2026.02.13更新

 

【目次】

第10位 ジメチコン
第9位 乳酸/乳酸塩(Lactic Acid / Lactate)
第8位 パンテノール(Panthenol / Provitamin B5)
第7位 コロイドオートミール(Colloidal Oatmeal)
第6位 ナイアシンアミド(Niacinamide / Vitamin B3)
第5位 ヘパリン類似物質(Heparinoid)
第4位 グリセリン(Glycerin / Glycerol)
第3位 尿素(Urea)
第2位 セラミド(Ceramides)
第1位 ワセリン(White Petrolatum)


冬は乾燥の季節。数多くの保湿剤がありますが、「結局、私はどれを選べばいい?」と多くの方が頭を悩ませています。

そこで「美白成分2025」に続いて、「保湿成分ランキング2026」を出すことにしました。

ランキングの作成にはChatGPT5.1Proを活用しました。網羅的にリサーチしてランキングを作成することに、もはや人間の出る幕はありません。

このランキングをぜひ保湿剤選びの参考にして下さい。

ランキング作成のために使用したプロンプトは末尾に掲載しています(→プロンプトはこちら


ランキングの基準は美白成分に比べシンプルです。「皮膚バリア機能の改善を評価基準にして、医学文献のエビデンスの高い順」にランキングを作成しました

なお、文献のエビデンスを判定するために臨床ガイドライン作成などで国際的に広く使われているGRADE(Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation)システム を活用しています。

保湿剤を皮膚バリア機能の改善を基準にして評価することに違和感を覚える人もいるかもしれませんが、保湿の最終的な目的は皮膚バリア機能の改善・強化にあることをご理解下さい。


ここで一つ、記事中に繰り返し登場する用語を先に説明しておきます。

この記事では各成分の評価に「TEWL(経表皮水分蒸散)」という指標が何度も出てきます。TEWLとは、皮膚の内側から角層を通って外へ蒸発していく水分量のことで、英語の Transepidermal Water Loss の頭文字を取ったものです。

イメージとしては、肌のバリアに「目に見えない小さな穴」が開いていて、そこから水分がじわじわ逃げていく……その逃げる量を測ったのがTEWLです。

TEWLが高い=水分がたくさん逃げている=バリア機能が弱っている状態、TEWLが低い=水分がしっかり保たれている=バリア機能が整っている状態、と読み替えて下さい。

つまり本ランキングで「TEWLが低下した」と書かれている場合は、「バリア機能が改善した(=保湿として効いている)」という意味になります。


それではランキングの発表です。

 


第10位 ジメチコン(Dimethicone)

 第10位| 【医師解説】乾燥肌を救う保湿成分ランキング2026


ジメチコンは、ほとんどの方が「成分表で見たことはあるけど、何をしているのかは知らない」タイプの代表格かもしれません。

実はジメチコンは"水分を足す"というより、肌の上に薄い保護膜をつくって乾燥や刺激を悪化させない……「守りの保湿」を担う実用的な成分です。


【作用機序】 ジメチコンはシリコーン系ポリマーで、角層表面になめらかな疎水性の薄い皮膜をつくります。

✔️経表皮水分蒸散(TEWL)の抑制  
皮膚表面に閉塞性の膜を形成し、水分が逃げるのを抑えます(蒸散抑制型/フィルム形成型の保湿)。ただしワセリンのような"強い閉塞"ではなく、水蒸気をある程度通す設計であるため、使用感を軽く保ちながら保護できるのが特徴です。

✔️摩擦刺激の低減→バリア低下の悪循環を断つ  
皮膚表面のすべりを良くすることで、「こすれる→バリア低下→しみる」という悪循環を断ち、物理的刺激からも肌を守る方向に働きます。

つまり、セラミドが"バリアの壁そのものを再構築する"成分なら、ジメチコンは"壁の外側に保護膜を張って、壁が壊れるのを防ぐ"成分。「水を入れる」のでも「壁を作る」のでもなく、「膜で守る」という第三の役割を担っています。

【ランキングの根拠】

ジメチコンは、「単独で治療する成分」というより、バリア維持の設計思想が強い"守る系"の中核成分としてエビデンスが積み重なっている……これが10位に入る理由です。

✅米国ではOTC(一般用医薬品)のskin protectant(皮膚保護剤)有効成分としても扱われ、濃度範囲(1–30%)が規定されています。

✅皮膚保護剤としての有用性は、界面活性剤による接触性皮膚炎の予防に有効であることが示されています(文献1)。


【補足コメント】

⚪️"水分を入れる成分"ではありません。 ジメチコンは「フタ」の側。湿潤剤(グリセリン等)で水分を入れ、セラミド等で脂質バリアを整え、その上からジメチコンで保護膜を張る……このような役割分担で保湿剤は作られています。

⚪️敏感肌・手荒れ・花粉/黄砂・摩擦が増える季節に相性が良い一方、膜感が苦手な方や、部位・剤形によっては「こもり感」を訴えることもあります(この場合は量・剤形・重ね方の調整が必要になります)。

⚪️安全性についてはCIR(米国化粧品成分安全性評価委員会)が、現行の使用実態における安全性を結論づけています。



第9位 乳酸/乳酸塩(Lactic Acid / Lactate)

 第9位| 【医師解説】乾燥肌を救う保湿成分ランキング2026


乳酸と聞くと「ピーリング」のイメージが先に来る方も多いかもしれません。 実は乳酸(とその塩である乳酸ナトリウムなど)は、もともと私たちの肌に存在する天然保湿因子(NMF)の一部。

"うるおいを抱え込む"だけでなく、"バリアの脂質を増やす"方向にも働く……攻めと守りを兼ね備えた保湿成分です。


【作用機序】乳酸/乳酸塩はα-ヒドロキシ酸(AHA)の一種で、保湿の効き方が多面的なのが特徴です。

✔️ヒューメクタント(吸湿剤)としての水分保持  
角層に含まれる天然保湿因子(NMF)の約12%を占める乳酸は、ヒドロキシ基・カルボキシ基で水分子を強く結合し、角層内の含水量を高めます。

