CDトレチノイン

肌の老化を防ぐトレチノインの効果的な使い方ガイド


トレチノインは、肌のターンオーバーを最適化し、シミやシワなどの老化の予防、ニキビなどの肌トラブルに効果を発揮します。

しかし、効果的な使い方を知らないばかりに、多くの方がトレチノインに挑戦しては失敗を繰り返しています。

トレチノインはもともと皮膚でビタミンAから生成される内因性成分ですから、決して使えない成分ではありません。

誰でも加齢とともに肌が老化すると思ったら大間違い。適切にトレチノインなどレチノイドを使っていないだけ。

ぜひトレチノインの効果的な使い方をマスターして、肌の老化を防ぎ、若々しい肌を保って下さい。




トレチノインの皮膚への作用


トレチノインの主な皮膚への作用は以下の通りです:


1. 表皮の角化を正常化し、角質層を薄くする
2. 表皮の細胞分裂を促進し、表皮を厚くする
3. 真皮のコラーゲン合成を促進する
4. メラニン色素の分散を促進し、シミを薄くする
5. 毛包の角化を正常化し、ニキビを改善する
6. 皮脂の分泌を抑制する
7. 真皮の血管新生を促進する
8. 細胞外マトリックスの分解を抑制する
9. シワの改善効果がある
10. 紫外線によるダメージを修復する

これらの作用により、トレチノインはニキビや光老化皮膚の改善に効果を示します。皮膚の再生を促進し、シワやシミなどの改善効果があるため、抗老化ケアに広く用いられています。一方で皮膚刺激性が強いため、使用には注意が必要です。





エイジングケアとしてのトレチノイン


トレチノインは皮膚の老化治療に効果的であり、以下のような作用があります:


1. コラーゲン合成の促進:
- トレチノインは真皮のコラーゲン合成を刺激し、皮膚の弾力性と強度を改善します。

2. 表皮の再生:
- 表皮細胞のターンオーバーを促進し、より若々しい肌細胞を表面に押し上げます。

3. シワの改善:
- 微細なシワから中程度のシワまで、その外観を改善する効果があります。

4. 色素沈着の軽減:
- メラニンの分散を促進し、年齢によるシミやそばかすを薄くします。

5. 皮膚のテクスチャー改善:
- 肌理を整え、なめらかで均一な肌表面を促進します。

6. 光老化の修復:
- UV損傷を受けた皮膚の修復を助けます。

7. 細胞外マトリックスの保護:
- マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の活性を抑制し、コラーゲンの分解を防ぎます。

8. 血流の改善:
- 真皮の微小血管の形成を促進し、皮膚の栄養状態を改善します。

9. 皮脂分泌の正常化:
- 過剰な皮脂分泌を抑制し、毛穴の外観を改善します。

10. 抗酸化作用:
- フリーラジカルによる酸化ストレスから皮膚を保護します。


使用上の注意:
- 皮膚刺激を引き起こす可能性があるため、低濃度から始め、徐々に濃度を上げることが推奨されます。
- 日中はSPFを使用し、紫外線から肌を保護することが重要です。
- 妊娠中や授乳中の使用は避けるべきです。


トレチノインは医師の指導のもとで使用する必要があります。長期的かつ一貫した使用で最良の結果が得られますが、個人の肌質や反応に応じて使用方法を調整することが重要です。

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こんな方におすすめ


トレチノイン(レチノイン酸)は、以下のような人に適している可能性があります:


- 軽度から中等度のニキビがある人:トレチノインはニキビの治療に効果的です。
- 光老化が気になる人:日光による皮膚の老化(しわ、しみなど)の改善に効果があります。
- 肌のターンオーバーを促進したい人:トレチノインは表皮細胞の生まれ変わりを促進します。
- 色素沈着が気になる人:メラニン生成を抑制する効果があります。
- にきび痕の改善を目指す人:コラーゲン生成を促進し、にきび痕の改善が期待できます。


一方で、以下のような人には注意が必要です:
- 妊娠の可能性がある人
- 敏感肌の人
- 日光過敏症の人
- アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患がある人

注1)妊娠・授乳中の人はトレチノインは使用できません。
注2)トレチノインは強力な成分なので、使用を始める前に医師に相談して下さい。

 




院長コラム


レチノール、レチナール、ディフェリン、タザロテンと美容皮膚科クリニック屈指のレチノイドの品揃えを誇りながら、なぜかトレチノインはなかったのですが、ついに真打ちの登場となりました。 

なぜレチノイドの大本命が最後になったのか?

