制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2025年6月23日)
承認製剤の威力。ボライトで保湿・小じわの改善
肌の乾燥、ハリ不足、小じわ、キメの乱れといったお悩みはありませんか?
ファンデーションだけでは隠しきれない肌質の変化を感じているなら、肌の根本から潤いと弾力を育む「ボライトXC」をご検討ください。
ボライトXCは、肌が本来持つ美しさを引き出し、健やかな状態へと導く新しいアプローチの美肌治療です。
ボライトXCとは?
ボライトXCとは、肌質改善を目的として開発された、新しいタイプのヒアルロン酸製剤です。
従来のヒアルロン酸注入が、しわの溝を埋めたりボリュームを補ったりすることを主目的とするのに対し、ボライトXCは皮膚の浅い層(真皮層)に微量を広範囲に注入することで、肌自体の保水力や弾力性を高め、キメを整え、自然な輝きを引き出すことを目指します。
肌の基礎力を向上させることで、乾燥、小じわ、ハリ不足、くすみといった様々な肌悩みにアプローチし、全体的な肌質を改善します。
ボライトXCのメリット
◎ 肌の内側からの深い潤い: 高い保水力を持つヒアルロン酸が、肌内部の水分量を増やし、乾燥しにくいみずみずしい肌へと導きます。
◎ ハリ・弾力性の向上: コラーゲン生成を促進し、肌の弾力性を高めることで、ふっくらとしたハリ感を回復させます。
◎ キメの改善と滑らかさ: 肌表面が整うことで、キメが細かくなり、なめらかで化粧ノリの良い肌を実感できます。
◎ 自然な輝き(ツヤ)の向上: 肌の水分バランスが整い、光を均一に反射するようになるため、内側から輝くような自然なツヤが出現します。
◎ ダウンタイムの短さ: 注入後の腫れや内出血は比較的軽度で、日常生活への影響が少ないとされています。
◎ 効果の持続性: 1回の施術で最大9ヶ月程度、肌の保水性や弾力性の改善効果が持続すると報告されています。
ボライトXCのデメリットとリスク
ボライトXCは多くのメリットを持つ一方で、いくつかのデメリットやリスクも存在します。
⚫️ 効果の現れ方: 注入直後から潤いを感じる方もいますが、肌質改善効果は徐々に現れるため、即時的なボリュームアップ効果とは異なります。
⚫️ 複数回の施術が必要な場合: 肌の状態によっては、より高い効果を得るために複数回の施術が推奨されることがあります。
⚫️ コスト: 自由診療のため、全額自己負担となります。
⚫️ 副作用・リスク: 注入部位に腫れ、むくみ、内出血、赤み、痛み、かゆみなどが一時的に生じる場合があります。まれにアレルギー反応や注入部位の凹凸、しこりなどが起こる可能性も否定できません。
⚫️ 医師の技術力への依存: 適切な層に適量を均一に注入するには、医師の経験と技術が重要です。技術が未熟な場合、効果が十分に得られなかったり、副作用のリスクが高まったりする可能性があります。港区にも多くのクリニックがありますが、信頼できる医師を選ぶことが大切です。
当院のボライトXCの特徴
当院では、経験豊富な医師が、解剖学的な知識に基づき、お一人おひとりの肌状態に合わせて丁寧にボライトXCを注入いたします。痛みやダウンタイムにも配慮し、安心して施術を受けていただけるよう努めております。
さらに、当院の最大の特徴であるレチノイド療法(ビタミンA誘導体を用いた治療)とボライトXCを組み合わせることで、より高度なエイジングケアを実現します。ボライトXCが肌の土台となる潤いとハリを高め、レチノイドがターンオーバーを促進しシミやくすみを改善することで、相乗効果を発揮し、滑らかで透明感のある若々しい肌へと導きます。港区エリアで、一歩進んだ美肌治療をご希望の方におすすめのコンビネーションです。
◯ 丁寧なカウンセリング: 患者様のお悩みや肌質を正確に把握し、最適な注入プランをご提案します。
◯ 痛みの軽減への配慮: 極細針の使用やクーリング、必要に応じた麻酔クリームの使用など、痛みを最小限に抑える工夫をしています。
◯ レチノイド療法との連携: 肌状態に応じて、ボライトXCとレチノイド療法の最適な組み合わせをご提案し、トータルな美肌作りをサポートします。
まとめ:港区で次世代の美肌治療をお探しなら
▶︎ 港区で、肌の根本的な質感を改善し、内側から輝くような潤いとハリを手に入れたい方は、ぜひ当院のボライトXCをご検討ください。
▶︎ 当院では、経験豊富な医師による丁寧な施術と、レチノイド療法との組み合わせにより、安全かつ効果的な美肌治療を提供いたします。
▶︎ 肌の乾燥、小じわ、ハリ不足、キメの乱れ、くすみなどでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
