2022.06.18更新

ニキビには「早期から治療を!」と皮膚科の先生は言いますが、ほんとうに早期から治療したらメリットがあるのでしょうか?


結局、一番悪いのは


実はこれは簡単明瞭で、反対の意味の「治療の遅れ」がニキビが瘢痕化する有名なリスクファクターとして知られています。

リスクファクターの中でも特にこの「治療の遅れ」が重要視されるのは、これだけは自分でなんとかできるから。

そのほかのリスクファクターである「家族歴の有無」は、自分ではどうにも変えようがないし、「重症ニキビ」だって、そうなってからでは手遅れです。


ただ皮膚科の先生が一生懸命「早期からの治療」を叫んでも、実はそれを妨げている一因は皮膚科の先生自身にもある気がします。

日頃、ニキビのできている方には皮膚科受診をすすめるのですが、「時間がかかりすぎる」、「行っても治らない」、「ろくに診てくれない」、「話を聞いてくれない」と逆襲されることも多い。

そんなときは同業者の肩をもって「今の医療制度では、たくさんの患者さんを診ないと経営的に成り立たないから、皮膚科の先生も大変なんですよ」とフォローしますが、ほんとうにそうなのかどうかは定かではありません。

問題の多いニキビ診療の現状が、結局は美容皮膚科医につけいる余地を与えているわけで、うまい汁を吸ってる同業の先生方には「おぬし、ワルよの~!」と申し上げたい。



(参考文献)
1)Acne scarring: why we should act sooner rather than later
Dréno  B,et al.
Dermatol ther.
2021;11(4):1075-1078

2)Development of an atrophic acne scar risk assessment tool
Tan J,et al.
J Eur Acad Dermatol Venereol.
2017;31(9):1547-1554

 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.06.09更新

ニキビの文献を読んでいて、次のような言葉を見つけました。

「ニキビには重症度のいかんを問わず瘢痕化するリスクがある。皮膚科医はたとえ軽症のニキビ患者であっても、早期から継続的な治療で瘢痕形成を防がねばならない。」

ニキビ治療の究極の目標は、ニキビの瘢痕化を防ぐこと。これが皮膚科・美容皮膚科の共通の認識なのです。

ニキビ瘢痕こうできる



ただそうなると、どんなニキビが瘢痕化しやすいのか、あらかじめ予想がつくと好都合。ところがこれまではただ漠然と「重症のニキビ、炎症の強いニキビほど瘢痕化しやすい」と言われていただけ。

反論の余地はないように思えますが、でも実際の臨床ではそう簡単に割り切れないから前述のように、「重症度のいかんを問わず」、「たとえ軽症であっても」となるわけです。

そんな臨床上のモヤモヤを吹き払うかのような、顔のニキビのひとつひとつをキッチリ2週間毎に6ヶ月追跡した臨床研究が報告されました。

それによると、ニキビ瘢痕の83%は炎症後の赤みや色素沈着から生じていました。もっとも多いのが、赤ニキビ→炎症後の赤み→瘢痕とたどるコース。

また、あとで瘢痕になった丘疹(ブツブツ)は、ならなかった丘疹より経過が長かった(10.5日対6.6日)ことも判明しました。

結論自体は当たり前すぎます。経過が長く、ブツブツが平らになったあとも赤味が残るような重症のニキビ、炎症の強いニキビほど凹み(瘢痕)を作りやすい、というものですから。

しかし、この研究は「長い経過」、「赤み」が、瘢痕になるニキビを見分ける重要なポイントだと明らかにしました。

ということは、「長い経過」の間に、まだ「赤み」のうちに適切な治療を開始すれば、瘢痕になることを予防できる可能性がありそうです。できてから1週間以上たつもの、平らになってからも赤みの残るものを放置していてはいけません。


(参考文献)
1)Acne scarring: why we should act sooner rather than later
Dréno  B,et al.
Dermatol ther.
2021;11(4):1075-1078

2)Prospective study of pathogenesis of atrophic acne scars and role of macular erythema
Tan J,et al.
J Drugs Dermatol.
2017;16(6)567-573

 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.06.03更新

皮膚粗鬆症は、美容皮膚科の対象ではありません。しかし、それでは皮膚科領域かと言えばそうでもない。なぜなら皮膚粗鬆症というのは正式な病名とは認められていないから。

では、誰が診ているのか?誰も診ていません。

皮膚粗鬆症

実際に皮膚粗鬆症で皮膚が剥けたりして生活に支障をきたしているのは、ご高齢のとくに介護施設などでケアを受けている方々に多いと想像されます。そうした施設に行くと手足に痛々しく包帯を巻いている方をよく見かけます。

