2022.06.25更新

 

皮膚科でニキビが治らない原因は間違った「薬をやめるタイミング」にあります。アダパレンやエピデュオの副作用を乗り越え、ニキビ治療後の再発防止に不可欠な「維持療法」の重要性を医師が徹底解説します。


ニキビ治療は長い付き合い

1 ニキビ治療の落とし穴:間違った「薬をやめるタイミング」と高い再発リスク

当院は美容皮膚科ですから、ニキビ診療は行っていません。ニキビ診療は基本的には一般皮膚科でガイドラインに基づいて行われるべきです。

そんなニキビですが、普段クリニックで美肌治療を行う際に、しばしば障害となる困りもの。

せっかく表面のブツブツが消えても、赤い炎症が長引いたり、茶色い色素沈着が残ったりして、それまでの美肌治療を台無しにしてしまうことがよくあります。

そんなニキビですが、驚くべきことに、多くの方が皮膚科でのニキビ治療を受けていません。

さらには皮膚科で治療を受けていたとしても、「見た目が良くなったら終了」という誤った認識による早期中断が問題として指摘されています(文献1)。

「表面的な症状が改善したから」という理由で自己判断で治療を中止したら、待ち受けているのは残念ながらニキビの再発です。

ニキビができやすい肌質は簡単には変わりません。「再発リスク(relapse risk)」を減らすためには、症状が完全に治まった後も少なくとも2ヶ月間は治療を継続することが推奨されています(文献2)。


2 皮膚科でニキビが治らない原因?医師が指摘する「治療が続かない3つの課題」

「治療を続けましょう」と言うのは簡単ですが、実際にはそう簡単ではありません。この「続かない問題」の深刻さは、日本の皮膚科医自身の手による調査で明確に示されています。

日本のニキビ患者428名を対象とした多施設研究では、皮膚科医の診療下にあるにもかかわらず、ニキビ治療には以下の3つの深刻な課題があることが報告されました(文献1)。


課題①:そもそも薬をきちんと使えていない(アドヒアランス不良)

最も深刻な課題がこれです。この研究では、全体の76%が治療アドヒアランス不良....つまり、皮膚科を受診して処方してもらった薬を、4人に3人がきちんと使えていなかったのです。

さらに詳しく見ると、状況はもっと深刻です。塗り薬だけの治療でも52%が不十分な遵守。飲み薬に至っては単独で93%、塗り薬との併用でも86%が遵守不良という結果でした。

皮膚科医の立場から言えば、「処方しても使ってもらえない」という、非常にもどかしい現実です。これは日本のニキビ診療における最大のボトルネックと言えるでしょう。


課題②:副作用がつらくて続けられない

同研究のアンケート解析では、治療が続かなくなる原因として「副作用の経験」と「治療満足度の低さ」が有意に関連していました。

これは臨床の現場でもよく目にする悪循環です。外用レチノイド(アダパレンなど)やBPO(過酸化ベンゾイル)といったニキビ治療薬は、使い始めに乾燥・紅斑・刺激感といった副反応が起こることがあります。この不快感に耐えきれず患者さんが使用を中断してしまうと、当然ながら治療効果は得られません。

ここで重要なのは、薬そのものの有効性には問題がないという点です。問題は薬の効き目ではなく、薬を「使い続けられるかどうか」にあるのです。


課題③:ニキビ治療への理解が足りない

この研究で特に注目すべき発見があります。それは「ニキビという疾患と治療の内容をよく理解している患者ほど、アドヒアランスが良好だった」という点です。

逆に言えば、なぜこの薬を使うのか、副作用が出ても続けるべき理由は何か、どのくらいの期間が必要なのか....こうした基本的な情報が十分に伝わっていないと、患者さんは少しの変化や不安で治療を中断してしまいやすいのです。

まとめると、日本のニキビ治療が「うまくいかない」最大の原因は、薬の有効性の問題ではなく、①使われない、②続けられない、③理解されない....という「使用継続性の問題」です。

この事実は、医師がもっと丁寧に説明し、患者さんと一緒に治療を続けていく姿勢の大切さを示しています。


3 ニキビ再発防止のために治療を継続する科学的根拠

ニキビ再発防止を目指した治療の継続には、明確な科学的根拠があります。

それはエピデュオ・フォルテ(アダパレン0.3%+過酸化ベンゾイル2.5%)を用いて、患者に6ヶ月間この薬剤を塗布した研究報告です(文献3)。

この報告の特筆すべき点は、塗り薬を続けることで、ニキビ跡(萎縮性瘢痕)の数を減少させたことですが、もう一つ注目すべきは治療が3ヶ月、6ヶ月と継続するにつれて効果が向上していたこと。これは、治療を継続することで、ニキビの再発防止だけでなく、ニキビ跡(萎縮性瘢痕)の減少にもつながる可能性を示唆しています。