▶︎ 貴方らしい自然な美しさを引き出すために、スタッフ一同、心をこめてサポートさせていただきます。
**お知らせ**
当院は2003年に自由が丘から港区浜松町(最寄駅:JR/東京モノレール 浜松町駅、都営浅草線/大江戸線 大門駅、都営三田線 芝公園駅)に移転して診療しています。
オリジナル美容モデル
*効果には個人差があり、同様の効果を保証するものではありません
治療前
70代女性
「肌痩せ」で小ジワが目立ちます。
1回治療後1ヶ月
ハリとともに、肌の滑らかさが出ています。
治療前
50代女性
下まぶたに、小ジワが目立ちます。
注入1ヶ月
まぶたの小ジワが改善するとともに、肌全体にハリが出ています。
治療前
50代女性
額のシワに対してボツリヌス療法以外の治療をご希望でした。
注入1ヶ月
額ではシワが改善するとともに、何より肌の質感が向上しています。
医療広告ガイドライン・限定解除要件
◉通常必要とされる治療内容:1本(1ml)で30カ所に極細の注射針を使って皮下に注入します。注入前にはあらかじめ麻酔クリームを塗って表面麻酔します。目の下は両側で1本、額も1本、頬は両側で2本必要です。
*カウンセリングから治療終了までの時間:1時間
◉標準的な費用:94,050円
*ボライトXC1回の料金+麻酔料+初診料
◉標準的な治療期間及び回数:通院は1回で、経過に問題が生じなければ、その後に通院治療の必要はありません。
◉デメリット・リスク・副作用:ボライトXCは多くのメリットを持つ一方で、いくつかのデメリットやリスクも存在します。
⚫️ 効果の現れ方: 注入直後から潤いを感じる方もいますが、肌質改善効果は徐々に現れるため、即時的なボリュームアップ効果とは異なります。
⚫️ 複数回の施術が必要な場合: 肌の状態によっては、より高い効果を得るために複数回の施術が推奨されることがあります。
⚫️ コスト: 自由診療のため、全額自己負担となります。
⚫️ 副作用・リスク: 注入部位に腫れ、むくみ、内出血、赤み、痛み、かゆみなどが一時的に生じる場合があります。まれにアレルギー反応や注入部位の凹凸、しこりなどが起こる可能性も否定できません。
⚫️ 医師の技術力への依存: 適切な層に適量を均一に注入するには、医師の経験と技術が重要です。技術が未熟な場合、効果が十分に得られなかったり、副作用のリスクが高まったりする可能性があります。
院長コメント 〜「承認」の重み〜
ついに美容業界の巨人「アラガン」までが、美肌目的のヒアルロン酸を投入してきました。しかもアラガンらしく、ボライトXCは、厚生労働省承認製剤。
承認製剤には制約があって、軽々しく効果を誇張したり、適応範囲を広げることはできません。 それなのにボライトXCでは、1回の注入で保湿効果、小じわ改善効果が最大9ヶ月続くと言い切っています。つまりそれを証明するデータを提出し、それを元に厚生労働省が製剤を認めたということ。
ボライトXCの医薬品添付文書を読む限り、おそらくは年に2回の注入で1年中保湿効果が維持されると、これは厚労省が認めた表現ではありませんが、個人的には思っています。
こんな方におすすめ
- 1.乾燥で肌のガサガサが止まらない
- 2.目元、口元が乾燥してしわ・小じわが増えた
- 3.「肌痩せ」で顔がしぼんだよう
施術について
施術について
施術時間 : 60〜90分
麻 酔 : なし
術後診察 : なし
注意事項
入浴・洗髪 : 当日から可能
洗顔・化粧 : 当日のメイクは控えめに
飲酒・運動 : 当日から可能
治療スケジュール
3〜6ヶ月毎に続けることをおすすめします
施術を受けられない方
- 妊娠、授乳中の方
- 局所麻酔剤にアレルギーの既往のある方
- グラム陽性菌由来蛋白にアレルギーの既往のある方
施術の流れ
1 表面麻酔
洗顔ののち、麻酔クリームを塗ります。
2 施術
施術範囲におよそ1cmの間隔で細かくボライトXCを注入します。
およその目安ですが、注入量は片側の頬で1本(1cc)です。
3 施術終了後
当日のメイクは控えめに。それ以外に日常生活の制限はありません。翌日からは通常通りにメイクしていただけます。
ボライトXCの施術後には、腫れや内出血、疼痛といった副作用が生じる可能性があります。これらは通常一時的であり、数日内に改善されることがほとんどですが、個人差があります。特に施術直後は注入部位が腫れぼったく感じることや内出血が見られることもあるため、当日のスケジュールは調整しておくことが望まれます。
価格表
ジュビダームビスタ・ボライトXC | 価格(税込) |
---|---|
1本 |
88,000円 |
*麻酔料 2,750円
*必要本数の目安
額:1本
目の下:1本
頬:2本
口元:2本