✔️セラミド合成の促進→脂質バリアの強化  L-乳酸はケラチノサイト(表皮の約9割を占める“肌の主役”の細胞)のセラミド合成を大幅に増加させ、角層のセラミド量とバリア機能を改善します。つまり「水を抱える」だけでなく、構造的にバリアを強くする保湿成分です。

✔️濃度依存的な二面性の角質調整 
低濃度では角層表面をなめらかに整え、ざらつきや粉ふきを改善。結果として他の保湿成分の浸透も高まります。濃度が上がるほどピーリング的な作用が前面に出る特性がユニークです。

この3方向から働くことで、単なる"水を足す保湿"を超えた汎用性の高さが評価されています。

なお、乳酸(酸)と乳酸塩(乳酸Na、乳酸アンモニウムなど)では性格がかなり異なります。 部分~完全中和した乳酸塩のほうが刺激が少なく保湿性が高いため、"しっとり保湿"を主目的にする場合は乳酸塩タイプが使いやすいと言えます。


【ランキングの根拠】

乳酸/乳酸塩は、NMF由来の生体親和性+セラミド増加+角質調整という三方向の作用を持ち、単なるヒューメクタントに留まらない保湿成分・・これが9位に入る理由です。

✅12%乳酸アンモニウムは、中等度〜重度の乾燥肌で対照より有意に改善した二重盲検比較試験が報告されています(文献2)。

✅L-乳酸によるセラミド合成促進とTEWL低下は、乾燥耐性の向上として確認されており(文献3)、「水を抱える保湿」と「脂質バリアを強くする保湿」を兼ねる成分として位置づけられます。


【補足コメント】

⚪️乳酸(酸)はアルファヒドロキシ酸(フルーツ酸)の一種であるため、濃度・pH・皮膚状態によっては刺激(しみる・ヒリヒリ)が出ることがあります。 バリアが低下している肌、レチノイド開始時期、美容施術後の肌には注意が必要です。

⚪️アルファヒドロキシ酸(フルーツ酸)全般の性質として、使用中は紫外線の影響を受けやすくなる可能性が指摘されており、日焼け止めの併用が推奨されます。




第8位 パンテノール(Panthenol / Provitamin B5)

 第8位| 【医師解説】乾燥肌を救う保湿成分ランキング2026


パンテノールは、スキンケアの成分表では「パンテノール」や「デクスパンテノール」として目にする機会が多い成分です。 正体はビタミンB5(パントテン酸)の前駆体。

"水分を抱え込む"保湿に加えて、荒れた肌のバリア回復と鎮静まで守備範囲に入る……「うるおい+立て直し」を兼ねた、頼れるサポート成分です。


【作用機序】 パンテノールは皮膚上でパントテン酸(ビタミンB5)に変換され、そこからさまざまに肌をサポートします。

✔️ヒューメクタント(吸湿剤)としての角層保湿  
水溶性で角層に浸透しやすく、水分を引き込んで保持する。乾燥によるつっぱり感の軽減に寄与します。

✔️バリア機能の改善(TEWL低下)  
経表皮水分蒸散(TEWL)を下げ、バリアが破綻した状態を"戻す方向"に押し返します。

✔️皮膚修復の補助+抗炎症・鎮静  
体内でビタミンB5に変わり、乾燥や刺激で傷んだ肌の回復を助けます。さらに、炎症によるかゆみや赤みを抑え、肌を落ち着かせる作用もあります。

つまりパンテノールは、「水分を補う」+「バリアを戻す」+「荒れを鎮める」の3つのベクトルから働くことで、単なるうるおい補給に留まらない実用性を持つ成分です。


【ランキングの根拠】 

パンテノールは、保湿+バリア回復+鎮静という"立て直し寄り"のエビデンスが揃い、ゆらぎ肌のホームケアを語るうえで外せない成分・・これが8位に入る理由です。

✅無作為化二重盲検プラセボ対照のヒト試験で、7日間のデクスパンテノール外用が角層水分量の増加とTEWLの低下を示した報告があります(文献4)。

✅パンテノールはアトピー性皮膚炎(AD)の補助ケアとして有用であることが総説でまとめられています。具体的には、皮膚バリアの改善、症状悪化の軽減、ステロイド外用薬(TCS)の使用量削減といった効果が報告されており、"基本の保湿に加えて、バリア機能をさらにサポートする成分"として臨床的に認められています(文献5)。


【補足コメント】


⚪️パンテノールは「治療薬」というより、"保湿+バリアサポートの上乗せ成分"として理解するのが適切です。保湿剤の中核(セラミド、グリセリンなど)と組み合わせてこそ真価を発揮します。

⚪️化粧品・外用保湿では1〜5%で配合されることが多く、特に5%デクスパンテノールは外用製剤の研究で頻出する標準的な濃度です。

⚪️レチノイド導入期、花粉/黄砂期、施術後の乾燥(※創傷面は除く)など、一時的にバリアが落ちるタイミングのホームケア提案に向いています。「乾燥」だけでなく、「乾燥+ヒリつき・赤み・ゆらぎ」を訴える方に特に相性の良い成分です。

⚪️安全性についてはCIR(米国化粧品成分安全性評価委員会)が、現行の使用実態における安全性を結論づけています。



第7位 コロイドオートミール(Colloidal Oatmeal)

 第7位| 【医師解説】乾燥肌を救う保湿成分ランキング2026


コロイドオートミールと聞くと、「オートミール? 食べるものでは?」と思う方もいるかもしれません。

実はこれ、オーツ麦を極めて細かく粉砕して肌に使えるようにした素材で、米国ではFDAが「皮膚保護剤(Skin Protectant)」の有効成分として認めている、れっきとした"医薬品グレード"の保湿・保護成分です。

水分を保持しながら、かゆみ・赤みを落ち着かせ、バリアまで立て直す……「うるおい+鎮静+バリア修復」をワンパッケージで担う、多機能型の保湿成分です。


【作用機序】コロイドオートミールは、ヒアルロン酸やグリセリンのような単一成分ではなく、多糖類・β-グルカン・タンパク質・脂質・ポリフェノール(アベナンスラミド)などを含む"天然の複合成分"。複数の方向から同時に肌を支えます。