それはトレチノインの最大の欠点を克服する製剤が見つからなかったから。

最大の欠点とは「製剤としての不安定さ」。 刺激症状については、使用法を工夫して指導することで十分克服できます。それなりの経験値も蓄積したつもり。しかし自力ではどうしても乗り越えられないのが製剤自体の不安定さでした。

その欠点を克服する製剤がCDトレチノイン。国内の信頼できるメーカーが製造していて、劣化しない粉として購入して、クリニックで自分で好きな濃度に調剤できます。これならベストなトレチノインをお客様にご提供できます。

これまではトレチノインを避けながらレチノイドの普及に努めてきましたが、これからは大本命のトレチノインを中心にしてレチノイド治療を展開してまいります。

 



CDトレチノインの効果的な使い方 

はじめの1ヶ月

1日おきに、夜の洗顔後水分をよく拭き取ってから最初に使います。

エイジングケアですからお顔全体に塗ります。

*1日おきでも刺激症状が強ければ、3日に1度、4日に1度と間隔をあけ、症状が収まったら少しずつ間隔を戻します。場合によりショートコンタクト法を指導することもあります。

2ヶ月目以降

刺激症状が収まっていたら、毎日夜1回使用します。

念のため、昼は日焼け止めをお使い下さい。

トレチノインは休薬期間を置く必要はありません。継続して使用して下さい。

*当院ではご不明な点やお困りのことがある方には医師がメールでお答えして、続けて使えるようサポートしています。



刺激反応への対策

 

トレチノインを使い始めて数日すると、多くの方で刺激反応が出現します。

刺激反応には

  • 赤み
  • 皮むけ
  • ヒリヒリ感
  • 乾燥

があり、これらは使用を中止してしまう原因になります。

対策としては

 

  • 必ず保湿剤を併用する
  • 塗る量を減らす
  • それでも収まらなければ、1日おき、または週に2回にする

など、お肌を慣らしながら使用を続けます。

この反応は、1〜2週間すれば自然になくなります。収まったら、通常通りの使用方法にします。

刺激反応はなぜ生じるのか?


トレチノインの刺激反応が生じる主な理由は以下の通りです:

1. 細胞ターンオーバーの加速
- トレチノインは表皮細胞の代謝を急激に促進します。これにより、古い角質が急速に剥がれ落ち、新しい皮膚細胞が露出することで刺激が生じます。

2. 皮膚バリア機能の一時的な低下
- 急速な細胞ターンオーバーにより、皮膚の防御バリアが一時的に弱まり、外部刺激に敏感になります。

3. 炎症反応の誘発
- トレチノインは炎症メディエーターの放出を促し、局所的な炎症反応を引き起こす可能性があります。

4. 皮脂分泌の変化
- 初期段階で皮脂腺の活動が変化し、皮膚の乾燥や過敏反応を引き起こすことがあります。

5. レチノイン酸受容体の活性化
- 皮膚細胞内のレチノイン酸受容体が活性化され、様々な遺伝子発現の変化を引き起こします。これが刺激反応の一因となります。

6. 血管拡張作用
- 局所的な血流増加により、皮膚の発赤や熱感が生じることがあります。

7. pH変化
- トレチノインの適用により、皮膚表面のpHバランスが一時的に変化し、刺激を感じやすくなります。

8. 個人の皮膚感受性
- 個人の皮膚タイプや状態によって、トレチノインへの反応性が異なります。敏感肌の人はより強い刺激を感じやすいです。

9. 濃度と使用頻度
- 高濃度のトレチノインや頻繁な使用は、刺激反応のリスクを高めます。

10. 他の製品との相互作用
- 他の活性成分を含む製品と併用すると、刺激が増強される可能性があります。


これらの刺激反応は通常一時的なものであり、皮膚が順応するにつれて徐々に軽減していきます。しかし、適切な使用方法と皮膚ケアが重要です。




価格表

CDトレチノイン価格(税込)
0.025%:10g 3,520円




0.025%の意味


トレチノイン(レチノイン酸)の最も効果的な濃度について、いくつかの研究結果をまとめると:

• 0.025%から0.1%の濃度が一般的に使用され、効果があると報告されています。
• 0.05%の濃度が最もよく研究されており、有効性と忍容性のバランスが取れていると考えられています。
• 初期治療では0.025%から0.05%の濃度から開始することが推奨されています。
• 維持療法では0.01%から0.025%の低濃度でも効果が持続することが示されています。
• 0.025%と0.1%の濃度を比較した研究では、臨床的な効果に大きな差は見られませんでした。
• より高濃度(0.1%以上)の短期使用による"rapid retinization"の効果も報告されていますが、刺激性が強くなります。


海外では0.05%がバランスの取れた濃度として多くの研究で使用されています。しかし、エビデンス的にも0.025%でも効果として劣ることはなく、刺激性は弱まることから、敏感肌の方が多い日本人では0.025%が最適な濃度と考えています。



CDトレチノインのCDって何?


トレチノインをシクロデキストリン(CD)と結合させると以下のような効果が得られることがわかります:


水溶性の向上:
トレチノインの水溶性は極めて低いが(8 x 10^-4 mg/mL)、シクロデキストリン(CD)と複合体を形成することで大幅に向上する(0.93-2.76 mg/mL)。

光安定性の改善:
トレチノインは光に敏感で異性化しやすいが、シクロデキストリン(CD)に包接されることで光分解が抑制される。

皮膚刺激性の軽減:
従来のトレチノイン製剤と比較して、トレチノイン/シクロデキストリン(CD)複合体は皮膚刺激や炎症反応が軽減される。

徐放性:
シクロデキストリン(CD)から徐々にトレチノインが放出されるため、初期の刺激性が緩和される。

有効性の維持:
シワ改善効果などの薬理作用は従来のトレチノイン製剤と同等に維持される。

製剤の安定性向上:
水溶性と光安定性が改善されることで、製剤の安定性が向上する。


これらの特性により、トレチノイン/シクロデキストリン(CD)複合体は従来のRA製剤の欠点を克服しつつ、同等の効果を発揮できる製剤として期待されています。副作用の軽減によりレチノイド治療の適応が広がる可能性があります。






その他のレチノイド療法

 

 




詳しすぎる知識をのぞきたい方へ(作成中)

レチノイドの歴史


ビタミンAの重要性は古代から認識されており、その歴史は3500年以上前にさかのぼります。

1 古代の知恵
古代エジプトでは、夜盲症の治療にレバーを使用していました。
・この知識は古代ギリシャにも引き継がれました。

2 近代の発見
・19世紀後半、牛乳が健康な成長に不可欠であることが分かりました。
・1915年までに「脂溶性因子A」が特定されました。
・「ビタミン」という言葉は1911年に誕生しました。

3 科学的進歩
・1920年代から1930年代にかけて、カロテンがビタミンAに変換されることが発見されました。
・1931年にビタミンAの化学構造が解明され、1947年に合成に成功しました。

4 医療への応用
・ビタミンAは皮膚疾患の治療に使用されましたが、高用量の副作用が問題となりました。
・1949年以降、ニキビ治療に使用されるようになりました。

このように、ビタミンAの研究は長い歴史を持ち、現代医学に大きな影響を与えています。


ビタミンAは3500年以上前からその重要性が知られており、特に夜盲症の治療に効果的でした。古代エジプト人は、夜に見えにくくなる症状を改善するために、羊や牛のレバーを使用していました。19世紀後半には、ビタミンAの欠乏が成長に影響を与えることが明らかになり、牛乳や卵、バターなどの食品が健康な成長に必要であると判明しました。1915年には「脂溶性因子A」が特定され、「ビタミン」という言葉が誕生しました。

その後、ビタミンAが植物の黄色い色素であるカロテン(プロビタミン)と関連し、体内で活性のあるレチノールに変換されることが発見されました。1931年にその化学構造が解明され、1947年には合成に成功しました。1950年代から1980年代にかけて、ビタミンAの生化学的な経路や抗がん作用、核内レチノイン酸受容体などが明らかにされました。

1974年には世界保健機関(WHO)がビタミンAに関する国際会議を開催し、その皮膚への効果が再評価されました。ビタミンAは皮膚の角化を抑える作用があり、一時は高容量のビタミンA内服療法が、乾癬やニキビの治療に使用されましたが、副作用のリスクがあるため、この治療法は中止されています。





