なぜ皮膚科医はニキビの早期治療にこだわるのか?
ニキビには「早期から治療を!」と皮膚科の先生は言いますが、ほんとうに早期から治療したらメリットがあるのでしょうか?
実はメリットはあります!「治療の遅れ」はニキビが瘢痕化(あとに跡が残ること)する有名なリスクファクターなのです。ニキビ治療において、このリスクファクターが特に重要視されるのは、これだけは患者さん自身の判断で改善できるから。
ニキビ治療を早期に始めるべき医学的根拠
ニキビのリスクファクターには様々なものがありますが、「家族歴の有無」は自分ではどうにも変えようがありません。また「重症ニキビ」になってからでは、効果的な治療が難しくなることもあります。ニキビ治療において「早期からの治療」が最も効果的であることは、多くの皮膚科医が同意する点です。
ニキビ早期治療の障壁とは?
しかし、皮膚科医が一生懸命「ニキビ早期治療」の重要性を説いても、実際に受診を妨げている要因が医療現場にも存在するようです。日頃、ニキビのある方に皮膚科受診をお勧めしていますが、「時間がかかりすぎる」、「行っても治らない」、「ろくに診てくれない」、「話を聞いてくれない」などという声をよく耳にします。
こうした意見を聞くと、同業者として「今の医療制度では、多くの患者さんを診ないと経営的に成り立たないから、皮膚科医も大変なのです」とフォローしたりしますが、実際のところは複雑な問題です。
まとめ:ニキビは早期治療
ニキビ治療は早期に適切な医学的アプローチで始めることが最も効果的です。
ニキビでお悩みの方は、適切な診療を受けられる皮膚科を見つけ、早期からの治療を始めることをお勧めします。それが最終的には肌トラブルの長期化を防ぎ、瘢痕などの後遺症リスクを減らす最善の方法なのです。
(参考文献)
1)Acne scarring: why we should act sooner rather than later
Dréno B,et al.
Dermatol ther.
2021;11(4):1075-1078
2)Development of an atrophic acne scar risk assessment tool
Tan J,et al.
J Eur Acad Dermatol Venereol.
2017;31(9):1547-1554
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制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2025年5月11日)