✔️水分保持+保護膜形成  
デンプンとβ-グルカンが角層の水分を抱え込みながら、皮膚表面に保護膜を形成します。これにより角層水分量が増加します。

✔️バリア修復 
角化・タイトジャンクション・脂質関連の遺伝子発現を高め、バリアの構造的な回復を促します。

✔️pH緩衝
皮膚pHを弱酸性に保つ緩衝能も備えます。

✔️抗炎症・鎮痒(かゆみ・赤みを鎮める)  
オーツ由来のポリフェノールが炎症性サイトカインの経路を抑制して、かゆみと赤みを軽減させます。

✔️プレバイオティクス作用(皮膚常在菌のサポート)  
皮膚の善玉常在菌(S. epidermidisなど)の成長と乳酸産生を促進し、マイクロバイオームのバランスとバリア機能を支援します。

つまり、「水分を保つ」「膜で守る」「炎症を抑える」「バリアを修復する」「常在菌を味方にする」という5方向から働く、極めてユニークな多機能成分です。


【ランキングの根拠】  
コロイドオートミールは、保湿にとどまらず鎮痒・抗炎症・バリア修復のエビデンスが厚く、FDAの皮膚保護剤承認という制度的裏づけも持つ・・これが7位に入る理由です。

✅乾燥肌の女性50例を対象にした臨床試験で、コロイドオートミールローションによるTEWL低下・角層水分量増加・バリア改善が確認されています。効果は使用中止後も最長2週間持続したとの報告もあります(文献6)。

✅1%コロイドオートミールクリームは、単なる保湿剤と比較して皮膚pH・水分・TEWLをより改善しつつ、Staphylococcus属の優勢を抑えてマイクロバイオームの多様性を高める傾向が示されています(文献7)。



【補足コメント】

⚪️米国ではFDAのOTC Skin Protectant有効成分として承認されており、制度的にも「皮膚を保護する成分」としての位置づけが明確です。

⚪️一般に刺激性は低く、敏感肌・乳幼児にも良好な忍容性が報告されています。大規模な安全性評価(2,291例の反復貼付試験)でも刺激・感作反応はごく低頻度でした(文献8)。

⚪️ただし、穀物(オーツ)アレルギーがある方は使用を避ける必要があります。AD患者におけるオーツ感作の報告も散見されるため、初回使用時のパッチテストを推奨します。しみる・赤み・かゆみが増える場合は中止してください。

⚪️「乾燥だけ」のケアよりも、乾燥+かゆみ・赤み・ゆらぎを訴える方に特に強みを発揮する成分です。季節の変わり目や手荒れ、軽い湿疹傾向のある方への保湿提案に向いています。



第6位 ナイアシンアミド(Niacinamide / Vitamin B3)

 第6位| 【医師解説】乾燥肌を救う保湿成分ランキング2026


ナイアシンアミドは、ここ数年で一気に"スキンケアの主役級"に躍り出た成分です。

美白・毛穴・ニキビ……と多機能ぶりが話題になりがちですが、実は保湿成分としてのエビデンスも非常に厚い実力派。

その効き方は「水分を足す」タイプではなく、角層の脂質バリアそのものを底上げして"水分が逃げない肌に変えていく"……「体質改善型の保湿」を担う成分です。


【作用機序】 
ナイアシンアミドはビタミンB3の一形態(ニコチン酸アミド)。体内ではエネルギー代謝に必須な補酵素NAD⁺/NADPHの前駆体として働きますが、肌に塗った場合の"保湿"は次のメカニズムが中心です。

✔️角層脂質(セラミド・遊離脂肪酸)の合成促進→バリア強化  
ナイアシンアミドの外用により、角層のセラミドが増加し、経表皮水分蒸散(TEWL)が低下します。つまり「水を抱え込む」のではなく、「水分が逃げにくい壁(バリア)を厚くする」方向の保湿です。


✔️角層の成熟・構造の改善  
反復塗布により角層の成熟度やコーニファイドエンベロープ(角層の"骨格"に相当する構造)が改善し、バリアとしての質が高まります。

✔️抗炎症・抗酸化による"バリア崩壊の予防"  
慢性的な炎症や酸化ストレスはバリア機能を低下させ、乾燥を悪化させます。ナイアシンアミドはこの「炎症→バリア低下→乾燥悪化」のループを抑える方向にも働きます。

ひとことで言えば、「バリアの材料を増やして、構造を整えて、壊れにくくする」……三段構えでバリアを底上げする保湿成分です。


【ランキングの根拠】

ナイアシンアミドは、セラミド合成促進という"根本的なバリア強化"の機序を持ち、乾燥肌からアトピー素因肌まで幅広くエビデンスが蓄積されている……これが6位に入る理由です。

✅乾燥肌を対象とした研究で、外用ナイアシンアミドにより角層セラミド・遊離脂肪酸が増加し、TEWLが有意に低下したことが報告されています(文献9)。

✅若年女性を対象とした3週間の使用試験では、角層水分量の有意な増加と肌トーンの改善が確認されています(文献10)。



【補足コメント】

⚪️ナイアシンアミドの保湿は"即効"というより、数週間の継続使用でバリアが育ってくるタイプです。目安として4〜8週間の使用で変化を実感しやすくなります。

⚪️研究・製品実務では2〜5%が使いやすい濃度帯として多く登場します。CIRの安全性評価でも5%までで刺激性なしとまとめられています。

▶クリニック専売の高濃度ナイアシンアミド


 

 

第5位 ヘパリン類似物質(Heparinoid)

 第5位| 【医師解説】乾燥肌を救う保湿成分ランキング2026


ヘパリン類似物質は、皮膚科の保湿剤としては日本で最もなじみ深い成分かもしれません。「ヒルドイド」の名前で処方された経験がある方も多いのではないでしょうか。

ワセリンのように"フタをして守る"タイプではなく、角層が水分を抱え込む力そのものを底上げする……いわば「肌の保水力を立て直す保湿」を担う、日本の皮膚科医療を代表する成分です。


