2018.01.29更新

医学が日々進歩しているというなら、新しい発見が次々と登場しそうですが、意外なことに昔から言われてきたことをただ再確認しているだけのようなこともよくあります。

温故知新


たとえば、カロリー制限は誰もが認めるアンチエイジングの大原則で、医学的に証明された唯一の長寿法ですが、昔から「腹八分目」と言われてきたことでもあります。最新の医学が明らかにしたのは、せいぜい8分目より7分目の方が良さそうなことくらい。

そしてこれは個人的見解ですが、今後大原則になると予想しているのが、時間医学が教えるところの「体内時計に合わせて生活する!」ですが、これも「早寝、早起き」として昔から健康法の定番です。昔の人がよほど賢いのか、それとも人の智恵なんてほとんど進歩しないものなのか。

「体内時計」については、1997年に時計遺伝子の存在が発見されてから、急速に時間医学として学問的に進展しています。生活リズムの乱れが糖尿病や癌の発生につながるという証拠も積み上げられつつあります。昔に比べて格段に夜でも普通に生活できる環境が整い、一面ではそれは生活が便利になったということなのですが、もしかしたらそれが生物としてのヒトの生存を脅かしつつあるのかもしれません。

「体内時計」は生物にとって、かなり根幹のシステムです。ヒトだけにあるのではなく、それどころか地球上の生物全般にあると言えるほど普遍的な存在です。おそらく地球上の生物にとって、太陽があってこそ生存が可能になったでしょうし、またオゾン層が未発達だった頃には太陽光は生存を脅かすものでもあったはずです。地球上での生物にとって、太陽の周期に合わせることのできたものだけが、進化の淘汰をくぐり抜けられたのでしょう。

正確に言うと、生活リズムの乱れがどこまで健康に影響を及ぼすのか、その全体像はつかみきれていません。ただ生活リズムが、ヒトである前に地球上の生き物としての必要条件であることは忘れるべきではないでしょう。

(メルマガ1月25日号加筆修正)

 

 

自由が丘ブログバナー

 

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2018.01.24更新

可視化

以前、「レコーディングダイエット」が話題になりました。詳細は忘れましたが、イヤでも毎日体重計に乗って、体重を記録し続ければ、それだけでも減量効果がある、確かそんな内容でした。

これは数値化すれば、それだけでも人の行動は変わる!という人間の習性(弱み?)を利用したものです。ビジネスの世界では常識で、企業が業績目標を数値として可視化することなんて、どこでも行っています。

ときどきダイエットはしているけれど、体重は知りたくないから計らない!という方がいます。それを聞くといつも意志の強さに感心するのですが、モチベーションなんてそう長くは続かないということが身にしみている私としては、やはり毎日とは言いませんが、定期的に計った方がいいと思うわけです。


自由が丘ブログバナー

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2018.01.22更新

「がん検診なんて意味がない!」などという検診無用論を聞くことがあります。あらかじめ告白しておくと、私は自分自身は検診を受けないくせに、人には受けることを絶対に(!)勧める派です。いつもは無用論を聞き流しているのですが、今回はせっかくですので(?)、無用論を論破して乳がん検診をお勧めしたいと思います。

検診に意味があるかどうかは、検診を行うことで、その疾患による死亡率を減少させることができるかどうかで判断されます。これがまず大前提の判断基準。ただ同時にできるだけ検診の「不利益」は少ない方が望ましいという注意書きがつきます。

検診の「不利益」とは、例えば乳がん検診では要精検とされる率が高すぎる場合です。要精検とされ、いろいろ検査されて最終的に乳がんの疑いが晴れたとすると、それは喜ばしいことではありますが、精神的、肉体的負担を考えるとはじめからちゃんと診断して!と言いたくなるでしょう。またマンモグラフィでは放射線被曝が避けられないことも「不利益」のひとつに数えられます。