*本施術は、自由診療に基づき全額自己負担になります。
メンテナンスにはレチノイドを
レチノイドは細胞外マトリックス(ECM)治療であるボライトXCの効果を高め、持続させるために必要不可欠な成分です。
レチノイドの2つの主要な働き
• 細胞外マトリックスにおいてヒアルロン酸とヒアルロン酸受容体の増生を促進し、肌の保水力と弾力性を根本から向上させます
• 皮膚のターンオーバーを活性化させ、古い角質の除去と新しい細胞の生成を促進します
ボライトXCとの相乗効果
• ボライトXCの美容成分がより効果的に働く土台を構築
• ボライトXCによる肌再生プロセスを加速させ、短期間での美肌実現をサポート
• 治療効果の向上、持続期間の延長が期待できます
結論
• 細胞外マトリックス治療においてレチノイドは必須のスキンケア成分
• ボライトXCとレチノイドの組み合わせにより、肌の速やかな再構築と美肌への投資効果を最大化できます
ボライトXCの医学的検証
ボライトXCの治療効果
ボライトXCに期待できる主な効果は以下の通りです。
1. 肌質の改善と滑らかさ
⚪️肌表面の滑らかさ、肌理、粗さ、小ジワを改善するよう設計されています(文献1)。
⚪️顔の皮膚の凹凸を改善する効果があります(文献2)。
⚪️肌の品質特性である肌理や滑らかさの改善は、最長6ヶ月間持続することが示されています(文献2)。
⚪️特に重度の粗さを持つ頬の皮膚では、より高い改善率と持続性が観察されています(文献3)。
⚪️肌の外観全体、特に「なめらかさ」、「輝き」といった見た目に対する満足度が向上します(文献4)。
2. 深い保湿効果
◎皮膚の保湿を顕著に改善し、その効果は最長9ヶ月間持続します(文献1)。
○これは、ヒアルロン酸自体の親水性だけでなく、皮膚が水分を輸送するメカニズムの変化(アクアポリン-3 (AQP3) の発現増加など)によってもたらされると考えられています(文献5)。
○皮膚の保湿の改善は、客観的な計測(コルネオメーター、モイスチャーメーター)でも確認されています(文献3)。
3. 肌のハリと弾力性の向上
◉皮膚のコラーゲン密度、フィブリリン-1の発現、酸性グリコサミノグリカン(GAGs)の含有量が増加するなど、皮膚の微細な構造的側面が改善されることが示されています(文献5)。
◉治療された皮膚は、より引き締まり(firmness)、変形に対する抵抗力が増すことが、客観的な計測(キュトメーター)で示されています(文献5)。
◉ボライトXCは、組織修復の基質として機能する可能性があります(文献5)。
◉真皮および皮下脂肪組織との物理的な相互作用により、細胞および真皮マトリックスの組成と組織化に変化をもたらすことが示唆されています(文献5)。
4. 細胞レベル・遺伝子レベルでの影響
⚪️脂肪細胞分化、脂質代謝、ケラチノサイト再生、真皮細胞外マトリックス(ECM)維持に関わる遺伝子の発現が上方制御されることが、遺伝子解析によって示されています(文献5)。
⚪️ケラチノサイト増殖(Ki67染色)の増加も観察されており、表皮の再生に関連する変化を示唆しています(文献5)。
5. 患者体験と満足度
◎治療を受けた患者は、肌の外観に対する満足度が大幅に改善され、その効果は最長9ヶ月間持続することが報告されています(文献2)。
◎80%以上の患者が友人に治療を勧めると回答しています(文献1)。
◎注入後の肌は、自然な見た目と感触を持つと評価されています(文献4)。
◎注入時の痛みが少なく(平均疼痛スコアが低い)(文献4)、注入後の反応(赤み、腫れ、しこりなど)は軽度から中等度で、通常1週間以内に解消されます(文献5)。
◎治療に伴うダウンタイムが最小限であり、通常の日常活動への支障が少ないです(文献6)。
◎初回治療から9ヶ月後にリピート治療を行うことで、初回治療と同様の改善効果をより少ない注入量で得られることが示されています(文献3)。
6. 適応部位と幅広い適用性
◉頬、額、首、デコルテ(胸元)などの顔や首の領域に適用されます(文献2)。
◉特に首の横ジワやデコルテの改善は患者満足度が高い傾向があります(文献1)。
◉年齢、肌の光タイプ(Fitzpatrick skin phototype)、民族に関わらず、肌の外観の改善が期待でき、あらゆる年齢の患者の包括的な美容治療計画の一部として利用可能です(文献1)。
◉日光による損傷や肌のきめ、くすみなど、肌質に対する初期の美容治療として、比較的若い患者にも適しています(文献1)。
◉軽度のにきび跡にも良い反応を示すとされています(文献1)。
◉手の甲の皮膚の見た目を改善するために使用されることもありますが、顕著な腱や血管の治療には、より高いリフト能力を持つボリフトのような製品が推奨されます(文献1)。