【作用機序】

ヘパリン類似物質は、健康な食肉用の家畜(主に牛)の肺などから抽出されたムコ多糖の多硫酸エステルです。

保湿のメカニズムは「フタをする」よりも、角層内部の水分保持能を押し上げる方向が中心です。

✔️角層水分の保持+NMF(天然保湿因子)の増加  
反復塗布により低下した角層水分量が回復し、角層NMF(遊離アミノ酸)も増加します。

✔️角層バリア構造の回復促進  
角層細胞間脂質のラメラ構造(脂質が層状に並んだバリアの骨格)を修復することで、角層バリア機能を回復させます。

✔️血行促進+抗炎症(医薬品としての付加価値)  
医薬品としては末梢血液循環促進作用や抗炎症作用も認められており、単なる保湿成分にとどまらない多面的な作用を持つことが特徴です。

つまり、「角層の水分を保つ力を高める」+「バリアの構造を立て直す」+「血行促進・抗炎症」という三方向から乾燥肌を改善します。



【ランキングの根拠】

ヘパリン類似物質は、日本の皮膚科領域で保険適用を持つ医療用保湿剤として、国内のエビデンスと臨床実績が圧倒的に厚い……これが5位に入る理由です。

✅皮脂欠乏症(乾皮症)に対し、ヘパリン類似物質0.3%クリームと基剤の左右比較二重盲検試験で、有効成分側に有意な改善が確認されています(文献11)。

✅日本皮膚科学会の「皮脂欠乏症診療の手引き」において、尿素などと並ぶ"角層水分を増やす医療用保湿剤"として正式に位置づけられています(文献12)。

✅塗布量・回数についてもエビデンスがあり、1 mg/cm²より3 mg/cm²のほうが角層水分量が有意に高いこと、また1日2回が1回より保湿効果が高いことが報告されています(文献13)。

"塗り方"まで含めて指導できる数少ない成分です。



【補足コメント】

⚪️禁忌があります。 出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病等)や、わずかな出血でも重大な結果が予想される方には使用できません(血液凝固抑制作用による出血助長のおそれ)。潰瘍・びらん面への直接塗布も避ける必要があります。

⚪️局所の副作用として、皮膚炎・そう痒・発赤・刺激感・紫斑などが添付文書に記載されています。血行促進作用に伴い、塗布後の一過性の紅斑が出ることもあります。

⚪️"塗り方"で効果に差が出やすい成分でもあります。少量を薄く伸ばすだけでは不十分になりがちで、FTU(フィンガーチップユニット)を目安にしっかり量を使い、朝晩2回の塗布が推奨されます。

⚪️使用感の好みに合わせて、クリーム・ソフト軟膏・ローション・フォーム(泡)など複数の剤形から選べるのも実用上の大きなメリットです。部位や季節に応じた使い分けがしやすい成分と言えます。



第4位 グリセリン(Glycerin / Glycerol)

 第4位| 【医師解説】乾燥肌を救う保湿成分ランキング2026


グリセリンは、保湿成分の"大定番"です。化粧水・乳液・クリーム・美容液……ありとあらゆるスキンケア製品の成分表に登場し、「見たことがない人はいない」と言っても過言ではありません。

地味な印象を持たれがちですが、その実力は折り紙付き。角層に水分を引き込んで保持する"湿潤剤(ヒューメクタント)の定番"として、数十年にわたりエビデンスが積み重なっている、保湿の土台を支える存在です。


【作用機序】 

グリセリンは三価アルコール(3つの水酸基を持つ多価アルコール)で、非常に高い親水性を持ちます。保湿の効き方はシンプルかつ力強いものです。

✔️角層に水分を引き込み、保持する(湿潤作用)  
水酸基が水分子を強く引きつけ、角層の含水量を直接的に高めます。いわば"水分の磁石"。保湿成分の中で最も古典的かつ代表的なヒューメクタントです。

✔️アクアポリン3(AQP3)を介した水分・グリセロール輸送  
表皮には「アクアポリン3(AQP3)」という、水分やグリセロール(グリセリン)を細胞の中に取り込むための通り道があります。この仕組みは、肌のうるおいや弾力を保つうえで重要な役割を担っています。

グリセリンは、この本来肌に備わっている水分の流れに自然に関わる成分であり、肌にとってもともと馴染みのある保湿成分といえます。

✔️角層脂質のラメラ構造への作用(バリア支援)  
グリセリンは角層細胞間脂質のラメラ構造(脂質の層状配列)の液晶化を促進し、バリア機能の改善にも寄与します。単に「水を抱える」だけでなく、バリアの構造にも好影響を及ぼすのです。

つまり、「水分を引き込む」+「生理的な水分輸送と親和する」+「バリア構造を整える」という複数の方向から角層のうるおいを支える、まさに保湿の基盤成分です。


【ランキングの根拠】

グリセリンは、最も古典的かつ汎用性の高いヒューメクタントとして、乾燥肌からアトピー性皮膚炎まで幅広い臨床エビデンスを持つ……これが4位に入る理由です。

✅健常皮膚を対象としたヒト試験で、20%グリセリン配合クリームの1日2回10日間使用により角層水分量(コルネオメータ指標)が有意に増加したと報告されています(文献14)。

✅アトピー性皮膚炎(AD)患者を対象としたプラセボ対照二重盲検試験で、グリセリン配合エモリエントが角層水分の改善と臨床的な良好な影響を示しています(文献15)。


【補足コメント】

⚪️安全性についてはCIR(Cosmetic Ingredient Review)が、現行の使用実態・濃度において安全と結論づけています。重篤な副作用はほぼなく、保湿成分の中でもトップクラスの安全性プロファイルを持つ成分です。


⚪️実用上の注意点は「べたつき」と「環境依存」が中心です。高濃度では使用感がべたつきやすく、またヒューメクタントの性質上、極端に乾燥した環境では角層から水分を奪う方向に働く可能性も指摘されています。このため、セラミド等の脂質成分やワセリン・ジメチコンなどの閉塞剤と組み合わせて配合するのが実用的です。


⚪️バリアが低下している肌ではまれにしみることがありますが、これは濃度や製品設計の問題であることがほとんどです。



第3位 尿素(Urea)

 第3位| 【医師解説】乾燥肌を救う保湿成分ランキング2026


尿素と聞くと「ハンドクリームに入っている成分」「かかとのガサガサに塗るもの」というイメージが強いかもしれません。

実は尿素は、私たちの肌にもともと存在する天然保湿因子(NMF)の一部。低濃度では"角層のうるおいを抱え込む保湿剤"、高濃度では"硬くなった角質をやわらげる角質軟化剤"……濃度によって顔つきがガラリと変わる、まさに「二刀流の保湿成分」です。


