2022.12.11更新

いよいよ結論を申し上げると、クリニックの移転先は、「浜松町」に決定いたしました。

浜松町1

 

今回の物件探しでは、アットクリニックさんに大変お世話になりました。アットクリニックさんのサイトでは物件が東京は23区別に掲載されていて、目黒の本命だった物件を振られてからはその先の港区で探していて、浜松町にたどりつきました。

もし、同じように物件探しをしている方がいたら、アットクリニックさんをオススメします。今回お世話になったIさんにはもう足を向けて寝られないほど感謝しています。

これまでの仲介業者さんは物件オーナーの代理人みたいでしたが、Iさんは終始こちらにとっていい条件になるようオーナー側と交渉して下さいました。まるでこちらのコンサルタントみたいに。この場を借りてお礼申し上げます。


浜松町2

 

 

当初はあくまで二番手、三番手の候補でしたが、考えていくうちに「浜松町」が一番!に変わったのですが、その最大の理由は、候補物件の中で、ここが一番今来て下さっているお客様にご案内しやすいこと。

電車を利用するなら、自由が丘を起点とすると、大岡山で大井町線から三田線直通の目黒線への乗り換えが便利。「芝公園」で降りて、東京タワーを眺めながら5,6分ブラブラ歩けばクリニックに到着です。

または駅の外に出る必要がありますが、大井町線の中延で都営浅草線に乗り換えて「大門」へ。「大門」は最寄り駅でクリニックはもう目と鼻の先。

JR山手線の浜松町、都営三田線の芝公園、大江戸線、都営浅草線の大門。この3つの駅が使えます。



今回の移転騒動はこうして「浜松町」に決着したわけですが、ひとつお詫びがあって、クリニック移転顛末記(1)で、自由が丘を出ることを決意した理由が、残りのキャリアを再開発工事などのない静かな環境で過ごしたいからと書きました。その気持ちにウソ偽りはなかったのですが、実は・・「浜松町」のビルのそばでは、まさにその再開発工事が真っ最中で、唖然、呆然、愕然としたことをお詫びとともにご報告申し上げます。

どこまでいっても「再開発」からは逃げられないようです。



  

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.12.04更新

大本命だった「目黒」に振られてから、もしかして流浪のクリニックになるのでは・・という恐怖心がフツフツと湧き上がってきました。すでに自由が丘ではクリニックの近隣は次々と立ち退いています。

自由が丘

 

尻に火がついたようになって、目黒でダメならと、南北線をさらに麻布十番、永田町と北上して、手当たり次第めぼしい物件を探りました。

その中で、ひとつ勉強になったことがありました。

永田町の巨大ビルがテナントを募集していて、身の丈も考えずにその気になったのですが、巨大ビルへの入居を考えるときに、注意しなければならないのが、内装工事のさいの防火設備など、「B to B」と言われる工事。

たとえばスプリンクラーの設置ですが、巨大ビル本体と接続しなければならないため、勝手に業者は選べません。必ず巨大ビルを作ったいわゆる「ゼネコン」に発注する必要があります。しかもテナント契約をして、内装のデザインが決まらないことには、どこにいくつスプリンクラーが必要か決まらないため、テナント契約をして引くに引けなくなってから、「ゼネコン」からの巨額な請求を無理矢理飲まされるのです。どのくらい巨額かというと、およそ数個のスプリンクラーで、その他のすべての内装工事と同じくらい。私はそれを聞いて、あまりにバカらしくて巨大ビルに入る野望を捨てざるを得ませんでした。

でも、今では永田町は諦めて正解だったと思います。駅から数分という立地でしたが、実際には地下鉄のホームから考えると果てしなく遠い。ずっと地下鉄構内を歩いて、最後に地表に出るのに長い階段を上がって・・と、とても今来て下さっているお客様に軽々しく「来て下さい」とは言えませんでした。

「日本の中心で美容を叫ぶ!」と自分だけで勝手にキャッチフレーズを作ったのですが、あえなくこの案もボツになりました。


 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.11.13更新

一時期、大本命だったのが「目黒」。

お客様にも「たぶん目黒になります・・」と口走っていたこともあります。

実は目黒は私にとって美容医療の出発点。もう20年以上も経つわけですが、美容外科医としての初日に勤務(というか見学)したのが、神奈川クリニック目黒本院でした。

たぶん決まりそうという予感もあって、あらためて目黒駅周辺を散策したりして、今はホテルになっている当時の目黒本院に行って懐かしんでみたり、すっかりその気になっていました。