ボライトXCのリスク・副作用について
ボライトXCは、皮膚の質の改善のために設計されたヒアルロン酸注入剤であり、その安全性プロファイルは臨床試験で評価されています。一般的に、副作用は軽度から中等度であり、一時的なものがほとんどです(文献3)。
一般的な副作用(注射部位反応 )
ボライトXCの注入後に最も頻繁に報告されるのは、注射部位反応です。これらは通常、軽度から中等度であり、数日以内に自然に治癒します(文献3)。
報告されている主な注射部位反応は以下の通りです:
発赤(Erythema)(文献5)
腫れ(Swelling / Edema)(文献5)
しこり/隆起(Lumps / Bumps)(文献5)
痛み/圧痛(Pain / Tenderness)(文献5)
あざ(Bruising / Hematoma)(文献5)
硬結(Firmness / Hardening)(文献6)
かゆみ(Itching / Pruritus)(文献5)
変色(Discoloration / Pigmentation)(文献5)
注射部位反応の発生と持続期間
◎初回治療後、ほとんどの被験者(81.5%〜99.2%)が注射部位反応を報告しています(文献4)。
◎ほとんどの注射部位反応は治療後1週間以内に解消します(文献3)。
◎重度の注射部位反応は比較的まれですが、発赤(6.1%)やあざ(6.1%)が報告されたケースもあります(文献3)。
◎再治療後やタッチアップ治療後には、注射部位反応の発生頻度が低下する傾向があります(文献6)。
疼痛とリドカイン(麻酔薬)含有
ボライトXCはリドカイン(0.3% w/w)を含有しており、注入時の患者の不快感を軽減するように設計されています。
◉リドカインを含まないボライトの試験では、初回治療後の患者報告の平均痛覚スコアは4.3(0-10段階)でした(文献3)。
◉リドカイン含有のボライトXCの試験では、初回治療直後の患者報告の平均痛覚スコアは3.0と低くなったことが示されています(文献6)。
より具体的な副作用・リスク
注射部位のしこり/結節(Injection site mass / nodules)
⚫️ボライトXCの初回治療後に注射部位のしこり(intradermal ovoid masses)が9.2%の被験者で最も一般的な治療関連有害事象として報告されました。これらは通常2〜3mm(範囲1〜5mm)で、時間とともに減少し、炎症を伴いませんでした(文献3)。
⚫️遅発性の結節(delayed-onset nodules)の報告は非常にまれで(0.8%)、他のヒアルロン酸フィラーで報告されている発生率(約0.5%)と一致しています(文献3)。
顔面以外の部位への適用
○首の皮膚は顔や頬の皮膚に比べて薄いため、首への注入では、特に注入量が不均一な場合、目に見えたり触れたりできるしこりが発生しやすい可能性があります(文献3)。首全体への注入は避け、水平線に限定することが推奨されています。
○非常に痩せた患者の首への治療は推奨されません(文献1)。
○浅すぎる注入は、皮膚表面の凹凸(cobblestoning)を引き起こす可能性があります。その場合、綿棒や指でマッサージして分散させることが推奨されます(文献1)。
重篤な有害事象
⚪️ボライトXCの臨床試験において、治療に関連する死亡や重篤な有害事象は報告されていません(文献6)。
⚪️視力低下などの特殊な有害事象も報告されましたが、治療とは無関係と判断されています(文献6)。
全体的な有害事象
○ボライトXCの臨床試験では、治療関連の有害事象は15.3%の被験者で発生しましたが、全て軽度から中等度でした(文献3)。
○ボライトXCの別の臨床試験では、治療に起因する有害事象の発生率は18.1%でした。最も一般的な有害事象は頭痛(4.7%)やニキビ(3.1%)でした(文献6)。
○ほとんどの治療関連有害事象は30日以内に解消しました(文献3)。
○ボライトXC治療は、患者の日常生活に大きな支障をきたさないことが、FACE-Q回復早期生活影響アンケートで示されています(平均スコア90.5)(文献6)。
ボライトXCは、その安全性プロファイルが良好であり、皮膚の質の改善に効果的な治療法であると結論付けられています(文献3)。
【参考文献】
1)Expert Consensus on Injection Technique and Area-Specific Recommendations for the Hyaluronic Acid Dermal Filler VYC-12L to Treat Fine Cutaneous Lines
Patricia Ogilvie, et al.