【作用機序】

 尿素は低分子の有機化合物で、角層に浸透しやすく、複数の方向から乾燥肌にアプローチします。

✔️ヒューメクタント(吸湿剤)としての水分保持  
水を引き寄せて保持する吸湿性を持ち、角層の含水量を直接的に高めます。天然保湿因子(NMF)の構成成分として、肌にとって"馴染みのある保湿物質"でもあります。

✔️TEWL低下+バリア形成遺伝子の誘導  
経表皮水分蒸散(TEWL)を下げる方向に働くだけでなく、filaggrin、loricrin、transglutaminase-1など、バリア形成に関わる遺伝子の発現を誘導します。つまり「水分を保つ」だけでなく、「バリアそのものを育てる」方向にも働く成分です。

✔️角質軟化(濃度依存)  
濃度が上がると角質を柔らかくし、肥厚・ガサつき・鱗屑の改善に寄与します。「保湿だけでは追いつかない乾燥」に対して、角質を整えてから保湿が効く肌に戻すアプローチが可能です。

この「保湿+バリア育成+角質調整」を濃度一つで切り替えられるのが、尿素の最大の特徴です。


【ランキングの根拠】

尿素は、天然保湿因子(NMF)由来の生体親和性を持ちながら、乾皮症・魚鱗癬・アトピー性皮膚炎まで幅広い疾患でのエビデンスが非常に豊富……これが3位に入る理由です。

✅アトピー性皮膚炎の多施設ランダム化比較試験で、5%尿素配合のバリア改善クリームが参照クリームより再燃を有意に抑制し(再燃リスク約37%低下、HR 0.634)、無症状期間も延長したと報告されています(文献16)。

✅乾皮症(xerosis)・魚鱗癬などの"鱗屑+乾燥"に対する臨床改善は多数報告されており、濃度帯別の効果と使い分けが体系的にまとめられています(文献17)。


【補足コメント】

⚪️濃度で"別成分"と言えるほど性格が変わります。

目安として:  
●2〜10%:保湿・バリア最適化(しみにくく日常使い向き)  
●10〜30%:保湿+角質軟化(ざらつき・粉ふき・足/肘/膝など)  
●30%以上:強い角質溶解(タコ・踵の肥厚・爪のトラブル等、医療管理寄り)

⚪️主な注意点は刺激感(ヒリつき・灼熱感)です。高濃度ほど起こりやすく、ひび割れ・びらん・滲出がある部位ではしみやすいため避ける必要があります。しみる場合は、濃度を下げる(10%→5%)、ワセリン等で先に保護してからポイント使いする、といった調整が必要です。

⚪️尿素には他成分の経皮吸収を高める作用(浸透促進)があるため、ステロイド外用剤などとの併用時は意識しておく必要があります。CIRの安全性評価でもこの点は注意喚起されつつ、化粧品用途としては安全と結論づけられています。



第2位 セラミド(Ceramides)

第2位 | 【医師解説】乾燥肌を救う保湿成分ランキング2026


セラミドは、スキンケアの世界で「バリア機能」が語られるとき、必ずと言っていいほど名前が挙がる成分です。

それもそのはず……セラミドは、角層の細胞間脂質の"主役"そのもの。肌のバリアを構成する「レンガとモルタル」のたとえで言えば、モルタル(脂質ラメラ)の中心を担う脂質がまさにセラミドです。

水分を足すのではなく、水分が逃げない"壁"そのものを再構築する……「バリア再建型の保湿」の頂点に立つ成分と言えます。


【作用機序】

セラミドはスフィンゴ脂質の一種で、角層においてコレステロール・遊離脂肪酸とともに脂質ラメラ構造(脂質が層状に規則正しく並んだバリアの骨格)を形成します。

✔️脂質ラメラ構造の再構築→TEWL低下  
セラミドを外用で補うことで、角層の脂質ラメラ構造が回復し、経表皮水分蒸散(TEWL)が低下します。これは「水を集める」のではなく、「水が逃げにくい壁を修復する」メカニズムです。

✔️外部刺激の侵入を抑える(バリア防御)  
整った脂質ラメラ構造は水分の蒸散を防ぐだけでなく、アレルゲン・刺激物質・微生物の侵入も抑えます。乾燥とかゆみ・刺激の悪循環を断つ方向に働きます。

✔️セラミド:コレステロール:脂肪酸=3:1:1のモル比が鍵  
セラミド単独よりも、コレステロール・遊離脂肪酸と最適化されたモル比(3:1:1など)で組み合わせたときに、バリア回復が促進されるという確固たるエビデンスがあります(文献18)。ただし、天然の角層脂質比率は約1:1:1であり、3:1:1は治療目的で最適化された比率です。また、どの脂質を優位にするかは、年齢や皮膚の状態によって異なります。この「三種の脂質をセットで補う」設計思想が、セラミド保湿剤の核心です。

つまり、セラミドは「バリアの材料そのものを補って、壁を建て直す」保湿。グリセリンなどの湿潤剤が"水を入れる"担当なら、セラミドは"水を逃がさない壁を作る"担当です。


【ランキングの根拠】 

セラミドは、角層バリアの構造的中核を担う脂質であり、敏感肌・アトピー性皮膚炎・加齢肌まで幅広い領域でバリア回復のエビデンスが蓄積されている……これが2位に入る理由です。

✅アトピー性皮膚炎(AD)では、角層セラミドの量・組成(鎖長・サブクラス比)の異常がバリア低下(TEWL上昇)と関連することが多数報告されています(文献19)。セラミドを含む保湿剤によるバリア指標・症状の改善は複数のランダム化試験で確認されています(文献20)。

✅2023年の系統的レビュー/メタ解析では、セラミド配合保湿剤はアトピー性皮膚炎(AD)の重症度(SCORADなど)の改善に有利とされました(文献21)。

✅敏感肌の研究では、総量だけでなくセラミドのサブクラス構成(NP/NS比の低下など)がバリア破綻・刺激感受性と関連することが示されており、『量を補うだけでなく、質(サブクラスの比率・プロファイル)を是正する設計』が今後の主流になると考えられています(文献22)。