皮膚が剥けてしまうことが、どれだけ大変なことか。皆様の中にもヤケドを負ったりして、皮膚のありがたみを実体験した方もいらっしゃるでしょう。面倒でも毎日手当しないといけませんし、触るといたいし、入浴のさいにはさらにしみて痛い。

介護施設には痛くても、お世話をしてくれる方には気兼ねして正直に言えず、ただただ我慢している方がたくさんいらっしゃるに違いありません。

何もやりようがないなら、それは年をとることの「苦痛」のひとつとして割り切るしかありません。しかし、少しでも改善させる対処法があるなら、少しでも痛みがなく、穏やかに暮らせるようにしてあげたい。

理想的には1%中分子ヒアルロン酸、0.05%レチナールと5%ビタミンCを含んだ保湿クリームがあればベストですが、コストが高くなりすぎて現実味がありません。

もし、このブログがどなたか化粧品メーカーの方の目に触れることがあれば、せめて有効成分として中分子ヒアルロン酸とビタミンCがある程度含まれた保湿剤を作っていただけませんでしょうか。

それは決して大きな利益を稼ぐようなものではありませんが、現実に苦しまれている多くの高齢者の方に福音をもたらし、メーカーにとって会社としての存在価値は爆上がりするに違いありません。



 

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2022.05.27更新

皮膚粗鬆症は、肌の「究極の老化」、ということは、皮膚粗鬆症に効果的な治療法こそが、ほんとうのエイジングケアといえるし、有効でない治療は、エイジングケアとして役立たずだということ。

皮膚粗鬆症の治療法が模索される中で明らかになったのは、ヒアルロン酸の重要性です。


美肌へのアプローチ


これまでの美肌術はコラーゲンをターゲットにすることが多く、バカのひとつ覚えみたいに「コラーゲンを増やします!」なんてアピールしていたわけですが、実はそんなことはそれほど大事じゃなかった。

ひとつの証拠になるのは、皮膚粗鬆症の治療において、いわゆる「コラーゲン」を増やす施術は結果を出せていないこと。

もうひとつの証拠は、ヒアルロン酸を使った美肌術で、たとえば厚労省御用達(?)アラガン社のボライトでは、1回注入して数週間で結果が出ていること。

「コラーゲンを増やす」施術では、その期間では顕微鏡で見たらコラーゲンが増えてるのがわかるくらいがせいぜい、肉眼的にはまだ効果が見えてくるはずがない。コラーゲンなんて増やそうとしなくても、ヒアルロン酸を増やすだけで十分に美肌効果は出るということがわかってしまった。

皮膚の老化において、確かにコラーゲンも減少しているのだけれど、一番本質的で、皮膚の萎縮に直接的に関与しているのはヒアルロン酸。だからこそヒアルロン酸を補充することで皮膚の萎縮は改善される。

これまでの美容業界全体で推進してきた「コラーゲン伝説(コラーゲンを増やせば肌にハリが戻る)」は誤りとまではいえないけれど、ずいぶんと本質を遠回りしている感が否めません。

美容医療業界は皮膚の「再構築」という言葉が好きですが、皮膚のヒアルロン酸が代謝される過程でのヒアルロン酸受容体の活性化が「再構築」のカギを握っています。皮膚のヒアルロン酸代謝を活発に、そして円滑に回し続けることが、皮膚の「再構築」、老化対策としてもっとも重要なポイントなのです。


レチノイドが皮膚の老化治療に有効な理由として、コラーゲンの分解を抑制し、生成を促進するという面が強調されますが、それももしかしたら本質を見誤っているかもしれない。レチノイドは、皮膚のヒアルロン酸量を増やし、またヒアルロン酸受容体も増やすので、そちらがレチノイドの抗老化作用として本質的なのかも。

ここ数年で美容医療業界にはヒアルロン酸を主成分とした美肌術が次々に登場していて、私はそれを「ヒアルロン酸充填療法」と勝手に分類しているのですが、ヒアルロン酸充填療法とレチノイドの組み合わせは、現状で最強のエイジング対策と確信しています。


 