Clin Cosmet Investig Dermatol
2020:13:267-274
2)Improvements in Skin Quality Biological Markers in Skin Explants Using Hyaluronic Acid Filler VYC-12L
Lauren Nakab, et al.
Plast Reconstr Surg Glob Open
2020 Mar 27;8(3):e2723
3) VYC-12 Injectable Gel Is Safe And Effective For Improvement Of Facial Skin Topography: A Prospective Study
François Niforos, et al.
Clin Cosmet Investig Dermatol
2019:12:791-798
4) Improved Patient Satisfaction With Skin After Treatment of Cheek Skin Roughness and Fine Lines With VYC-12L: Participant-Reported Outcomes From a Prospective, Randomized Study
Annie Chiu, et al.
Aesthet Surg J
2023;43(11):1367-1375
5) A Prospective, Open-Label Study to Evaluate the Impact of VYC-12L Injection on Skin Quality Attributes in Healthy Volunteers
Marva Safa, et al.
Clin Cosmet Investig Dermatol
2022:15:411-426
6) A Randomized, Multicenter, Evaluator-blind Study to Evaluate the Safety and Effectiveness of VYC-12L Treatment for Skin Quality Improvements
Macrene Alexiades, et al.
Dermatol Surg
2023;49(7):682-688
注)VYC-12Lは、 Allergan社(現AbbVie社)が開発した架橋ヒアルロン酸(HA)注入剤である「Juvéderm Volite(ジュビダーム ボライト)」の製品コード名です。
よくいただくご質問
ダウンタイム、リスクについて
ボライトXCの施術後には、腫れや内出血、疼痛といった副作用が生じる可能性があります。これらは通常一時的であり、数日内に改善されることがほとんどですが、個人差があります。特に施術直後は注入部位が腫れぼったく感じることや内出血が見られることもあるため、当日のスケジュールは調整しておくことが望まれます。
またボライトXCは、架橋されたヒアルロン酸製剤のため、注入点が少しふくらんで見えたり、触った時に小さなしこりのように感じることがあります。そうした症状は次第に消退します。
ボライトXCとはどのような製剤ですか?
◉ボライトXCは、アラガン社が開発したヒアルロン酸製剤「ジュビダームシリーズ」の一つです。このシリーズの中でもボライトXCは「最も柔らかい製剤」であるという特徴があります。この柔らかさは、肌に注入された際に自然な仕上がりと感触をもたらし、不自然な膨らみや硬さを生じさせにくいという利点があります。
◉ボライトXCは、架橋されたヒアルロン酸製剤であり、それが安定性と持続性に寄与しています。さらに、アラガン社独自の「バイクロス技術」が採用されており、高分子と低分子のヒアルロン酸を効率的に架橋させることで、他のヒアルロン酸製剤と比較して優れた凝集性と弾性を実現しています。この特殊な構造により、製剤は肌の組織に均一に広がり、なめらかに馴染むことが期待されます。
◉特筆すべきは、ボライトXCが厚生労働省によって「肌質改善」を目的としたヒアルロン酸注入剤として唯一承認されていることです。これは、単なるボリュームアップやシワの充填ではなく、肌の根本的な健康と美しさを追求するために設計された製剤であることを意味します。
どのような肌の悩みに効果がありますか?
