これだけ世界中で猛威を振るうコロナだから、自分もそのうち・・と覚悟しているのに、なかなか罹らないから、もしかしたらこのまま乗り切れるかと淡い期待を抱いた途端、アッサリ罹ってしまいました。
(学んだことその1)一気に肺炎!
最初は夏風邪のような喉の異変で、この時点での抗原検査は陰性でした。それからとどまることなくノドの痛みが悪化して、もうつばも飲み込めないほどになるとともに痰が多く出るようになりました。
普通の風邪でもインフルエンザでも肺炎になることはあります。でもそれは「こじらせたら」の話。最初からではない。コロナは肺炎ウイルスだから当たり前と言われたらそれまでですが、最初から来る!自分が感染してみてようやくこの感染症の恐ろしさが実感できました。
実を言うと私は痰をうまく口からペッと出せなくて、何かの拍子に喉に絡んでもごくんと飲み込んできたのですが、つばも飲めないほど痛いのに、それでも飲み込まなければ確実に窒息するという状況は悲惨の極み。これがいつまで続くのかと想像するだけで、病と闘う気が失せました。
私も医師、それも呼吸器外科医としてのキャリアが長かったので、何度も痰づまりで息が吸い込めずパニックになりましたが、さすがに痰を詰まらせて死ぬわけにはいかないと、頭の中に肺、気管支の解剖を思い浮かべて、痰が出やすいように対位ドレナージを工夫して乗り切りました。
ご自身、ご家族がコロナに罹って自宅療養の際は、この痰を出しやすくする「体位ドレナージ」のテクニックは必須だと思います。「痰 体位ドレナージ」で検索して、自身にとってわかりやすいサイトをチェックしておきましょう。
(学んだことその2)いつから社会復帰していい?
ようやく最悪期を乗り越えると、急に免疫システムが作動したように感じられ順調に改善していきました。ただ、開業医である自分はいつから仕事復帰していいのだろう?という素朴な疑問が残りました。
厚労省が5類移行後の対応についてこう発表しています。
1)外出を控えるかどうかは個人の判断
2)外出を控えることが推奨される期間
発症日を0日目として5日間経過するまで
発症後5日以降まで症状が続くときは、症状が軽快して24時間経過するまで
3)周りの方にうつさないための配慮
発症日を0日目として10日間を経過するまでは高齢者などハイリスク者との接触を控えることやマスクを着用する
一律に発症日からの日数で規定していて検査はまったく要件に入っていないことは意外でしたが、そもそもが「個人の判断」なのですから妥当なラインなのでしょう。
私の場合は偶然ですが、結局「周りの方にうつさないための配慮」に従って、11日目に診療を再開していました。
私は自分で診断して、結局医療機関に連絡することもなく、勝手に治ったわけですが、皆様ご自身やご家族が罹ったとき、どのタイミングで医療機関に連絡すべきか、軽症だと迷惑がられるのではないかと悩まれるかも。
その答えは「医療機関に頼りたいときが頼りどき」。これはコロナに関わりなく、救急車をいつ呼ぶか、救急センターをいつ受診するかも同じ。軽症、重症なんて医師が判断すべきことです。