【補足コメント】

⚪️安全性についてはCIR(Cosmetic Ingredient Review)が、評価対象のセラミド成分について現行の使用実態・濃度で安全と結論づけています。生体親和性が高く、刺激が少ない成分です。

⚪️化粧品では「Ceramide NP/AP/EOP」など複数種の天然型セラミドのほか、疑似セラミド(pseudo-ceramides)や植物由来のグルコシルセラミドなども広く使われています。

⚪️"セラミド=何でも治る"ではありません。 アトピー性皮膚炎(AD)など炎症が活動的な局面では、抗炎症治療(ステロイド外用等)+保湿の併用が基本であり、セラミド保湿剤はあくまでバリアの土台作り・維持療法として位置づけるのが適切です。


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第1位 ワセリン(White Petrolatum)

 第1位|【医師解説】乾燥肌を救う保湿成分ランキング2026


栄えある第1位は、最もシンプルで、最も歴史が長く、最も確実な保湿成分……ワセリンです。

「え、あのベタベタするやつが1位?」と意外に感じる方もいるかもしれません。しかし皮膚科の世界では、ワセリンはまさに"保湿のゴールドスタンダード"。水分を足すのではなく、水分を逃がさない"最強のフタ"として、すべての保湿成分の比較基準であり続けている存在です。


【作用機序】 

ワセリンは石油由来の炭化水素を高度に精製した半固形の油脂状物質です。成分はほぼ炭化水素のみで、水・界面活性剤・防腐剤・香料を含みません。保湿のメカニズムは極めてシンプルかつ強力です。

✔️圧倒的な閉塞力(オクルーシブ効果)  
皮膚表面に連続した油性膜を形成し、経表皮水分蒸散(TEWL)を98%以上抑制するとされています。これはあらゆる保湿成分の中で最高クラスの数値です。「水分を入れる」のではなく、「今ある水分を逃がさない」……これがワセリンの本質です。

✔️角層修復の"物理的アシスト"  
ワセリンの閉塞膜が角層の水分環境を一定に保つことで、バリアの自然な修復プロセスを助けます。不活性な物質だからこそ、肌の生理的な回復を邪魔せず、静かに支えることができるのです。

✔️不活性であることが最大の武器  
ワセリンは薬理的な"攻め"の作用を持ちません。だからこそアレルギーや刺激のリスクが極めて低く、乳児から高齢者まで、またバリアが壊れた肌にも安心して使える……この「何も余計なことをしない」安全性こそ、ゴールドスタンダードたる理由です。


【ランキングの根拠】 

ワセリンは、経表皮水分蒸散(TEWL)抑制率が最も高く、安全性も最高水準。あらゆる保湿研究の"比較対照"として使われ続ける絶対的な基準点……これが1位に君臨する理由です。

✅総説において、わずか5%程度の配合でもTEWLを98%以上低下させるとまとめられており、"最強クラスの閉塞剤"として位置づけられています(文献23)。

✅米国皮膚科学会は、アトピー性皮膚炎のセルフケアにおいて、安価で無香料な選択肢としてワセリン(petroleum jelly)を具体的に推奨しています(文献24)。

✅創傷ケアにおいても、米国皮膚科学会はワセリンで創部を湿潤に保つことを推奨しており(文献25)、「保湿=乾燥肌だけのもの」ではなく、皮膚の修復環境を整える基本手段としての位置づけが明確です。


【補足コメント】

⚪️"うるおいを足す"成分ではありません。 ワセリンの役割は「フタ」です。最大限の効果を引き出すには、化粧水や湿潤剤(グリセリン等)で先に水分を入れてからワセリンで閉じ込める……この順番が重要です。「水分がないところにフタだけ」では体感が出にくくなります。

⚪️閉塞が強い分、使用感の好みが最も分かれる成分でもあります。ベタつき・テカリ・こもり感を訴える方は多く、特に顔面では「米粒〜小豆程度を手のひらで温めてから薄く伸ばす」使い方を伝えることで不満が大幅に減ります。

⚪️ニキビができやすい部位(顔面・背中)では、毛穴閉塞の一因になる可能性があります。汗むれしやすい部位でも同様で、体質・部位に応じた使い方の調整が現実的です。

⚪️安全性は外用保湿成分の中で最高水準です。接触皮膚炎はきわめて稀。ただし精製度の低い製品では不純物による刺激の報告があるため、医療用途では白色ワセリン(日本薬局方品)やプロペト(高純度品)を選ぶのが基本です。

⚪️推奨シーン: 口唇・眼瞼など特に刺激を避けたい部位、花粉期・マスク荒れの"守り"、乾燥性湿疹の保湿の軸、施術後のバリアが落ちた肌の保護など。シンプルだからこそ、あらゆる場面で"最後の砦"になれる成分です。

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クリニックで取り扱う保湿剤

 

おすすめの保湿剤関連記事

 



【参考文献】

1) A bioengineering study on the efficacy of a skin protectant lotion in preventing SLS-induced dermatitis.
Hongbo Zhai, et al.
Skin Res Technol
2000 May;6(2):77-80

2) Comparative efficacy of 12% ammonium lactate lotion and 5% lactic acid lotion in the treatment of moderate to severe xerosis
R S Rogers 3rd, et al.
J Am Acad Dermatol
1989 Oct;21(4 Pt 1):714-6

3) Effect of lactic acid isomers on keratinocyte ceramide synthesis, stratum corneum lipid levels and stratum corneum barrier function
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1996 Jun;288(7):383-90