先ほどご紹介した日本の調査では76%もの患者さんが治療を十分に続けられていませんでした。この「継続する」という一見シンプルなことが、実はニキビ治療の成否を分ける最大の鍵なのです。


4 アダパレンやエピデュオの副作用対策と日本でできるニキビ再発防止策

残念ながら日本ではエピデュオ・フォルテは未承認ですが、類似製剤であるエピデュオゲル(アダパレンの濃度が0.1%と低い)においても、半年間の継続使用で:

◎ 新たなニキビ発生の防止(ニキビ再発防止)
◎ 既存のニキビ跡の改善

という二重の効果が確認されています(文献4)。やはりニキビ再発を防ぐための維持療法が、肌質そのものの改善につながる可能性が示唆されています。

ニキビ再発防止の観点からは、先に述べたように症状が完全に治まった後も少なくとも2ヶ月間は治療を継続することをお勧めします。

副作用が気になる場合は、自己判断で中止するのではなく、使用量や頻度の調整について担当医にご相談ください。副作用への不安から自己判断で中断してしまうことこそが、ニキビ治療における落とし穴なのです。


5 本当のニキビ治療とは?再発を防ぐ最後の仕上げ「維持療法」

日本皮膚科学会のガイドライン(文献5)でも明記されていますが、真のニキビ治療には2つのステップがあります:

◉ 急性期の炎症を抑える「急性期治療」
◉ニキビが落ち着いた後の「維持療法」

多くの方が見落としているのは、この2番目のステップです。ニキビ再発防止のための「維持療法」は、ニキビ治療に欠かせない最後の仕上げなのです。

具体的には、アダパレン(ディフェリン)やBPO製剤などの外用薬を継続的に使用することが推奨されています。つまり、「ブツブツが消えたら終わり」ではなく、その後もニキビ再発させないための「維持療法」を続けることが正しいニキビ治療です。

日本の皮膚科医自身の調査が突きつけた3つの壁....アドヒアランス不良(76%)・副作用による中断・患者教育不足....を乗り越えるためには、治療の意味をしっかり理解し、副作用とうまく付き合いながら、医師と二人三脚で根気よく続けることが何より大切です。

この維持療法の考え方はガイドラインで示されているにもかかわらず、一般には十分に浸透していません。もしかすると医療費増加への懸念から積極的な周知が控えられているのではと疑いたくもなりますが、維持療法の重要性は、皆さんの肌の健康のためにもっと広く認識されるべきです。皮膚科ドクターと相談しながら、あなたに最適な維持療法を見つけて下さい。

一般皮膚科での維持療法を終え、ニキビができにくい健康な肌の土台が整った後、ニキビ跡の赤みや色素沈着、さらなる美肌を目指す段階になれば、当院の美容皮膚科治療が効果を発揮します。

 

▶当院のニキビ跡治療:


ニキビ後の赤み治療 トラネキサム酸注射

軽症〜中等症のクレーター治療 リジュラン

重症のクレーター治療 フラクショナルレーザー



おすすめのニキビ関連記事

 

 

【参考文献】


1) Acne management in Japan: study of patient adherence
Yoshiki Miyachi, et al.
Dermatology
2011;223(2):174-81

2) Exploring acne treatments: from pathophysiological mechanisms to emerging therapies
Hyun Jee Kim, Yeong Ho Kim
Int J Mol Sci
2024 May 13;25(10):5302

3) Prevention and reduction of atrophic acne scars with adapalene 0.3%/benzoyl peroxide 2.5% gel in subjects with moderate or severe facial acne: results of a 6-month randomized, vehicle-controlled trial using intra-individual comparison
Dréno B,et al.
Am J Clin Dermatol.
2018;19:275-286

4) Adapalene 0.1%/benzoyl peroxide 2.5% gel reduces the risk of atrophic scar formation in moderate inflammatory acne: a split-face randomized control trial
Dréno B,et al.
JEADV
2017;31:737-742

5) 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023(改訂版)
日本皮膚科学会
https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/zasou2023.pdf
(最終閲覧日:2026年3月2日)

 

 

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制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2026年3月2日)

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.06.18更新

1. ニキビ跡(萎縮性瘢痕)を治療する美容皮膚科が、一般皮膚科での「ニキビ早期治療」を勧める理由


当院では美容皮膚科として、ニキビ治療の中でも「ニキビ跡(特にクレーターなどの萎縮性瘢痕)」の治療を行っています。現在進行形で炎症を起こしている「ニキビそのもの」の治療は行っておらず、保険診療のガイドラインに基づいた一般皮膚科での受診をお勧めしています。