ボライトXCは、主に以下の肌の症状や状態の改善に有効であるとされています。
◎肌質の改善: ボライトXCは、肌の表面のなめらかさや潤い、弾力性といった肌の質の特性を改善するために設計された架橋ヒアルロン酸注入剤です。肌の質は、肌の見た目や健康状態、若々しさ、幸福感に影響を与える重要な要素です。
◎顔面のざらつき(肌の粗さ)と小ジワの改善: ボライトXCは顔面のざらつきと小ジワの治療において、その安全性と有効性が評価されています。
◎頬の肌のなめらかさ : 中等度から重度の頬の肌のざらつき(Allergan Skin Roughness Scale [ASRS] で評価)を持つ被験者を対象とした研究で、ボライトは治療1ヶ月後に96.2%の被験者で改善が見られ、6ヶ月後まで肌のなめらかさを改善しました(文献a)。
◎顔の小ジワ :ボライトXCの試験では、治療1ヶ月後に58.3%の被験者で小ジワの1段階以上の改善が見られ、これは6ヶ月後まで維持されました(文献b)。
◎肌の潤いと弾力性の改善 :ボライトXCは肌の潤いを改善するように設計されており、その効果は9ヶ月間持続することが示されています(文献a)。ボライトXCによる治療を受けた皮膚では、角質層の水分量が著しく増加し、真皮上層でも水分量が増加する傾向が見られました(文献c)。
◎患者満足度の向上 : ボライトXCは、肌の見た目に対する患者満足度を著しく改善し、その効果は長期間持続します(文献d)。患者は、治療後の肌が「なめらかに見える」「潤っている」「輝いている」と感じると回答しています(文献e)。また、治療後の頬の肌の見た目や手触りが自然であると高く評価しています(文献e)。
【参考文献】
a) VYC-12 Injectable Gel Is Safe And Effective For Improvement Of Facial Skin Topography: A Prospective Study
François Niforos, et al.
Clin Cosmet Investig Dermatol
2019:12:791-7983
b) A Randomized, Multicenter, Evaluator-blind Study to Evaluate the Safety and Effectiveness of VYC-12L Treatment for Skin Quality Improvements
Macrene Alexiades, et al.
Dermatol Surg
2023;49(7):682-688
c) A Prospective, Open-Label Study to Evaluate the Impact of VYC-12L Injection on Skin Quality Attributes in Healthy Volunteers
Marva Safa, et al.
Clin Cosmet Investig Dermatol
2022:15:411-426
d) Expert Consensus on Injection Technique and Area-Specific Recommendations for the Hyaluronic Acid Dermal Filler VYC-12L to Treat Fine Cutaneous Lines
Patricia Ogilvie, et al.
Clin Cosmet Investig Dermatol
2020:13:267-274
e) Improved Patient Satisfaction With Skin After Treatment of Cheek Skin Roughness and Fine Lines With VYC-12L: Participant-Reported Outcomes From a Prospective, Randomized Study
Annie Chiu, et al.
Aesthet Surg J
2023;43(11):1367-1375
従来のヒアルロン酸注射と何が違いますか?
ボライトXCは、従来のヒアルロン酸注射とはその目的と作用機序において明確な違いがあります。
従来のヒアルロン酸注射は、主に失われたボリュームを補うことで深いシワやたるみを改善したり、鼻や顎の形を整えたり、顔全体の輪郭をリフトアップしたりすることに重点を置いていました。これに対し、ボライトXCの主要な目的は、肌そのものの質を向上させ、内側から輝くような美しい肌を実現することにあります。
ボライトXCは、肌の非常に浅い層(表皮から真皮層)に均一に注入されます。これにより、肌の保水力が飛躍的に高まり、自然なハリと弾力が回復します。製剤自体が非常に柔らかいため、注入後も顔が不自然に大きくなったり、ボリュームが出過ぎたりする心配がありません。これは、肌の質感を改善し、自然な若々しさを追求したいお客様にとって、非常に重要なポイントです。
施術は痛いですか?麻酔は必要ですか?
注入治療における痛みは、多くのお客様が抱える大きな懸念事項の一つです。
ボライトXCの施術では、お客様の不快感を最小限に抑えるための様々な工夫が凝らされています。まず、施術前には麻酔クリームを塗布し、注入部位の表面麻酔を行います。これにより、針が皮膚に入る際の最初のチクッとした感覚を和らげることができます。
個人の痛みの感じ方には差がありますが、実際に製剤が注入される際には、軽いチクチク感や圧迫感を感じることがあります。しかし、ボライトXCの製剤自体には、局所麻酔薬であるリドカインが配合されています。このため、注入が進むにつれて麻酔が効き始め、施術中の痛みはさらに緩和される仕組みになっています。
痛みに特に敏感でご不安な方には、カウンセリング時にその旨をお伝えいただければ、より一層配慮しながら施術を進めますので、どうぞご安心ください。
施術時間はどのくらいですか?
ボライトXCの施術は、お客様の忙しい日常に配慮した、比較的短時間で完了する治療です。
実際のヒアルロン酸の注入自体にかかる時間は、部位や注入量にもよりますが、おおよそ10分から20分程度と非常にスピーディーです。
施術前には麻酔クリームを塗って、約30分間ほど時間をおきますが、この麻酔時間を加味すると、洗顔から麻酔、実際の注入、そして施術後の注意点の説明までを含めた、クリニック滞在の総時間は約90分が目安となります。
注入量はどのくらい必要ですか?顔が大きくなりませんか?