候補物件だったのは、目黒駅から2分で、小ぎれいなビルの1階。オーナーもできればクリニックに入居して欲しいと希望されていて、あとは細かな条件面で折り合えばというところでした。

目黒

 

話が一転したのが、異業種のライバルが登場してから。俄然オーナーが強気になったことで、ついに「目黒」はまぼろしとなってしまいました。

キャリアをスタートさせた場所で最後の10年を過ごすというのも悪くないと思ったのですが、なかなかうまくいかないものです。


 

 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.10.26更新

移転候補地として、チラチラと頭に浮かんだのは武蔵小杉。今は長野に移住しましたが、東京に住んでいたときのご近所さん。



通勤時間的に自由が丘よりさら長くなりそうですが、東京駅からは横須賀線一本なので、実は短いというのもポイント。



都心に近づくよりは、賃貸料も安そうだし、土地勘がある安心感もあるのですが、ただ、ヘタに土地勘があると、アラにも気づくというか、朝夕の駅の混雑が悪夢のように思い出されてどうしてもそれ以上踏み込めませんでした。





そのほか東急東横線沿線では学芸大学、中目黒、大井町線沿線では旗の台もチラッと頭に浮かんだのですが、いずれも泡のごとくすぐに消え去りました。


10年ほど前に自由が丘に開設したときは、候補物件がいくつも出てきて、その中から選べた印象だったのですが、時代が変わったのか、今は美容クリニックの候補になる物件はほんとうに少ない。



こうしてだんだん私の目は恐れ多くも東京の中心部に向かって行ったのでした。

自由が丘開設直前の待合室風景
(懐かしの画像:自由が丘開設直前の待合室風景)






 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.10.20更新

■マッサージ
人はなぜマッサージで癒やされるのだろう?
どうしてまた受けたくなるのだろう?

そんなマッサージの「なぜ」が医学的に解き明かされつつあります。

大切な人に「愛」を伝える法


■C触覚線維
マッサージでは皮膚感覚が刺激されますが、このときポイントになるのがC触覚線維。毛根に巻き付いて、毛の振動を感知している神経繊維です。

このC触覚線維は、「柔らかいタッチ」と「ゆっくりとした動き(毎秒3~10cmの速度)」に反応します。そして、C触覚線維からの刺激が脳に届くと、愛情ホルモン・オキシトシンが分泌されるようになります。

別に凝り固まった身体をほぐさなくとも、表面的な皮膚感覚を上手に刺激することで人に幸福感を与えることができるのですから、「たかがマッサージ」なんてもう言ってられません。断然「されどマッサージ」なのです。


■「愛」を伝える
個人的に注目したのは、ほとんどの感覚機能が加齢とともに衰える中、C触覚線維の感度は加齢による影響を受けないばかりか、逆に亢進すること。そうならマッサージは、高齢者のケアにもっと活用できるかもしれません。

もし大切な方が、ご病気や認知症などで意思の疎通ができなくなったとしても、面会のさいには優しく、ゆっくりと身体をさすってあげて下さい。言葉は通じなくても、そのお気持ちは必ずや「愛情」として伝わっているはずです。

 

 

(参考文献)
1) 皮膚感覚と心
山口 創
日本香粧品学会誌
2022;46(1):51-58

2) The effects of aging on tactile function in humans
McIntyre S, et al.
Neuroscience
2021;464:53-58


 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.10.15更新

移転候補地として最初に頭に浮かんだのは大井町でした。

大井町

 

何と言っても大井町線で自由が丘と直結しています。東急だけでなく、JR、りんかい線もあって交通の便も良さそう。大規模な再開発が進行していて、大きなタワマンができたり、街としても将来性が感じられます。

実はビルを内見したときは好印象で「これで決めた!」とまで思ったのですが、クリニックに戻るために大井町線に乗っている間に「やっぱ、止めた!」と180度気持ちが変わってしまいました。


大井町2

 

大通りに面した、駅から歩いて数分の立地的には申し分のないビルでした。気になったのはひとつは7階ということ。エレベーターが故障などで停止したらどうなるのか?お客様に階段を使って下さいと言うのか?

