2023.09.10更新

 

コロナから学んだこと


これだけ世界中で猛威を振るうコロナだから、自分もそのうち・・と覚悟しているのに、なかなか罹らないから、もしかしたらこのまま乗り切れるかと淡い期待を抱いた途端、アッサリ罹ってしまいました。

(学んだことその1)一気に肺炎!

最初は夏風邪のような喉の異変で、この時点での抗原検査は陰性でした。それからとどまることなくノドの痛みが悪化して、もうつばも飲み込めないほどになるとともに痰が多く出るようになりました。

普通の風邪でもインフルエンザでも肺炎になることはあります。でもそれは「こじらせたら」の話。最初からではない。コロナは肺炎ウイルスだから当たり前と言われたらそれまでですが、最初から来る!自分が感染してみてようやくこの感染症の恐ろしさが実感できました。

実を言うと私は痰をうまく口からペッと出せなくて、何かの拍子に喉に絡んでもごくんと飲み込んできたのですが、つばも飲めないほど痛いのに、それでも飲み込まなければ確実に窒息するという状況は悲惨の極み。これがいつまで続くのかと想像するだけで、病と闘う気が失せました。

私も医師、それも呼吸器外科医としてのキャリアが長かったので、何度も痰づまりで息が吸い込めずパニックになりましたが、さすがに痰を詰まらせて死ぬわけにはいかないと、頭の中に肺、気管支の解剖を思い浮かべて、痰が出やすいように対位ドレナージを工夫して乗り切りました。

ご自身、ご家族がコロナに罹って自宅療養の際は、この痰を出しやすくする「体位ドレナージ」のテクニックは必須だと思います。「痰 体位ドレナージ」で検索して、自身にとってわかりやすいサイトをチェックしておきましょう。


(学んだことその2)いつから社会復帰していい?

ようやく最悪期を乗り越えると、急に免疫システムが作動したように感じられ順調に改善していきました。ただ、開業医である自分はいつから仕事復帰していいのだろう?という素朴な疑問が残りました。

厚労省が5類移行後の対応についてこう発表しています。
1)外出を控えるかどうかは個人の判断
2)外出を控えることが推奨される期間
発症日を0日目として5日間経過するまで
発症後5日以降まで症状が続くときは、症状が軽快して24時間経過するまで
3)周りの方にうつさないための配慮
発症日を0日目として10日間を経過するまでは高齢者などハイリスク者との接触を控えることやマスクを着用する

一律に発症日からの日数で規定していて検査はまったく要件に入っていないことは意外でしたが、そもそもが「個人の判断」なのですから妥当なラインなのでしょう。

私の場合は偶然ですが、結局「周りの方にうつさないための配慮」に従って、11日目に診療を再開していました。

私は自分で診断して、結局医療機関に連絡することもなく、勝手に治ったわけですが、皆様ご自身やご家族が罹ったとき、どのタイミングで医療機関に連絡すべきか、軽症だと迷惑がられるのではないかと悩まれるかも。

その答えは「医療機関に頼りたいときが頼りどき」。これはコロナに関わりなく、救急車をいつ呼ぶか、救急センターをいつ受診するかも同じ。軽症、重症なんて医師が判断すべきことです。

 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2023.08.29更新

今回久々に歯科診療のために自由が丘を訪問しました。

駅前ロータリーに出ると、ついにというか再開発区域ではビルが一掃されて、見慣れた景色がポッカリと抜け落ちていました。

自由が丘駅前ロータリー

もっとショックを受けるかと思いましたが、周囲一帯で丸ごとなくなってしまうと感慨に耽るまでもなく、自分のクリニックのあった場所を確認して、記念に写真を撮り終わった頃には気持ちの整理もできていました。

夢の樹HILLS跡地

再開発の成功を心から祈っていますが、一抹の不安も覚えます。

自由が丘の魅力は、個性的な小さなお店が醸し出す「多様性」だと思いますが、新しいビルにそうした自由が丘らしいお店が入ることはまずできません。

前にも書きましたが、巨大ビルに入居する場合、内装工事に付属する防災や空調の設備工事は巨大ビルを作ったいわゆる大手ゼネコンへの発注が指定されます。

賃貸契約を結んで、設計ができて、必要な設備工事が決まってから、それを発注するわけですが、大手ゼネコン相手に値引き交渉なんて通じませんから、どんなに無茶な高額請求を提示されようと飲むしかありません。

