2025.10.09更新

【目次】

1 はじめに
2 眉毛が伸びるメカニズム
3 加齢に伴う眉毛の変化
4 なぜ高齢男性の眉毛は長くなるのか
5 まとめ

 

1 はじめに


若い頃は気にならなかったのに、ある年齢を境に、眉毛の中に1本だけ異様に長い毛を見つけて驚いた経験はありませんか?

あるいは、おじいさんの眉毛が立派に長く伸びているのを見て、「なぜ年をとると眉毛が伸びるのだろう?」と不思議に思ったことがあるかもしれません。

実は、眉毛が伸びる現象には、毛の生え変わりの周期(毛周期)や男性ホルモン、そして加齢に伴う体の変化が深く関係しています。今回は、この身近でありながら意外と知られていない眉毛の謎について、科学的な視点からわかりやすく解説します。


なぜ年をとると眉毛が伸びるのか?

 

2 眉毛が伸びるメカニズム


なぜ眉毛は、髪の毛のようにどこまでも伸び続けないのでしょうか。その答えは「毛周期(ヘアサイクル)」にあります。

体毛はすべて、
成長期(毛が伸びる時期)
↓
退行期(成長が止まる時期)
↓
休止期(毛が抜け落ち、次の毛の準備をする時期)

というサイクルを繰り返しています。


髪の毛の場合、成長期が2〜6年と非常に長いため、その間に何十センチも伸びることができます。一方、眉毛の成長期はわずか1〜2ヶ月程度しかありません。つまり、長く伸びる前に成長がストップし、休止期に入って抜け落ちてしまうのです。これが、普段の眉毛が一定の長さに保たれている理由です。

 

3 加齢に伴う眉毛の変化


ところが、年を重ねると眉毛の生え方に変化が現れます。一般的に、加齢とともに毛の成長速度は遅くなり、毛周期も乱れがちになります。

多くの毛は細くなったり薄くなったりするのですが、中には毛周期のリズムが崩れ、成長期が異常に長くなってしまう毛が現れます。抜け落ちるはずのタイミングを逃し、そのまま伸び続けてしまうのです。これが、突然現れる「長い眉毛」の正体です。

この現象は男女問わず起こり得ますが、特に男性において顕著に見られます。女性の場合、女性ホルモンの減少によって眉毛全体が薄くなる傾向が強く、男性のように特定の毛だけが極端に長く伸びるケースは比較的少ないとされています。

 

4 なぜ高齢男性の眉毛は長くなるのか


では、なぜ高齢男性の眉毛はあそこまで立派に伸びるのでしょうか。ここには「男性ホルモン(テストステロン)」が大きく関わっています。

男性ホルモンには、体毛を濃く太くする働きがあります。しかし、加齢とともに男性ホルモン全体の分泌量は減少していきます。それなら眉毛も薄くなりそうなものですが、実はそう単純ではありません。

毛根にある毛乳頭細胞には、男性ホルモンを受け取る「受容体(レセプター)」が存在します。加齢によってホルモン量は減っても、毛根の受容体の感受性が高まったり、局所的にホルモンの影響を強く受けたりすることで、毛の成長期が延長されると考えられています。

興味深いことに、男性ホルモンは「頭髪」に対しては抜け毛を促す(成長期を短くする)方向に働くのに対し、「眉毛」や「ヒゲ」「耳毛」などに対しては成長を促進する(成長期を長くする)という、正反対の作用を示します。年をとると頭頂部は薄くなるのに、眉毛や耳毛が元気に伸びてくるのは、このホルモンの部位による作用の違いによるものです。

 

5 まとめ


年をとると眉毛が伸びる理由は、毛周期の乱れによって成長期が延長すること、そして男性ホルモンの影響が複雑に絡み合っているためです。

1本だけ長く伸びた眉毛を見つけると、老化を感じて少しショックを受けるかもしれませんが、それは長年頑張ってきた体が示す自然な変化のひとつでもあります。昔から、長く伸びた眉毛は「長寿眉」や「福眉」と呼ばれ、縁起の良いものとして尊ばれてきました。気になる場合は眉ハサミで優しく整えつつ、体の不思議なメカニズムに思いを馳せてみるのも良いかもしれません。

 



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制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2026年10月7日)

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2025.10.02更新

 


【目次】

1 はじめに
2 なぜCBDにこれほど期待が寄せられるのか
3 「内因性カンナビノイド受容体」とは何か
4 受容体の作用とリガンドの関係
5 実際の臨床試験で確認された効果は?
6 まとめ

 

CBD



1 はじめに



美容業界でも大麻の成分のうち向精神作用のないカンナビジオール(CBD)を含むコスメが次々に登場しています。しかも、カンナビジオール(CBD)には

✅抗炎症作用
✅抗酸化作用
✅皮脂分泌抑制(抗ニキビ)作用
✅保湿作用
✅創傷治癒促進作用
✅アンチエイジング作用

が期待されている(文献1)というのですから、とてつもないスケールです。それがほんとうならカンナビジオール(CBD)コスメだけでスキンケアは全てまかなえそうです。

 