もうひとつは他の階のテナントはほとんどが塾で、午後から夕方にかけてかなり騒がしそうだったこと。お客様は子供たちとギューギューのエレベーターに乗ることになります。

この時点では、まだ他にいくらでも候補物件は出てくるだろうと、たかをくくっていたので、アッサリお断りしてしまいました。

でも、それが苦労の幕開けとなったのです。

 

 

 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.10.02更新

自由が丘に再開発計画があることを知らず、その上まさか自分のクリニックがその地域に入るなんて夢にも思っていなかったので、クリニックの移転はまさに青天の霹靂。

このクリニックを開設したのは2011年の9月。ほとんど開業支援のコンサルタントに丸投げでしたが、それでもこんな大変な思いはもう二度としたくないと思ったものでした。まさか10年経ってまた同じことを繰り返さなければならないとは。

今のところどこに移転するのか、いつ移転するのか、それすら決まっていません。

決まってから発表しろとお叱りを受けそうですが、二転三転しながら、アタフタする様を楽しみに見守っていただきたいと、ちょっと自虐的になっています。

自由が丘が好きで、そこにクリニックを開設できたことに幸せを感じていたわけですが、今回少なくとも、大好きな自由が丘からは離れることにしました。

当院開設前のビルの様子
(懐かしの画像)当院開設前のビルの様子


自由が丘がどう変貌していくか見守りたいのもヤマヤマですが、おそらくあと10年程度となった自分のキャリアを思ったとき、慌ただしく工事が進行する街ではなく、落ち着いた静かな環境で診療に没頭したいという気持ちの方が強くなったのです。

候補地としては、東急線沿線で、今よりは東京駅に近い方角。何と言っても長野から新幹線通勤している身ですから、少しでも通勤時間を短縮して、身体の負担を減らしたいと思っています。

どこを狙っているかわかります?


 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.10.02更新

■日焼け止めの課題
それは、もっと長波長側への防御能の拡大。

現在米国では、紫外線のUVBの防御能の目安には日本と同様にSPFがありますが、UVBより波長の長いUVAについては、“broad spectrum”というちょっとわかりにくい表現を採用しています。

そして、日焼け止めというのは波長が長いほど防御は難しくなるわけですが、少なくとも370nmまでの波長までは90%以上をブロックできる日焼け止めだけが“broad-spectrum”と表記できることになっています。ただし370nmは320~400nmのUVA領域。つまり長波長のUVAは十分ブロックできなくても仕方ないと認めた基準なのです。

このように現状では、紫外線のUVA領域ですら、全体をカバーできていないのが現状なのに、ここにきて、さらに長波長の可視光線の問題が話題になっています。

従来は可視光線(人が目で光、色として捉えることができる波長の光線)は皮膚には無害とされていたのですが、可視光線の中でも特にブルーライトは、肌の色の濃いタイプの人では日焼けの原因になることが確定的になってきました(色白の人では赤くなるだけ)。


■可視光線の防ぎ方
では可視光線対策にはどうすればいいの!とすぐに心が騒ぐ気持ちもわかりますが、実は可視光線は目に見えるので、その防御能もある程度見た目からも判断できます。

まず透明な日焼け止めはまったく無力。可視光線を吸収も反射もしないからこそ透明なのですから。

塗って白くなる日焼け止めはある程度有効。白く見えるということは可視光線全域を表面で反射しています。当然ブルーライトもある程度反射しています。

可視光線対策としてもっと優れているのが、黄色や赤や黒の色素でブルーライトを吸収してしまう方法。たとえば黄色に見えるのは黄色だけを反射してそれ以外の色を吸収しているから黄色に見えるわけで、ブルーライトも吸収しています。黒はすべての可視光線を吸収しているからそう見えるので、これが一番強力。ただし、黒の日焼けめでは売れそうにありません。