そうして、乳がん検診はどうかというと、まず大前提について、マンモグラフィによる乳がん検診は、40歳以上の女性の死亡率を下げる効果があることは、諸外国で行われた多くの大規模試験で証明されています。ただ、40代女性では乳腺濃度の高い(デンスブレスト)方が多く、その場合乳がんの発見率が低くなるため、「不利益」も無視できないと考えられています。

デンスブレスト問題


先頃若くして幼子を残して乳がんで他界された有名人の方がいました。彼女の場合最初に異常を指摘されたのが授乳期だったといわれていますから、年代は違えど、まさに高濃度乳房(デンスブレスト)だったわけです。

乳がん検診では、もう検診が有用か無用かという結論は出ていて、40代の高濃度乳房(デンスブレスト)対策をどうすればさらに有用性を高めることができるかが議論されています。日本で行われた大規模な臨床試験では、高濃度乳房(デンスブレスト)対策として、超音波検査が有望であることが示されています。しかしまだそれが死亡率減少につながるかまでは明らかになっていません。

米国では高濃度乳房(デンスブレスト)の検診受診者には、それを告知する方向で法整備が進んでいます。もしも乳腺外来で専門医と話す機会があれば、自分が高濃度乳房(デンスブレスト)かどうか、そして望ましい検診方法について(マンモグラフィだけでいいか、超音波検査も併用すべきか)アドバイスを求めてはいかがでしょうか。

世界的に見たとき、先進国ではすでに乳がんの死亡率は、低下傾向にあります。ところが残念ながら日本では上昇傾向に歯止めがかかっていません。その一因として指摘されているのが、乳がん検診受診率の低さです。検診率は年々上昇してはいるのですが、2016年で45%と、欧米諸国の70~80%に比べるとまだまだ低いといわざるを得ません。ブログ読者の皆様、くれぐれも乳がん検診をお忘れなきように。

(参考)
患者さんのための乳がん診療ガイドライン2016年版
日本乳癌学会編
金原出版 2016年

乳がん検診における超音波検査の意義
鈴木昭彦
医学のあゆみ
2017;261(5):363-367

 

 

自由が丘ブログバナー

 

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2018.01.11更新

敏感肌2 


皮膚科医に対するアンケート調査を見ると、ほとんどが敏感肌を角質のバリア機能不全で、乾燥肌と同じ範疇の肌トラブルとしてとらえ、保湿を中心としたスキンケアで対応すべきと認識していることがわかります。

ところが、どんなに保湿をしっかりしたとしても、改善しない「敏感肌」が確かに存在します。バリア機能が正常な「敏感肌」の方も、脂性肌タイプでニキビができやすい「敏感肌」の方もいます。

そもそも「敏感肌」の方は、化粧品を変更したさいに違和感を感じたり、生理、ストレスなどさまざまな要因からお肌にトラブルが生じたことから、自身を「敏感肌」と判断しています。

皮膚科医も、敏感肌にもっとも敏感な化粧品業界と歩調を合わせて、「敏感肌と自己申告があれば敏感肌!」を出発点にしなければなりません。

 

 

自由が丘ブログバナー

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2018.01.08更新

数年前アンジェリーナ・ジョリーが癌の予防目的に乳房、卵巣を切除したことが大きなニュースになりました。彼女の場合、BRCA遺伝子に変異があったと報道されています。

予防的切除


遺伝性乳癌の多くはBRCA遺伝子(正確には1と2があります)の変異が原因です。癌は遺伝子の突然変異から生じますが、親から子に遺伝子の変異が遺伝的に伝わることもあります。それが遺伝性乳癌で、乳癌全体の5〜10%を占めます。

BRCA遺伝子に変異があるかどうかは血液検査でわかります。もし変異があった場合、乳癌になるリスクはおよそ70%。そして、もし予防的に乳房を切除すれば、乳癌になるリスクを90%下げることができます。これが予防的に切除するメリットです。

ただし、癌を予防する目的は「癌で死なない」ことのはずですが、今のところ生命予後の改善は証明されていません。予防的に切除した方が長生きできるという保証はありません。おそらく検査で変異が分かれば、予防的な手術を選択しなくても、通常より綿密にフォローすることになるので、たとえ乳癌を発症しても早期発見、早期治療につながりやすいためでしょう。

