なぜフィロルガの製剤(NCTF 135HA)を使った水光注射がここまで人気になったのか? 韓国で呼ばれた「シャネル注射」というネーミングだけが理由ではないはずです。
フィロルガの製剤(NCTF 135HA)の特徴は、非架橋ヒアルロン酸を中心におよそ60種類の成分を含んでいること。ただ、その内容といえば、ビタミン、ミネラル、アミノ酸などありきたりなものばかりで、いかにも効きそう(?)な成分は含まれていません。
この製剤の秘密は、およそ60種類の「配合の妙」。
「配合の妙」とは、東洋的な考え方ですが、たとえば漢方薬がいい例です。そこに含まれる生薬を見ると難しい漢字が並んでいても、実は中身はミカンの皮だったり、ショウガだったり、貝殻の粉だったり、とても薬とは思えないのに、まとまると現代医療でも立派に薬剤として通用します。
フィロルガというフランスに本拠を置く、根っからの「西洋」の会社が、「東洋」のコンセプトで作り上げたところに、この製剤の秘密があるのです。
そこから先、韓国のドクターが、おそらくそうしたコンセプトを理解せずにつけた、あくまで西洋的な「シャネル注射」というネーミングがヒットするきっかけになったのは、まったくの蛇足と言えるでしょう。