年齢とともに劣化するのは、肌の常識ではありません
年齢とともに肌は劣化すると信じていませんか?
光老化(紫外線による肌の老化)は年齢とともに蓄積しますが、それには米国FDAの承認製剤があります。それがトレチノイン。それなのになぜトレチノインがもっと普及しないかと言えば、薬剤として不安定なのと刺激症状があって使いこなすのが難しいから。
CDトレチノインでは、トレチノインをシクロデキストリンで包接することで、薬剤としての安定性を高めるとともに、刺激症状を緩和することにも役立っています。トレチノインの欠点を2つとも見事に穴埋めしています。
確かにトレチノインは、使いこなすのが難しいことは間違いないですが、使い続けたときにトレチノインがもたらすお肌の変化は、それまでの苦労も忘れさせて、きっとあなたを驚かし、喜ばすことでしょう。
お肌の女神は、頑張るあなたに微笑みかけるのです。
関連ブログ記事もお楽しみ下さい
こんな方におすすめ
- 1.年齢とともに進む肌の劣化を何とかしたい
- 2.肌のエイジングに合わせたスキンケアに取り組みたい
- 3.肌のハリとツヤを取り戻したい
- 4.肌痩せでしぼんだ肌を元気にしたい
院長コラム
レチノール、レチナール、ディフェリン、タザロテンと美容皮膚科クリニック屈指のレチノイドの品揃えを誇りながら、なぜかトレチノインはなかったのですが、ついに真打ちの登場となりました。 「トレチノインが最後かい!」というツッコミが聞こえてきそう。
なぜレチノイドの大本命が最後になったのか?
それはトレチノインの最大の欠点を克服する製剤が見つからなかったから。
最大の欠点とは「製剤としての不安定さ」。 刺激症状については、使用法を工夫して指導することで十分克服できます。それなりの経験値も蓄積したつもり。しかし自力ではどうしても乗り越えられないのが製剤自体の不安定さでした。
その欠点を克服する製剤がCDトレチノイン。国内の信頼できるメーカーが製造していて、劣化しない粉として購入して、クリニックで自分で好きな濃度に調剤できます。これならベストなトレチノインをお客様にご提供できます。
これまではトレチノインを避けながらレチノイドの普及に努めてきましたが、これからは大本命のトレチノインを中心にしてレチノイド治療を展開してまいります。
CDトレチノインの使い方
はじめの1ヶ月
1日おきに、夜の洗顔後水分をよく拭き取ってから最初に使います。
エイジングケアですからお顔全体に塗ります。
2ヶ月目以降
刺激症状が収まっていたら、毎日夜1回に増やします。
念のため、昼は日焼け止めをお使い下さい。
刺激反応への対策
トレチノインを使い始めて数日すると、多くの方で刺激反応が出現します。
刺激反応には
- 赤み
- 皮むけ
- ヒリヒリ感
- 乾燥
があり、これらは使用を中止してしまう原因になります。
対策としては
- 必ず保湿剤を併用する
- 塗る量を減らす
- それでも収まらなければ、1日おき、または週に2回にする
など、お肌を慣らしながら使用を続けます。
この反応は、1〜2週間すれば自然になくなります。収まったら、通常通りの使用方法にします。
価格表
CDトレチノイン | 価格(税込) |
---|---|
0.025%:10g | 3,520円 |
その他のレチノイド療法
よくいただくご質問
トレチノインにはどんな作用がありますか?
1)表皮でのターンオーバー促進
2)真皮でのコラーゲンの増生と分解の抑制
3)紫外線の悪影響の抑制
などの作用があります。
妊娠、授乳中について
妊娠している、妊娠しているかもしれない、または妊娠を希望して治療をしている方は使用しないで下さい。妊娠中の使用に関する安全性は確立していません。
授乳中には使用しないことが望ましいですが、やむを得ず使用する場合は、授乳を避けて下さい。母乳への移行についてはわかっていません。
トレチノインのエビデンス(Tweet集)
- 100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(25)~
トレチノイン療法は傷の治癒を早めるが、それは皮膚の血行を促進させる作用による。
(補足:侵襲ある肌治療前にレチノイドを使用しておくという手がある。)
Plast Reconstr Surg.