4) Effect of topically applied dexpanthenol on epidermal barrier function and stratum corneum hydration. Results of a human in vivo study
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5) Use of Dexpanthenol for Atopic Dermatitis—Benefits and Recommendations Based on Current Evidence
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6) Clinical Improvements in Very Dry Skin from a Natural Ingredient-Based Moisturizing Cream Compared With a Leading Colloidal Oatmeal Control
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7) Effects of Colloidal Oatmeal Topical Atopic Dermatitis Cream on Skin Microbiome and Skin Barrier Properties
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8) Safety and efficacy of personal care products containing colloidal oatmeal
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10) Topical niacinamide in daily skincare: A 3-week real-world cosmetic study
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11) 老人性乾皮症に対するヒルドイド(R)軟膏の有用性の検討-二重盲検法による軟膏基剤との左右比較試験
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12) 皮脂欠乏症診療の手引き作成委員会  皮脂欠乏症診療の手引き 2021.
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19) The Pathogenic and Therapeutic Implications of Ceramide Abnormalities in Atopic Dermatitis
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20) Efficacy of a Cream Containing Ceramides and Magnesium in the Treatment of Mild to Moderate Atopic Dermatitis: A Randomized, Double-blind, Emollient- and Hydrocortisone-controlled Trial
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2016 Nov 2;96(7):948-953

21) The Efficacy of Moisturisers Containing Ceramide Compared with Other Moisturisers in the Management of Atopic Dermatitis: A Systematic Literature Review and Meta-Analysis
Wisnu Triadi Nugroho, et al.
Indian J Dermatol
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22) Altered Ceramide Profile of Facial Sensitive Skin: Disordered Intercellular Lipid Structure Is Linked to Skin Hypersensitivity
Taisei Joichi, et al.
J Cosmet Dermatol
2025 Apr;24(4):e70154

23) Moisturizers: The Slippery Road
Anisha Sethi, et al.
Indian J Dermatol
2016 May-Jun;61(3):279-87

24) American Academy of Dermatology (AAD).Eczema in children: Tips for managing
米国皮膚科学会公式サイト
https://www.aad.org/public/diseases/eczema/eczema-child-tips
Accessed February 15, 2026

25) American Academy of Dermatology (AAD).Minimize a scar: Proper wound care tips from dermatologists
米国皮膚科学会公式サイト
https://www.aad.org/public/everyday-care/injured-skin/burns/wound-care-minimize-scars#
Accessed February 15, 2026



ランキング作成プロンプト

役割

あなたは、皮膚科学・皮膚バリア研究領域のエビデンス合成(systematic review & evidence grading)を専門とする研究者です。依頼者は美容クリニック院長(臨床家)です。依頼者が公式ブログで公開できる水準の資料にするため、最新の学術文献に基づき、皮膚バリア機能を回復(改善)させることが臨床試験で示された保湿(モイスチャライザー)成分を、客観指標とGRADEで評価し、**有効性エビデンスが高い順のランキング(Top 10)**を作成してください。


ゴール(必須)


1 外用(topical)保湿成分 Top 10 を作成(単一成分の寄与が評価できる試験を優先)。
2 依頼文に「内服剤」とあるため、可能であれば 内服(oral)で皮膚バリア/保湿改善が示された成分 Top(最大10) も別枠で提示。
・十分なエビデンスのある内服成分が10個未満なら、存在する分だけでよい。

3 各成分ごとに**順位・理由・根拠文献(代表RCT/対照試験の主要3本まで)**を明示。
4 エビデンスの質は GRADE(High/Moderate/Low/Very low) で提示。
5 もし外用Top10が満たない場合も、無理に埋めず、「エビデンス不足」枠に分けて列挙。

 
対象・定義

対象(Population)
・疾患・目的は限定しない:アトピー性皮膚炎、乾皮症、刺激性皮膚炎、接触皮膚炎後、加齢皮膚、レーザー/ピーリング後のバリア低下、健常者のバリア攪乱モデル(テープストリップ、SLS刺激など)、美容目的での乾燥肌改善など。
・年齢:小児〜成人(別途層別化できれば尚良い)。
・皮膚タイプ:Fitzpatrick I–VI(特にIV–VIの外的妥当性も評価)。


介入(Intervention)

・外用(topical):保湿剤・スキンバリア修復を目的とした有効成分(ingredient)。例:
・生理的脂質系:セラミド、コレステロール、遊離脂肪酸、擬似セラミド 等
・閉塞・皮膜形成:ワセリン(petrolatum)、ミネラルオイル、ジメチコン 等
・吸湿・NMF補充:グリセリン、尿素、乳酸/乳酸塩、PCA-Na など
・抗炎症・鎮痒/バリア関連:コロイドオートミール、ナイアシンアミド、パンテノール 等
・そのほか:ヒアルロン酸、スクワラン 等(ただし「バリア回復」客観指標の試験がある場合のみランキング対象)

内服(oral)(任意・別枠):経口摂取で皮膚バリア/乾燥改善が臨床試験で示された成分(例:経口セラミド、必須脂肪酸、プロバイオティクス等)。

・サプリ形態でも可だが、対照・割付のある臨床試験を重視。


対照(Comparator)


プラセボ/車両(vehicle)、無治療、標準保湿剤、または有効成分同士の比較。

左右比較・スプリットボディ(半顔/片腕)など、皮膚試験の典型デザインも含める。


アウトカム(重要:客観指標を最優先)


皮膚バリア機能の回復/改善を示す客観指標を優先して抽出し、方向(改善=増減)を明記。

・TEWL(経皮水分蒸散量):一般に 低下=改善
・角層水分量(Corneometry 等):一般に 上昇=改善
・皮膚水分保持能/バリア回復速度(tape stripping後の回復曲線 等)
・角層脂質(セラミド等)量、NMF関連指標(可能なら)
・臨床スコア:EASI/SCORAD、乾燥スコア、痒みVAS、患者報告(DLQI等)
・安全性:刺激感、紅斑、接触皮膚炎、悪化、治療中止率
・再発/維持効果:追跡があれば


除外基準(厳守)


・「成分の効果が分離できない複合処方のみ」の試験は、原則ランキング対象外(補足枠へ)。

○例:セラミド+尿素+グリセリン等、複数の主要成分が同時に変化しており「何が効いたか」切り分け不能なもの。

○ただし、**同一ベース処方で“当該成分だけ有無が違う”**等、寄与を推定できる設計(vehicle対照、成分追加試験、要因試験)なら可。


・手技系(レーザー、ピーリング、光治療、マイクロニードリング等)そのものの効果比較は除外(併用はリスク・オブ・バイアスとして言及)。
・症例報告、非比較研究のみはランキング対象外(補足へ)。
・動物実験・in vitroのみは除外(機序説明の背景としての引用は可)。