どういう場合に遺伝性乳癌が疑われるかについて、詳しくは下記サイトの表1をご覧下さい。
http://jbcs.gr.jp/guidline/p2016/guidline/g1/q05/

遺伝性乳癌が気になる方は、まずは下記サイトに掲載されている遺伝カウンセリング外来でご相談下さい。
http://hboc.jp/facilities/index.html

21世紀は個別化医療に向かうと叫ばれて久しいですが、まさにこうした遺伝性腫瘍こそが、究極の個人情報である遺伝子により個別化された医療です。今後は乳癌に限らず多くの癌において遺伝性腫瘍が問題になることが予想されます。現状ではまだ遺伝性腫瘍に対応できる病院は限られていて、早急に整備されることが求められています。

(参考)
遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)診療の手引き(2017年版)
医学のあゆみ 「乳癌のすべて」
国がん中央病院がん攻略シリーズ 最先端治療 乳がん


 

自由が丘ブログバナー

 

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2018.01.07更新

 

「王様のような朝食、王子様のような昼食、そして貧民のような夕食を・・」西洋のことわざですが、ここにはダイエットのヒントが詰まっています。鍵となるのは「体内時計」。

「体内時計」という言葉は一般にも使われますが、医学的な解明が進んでいます。わかったことは、ひとつは体内時計には脳の中にある中枢性の時計と体のあちこちにある末梢性の2種類があること。もうひとつは、人の体内時計は1日24時間ではなく、25時間周期であること。つまり人は毎日時差ボケが発生するから、体調を崩しやすい。体内時計を毎日リセットすることが健康維持に欠かせません。

体内時計は2種類あるので、リセット方法も2つ。まず中枢性の時計のリセットには朝起きて日光(正確にはブルーライト)を浴びること。末梢性の時計のリセットには起床して2時間以内に朝食を食べることが必要になります。

同じように食事をしたとしても、体内時計を持つ身体は区別します。朝に摂る食事は、これからの生活のエネルギー源として使われやすく(蓄積しにくく)、夜に摂る食事は、明日のエネルギーとして蓄積されやすく(消費されにくく)なります。朝食を抜くとその分摂取カロリーが減って、ダイエットになると思われがちですが、実は、たとえトータルとして摂取カロリーが増えても朝食を摂った方が太りにくく、朝食を抜いた方が肥満傾向になることがわかっています。

さらに時計のリセットには、栄養バランスの取れた朝食が必要です。時間がないからバナナ1本とか食パン1枚では時計のリセットはできません。まさに「王様のような朝食を!」です。

これまでダイエットの基本はいかに摂取カロリーを減らすか(食事制限)、またはいかに消費カロリーを増やすか(運動)しかありませんでした。「時間栄養学」は、食事、カロリーを制限しなくても、「時間」を制限すること、時間を意識して食事を摂ることで減量できることを教えてくれています。

 

 

自由が丘ブログバナー

 

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2018.01.03更新

ダイエットはなぜうまくいかないのでしょう・・
もしかしたら、それは「決断疲れ」のせいかもしれません。

決断疲れ?


ダイエット中はこれは食べていいか、あれはどうか・・と「決断」の連続です。中には一皿ずつカロリー、食材に含まれる糖質の量を計算する几帳面な方もいらっしゃるかもしれません。

しかし・・そうした「決断」が重なると、疲れてしまい、ついには自己をコントロールする気力が弱まってしまうことが知られています。「決断疲れ」がダイエットの失敗につながるのです。

ダイエットを成功させるには、「決断」する必要のないシンプルにルーティーン化された方法にすることです。

たとえば糖質制限であれば、1日に摂取できる糖質を何グラムと制限するのではなく、「夕食は主食(ごはん、パン、麺など)を抜く!」などのように、いちいち決断する必要がないようにするのが長く続けるコツです。


 

自由が丘ブログバナー

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

詳しいお問い合わせ・ご予約はこちらから