2021.07.31更新

■無名の存在だった「レチナール」
オーストラリアのダーマペンのメーカーが、レチナール・アクティブを出した時点では、私を含め、ほとんどの日本の美容ドクターは、レチナール(レチンアルデヒド)についてほとんど何も知らなかったと思います。レチノールの誤植だと勘違いした人もいたでしょう。

■天然レチノイド(ビタミンA誘導体)
お肌のビタミンとして知られるビタミンAの誘導体で知名度が高いのが、レチノール。これはビタミンAそのもので、日本でもコスメの成分として配合が認められています。もうひとつは、トレチノイン。皆さんが皮剥けしながら頑張るゼオスキンでの主成分のひとつ。

■レチナール(レチンアルデヒド)とは?
レチナール(レチンアルデヒド)は、どなたの身体の中にも微量ですが存在してします。お肌のビタミンであるビタミンAは、皮膚でトレチノインに変換されて効果を発揮しますが、ビタミンAとトレチノインの中間体が、レチナール(レチンアルデヒド)です。

■一歩手前がベストポジション!
レチナール(レチンアルデヒド)が、美容的に価値が高いのは、トレチノインとして十分な作用を発揮しながら、副作用である刺激反応が少ないこと。その秘密は、トレチノインの「前駆体」であることにあります。

レチナールは、それ自体は何ら皮膚に刺激作用をもたらしません。皮膚に塗ると、適度にトレチノインに変換され、トレチノインを塗ったときと質的に同じ効果をもたらします。それでいて、量的に過剰なトレチノインが作用することはないので、刺激反応は抑えられます。「優れた忍容性」とか、「敏感肌の方も」と言われるのはこのためです。

■トレチノイン療法の難題解決!?
これまでトレチノイン療法において、高い効果を求めれば、反動として刺激反応も強くなることを覚悟する必要がありました。レチナール(レチンアルデヒド)を使うことで、十分に高い効果と十分に低い刺激反応のトレチノイン療法が両立したのです。

 

 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2021.07.21更新

▶︎「老化」は病気!?
真面目な顔して「老化」は病気だと言ったら、笑いとばされそう。罹患率100%、致死率100%の現象を「病気」と言っていいのか。しかし、抗加齢医学に関心を持つ多くの医師は、そうなることを時間の問題と見ています。

▶︎世界の動き
「老化」を病気として捉えようとする動きはもう始まっています。WHO世界保健機構が定める国際疾病分類では、2019年の改訂で「老化関連」のコードを新設しました。米国FDAは、公式には老化を病気とは認めていませんが、老化の治療薬の臨床試験の開始にゴーサインを出しました。またFDAはすでに皮膚の「光老化」の治療薬としてトレチノインを承認しています。

▶︎ホントはもっと驚いて欲しい
もちろん「光老化」と皮膚の老化はイコールではありません。しかし、皮膚の老化のかなりの割合が「光老化」であると聞いたことがあるのではないでしょうか。「光老化」の治療は、皮膚の老化を治療することにニアリーイコールなのです。今のところ皮膚以外で「老化」を治療できる身体の臓器はありません。皮膚だけが「老化」を治療する手段があることに、まずは驚いて欲しいと思います。

▶︎トレチノインの作用
ちょっと専門的になりますが、読み飛ばされるのを覚悟で、トレチノインの作用を挙げると、
1)表皮の増殖、新陳代謝の促進
2)真皮でのコラーゲンの増生と分解の抑制
3)紫外線の悪影響の抑制
となりますが、これはまさに紫外線によって生じる皮膚の老化、「光老化」の進行を抑えるどころか、「老化」の針を逆戻りさせる作用と言えます。

▶︎レチナール(レチンアルデヒド)の登場!
ダーマペンに、レチナールアクティブが登場した当初は、私自身理解できていませんでしたが、勉強を重ねるほど、トレチノインの前駆体として機能するレチナールのポテンシャルの大きさに驚かされています。

もちろん、必ずしも今回の製品である必要はありませんが、レチナールという成分は、すべての成人女性にとってスキンケアに取り入れる価値があります。肌にエイジングが現れている方は、エイジングの針を逆戻りさせるために、エイジングが現れていない方は、ずっとそのままの肌でいるために。

 

 

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