レチノイドは肌にどう作用するか?〜セントラル・ドグマ〜



レチノイドを肌に塗ると、その成分は細胞に取り込まれ、皮膚細胞の中で働き始めます。特に、トレチノインというレチノイドの一種は、細胞内で「レチノイン酸結合タンパク質」によって核(細胞の指令を出す場所)まで運ばれます。これがレチノイドが皮膚に影響を与える第一歩です。

レチノイドの働く場所

レチノイドは、細胞の核の中にある「レチノイド受容体」と呼ばれる場所に結合して働きます。この受容体には2つのタイプ(RARとRXR)があり、皮膚にはこれらが豊富に存在しています。特に、RAR-γとRXR-αというタイプが、皮膚の中で最も多く、レチノイドの効果に大きく関わっています。

遺伝子に働きかけるレチノイド

レチノイドが受容体に結合すると、遺伝子の働きを調整します。これにより、肌の細胞が新しく生まれ変わったり、健康な状態を保つことができるようになります。特に、肌のターンオーバー(細胞の生まれ変わり)を促進し、しわやシミなどを改善する効果が期待されます。また、レチノイドは炎症を抑える効果もあり、ニキビなどにも有効です。

レチノイドの代謝(分解)

レチノイドは、肌に吸収されると体内で分解されます。この過程で、個人差があり、レチノイドに対する反応が異なる場合があります。また、長期間使用すると、体がレチノイドに慣れてしまうことがあります。これを防ぐための研究も進められています。

 

【詳しすぎる補足1】
レチノイド受容体は二量体の形でレチノイドと結合します。RARはRXRとヘテロ二量体(RAR/RXR)を形成して初めて機能しますが、RXRはホモ二量体(RXR/RXR)としても機能します。RXRはまた、ビタミンD、PPAR、甲状腺ホルモンなど、他の様々な核内受容体とヘテロ二量体を形成することができ、このことはレチノイドが様々な細胞経路を活性化する能力の基礎となっています。

【詳しすぎる補足2】

レチノイドが存在しない場合、レチノイド受容体はレチノイン酸応答配列(RAREs)と呼ばれる特定のDNA配列に二量体として結合しています。 レチノイン酸がその受容体に結合すると、受容体の構造変化を引き起こし、DNAのプロモーター側における転写装置の配置が容易になり、DNAの発現が亢進されます。レチノイド受容体は、主に分化に重要な役割を果たす多数の遺伝子の転写を調節しています。


【詳しすぎる補足3】
こうした遺伝子転写の直接的なアップレギュレーションとは別に、レチノイドは転写因子活性化タンパク質-1(AP1)の作用を拮抗することで、一部の遺伝子をダウンレギュレートすることがあります。AP1は、細胞成長、増殖、アポトーシスを含む広範囲の細胞プロセスを制御しています。間接的なAP1阻害は、レチノイドの薬理学的抗増殖、抗腫瘍、抗炎症作用の主なメカニズムであると考えられています。

【詳しすぎる補足4】

外用レチノイドはヒト表皮で代謝されます。細胞内の余剰なトレチノインは、CYP26などのシトクロムP450酵素系によって代謝され、4-ヒドロキシ-オール-トランス-レチノイン酸および4-オキソ-レチノイン酸に分解されます。このプロセスは個人差が大きい可能性があり、レチノイドに対する個体間の反応の違いは、このことで説明できるかもしれません。 さらにCYP26によるトレチノイン代謝は、レチノイドに対する耐性の主なメカニズムです。この耐性を克服するために、CYP26を阻害することで細胞内内因性トレチノインのレベルを増加させることを目的とした新たな戦略が開発されています。








よくいただくご質問

Q

トレチノインにはどんな作用がありますか?

A


1)表皮でのターンオーバー促進
2)真皮でのコラーゲンの増生と分解の抑制
3)紫外線の悪影響の抑制
などの作用があります。

Q

CDトレチノインの特徴は?