結局、大手ゼネコンが作る巨大ビルに入れるのは資金的に余裕のあるところだけとなり、そうして大きなショッピングモールはどこも似たような店舗構成になってしまうのです。

自由が丘が、二子玉川の二番煎じにならないことを祈るばかりです。

 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2023.06.20更新

この文章は、私にシフトワーカーの健康問題を考えるきっかけを下さった、あるお客様に捧げます。看護師をされていたそのお客様と、この話題になった時、何もアドバイスできないばかりか、冗談めかして「早く婦長さんになって、この状況から脱却するしかないですよ!」としか言えなかったことが、今も痛恨の思いとして心に残っています。答えとして不十分ですが、今も考え続けていることをお伝えしたい。


ここ数十年くらいで日本の社会では急激に24時間化が進みました。

それ以前から生きている私は、家の近所にセブンイレブンができて、名前の通り朝の7時から夜の11時まで営業することに衝撃を受けたことを覚えています。社会が24時間化してから生まれ育った人には、「セブンイレブンの衝撃」は決して理解できないでしょう。

最近は人手不足の影響で、一部のコンビニが24時間営業でなくなったりしていますが、ではみんな「セブンイレブン」に戻るかと言えば、それも無理な話。最近、さまざまな「多様性」が議論されていますが、社会の24時間化が実現させているのは、生活、生き方の「多様性」。これからもそれを尊重する方向に社会は進歩していくはず。

ただし、24時間営業の現代社会を支えるシフトワーカーには、大きな身体的負担がかかっています。


シフトワークが睡眠障害をはじめ、肥満、脂質異常症、高血圧、糖尿病など生活習慣病や心筋梗塞、脳卒中、乳がん、前立腺がんなどの疾患リスクを上昇させることが多くの疫学研究から示されています。

なぜシフトワークが健康に悪いか・・不規則な生活は身体に悪いに決まっていると言えばそれまでですが、ではなぜそうなのでしょう?

人に限らず、地球上の生物には、体内時計が備わっています。地球の自転によって、およそ24時間周期で昼夜の環境が変化する地球上で生存競争に勝ち抜くために不可欠なシステムです。

体内時計を調整するメラトニンというホルモンは、驚くべきことにヒトはもちろん動物でも植物でも微生物でも共通。いかに生命にとって根源的なシステムであるかがわかります。体内時計は地球上生命体全般において、普遍で不変!な進化をとげたのです。

そして、そのシステムに従って、睡眠覚醒、代謝、ホルモン分泌などさまざまな生理現象が調節されています。

だから人はシフトワークのように地球の自転を無視した生活には適応できないのです。これが体内時計を研究する医学分野である「時間医学」的な解答になります。


「時間医学」


その「時間医学」の新しい知見として、マウスの実験ではありますが、だんだん活動期を遅らせていくのと早めていくのでは、遅らせていく飼育条件の方が順応しやすいことが報告されています。

マウスの結果をヒトに当てはめるのも性急すぎますが、無理やり当てはめるなら、ヒトでも数日おきに活動時間をずらす、それも遅寝遅起きの方向にずらすのなら身体への負担も少なくできるかもしれません。

具体的には、日勤、準夜勤、深夜勤という3交代制のシフトワークでは、必ず数日おきに日勤→準夜勤→深夜勤の方向へずらしてシフトを組むのです。

不規則な生活を強いられるシフトワーカーですが、「規則的」に不規則な生活なら、まだ健康を害するリスクは小さくできる可能性があります。


今日も真夜中の街ではいろんな職種の方がシフトワーカーとして勤務されています。そのおかげで、社会は24時間稼働して、いつでも時間に関係なく好きなように生活することが可能になっています。

シフトワーカーの健康を守る取り組みは、差し迫った課題なのです。

 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2023.05.12更新

美容クリニックでボツリヌス療法(ほんとうは製剤名で書いた方がわかりやすいですが)を続けていると、だんだん効きが悪くなったり、効果の持続時間が短くなったりすることがあります。それがボツリヌス療法の「耐性」問題。