2 なぜCBDにこれほど期待が寄せられるのか



なぜこんなにもカンナビジオール(CBD)に期待が寄せられるかと言えば、カンナビジオール(CBD)が、内因性カンナビノイド受容体と結合できるから。

内因性カンナビノイド受容体は、おもに中枢神経系、免疫系で働きますが、皮膚でも健康な肌を支えている(文献2)ことから、CBDコスメにもきっと様々な美肌効果があるはずという甘い(?)期待が膨らんでしまうのです。


3 「内因性カンナビノイド受容体」とは何か



「内因性カンナビノイド受容体」が期待の根源にあるのですが、なぜ身体の中に大麻成分に対応する受容体があるのでしょうか?

別に人の身体は大麻のためにはじめから受容体を用意していたわけではありません。ただ身体の中に入った大麻の作用機序を調べる中で、大麻成分と結合する未知の受容体が発見され、「内因性カンナビノイド受容体」と命名されたのでした(文献3)。

 

4 受容体の作用とリガンドの関係



「内因性カンナビノイド受容体」が作動すると皮膚においては

✅抗炎症作用
✅抗酸化作用
✅皮脂分泌抑制(抗ニキビ)作用
✅保湿作用
✅創傷治癒促進作用
✅アンチエイジング作用

などの多彩な作用を発揮する可能性がある(文献1)のですが、リガンド(受容体に結合できる物質)はスイッチのようなもので、受容体をオンにすることもあればオフにすることもあるのです。


5 実際の臨床試験で確認された効果は?



なので外用薬としてのカンナビジオール(CBD)がどのような効果を持つかは、期待論だけを膨らませても無意味で、実際に臨床試験で確認するしかありません。

質の高い臨床試験(ランダム化比較試験など)が行われていることを条件にすると、効果が実証されたのは

◎乾燥性湿疹(文献2)
◎乾癬(文献4)

にとどまります。

これ以外では、ニキビに関してはランダム化二重盲検比較試験である第II相臨床試験が進行中とされ、途中経過で有望と報告されています(文献5)が、続報は途絶えています。

もしニキビや酒さ(赤ら顔)にスキンケアで対応するのであれば、CBDのような新しい成分よりも、すでに医学的に抗炎症・皮脂抑制効果が確立されているアゼライン酸やトレチノインを選択する方が、賢明と言えるでしょう。

期待された慢性的な皮膚のかゆみについては、100名の患者を対象としたランダム化比較試験で、その効果が否定されてしまいました(文献6)。


6 まとめ



◉現状では、華々しい効果の期待は萎みつつあり、せいぜい保湿剤にしかならないと結論づけられます。

単なる保湿目的や乾燥肌のケアとして考えるなら、高価なCBDコスメに手を出す前に、医療機関専売のADパーフェクトバリアのような高保湿・低刺激な製品をお試し下さい。

◉少なくともCBDコスメが声高に宣伝するような皮膚の恒常性の維持に関わっているかのような物言いは、故意か過失かはともかく完全に言い過ぎです。

本当の意味で皮膚の細胞外マトリックスに働きかけ、肌の恒常性や自活力を取り戻したいとお考えなら、CBDコスメではなく、細胞外マトリックス治療・肌育注射をお勧めします。

◉CBDコスメは、「内因性カンナビノイド受容体」とそれが作動したときの「内因性カンナビノイドシステム」という身に余る命名を最大限に利用(悪用?)したに過ぎないというのが、現状での私の結論です。

 

 



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2️⃣ 言葉を超えて愛を伝える『手当て』の力
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4️⃣ 日焼け止めを塗るタイミング
5️⃣ 保湿成分ランキング

 


 

 

【参考文献】

1) Therapeutic Potential of Cannabidiol (CBD) for Skin Health and Disorders
Sudhir M Baswan, et al.
Clin Cosmet Investig Dermatol
2020 Dec 8:13:927-942

 

2) Cannabinoid Signaling in the Skin: Therapeutic Potential of the "C(ut)annabinoid" System
Kinga Fanni Tóth, et al.
Molecules
2019 Mar 6;24(5):918

 

3) カンナビノイド受容体の内因性リガンドの発見
木村 敏行
ファルマシア
1993;29(11):1293

 

4) Cannabinoids and Their Receptors in Skin Diseases
Eun Hee Yoo, Ji Hyun Lee
Int J Mol Sci
2023 Nov 20;24(22):16523

 

5) Cannabinoids: Therapeutic Use in Clinical Practice
Cristina Pagano et al.
Int J Mol Sci
2022 Mar 19;23(6):3344

 

6) Cannabinoids for the treatment of chronic pruritus: A review
Christina Avila, et al.
J Am Acad Dermatol
2020 May;82(5):1205-1212

 

 

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制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2026年10月7日)

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