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2022.05.18更新

骨粗鬆症は知っていても皮膚粗鬆症は知らない人の方が多いに違いない。でもご安心(?)下さい。きっとあなたも身につまされるときがやってきます。

みんなの皮膚粗鬆症


皮膚粗鬆症とは、究極の皮膚の老化症状のこと。皮膚がペラペラにうすくなって脆弱になり、裂けたり、剥けやすくなります。ご高齢の方がケアされている施設にいくと、手足に包帯している方がたくさんいることに気づくことでしょう。


典型的な症状を紹介します。
①皮膚萎縮
皮膚がペラペラにうすく、透けて見えるようになること。日光に暴露されていた部分に生じます。

皮膚萎縮


②偽瘢痕
傷つけた覚えがなくても、自然に真皮に亀裂が生じて瘢痕化します。70歳以上の20~40%に見られ、女性に多いとされます。

偽瘢痕

③老人性紫斑
わずかな外傷でも、また外傷の覚えがなくても生じます。血管が破れてできることもありますが、血管から血液が漏れ出て生じるとも言われます。

老人性紫斑



こうした皮膚粗鬆症の根本原因は加齢。60歳前後から見られるようになり、70歳以上では多くの人で認められるようになります。ということは、人生100年時代にはきわめてありふれた、みんなに共通した肌トラブルになるはずです。

「皮膚粗鬆症」という言葉が生まれたのは2007年。まだ疾患名とは認められていませんが、
その存在が知られるようになり、予防することが一般的になれば、それはきっとご高齢の方のQOLの改善につながります。自分の肌がどうなるかということだから、誰にとっても人ごとではありません。

50歳をすぎたら、顔のスキンケアにかける熱意をぜひボディ(特に前腕、下腿)にも分けて下さい。乾燥とそれによるかゆみを防ぐ保湿ケアにとどめず、一歩すすめて皮膚粗鬆症ケアにしましょう。いつまでもピチピチの肌でいられるように。


 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.05.12更新

「誰が何を言っても許される・・・サイエンスの匂いさえしない・・」

皮膚科学会の重鎮が、学術誌で美容医療の現状をこう表現されています。

自分が足を踏み入れた頃に比べると、ずいぶんましになったと思うのですが、それでもまだ「サイエンスの匂いさえしない」施術が残っています。

例えば「脂肪代謝を高めて脂肪を減らす」注射。典型的には、メソセラピーと称される施術法で見られます。


メソセラピー

メソセラピーはヨーロッパで行われている代替医療のひとつ。たとえば膝の痛みに苦しむ人に対し、膝関節の周囲の皮膚に鎮痛剤をまんべんなく少量ずつ皮内注射します。

痩身を目的とするときも、脂肪の代謝を亢進させるという多くの植物由来の成分を、痩せたい部位に少量ずつ多数カ所注入するのです。

最大の疑問点は、たとえ一時的には脂肪代謝を亢進させることができたとしても、持続的な痩身効果が得られるのか(得られるとはとても思えない)?ということ。

残念ながら、メソセラピーはあまりに施術者ごとに施術方法が違いすぎて(いい加減すぎて)、痩身効果があるのか検証できません。

かつて、メソセラピーとは違う流れで脂肪代謝を高めて脂肪を減らすとする製剤(成分的には喘息の吸入治療薬)で、有効性・安全性を評価する治験がスタートしたことはありました。しかしいつの間にかその後の消息を聞かなくなりました。

現状では、脂肪の代謝を高めることで痩身効果が得られるというエビデンスはありません。「脂肪代謝を高めて脂肪を減らす」注射は消え去るべき。

「誰が何を言っても許される・・・サイエンスの匂いさえしない・・」

こうした評価が、一日も早く昔話になりますように。

 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.05.04更新

脂肪溶解注射の深層

2015年の米国FDAによる二重顎治療としてのデオキシコール酸の承認は画期的な出来事でした。

実はそれまで脂肪溶解注射には暗雲が立ちこめていたのです。

そもそも脂肪溶解注射が美容施術としてはじまったのは1980年代。

使われたのは、ドイツなどで高脂肪血症や肺塞栓(肺の動脈に脂肪が詰まる病気)の治療薬として承認されていたフォスファチジルコリン製剤でした。

しかし、この施術が広まるにつれ不適切な使用から健康被害も散見されるようになり、各国が規制に乗りだし、米国では医薬品を取り締まるFDAから警告が出され、ブラジルではフォスファチジルコリン製剤を使うことは禁止されてしまいました。