A


CDトレチノインは、トレチノインをシクロデキストリンで包接することで、薬剤としての安定性を高めるとともに、刺激症状を緩和することにも役立っています。

トレチノインの欠点である安定性、刺激性を2つとも改善しています。

Q

妊娠、授乳中について

A


妊娠している、妊娠しているかもしれない、または妊娠を希望して治療をしている方は使用しないで下さい。妊娠中の使用に関する安全性は確立していません。

授乳中には使用しないことが望ましいですが、やむを得ず使用する場合は、授乳を避けて下さい。母乳への移行についてはわかっていません。



トレチノインのエビデンス集

これまでのX(旧Twitter)への投稿を集めました

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(25)~
      トレチノイン療法は傷の治癒を早めるが、それは皮膚の血行を促進させる作用による。
      (補足:侵襲ある肌治療前にレチノイドを使用しておくという手がある。)
      Plast Reconstr Surg.
      2014;133(4)481e-490e  (2022年1月10日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(26)~
      もっとも一般的なトレチノインの使い方は、0.05%トレチノインクリームを夜1回外用。
      Plast Reconstr Surg.
      2014;133(4)481e-490e  (2022年1月11日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(27)~
      3ヶ月の治療で、シワ、色味の改善が認められ、組織学的に角質の緻密化が観察される。
      (補足:3ヶ月では真皮の変化は認めない。)
      Clin Interv Aging
      2006;1(4):327-348 (2022年1月12日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(28)~
      6ヶ月の治療で、小ジワ、大ジワ・色味・滑らかさ・ハリの改善が認められるが、組織学的には表皮の変化にとどまる。
      (補足:6ヶ月でも真皮には効果は及ばない。)
      Plast Reconstr Surg.
      2014;133(4)481e-490e (2022年1月13日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(29)~
      12ヶ月の治療で、真皮で新しいコラーゲンなど線維成分の再構築が認められるようになる。
      (補足:地道なスキンケアが実を結ぶ。)
      Cutis
      2005;75:25-31 (2022年1月14日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(30)~
      レチノイド反応(赤み、ヒリヒリ感、皮剥けなど)
      濃度依存性で、一般的な0.05%では過半数、0.1%では90%の人で出現する。ただし、時間が経てば軽快する。
      Plast Reconstr Surg.
      2014;133(4)481e-490e (2022年1月15日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(31)~
      レチノイド反応(赤み、ヒリヒリ感、皮剥けなど)対策には
      ・保湿
      ・少しずつ濃度を高めたり、回数を増やしたりする
      があるが、はじめから高い濃度で始めた方が早く「慣れる」と主張する人もいる。
      Plast Reconstr Surg.
      2014;133(4)481e-490e (2022年1月16日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(33)~
      製剤の工夫では、ナノカプセル化がもっとも期待できる。副作用を減らすだけでなく、トレチノインの効力を高められる。
      Plast Reconstr Surg.
      2014;133(4)481e-490e (2022年1月17日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(34)~
      光線過敏
      トレチノイン療法の開始直後に生じ、数ヶ月でおさまることが多い。日光を避けたり、サンスクリーン剤を使うこと。
      Plast Reconstr Surg.
      2014;133(4)481e-490e (2022年1月18日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(35)~
      低濃度でもOK!?
      通常より低濃度の0.025%、0.02%でも1~2年の臨床試験で0.05%と同様の効果を示すことが示されている。
      Plast Reconstr Surg.
      2014;133(4)481e-490e (2022年1月19日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(36)~
      やっぱり高濃度!?
      通常の5倍濃度である0.25%を使うことで、早期からの効果が期待できるとする報告もある。副作用であるレチノイド反応も2週間以内に消失するという。
      Plast Reconstr Surg.
      2014;133(4)481e-490e (2022年1月20日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(37)~
      一生使えるの?
      長期に使用(濃度、回数)する方法は確立していない。長期間の臨床試験で、効果が減じるとするものもある。
      (補足:長期使用で問題が生じるわけではない。個人的には中断する理由はない。)
      Plast Reconstr Surg.
      2014;133(4)481e-490e (2022年1月21日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(38)~
      最適な濃度は?
      もっとも多く使われるのは、0.05%だが、低濃度が模索されていて、おそらく刺激症状との兼ね合いを考えても、0.025%が最適か。
      (補足:0.01%ではうすすぎて効果がない。)
      Br J Dermatol.
      2010;163:1157-1165 (2022年1月22日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(39)~
      刺激反応を抑える法
      1)1日1回、夜に使う
      2)反応が強ければ、隔日または週3回に減らす
      3)反応を抑えるために抗炎症剤を併用する
      (補足:抑えられなければ、レチナール、レチノールにした方がよい。)
      Br J Dermatol.
      2010;163:1157-1165 (2022年1月23日)

 

    •  100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(40)~
      皮膚の内因性(年齢的)老化に対する報告は少ないが、見た目の変化より組織学的な効果が著しく、光老化より効果的かもしれない。
      Clin Interv Aging
      2006;1(4):327-348 (2022年1月24日)