この「耐性」については、以前から防ぐ方法はわかっていました。それはドイツのメルツ社が製造するゼオミンを使うこと。ゼオミンは神経毒素以外の余分なボツリヌス菌由来のタンパク質を含みません。そのため免疫を刺激して抗体を作ることがないとされ、実際ゼオミンのみを使用していて耐性が生じたとする報告はありません。


ただし、実際に美容目的でボツリヌス療法を続けて、中和抗体ができてしまう確率は、0.2~0.4%と高くはありません。「美容医療でのボツリヌス療法で使われる量は少ないから心配しなくてもよい」という楽観論が支配的でした。


そのため、美容医療業界では、ボツリヌス療法でどの製剤を使うかは、「耐性」問題が表面化しない限りどれでもいいが、「耐性」が疑われ出したらゼオミンに変更するというのが、これまでの「常識」でした。


ゼオミン自体はかなり前から市場に出回っている製剤ですから、日本でも扱っているクリニックは数多くあります。その他の製剤とともに製剤選択肢のひとつとして位置付けられているに過ぎません。


ところが、これまでの「常識」を見直す動きが出始めました。この動きを牽引しているのは、なんと米国形成外科学会(正確には米国形成外科学会の関連オープンアクセス誌)です。


背景にあるのは、ひとつは「美容医療でのボツリヌス療法で使われる量は少ないから」を言い訳にしていたのに、美容医療でのボツリヌス療法の適応が広がり、使用量も増えていること。もうひとつは美容医療以外でもボツリヌス療法が使われる疾患の増加。


ボツリヌス療法を取り巻く状況は大きく様変わりしています。ボツリヌス療法で検索すると、驚くほど多くの一般診療の医療機関が引っかかるご時世になりました。今のところボツリヌス療法が使われるのは一部の神経疾患ですが、その中には脳卒中の後遺症も含まれ、決して珍しい疾患だけとは言い切れません。今後さらに多くの病気治療に使われるようになることも予想されます。将来的には誰でも病気の治療のためにボツリヌス療法が必要になるかもしれません。


「耐性」の何が問題かと言えば、将来ボツリヌス療法が適応となる疾患になったときに、耐性ができていたらボツリヌス療法が使えなくなることなのです。


個人的な見解ですが、米国形成外科学会はその公的な立場上、あからさまに一社の製剤を勧めるわけにはいかない。それでも重大な問題であるからメッセージは発する必要がある。そこで学会直属の機関誌ではなく、学術誌としては格下になるけれども、逆にオープンアクセス誌だから誰にも見てもらえる姉妹誌から、「耐性」を扱う文献を掲載することにしたのではないでしょうか。昨年2回も。


その中では、「耐性の症状が生じる前から」、「初めてボツリヌス療法を受ける人にも」、「できるだけ耐性を生じにくい製剤(つまりはゼオミン)」を使うべきと結論づけられています。ボツリヌス療法のスタンダードを、これまでのように耐性を疑ってからゼオミンに変更するのではなく、初めから(!)使う方向へと変わることを促す内容です。


こうした文献を読んで、当院ではボツリヌス療法で使う製剤をボトックスからゼオミンに変更しました。厚労省承認製剤のボトックスか、耐性を作らないゼオミンか相当悩みましたが、美容でのボツリヌス療法で「耐性」を生じさせることは、何としても防がなければならないという思いが決め手になりました。

 

未来につなげるボツリヌス療法


ゼオミン(BOCOUTURE)を取り扱う代理店に発注した時に聞いた話では、まだ国内の美容クリニックで明らかな動きはないということでした。米国形成外科学会の関連オープンアクセス誌上で展開される啓蒙活動に、日本の美容医療界がどう反応するのか、それとも気づかずにスルーするのか、既読スルーするのか興味深く見守りたいと思います。

 

 

(参考文献)
1) Neurotoxin Impurities: A Review of Threats to Efficacy
Je-Young Park, et al.
Plast ReconstrSurg Glob Open
2020;8(1):e2627

2) Immunogenicity Associated with Aesthetic Botulinumtoxin A: A Survey of Asia-Pacific Physicians' Experiences and Recommendations
Je-Young Park, et al.
Plast ReconstrSurg Glob Open
2022;10(4):e4217