2014;133(4)481e-490e (2022年1月10日)
- 100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(26)~
もっとも一般的なトレチノインの使い方は、0.05%トレチノインクリームを夜1回外用。
Plast Reconstr Surg.
2014;133(4)481e-490e (2022年1月11日)
- 100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(27)~
3ヶ月の治療で、シワ、色味の改善が認められ、組織学的に角質の緻密化が観察される。
(補足:3ヶ月では真皮の変化は認めない。)
Clin Interv Aging
2006;1(4):327-348 (2022年1月12日)
- 100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(28)~
6ヶ月の治療で、小ジワ、大ジワ・色味・滑らかさ・ハリの改善が認められるが、組織学的には表皮の変化にとどまる。
(補足:6ヶ月でも真皮には効果は及ばない。)
Plast Reconstr Surg.
2014;133(4)481e-490e (2022年1月13日)
- 100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(29)~
12ヶ月の治療で、真皮で新しいコラーゲンなど線維成分の再構築が認められるようになる。
(補足:地道なスキンケアが実を結ぶ。)
Cutis
2005;75:25-31 (2022年1月14日)
- 100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(30)~
レチノイド反応(赤み、ヒリヒリ感、皮剥けなど)
濃度依存性で、一般的な0.05%では過半数、0.1%では90%の人で出現する。ただし、時間が経てば軽快する。
Plast Reconstr Surg.
2014;133(4)481e-490e (2022年1月15日)
- 100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(31)~
レチノイド反応(赤み、ヒリヒリ感、皮剥けなど)対策には
・保湿
・少しずつ濃度を高めたり、回数を増やしたりする
があるが、はじめから高い濃度で始めた方が早く「慣れる」と主張する人もいる。
Plast Reconstr Surg.
2014;133(4)481e-490e (2022年1月16日)
- 100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(33)~
製剤の工夫では、ナノカプセル化がもっとも期待できる。副作用を減らすだけでなく、トレチノインの効力を高められる。
Plast Reconstr Surg.
2014;133(4)481e-490e (2022年1月17日)
- 100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(34)~
光線過敏
トレチノイン療法の開始直後に生じ、数ヶ月でおさまることが多い。日光を避けたり、サンスクリーン剤を使うこと。
Plast Reconstr Surg.
2014;133(4)481e-490e (2022年1月18日)
- 100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(35)~
低濃度でもOK!?
通常より低濃度の0.025%、0.02%でも1~2年の臨床試験で0.05%と同様の効果を示すことが示されている。
Plast Reconstr Surg.
2014;133(4)481e-490e (2022年1月19日)
- 100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(36)~
やっぱり高濃度!?
通常の5倍濃度である0.25%を使うことで、早期からの効果が期待できるとする報告もある。副作用であるレチノイド反応も2週間以内に消失するという。
Plast Reconstr Surg.
2014;133(4)481e-490e (2022年1月20日)
- 100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(37)~
一生使えるの?
長期に使用(濃度、回数)する方法は確立していない。長期間の臨床試験で、効果が減じるとするものもある。
(補足:長期使用で問題が生じるわけではない。個人的には中断する理由はない。)
Plast Reconstr Surg.
2014;133(4)481e-490e (2022年1月21日)
- 100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(38)~
最適な濃度は?
もっとも多く使われるのは、0.05%だが、低濃度が模索されていて、おそらく刺激症状との兼ね合いを考えても、0.025%が最適か。
(補足:0.01%ではうすすぎて効果がない。)
Br J Dermatol.
2010;163:1157-1165 (2022年1月22日)
- 100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(39)~
刺激反応を抑える法
1)1日1回、夜に使う
2)反応が強ければ、隔日または週3回に減らす
3)反応を抑えるために抗炎症剤を併用する
(補足:抑えられなければ、レチナール、レチノールにした方がよい。)
Br J Dermatol.
2010;163:1157-1165 (2022年1月23日)
- 100歳まで美肌を保つ法~トレチノイン(40)~
皮膚の内因性(年齢的)老化に対する報告は少ないが、見た目の変化より組織学的な効果が著しく、光老化より効果的かもしれない。
Clin Interv Aging
2006;1(4):327-348 (2022年1月24日)