ボライトXCの注入量は、治療を希望される部位や、お客様が目指す肌質改善の程度によって異なります。治療効果を最大限に引き出し、お客様に十分な満足感を得ていただくためには、適切な量の注入が重要であると考えられます。
当院では、目の下両側で1本、額で1本、頬両側で2本、口元両側で2本を必要な本数の目安としています。
もし、ご予算の都合で一度に十分な量を注入することが難しい場合でも、ご安心ください。その際は、1本の製剤を顔全体に薄く広げるよりも、目元や頬の上部、額など、特に気になる特定の狭いエリアに集中して注入することをお勧めします。これにより、限られた量でもよりはっきりとした効果を実感しやすくなります。
多くのお客様が抱く懸念の一つに、「ヒアルロン酸を複数本注入すると顔が大きくなるのではないか」というものがあります。しかし、ボライトXCの場合、この心配はほとんどありません。ボライトXCは、肌の非常に浅い層に、1か所あたり0.05mLから0.25mLというごく少量を細かく均一に注入する「マイクロドロップレットテクニック」が用いられます。これは、肌にボリュームを出すことを目的とした従来のヒアルロン酸注入とは異なり、肌の保水力と質感を改善することを主眼としています。
施術後のダウンタイムはありますか?
施術直後には、注入部位に一時的な腫れ、内出血、軽い痛み、赤みなどの症状が現れる可能性がありますが、これらは通常、数日以内に自然に改善していく傾向にあります。
特に内出血は、針を使用する施術であるため起こりうるものですが、一般的には軽度であり、1週間から2週間程度で吸収されます。翌日からはメイクでカバーできることが多いため、日常生活への影響は最小限に抑えられます。
注入直後には、架橋されたヒアルロン酸製剤の性質上、注入部位が一時的にわずかに膨らんだり、触ると小さな塊のように感じられたりすることがあります。しかし、これらの一時的な凹凸や違和感も、時間の経過とともに製剤が肌に馴染むことで徐々に解消されていきます。特に、額やこめかみ、首など皮膚が薄い部位では、一時的な凹凸が目立つことがありますが、これも数日で馴染むことがほとんどです。
このようにダウンタイムが少ないにもかかわらず、早期に効果を体感できる点がボライトXCの魅力です。
施術後の注意点はありますか?
ボライトXCの施術効果を引き出し、合併症のリスクを最小限に抑えるためには、施術後の適切なケアが重要です。
◎シャワーは施術当日から可能ですが、腫れや内出血を認める場合は、施術当日は、サウナや激しい運動、長時間の入浴など、血行を促進する行為は避けて下さい。
◎メイクについては、注入部位以外は施術当日から可能です。注入部位へのメイクは、針跡や赤みが落ち着く翌日から行うことができます。内出血が生じた場合でも、メイクでカバーできることがほとんどです。
◎施術後の肌は一時的に敏感になり、乾燥しやすくなることがあります。そのため、普段以上に丁寧な保湿ケアを心がけ、紫外線対策として日焼け止めをしっかりと塗布することを忘れずに行って下さい。
◎施術後に一時的な凹凸やしこりが生じた場合は、優しくマッサージを行うことで製剤がスムーズに馴染むことがあります。しかし、強いマッサージは避けて下さい。
効果はいつから実感できますか?
ボライトXCの治療を受けた後、多くの方は比較的早期にその効果を実感し始めます。
⚪️施術直後から肌が内側から深く潤い、ハリが増した感覚を得られると言われます。この即時的な感覚は、ヒアルロン酸が水分を保持する特性によるものです。
⚪️より明確な肌質の変化、例えば肌のキメが整い、小ジワが目立たなくなるなどの総合的な改善効果は、施術後およそ1週間程度から現れ始めることが一般的です。これは、注入されたボライトXCが肌の組織に馴染み、水分を吸収し、肌の再生プロセスを刺激し始めるためです。
⚪️ボライトXCの効果は、一度に最大に現れるのではなく、時間の経過とともに徐々に高まっていくという特徴があります。特に、肌のハリや弾力、全体的な輝きといった効果は、施術後数ヶ月してピークを迎えることが多いとされています。この期間に製剤が肌の真皮層でコラーゲン産生を促進し、肌の根本的な構造が改善されるため、より顕著な変化を実感できるようになります。
⚪️ただし、効果の現れ方やその程度には個人差があります。お客様の元の肌の状態、年齢、代謝、生活習慣など、様々な要因が影響を与える可能性があります。
効果はどのくらい持続しますか?