3) Emerging Trends in Botulinum Neurotoxin A Resistance: An International Multidisciplinary Review and Consensus
Wilson W S Ho, et al.
Plast ReconstrSurg Glob Open
2022;10(6):e4407

4) Immunogenicity of Botulinum Toxin Formulations: Potential Therapeutic Implications
Warner W Carr, et al.
Adv Ther
2021;38(10):5046-5064




 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2023.05.07更新

移転先が浜松町と決まったとき、最初に頭に浮かんだのは3歳の保育園児だった頃に、東京モノレールの見物に行ったことでした。

今でも覚えているのは、モノレールが浜松町駅からゆっくりカーブを描きながら出ていって、また再びゆっくりカーブを描きながら戻ってきたこと。


モノレール1

 

これは今の画像ですが、おそらく当時と路線は変わっていないから、この風景を見ていたのだと思います。

東京モノレール浜松町駅のある建物は、JR浜松町駅北口すぐにありますが、今は世界貿易センタービルが建替え中のため、剥き出しとなっています。駅周辺の再開発により、東京モノレール浜松町駅自体も建替え工事で生まれ変わるようです。

モノレール2

 

ノスタルジーに浸ってばかりでは前には進めない・・東京でつくづく痛感します。


 

 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2023.02.22更新

 

自由が丘での診療最終日である2月21日が来ました。

もっと感慨深いものかと勝手に想像していましたが、案外アッサリとこの日が来て、そしてまたいつものようにアッサリと「お疲れ様!」とスタッフに声をかけてクリニックを後にしました。

別にこれで引退するわけでもないし、次の浜松町での診療再開に向けた準備が忙しくて、のんびり振り返っている暇はないというのが正直なところ。

東京都や保健所の許認可関係は無事通過したので、3月9日(木)の診療再開は問題なさそうと安心していたら、突如浮上したのが「資材不足」。

どんな「資材」かというと、洗面台のシンク。資材の高騰や不足はニュースで耳にしていましたが、まさか資金や物件や許認可でもなく、「資材不足」、それもシンクが診療再開への最大の障害になるとは思ってもいませんでした。

内装業者さんが手を尽くして下さっているので、あとは運を天にまかせるしかないのですが、どこまでもハラハラが尽きないクリニック移転顛末記なのでした。

ウォールサイン

 

自由が丘で入口正面にあったクリニックのウォールサインは、すでに外され浜松町へ運ばれました。

 

 

 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.12.11更新

いよいよ結論を申し上げると、クリニックの移転先は、「浜松町」に決定いたしました。

浜松町1

 

今回の物件探しでは、アットクリニックさんに大変お世話になりました。アットクリニックさんのサイトでは物件が東京は23区別に掲載されていて、目黒の本命だった物件を振られてからはその先の港区で探していて、浜松町にたどりつきました。

もし、同じように物件探しをしている方がいたら、アットクリニックさんをオススメします。今回お世話になったIさんにはもう足を向けて寝られないほど感謝しています。

これまでの仲介業者さんは物件オーナーの代理人みたいでしたが、Iさんは終始こちらにとっていい条件になるようオーナー側と交渉して下さいました。まるでこちらのコンサルタントみたいに。この場を借りてお礼申し上げます。


浜松町2

 

 

当初はあくまで二番手、三番手の候補でしたが、考えていくうちに「浜松町」が一番!に変わったのですが、その最大の理由は、候補物件の中で、ここが一番今来て下さっているお客様にご案内しやすいこと。

電車を利用するなら、自由が丘を起点とすると、大岡山で大井町線から三田線直通の目黒線への乗り換えが便利。「芝公園」で降りて、東京タワーを眺めながら5,6分ブラブラ歩けばクリニックに到着です。

または駅の外に出る必要がありますが、大井町線の中延で都営浅草線に乗り換えて「大門」へ。「大門」は最寄り駅でクリニックはもう目と鼻の先。

JR山手線の浜松町、都営三田線の芝公園、大江戸線、都営浅草線の大門。この3つの駅が使えます。



今回の移転騒動はこうして「浜松町」に決着したわけですが、ひとつお詫びがあって、クリニック移転顛末記(1)で、自由が丘を出ることを決意した理由が、残りのキャリアを再開発工事などのない静かな環境で過ごしたいからと書きました。その気持ちにウソ偽りはなかったのですが、実は・・「浜松町」のビルのそばでは、まさにその再開発工事が真っ最中で、唖然、呆然、愕然としたことをお詫びとともにご報告申し上げます。