実際には、黒、赤、黄色をした酸化鉄を白の酸化チタンと合わせることで、肌の色味に合わせて調整した日焼け止めがあります。これが米国で販売されているtinted sunscreen(「色つき」日焼け止め)。


「色付き」にしてくれ


■次世代の標準日焼け止めか!?
これが現状では、可視光線対策としての日焼け止めの決定版。tinted sunscreen(「色つき」日焼け止め)を使用すれば可視光線の浸透を93~98%防げるとか。最近の日焼け止めの文献では、肌の色の濃いタイプの方には、tinted sunscreen(「色つき」日焼け止め)を推奨しています。

■tinted sunscreen(「色つき」日焼け止め)が必要なのは?
「次世代の」と大げさに書きましたが、全員にtinted sunscreen(「色つき」日焼け止め)が必要なわけではありません。

tinted sunscreen(「色つき」日焼け止め)が必要なのは、
1)光線過敏症状のある方
2)肝斑や色素沈着で治療している方
3)肌の色の濃いタイプで日焼けを避けたい方
に限られます。

「限られます」としたものの、3)を入れたら、結構な割合の人が当てはまりそう。

■日本でtinted sunscreen(「色つき」日焼け止め)はどう手に入れたらいい?
では、日本で市場に出回っている製品にもtinted sunscreen(「色つき」日焼け止め)に該当する日焼け止めはあるのでしょうか?それとも海外のサイトから購入するしかないのでしょうか?

■もっと時代の先端を走って!NAVISION
当院でも取り扱っているナビジョンを見ていると、「色つき」の日焼け止めがあって、それには見分けるポイントになる「酸化鉄」が含まれています。もしかしてtinted sunscreen(「色つき」日焼け止め)?とさっそく問い合わせてみましたが、「この製品は可視光線対策として設計されていません。」だって。「今後も研究を継続していきます」って、もっと自分から道を切り開いていかなかったら、永遠にラロッシュ・ポゼに勝てないよ!

■とぼけるな、ラロッシュ・ポゼ!
世界的に美容皮膚科御用達の日焼け止めの感もあるラロッシュ・ポゼの製品の中から、米国ではtinted sunscreen(「色つき」日焼け止め)として販売しているものなら間違いないと思い、問い合わせたところ「日本で販売されている製品の中で、どれが米国ではtinted sunscreenと表記しているか、こちらでは把握しておりません!」とまさかのすっとぼけた回答。製品の中には酸化鉄を含む「色つき」があって怪しいが・・・。

■最後は米国頼みか・・
最大の問題は、tinted sunscreen(「色つき」日焼け止め)の決め手になる成分の酸化鉄が、実は米国FDAのリストでは無効(!)な成分に分類されていたり、紫外線のSPFに相当する防御能の表記も定まっていないなど、とにかく制度が時代遅れになっていること。

tinted sunscreen(「色つき」日焼け止め)を名乗るルールもないから、悪意を持ったメーカーの登場を防げません。

米国FDAが動けば、世界が動くわけですから、どうしても期待してしまうのですが、FDAは日焼け止めについては、有効成分の承認が遅れていることも長らく批判されていて、日焼け止め部門(そんなのあるか知らんけど)の動きの遅いのが気になります。


 

 

(参考文献)
1) Photoprotection beyond ultraviolet radiation: A review of tinted sunscreens
Lyons AB, et al.
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1393-1397

2) Practical guide to tinted sunscreens
Torres AE, et al.
J Am Acad Dermatol.
2022;87(3):656-657

5) Visible light Part II: Photoprotection against visible and ultraviolet light
Geisler AN, et al.
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1233-1244


 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.09.14更新

ついに決着!日焼け止め30分前説


■前回紹介した、「日焼け止めは外に出る30分前に塗るべき!」というネットニュースにTwitter上では、すぐ効くはず!と反論が殺到した一件。

米国皮膚科学会が「15分前」を推奨していることを知っていましたが、その根拠がわからなかったので、こんな意見もあると紹介だけして、結論は先送りしました。

■実はこの時点では、以前に「皮膚の老化の80%は光老化」という都市伝説の出処を探し出すのには10年かかったことを思い出して、気長に「30分前説」の根拠を探るしかないと、日焼け止めの使い方、塗り方に言及してそうなベーシックな論文から読み始めました。