この状況を直接的に打破したのが冒頭に書いた2015年の米国FDAによる承認でしたが、その前に脂肪を溶かしているのはフォスファチジルコリンではなくデオキシコール酸であるという「主役」の交代劇がありました。

交代劇の第1幕は2006年。
フォスファチジルコリン製剤には、デオキシコール酸が配合されていました。デオキシコール酸は生体の消化管内にある天然の界面活性剤で、フォスファチジルコリンを水に溶かすための乳化剤として使われていました。

2006年の告発論文では、そのデオキシコール酸が単独でフォスファチジルコリン製剤と同程度の脂肪溶解作用を持つことから、脂肪を溶かしていたのはデオキシコール酸であって、フォスファチジルコリンではないと結論づけました。

交代劇の第2幕は2010年。
ついに技術的困難を克服して完成させたフォスファチジルコリン単独製剤を使って、フォスファチジルコリンには脂肪を溶かす作用がないことが報告されました。

単なる添加物と思われていたデオキシコール酸が実は脂肪溶解注射の主成分だと明らかにされたことは、美容医療業界にとってはショッキングな出来事でしたが、脂肪溶解注射に科学的なメスが入ったことは幸運でした。


注射だけで痩せられる、細くなれる!という、夢というかわがままを叶えてくれる脂肪溶解注射。最近はデオキシコール酸を主成分にしつつ、炎症作用を抑える成分を加えた製剤がトレンドになっています。

しかし、いまだにフォスファチジルコリンの「呪縛」がはびこっていて、「脂肪を溶かす最新のフォスファチジルコリン製剤」なるものも登場します。今、美容医療に携わり、とくに施術として脂肪溶解注射を行っている医師には、この施術を正常進化させる責務があると痛切に思います。

 

 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.04.27更新

診療をしていて、ときどきレチノイドはコスメの「食わず嫌い王」なのか!と嘆きたくなることがあります。

レチノイドをすすめても、「私、アレ無理です!」と何度即答されたことか。世間のレチノイドの印象は、「肌が乾燥する」、「荒れる」、「皮むけして使えない」とさんざん。

さらに悪いことに、日本を含め世界的に敏感肌を訴える方が増加しています。レチノイドにとって逆風が吹き荒れているのです。敏感肌、乾燥肌の人に刺激的なレチノイドが使えるわけがない!、そうした罵声、悲鳴が聞こえてくるようです。

しかし・・、それは誤解もはなはだしい!

本来、レチノイドを使うことで、皮膚のバリア機能、保水力は高まります。それなのに、なぜ誤解が生じるかというとレチノイド本来の効能とレチノイド反応が混同されているから。

レチノイドは使用をスタートすると多くの方が、皮膚の乾燥、赤み、ヒリヒリ感などに悩まされます。それがレチノイド反応。でも、それはレチノイド本来の効能ではありません。当たり前です。それが本来の効能だとしたら誰も使うわけがない。

残念ながら、多くの方が十分な説明を受けることなく、またフォローもなく使用しているため、レチノイド反応が出ると、途端にモチベーションが下がり、「自分には合わない」と決めつけてやめてしまいます。

その結果、残るのは「レチノイドは合わない」という累々たる不平不満の山。

この現状は何とか変えていかないといけないとは痛切に思いながら、自分の発信力、影響力のなさはどうにもならず、急な好転は望むべくもありません。それでも、まずは自分の足元からコツコツと西川きよし師匠のように頑張るつもり。

敏感肌、乾燥肌で悩まされている方でも、いや、そういう方にこそ使っていただきたいし、使える使用法を広めていきたい。

チャレンジ・アゲイン


(追伸)
世間ではレチノイド反応のことを「A反応」と呼ぶようです。AはビタミンAのことだとか。でもそうなら呼称としてふさわしくない。ビタミンAはレチノールなので、レチノールを使ったときの反応になってしまう。レチノールだけではなく、レチナールでもトレチノインでもディフェリンでも生じるわけで、これはレチノイド(retinoid)反応、つまりは「R反応」とするのが適切だと思います。相変わらず自分の発信力、影響力のなさを顧みず言ってますけど。


 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.04.20更新


人生100年時代は、「見た目」の時代。そう予言します。年齢が上がれば上がるほど、個人差が大きくなり、実年齢はまったくあてにならなくなります。その結果、「見た目」の元気さ、若々しさで、その人が信用できるかどうか、大げさに言えば社会的信用度が判断されるのです。