ボライトXCの最大の魅力の一つは、その長期的な持続効果にあります。
肌質改善効果全体としては、通常約6ヶ月から9ヶ月程度持続するとされています。これは、他の多くの美容治療と比較しても、長期間と言えます。
特に、ボライトXCがもたらす肌の潤い効果は、1回の施術で最長約9ヶ月間持続するという報告があります。これは、ボライトXCが肌の内部に深く浸透し、水分を長時間保持する能力に優れているためです。肌の乾燥に悩む方にとっては、この長期的な保湿効果は日々のスキンケアの負担を軽減し、肌の快適さを維持する上で大きなメリットとなります。
ボライトXCは、他のヒアルロン酸製剤と比較して肌に長く留まる傾向があるため、少ないメンテナンスで美しい肌の状態を維持しやすいという利点があります。
どのくらいの頻度で施術を受けるのが理想的ですか?
ボライトXCの効果を長期的に維持し、理想的な肌の状態を保つためには、定期的なメンテナンス施術が推奨されます。一般的には、3ヶ月から6ヶ月ごとの施術が理想的とされています。
肌の状態を確認しながらですが、最初の数回は3ヶ月程度のペースで施術を受けることで、より早く効果を実感し、肌質改善を加速させることが期待できるでしょう。
施術を受けられないケースはありますか?
ボライトXCは多くのお客様にとって安全な治療ですが、特定の健康状態や状況にある方にはお勧めできない場合があります。
安全を最優先するため、以下の項目に当てはまる場合は、施術を受けることができません。
◉妊娠中の方、妊娠の可能性がある方、または授乳中の方は、施術をお受けいただけません。これは、胎児や乳児への影響が不明であるため、安全を考慮しての判断です。
◉過去にアナフィラキシーショックを起こした既往歴がある方や、ケロイド体質の方は、施術の対象外となります。アレルギー反応のリスクや、傷跡が異常に盛り上がる可能性を避けるためです。
◉重篤な肝障害、心疾患、腎障害をお持ちの方も、施術を受けることができません。これらの疾患は、施術による合併症のリスクを高める可能性があるため、慎重な判断が必要です。
◉現在、何らかの内服治療を受けている方も、施術の可否について医師との詳細な相談が必要です。特定の薬剤がヒアルロン酸注入と相互作用を起こす可能性があるため、必ず事前に申告してください。
◉以前に他の美容治療を受けたことがある場合は、必ずカウンセリング時に医師に伝えてください。過去の施術内容によっては、ボライトXCの注入が適切でない場合や、特別な注意が必要な場合があります。
他の施術(ハイフ、ボトックス、ダーマペンなど)と併用することはできますか?
はい、可能です。ボライトXCは他の多くの美容施術と組み合わせることで、相乗効果が期待できます。
⚪️ハイフ(HIFU)との併用: ハイフが筋膜(SMAS層)を引き締めてリフトアップし、ボライトXCが皮膚の浅い層(真皮層)のハリや弾力を改善するため、たるみ治療において非常に効果的な組み合わせです。
⚪️ボトックスとの併用: 表情ジワの原因となる筋肉の動きをボトックスで抑えつつ、すでに刻まれてしまった浅いシワや肌の質感をボライトXCで改善するというアプローチが可能です。
⚪️ダーマペンとの併用: ダーマペンの施術とボライトXCを組み合わせることで、肌のターンオーバー促進や色素沈着改善と、真皮層の再構築を同時に行い、総合的な美肌効果を高めることができます。
どのような組み合わせが最適か、また施術の順序や間隔については、患者様のお肌の状態や目標によって異なりますので、診察時に医師にご相談ください。
ジュビダームビスタ・ボライトXCについて
ボライトXCは、アッヴィ合同会社(アラガン・エステティックス)が開発・製造するヒアルロン酸製剤「ジュビダームビスタ®」シリーズの一つです。
販売名(国内):
ジュビダームビスタ® ボライトXC(JUVÉDERM® VOLITE™ XC)
医療機器承認番号(日本):
30200BZX00389000
─ 高度管理医療機器(ヒアルロン酸使用軟組織注入材)
未承認国情報(主要市場の規制状況):
• EU : CE マーク取得(クラス III)2016 年承認。
• カナダ/オーストラリア ほか 90 か国以上で流通実績あり。
• 米国 : 同一技術の製剤は Skinvive™ by Juvéderm® の名称で 2023 年 5 月 FDA 承認(PMA P110033/S059)。