、ネットに出た「日焼け止めは、外に出る30分前に塗るべき」という記事。批判の嵐が巻き起こり、中にはメーカー各社に確認を取る方もいて、結局、質問した10社ほどのすべてが、「塗ればすぐに有効」と返答したとか。
こんな都市伝説まだ生き残っていたのか!という意見もあったから、以前からときおり蒸し返される問題なのでしょう。今回は、少なくともTwitter上では「即効説」の圧勝となり、「30分前説」は瞬殺された格好。
■米国皮膚科学会は「15分前説」
確かに塗った瞬間から肌に到達する紫外線を反射、吸収するはずだから、「即効説」が当然に思えるのですが、ちょっと引っかかる点があります。
実は、米国皮膚科学会は日焼け止めの使い方について「15分前説」をとっているのです。これが単なる医師の利益を死守するためだけの日本の医学会ならともかく、国民に正確な医療情報を提供することを使命とする米国の医学会の言っていることとなると無視しにくい。
米国皮膚科学会の看板を背負って、見え透いたウソ情報を流すとはとても思えないのです。しかも学会サイトに掲載されているから、世界中の人が見ていて、間違いはすぐに指摘され訂正されるはず。そうなってないということは、それ相当の根拠があるに違いありません
■もしかしたら・・
「即効説」だろうが、「15分前説」だとうが、たとえ「30分前説」だろうが、現実にはメイクの手順や外出の準備を考えれば、日焼け止めを塗ってから、実際に外に出て日光を浴びるまでには時間もかかるだろうから、大きな違いはないでしょうが、何とも人騒がせな問題です。
もしかしたら・・日焼け止めが市場に出回りだした頃に、「日焼け止めは塗ってから何分で有効になるのか?」というような形で議論になっていたのかも。時間とともにそうした議論の存在すら忘れ去られてしまったのかもしれません。
もしかしたら・・「30分前説」は、日本人らしい奥ゆかしさから「15分説」を倍にして、より安全確実にしたものかもしれません。
もしかしたら・・長年、化粧品とくに日焼け止めの研究開発に携わっている方にお聞きしたら即答していただけることなのかもしれません。
(参考文献)
1) How to apply sunscreen(米国皮膚科学会サイト)
https://aad.org/public/everyday-care/sun-protection/shade-clothing-sunscreen/how-to-apply-sunscreen