■そうしたら皮膚科領域の名だたる一流紙も「15~30分前」を勧めているし、WHOも「20分前」を勧めていることを知り愕然としましたが、それでも今回は案外あっさり問題は解決しました。優しく謎解きをしてくれたのは、カナダ皮膚科学会の公式ジャーナルでした。


■日光を浴びる15分から30分前に日焼け止めを塗ることが推奨される根拠は、ひとえにSPFなど日焼け止めの効果の測定がその条件で行われているからだったのです。水分の影響を排除するため、時間をおいてから効果測定はスタートするのです。

■想像上は塗った直後から効果がありそうでも、実際効果を証明したわけではないから、一流ジャーナルをはじめ、米国皮膚科学会やWHOなど世界的権威は、証明されていないことを推奨することはできないという立場を貫いているわけです。

■カナダ皮膚科学会の公式ジャーナルは、Twitterの皆様の憤りを晴らすように書いてくれています。「(15分から30分前に塗るべきという)推奨を支持するエビデンスはまったくない(a complete lack of evidence)」。

その上で、実際上の日焼け止めを塗るタイミングとしては、日光に当たる前に塗ればよく、ただ、水を浴びるときは15~30分前がよいと結論づけています。

■結局、誰も間違っていたわけでも、ウソ情報を流したわけでもなかったのです。たぶんこれからも「日焼け止めは外に出る30分前に塗るべき!」というネットニュースがときどき流れるでしょうが、人知れず微笑みながら聞き流すことにしましょう。


(参考文献)
1) Sunscreen application, safety, and sun protection: the evidence
Li H, et al.
Journal of Cutaneous Medicine and Surgery
2019;23(4):357-369

 

 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.09.06更新


30分前に塗る?日焼け止め

■Twitterから
最近、Twitterで議論を呼んだのが、ネットに出た「日焼け止めは、外に出る30分前に塗るべき」という記事。批判の嵐が巻き起こり、中にはメーカー各社に確認を取る方もいて、結局、質問した10社ほどのすべてが、「塗ればすぐに有効」と返答したとか。

こんな都市伝説まだ生き残っていたのか!という意見もあったから、以前からときおり蒸し返される問題なのでしょう。今回は、少なくともTwitter上では「即効説」の圧勝となり、「30分前説」は瞬殺された格好。


■米国皮膚科学会は「15分前説」
確かに塗った瞬間から肌に到達する紫外線を反射、吸収するはずだから、「即効説」が当然に思えるのですが、ちょっと引っかかる点があります。

実は、米国皮膚科学会は日焼け止めの使い方について「15分前説」をとっているのです。これが単なる医師の利益を死守するためだけの日本の医学会ならともかく、国民に正確な医療情報を提供することを使命とする米国の医学会の言っていることとなると無視しにくい。

米国皮膚科学会の看板を背負って、見え透いたウソ情報を流すとはとても思えないのです。しかも学会サイトに掲載されているから、世界中の人が見ていて、間違いはすぐに指摘され訂正されるはず。そうなってないということは、それ相当の根拠があるに違いありません


■もしかしたら・・
「即効説」だろうが、「15分前説」だとうが、たとえ「30分前説」だろうが、現実にはメイクの手順や外出の準備を考えれば、日焼け止めを塗ってから、実際に外に出て日光を浴びるまでには時間もかかるだろうから、大きな違いはないでしょうが、何とも人騒がせな問題です。

もしかしたら・・日焼け止めが市場に出回りだした頃に、「日焼け止めは塗ってから何分で有効になるのか?」というような形で議論になっていたのかも。時間とともにそうした議論の存在すら忘れ去られてしまったのかもしれません。

もしかしたら・・「30分前説」は、日本人らしい奥ゆかしさから「15分説」を倍にして、より安全確実にしたものかもしれません。

もしかしたら・・長年、化粧品とくに日焼け止めの研究開発に携わっている方にお聞きしたら即答していただけることなのかもしれません。


(参考文献)
1) How to apply sunscreen(米国皮膚科学会サイト)
https://aad.org/public/everyday-care/sun-protection/shade-clothing-sunscreen/how-to-apply-sunscreen

 

 

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