どこまでいっても「再開発」からは逃げられないようです。



  

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.12.04更新

大本命だった「目黒」に振られてから、もしかして流浪のクリニックになるのでは・・という恐怖心がフツフツと湧き上がってきました。すでに自由が丘ではクリニックの近隣は次々と立ち退いています。

自由が丘

 

尻に火がついたようになって、目黒でダメならと、南北線をさらに麻布十番、永田町と北上して、手当たり次第めぼしい物件を探りました。

その中で、ひとつ勉強になったことがありました。

永田町の巨大ビルがテナントを募集していて、身の丈も考えずにその気になったのですが、巨大ビルへの入居を考えるときに、注意しなければならないのが、内装工事のさいの防火設備など、「B to B」と言われる工事。

たとえばスプリンクラーの設置ですが、巨大ビル本体と接続しなければならないため、勝手に業者は選べません。必ず巨大ビルを作ったいわゆる「ゼネコン」に発注する必要があります。しかもテナント契約をして、内装のデザインが決まらないことには、どこにいくつスプリンクラーが必要か決まらないため、テナント契約をして引くに引けなくなってから、「ゼネコン」からの巨額な請求を無理矢理飲まされるのです。どのくらい巨額かというと、およそ数個のスプリンクラーで、その他のすべての内装工事と同じくらい。私はそれを聞いて、あまりにバカらしくて巨大ビルに入る野望を捨てざるを得ませんでした。

でも、今では永田町は諦めて正解だったと思います。駅から数分という立地でしたが、実際には地下鉄のホームから考えると果てしなく遠い。ずっと地下鉄構内を歩いて、最後に地表に出るのに長い階段を上がって・・と、とても今来て下さっているお客様に軽々しく「来て下さい」とは言えませんでした。

「日本の中心で美容を叫ぶ!」と自分だけで勝手にキャッチフレーズを作ったのですが、あえなくこの案もボツになりました。


 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.11.13更新

一時期、大本命だったのが「目黒」。

お客様にも「たぶん目黒になります・・」と口走っていたこともあります。

実は目黒は私にとって美容医療の出発点。もう20年以上も経つわけですが、美容外科医としての初日に勤務(というか見学)したのが、神奈川クリニック目黒本院でした。

たぶん決まりそうという予感もあって、あらためて目黒駅周辺を散策したりして、今はホテルになっている当時の目黒本院に行って懐かしんでみたり、すっかりその気になっていました。

候補物件だったのは、目黒駅から2分で、小ぎれいなビルの1階。オーナーもできればクリニックに入居して欲しいと希望されていて、あとは細かな条件面で折り合えばというところでした。

目黒

 

話が一転したのが、異業種のライバルが登場してから。俄然オーナーが強気になったことで、ついに「目黒」はまぼろしとなってしまいました。

キャリアをスタートさせた場所で最後の10年を過ごすというのも悪くないと思ったのですが、なかなかうまくいかないものです。


 

 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.10.26更新

移転候補地として、チラチラと頭に浮かんだのは武蔵小杉。今は長野に移住しましたが、東京に住んでいたときのご近所さん。



通勤時間的に自由が丘よりさら長くなりそうですが、東京駅からは横須賀線一本なので、実は短いというのもポイント。



都心に近づくよりは、賃貸料も安そうだし、土地勘がある安心感もあるのですが、ただ、ヘタに土地勘があると、アラにも気づくというか、朝夕の駅の混雑が悪夢のように思い出されてどうしてもそれ以上踏み込めませんでした。





そのほか東急東横線沿線では学芸大学、中目黒、大井町線沿線では旗の台もチラッと頭に浮かんだのですが、いずれも泡のごとくすぐに消え去りました。


10年ほど前に自由が丘に開設したときは、候補物件がいくつも出てきて、その中から選べた印象だったのですが、時代が変わったのか、今は美容クリニックの候補になる物件はほんとうに少ない。



こうしてだんだん私の目は恐れ多くも東京の中心部に向かって行ったのでした。

自由が丘開設直前の待合室風景
(懐かしの画像:自由が丘開設直前の待合室風景)






 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

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