文献収集と選別

・一次情報を最優先:RCT、盲検化、対照群あり、スプリットボディ試験を重視。
・データベース:PubMed/MEDLINE、Embase、Cochrane CENTRAL、ClinicalTrials.gov、WHO ICTRP、J‑STAGE 等。検索日を明記。
・言語:日本語・英語(他言語も要約可)。
・同一試験の重複出版は統合。
・製剤情報の厳密化:濃度、基剤、塗布頻度、期間、併用(洗浄剤/ステロイド/抗炎症外用)を抽出。
・バイアス要因:洗浄・入浴・環境(湿度)、季節、アトピーの標準治療の均衡、アドヒアランス、測定機器/条件統一(室温・順化時間)を抽出。

 

エビデンス評価(GRADE+スコアリング)
1) GRADE
・High / Moderate / Low / Very low
・ダウングレード:リスク・オブ・バイアス、非一貫性、間接性、不精確性、出版バイアス
・アップグレード:大きい効果、用量反応、交絡が効果を過小評価している可能性 等


2) 総合スコア(0–13点)でランキング算出(外用・内服とも同一ロジック)
・研究の質(GRADE点数化):High=3, Moderate=2, Low=1, Very low=0
・効果量(原則:TEWL/角層水分量の群間差を標準化):
なし/極小=0、小=1(≈0.2)、中=2(≈0.5)、大=3(≈0.8)、非常に大=4(>0.8)

・再現性/一貫性(0–3):独立RCT数、メタ解析有無、結果の方向一致
・客観アウトカム採用(0 or 1):TEWL/Corneometry 等の採用
・フォトタイプIV–VIの裏付け(0 or 1)
・安全性(+1/0/−1):刺激・悪化・中止率など

同点時のタイブレーク:①GRADEが高い>②効果量が大きい>③一貫性>④外的妥当性(IV–VI)>⑤安全性>⑥最新性。

可能なら、効果量算出根拠(平均差/SD、SMD、95%CI、I²、測定条件)を簡潔に提示。

出力要件(必須)
・表形式(日本語)+ 機械可読JSON の両方を出力。
・まず 外用Top10、次に 内服Top(最大10)、最後に(任意で)総合Top10(外用+内服混合)。
・各成分は1エントリで、以下を必ず含める。


[表エントリ項目]
・Rank
・成分(日本語名 / 英語名 / 同義語)
・形態:外用/内服(該当に✔)
・対象集団(例:AD、乾皮症、健常者バリア攪乱、美容目的 等)
・用量・用法(外用:濃度・基剤・回数、内服:mg/日など)と期間レンジ
・主要アウトカム(TEWL、角層水分量 等)の方向(改善=↑/↓)
・効果量(SMDまたは群間差、95%CI)
・GRADE(High/Mod/Low/VLow)
・総合スコア(0–13)内訳(例:3+3+2+1+1+0=10)
・安全性要約(刺激性、悪化、中止率)
・代表文献(最大3件):著者・年・誌名・試験デザイン・N・期間・PMID/DOI
・要約(なぜこの順位か:2–3行)


[JSONスキーマ(例)]
{
"topic": "Skin barrier restoration / moisturization",
"updated_on": "YYYY-MM-DD",
"rankings_topical": [
{
"rank": 1,
"ingredient": {
"jp": "成分名",
"en": "Ingredient",
"synonyms": ["..."]
},
"route": "topical",
"population": ["Atopic dermatitis", "Xerosis"],
"dose_range": "x% cream/ointment, BID",
"duration_range_weeks": "2–8",
"outcomes": [
{
"metric": "TEWL",
"direction_of_improvement": "decrease",
"effect_size_SMD": 0.60,
"CI": "0.30–0.90"
}
],
"GRADE": "Moderate",
"score_breakdown": {
"GRADE": 2,
"effect": 2,
"consistency": 2,
"objective": 1,
"phototype": 0,
"safety": 1
},
"total_score": 8,
"safety_summary_jp": "刺激軽微、離脱率低い等…",
"key_refs": [
{"author":"...","year":2021,"journal":"...","design":"RCT","N":80,"duration_weeks":4,"PMID":"...","DOI":"..."}
],
"rationale_jp": "..."
}
],
"rankings_oral": [],
"insufficient_evidence": ["成分A","成分B"],
"search_notes": {
"databases": ["PubMed","Embase","CENTRAL","J-STAGE","ClinicalTrials.gov"],
"search_date": "YYYY-MM-DD",
"key_query_example": "(transepidermal water loss OR TEWL OR corneometry OR skin barrier) AND (ingredient names...) AND (randomized OR trial)"
}
}


追加指示(必須)
・指標の方向(TEWLは低下が改善、角層水分量は上昇が改善等)を必ず明記。
・基剤(vehicle)差が結果に影響し得るため、「同一基剤で当該成分のみ差」かどうかをリスク・オブ・バイアスとして必ず評価。
・“成分”と“製品”の混同を避ける:基本は一般名(ingredient)で記載し、ブランド名は最小限。
・複合処方の扱い:切り分け不能な複合製剤はランキング対象外として「補足枠」に回す(ただし臨床的意義が大きければ別枠で“複合処方の参考Top”として列挙は可)。
・透明性:検索式、期間、除外理由を数行で付記。
・臨床翻訳:最終セクションで「どの患者/状況に向くか、注意点(刺激、濃度、塗布量、継続期間、併用療法)」を1段落で要約。

 

期待する最終セクション(短い総括)
・要約:上位3成分の共通点(TEWL等客観指標での一貫した改善、再現性、対象集団の広さ)
・ギャップ:エビデンス不足(長期安全性、小児、フォトタイプIV–VI、真の単一成分試験の不足等)
・実装上の注意:刺激対策(頻度漸増、基剤選択)、適切な使用量(FTU等の概念に触れてもよい)、中止すべき副反応

 

品質基準
・正確性 > 網羅性 > 簡潔性
・引用は PMIDまたはDOI必須(可能なら図表番号や主要データ位置)
・直接比較がない成分間は標準化効果量で比較し、恣意的判断を避ける
・断定的表現はGRADEと効果量で裏づける









 

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制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2025年2月16日)

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