「見た目」の時代

いつ「見た目」の時代が到来しても慌てないように、肌のエイジングケアをおすすめします。この頃「老化は病気」という見方も出てきていますが、実際にもっとも「老化」を治療しやすい臓器は皮膚に違いありません。しかも再生医療とかおおがかりなことをしなくても、自分のスキンケアの範囲で十分できるのですから、しない手はありません。

具体的には、今より光老化をすすめないよう日焼け止めを使うなど日光対策を尽くすことと、自分に合ったレチノイドを使いこなすこと、さしあたりこの2つで十分です。

ただ、レチノイドについて自分の診療で痛切に反省しているのは、ただすすめるだけで、どうしたら使い続けられるかまでの説明が不十分だったこと。レチノイド反応が出たら、こうしましょうではなく、ほとんどレチノイド反応が出ないような使用法を説明すべきではなかったか。続けられなければ、エイジングケアなんて絵に描いた餅なのだから。


レチノイド反応を抑え込む使用法は、大きく分けて2つの方法
1)レチノイドを塗る時間を短縮(ショートコンタクト法)
2)レチノイドを塗る間隔をあける(隔日、3日に1度など)
があります。

こうした使用法でレチノイド反応が出る最初の1~2ヶ月を乗り切ることが、レチノイド脱落者を出さないために必要なのです。

大まかな方針としては、タザロテンはショートコンタクト法、ディフェリン、レチナールは間隔をあける方法が適していると思います。

ディフェリンは日本でもニキビ治療薬として使われているので、もしかしたら頭の硬い(心の狭い、口の悪い)皮膚科の先生からは、エイジングケアとして使用することにエビデンスがあるのかとお叱りを受けるかも。

確かにエビデンスは不十分かもしれません。しかし、レチノイドとして同じカテゴリーのトレチノインとタザロテンは、光老化の症状への使用が米国FDAに承認されています。

ほとんどの日本人にとって使いやすいのはトレチノインやタザロテンよりディフェリンなのです。そのエビデンスが揃うのを待っていたら、今レチノイドが必要な人を見捨てることになってしまいます。

今ある限りのエビデンスから、ない頭をしぼって類推を働かせ、最適解に導くのが「臨床」だと批判には応えるつもりです。

 

 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.04.13更新

乾燥するとニキビができやすくなるので、特に大人ニキビ対策として保湿は重要。これ美容外科・美容皮膚科向けの医学雑誌でもよく見かけますし、実際診療において、私自身もそう説明したことがあります。

だから、今回の記事には反省の意味も含まれています。


ニキビと保湿


昨年出された日本美容皮膚科学会誌という、その名の通り美容皮膚科医向けの学会誌に皮膚科の大先生が、敢えて言えば「怒り」の投稿をされています。


「最近、乾燥がニキビを悪化させ、保湿がニキビを改善するという考え方が、メディア、美
容雑誌などで拡散され都市伝説のようになっているため、十分注意する必要がある。」

さすが大先生になると、あからさまに怒りを表現することはせず、あくまで控え目に書いていますが、ほんとうは「ちゃんとやれよ、注意しろよ!」と後輩を叱咤しているように読めます。

深読みすると、本来なら「美容雑誌などで拡散され・・」のところ、学術文献としては例として参考文献を上げるべきところですが、あえて(?)スルーしています。おそらくそれを書いたら、後輩に恥をかかせることになるし、それも一人、二人ではすまなくなるので、ここは大先生のお慈悲かもしれません。


「保湿をすることで、ニキビを発症させる毛穴の入り口の閉塞が防げるという「説」があるが、保湿でニキビが改善したというエビデンスはない。むしろコメド形成性のある保湿剤で悪化させている可能性がある。」

おそらく大先生がこれを書いたのは、過剰な保湿でニキビを悪化させているニキビの患者さんをよく見かけるからなのでしょう。


「保湿の本来の目的は、肌の乾燥に対するスキンケア、ニキビ治療薬の副作用軽減であり、ノンコメドジェニックなものを必要最小限使用するにとどめるべき。」

論文の全体を通して伝わってくるのは、自身の肌の状態に合わせてコスメを選び、スキンケアしなさいという大先生の教えです。

格言としてまとめれば、
「汝自身の肌を知れ!」

 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

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