それなのに「なぜ自分のところでは診ないのに、ニキビの話をするの?」

そう思われるかもしれません。しかし、「ニキビ跡」の診療をしている医師だからこそ、強くお伝えしたいことがあるのです。

それは、「ニキビ跡を作らないためには、一般皮膚科での早期治療に勝るものはない」という事実です。

この記事では、最新の医学論文のデータを交えながら、その理由を解説します。




ニキビは早期治療



2. ニキビ放置は跡になる!皮膚科での早期治療がもたらす4つのメリットとクレーター予防効果

「たかがニキビ」と様子を見ている間に、肌の内部ではダメージが進行しています。最新の研究では、早期介入によって以下のメリットが得られることが報告されています。

2-1. 「一生残る傷跡(瘢痕)」のリスクを減らせる

これが最も強調したい点です。早期に炎症性ニキビをコントロールすることは、クレーター(陥凹性瘢痕)や色素沈着といった「物理的・心理的な傷跡」のリスクを低減させると報告されています(文献1)。

特にトレチノインやアダパレン(ディフェリン)などのレチノイドは、ニキビの予防だけでなく、すでに生じた色素沈着の改善にも効果が期待されており、早期からの導入が推奨されています(文献1)。

2-2. 早期に「目に見える変化」が期待できる

「皮膚科の薬は時間がかかる」というイメージがあるかもしれません。しかし、近年の配合外用薬(アダパレン/過酸化ベンゾイル等)を用いた研究では、治療開始4週の時点で炎症性ニキビが30〜50%以上減少したというデータがあります(文献2)。

こうした早い段階での目に見える改善は、患者さんの満足度を高め、治療を続けるモチベーション(アドヒアランス)につながります。治療を継続すればするほど効果は積み重なるため、最初の数週間の実感が長期的な治療成績を左右するといっても過言ではありません。



2-3. 「治りにくいニキビ」への進行を食い止める

ニキビは慢性的な炎症性疾患です。適切な治療が遅れると炎症が長引き、再発を繰り返す「難治化」のリスクが高まります (文献3)。
重症化してから慌てて治療を始めるのではなく、軽症のうちに標準治療(レチノイドや過酸化ベンゾイルなど)で難治化、重症化を防ぐことが、結果的にトータルの治療負担を減らすことにつながります。


2-4. 心の負担(QOL)を軽くする

ニキビは単なる「肌の問題」ではありません。特に思春期の若い方にとって、自己評価や対人関係に大きな影響を与えることが知られています(文献4)。

早期のニキビ(学童期〜軽症段階)をきちんと治療・モニタリングすることで、より速やかに良好な臨床経過とQOLの改善が得られるとされています(文献4)。

「たかがニキビ」と放置せず、早い段階から適切なケアを受けることが、精神的な健康を守るうえでも重要なのです。




3. 早期治療がニキビ跡予防に重要なのに、なぜ皮膚科受診は遅れてしまうのか?

皮膚科医は一生懸命「ニキビ早期治療」の重要性を説いているわけですが、実はそれを妨げる要因が、皮膚科の診療現場にあるという矛盾を抱えています。

日頃、ニキビのある方に皮膚科受診をお勧めしていますが、「時間がかかりすぎる」、「ちゃんと診てくれない」、「話を聞いてくれない」などという声をよく耳にします。

こうした意見を聞くたびに「今の保険制度では、たくさんの患者さんを診ないと経営的に成り立たないから、皮膚科の先生も大変なのです」とフォローしますが、実際のところ、皮膚科受診のハードルの高さが、日本の「ニキビ診療」の足を引っ張っているという現実があります。




4. まとめ

私たちのような「ニキビ跡治療」を行うクリニックの出番がないこと、それが本来の理想です。

もし今、赤いニキビや白いニキビができているなら、「跡になってから美容皮膚科」へ行くのではなく、まずはお近くの一般皮膚科を受診して下さい。それが、将来的なクレーターや色素沈着を防ぐための最善かつ最短のルートです。


ニキビがクレーター(萎縮性瘢痕)などのニキビ跡になるリスク要因の中でも、『治療の遅れ』は『ニキビをいじる、潰す』行為とともに、自分でコントロールできる重要なリスク要因なのです。(文献5)。

それでも、もし不幸にも「跡」が残ってしまった場合は、当院が全力でサポートさせていただきます。

 

▶当院のニキビ跡治療:


ニキビ後の赤み治療 トラネキサム酸注射

軽症〜中等症のクレーター治療 リジュラン

重症のクレーター治療 フラクショナルレーザー




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【参考文献】

1) Recommendations to Improve Outcomes in Acne and Acne Sequelae: A Focus on Trifarotene and Other Retinoids.
Naiem Issa, et al.
Dermatol Ther
025 Mar;15(3):563-577

2) Early Acne Improvements With Fixed-Combination Topical Therapy: Analysis of the First 4 Weeks of Treatment
Steven R Feldman, et al.
J Drugs Dermatol
2025 Jan 1;24(1):79-87

3) Exploring acne treatments: from pathophysiological mechanisms to emerging therapies
Hyun Jee Kim, Yeong Ho Kim
Int J Mol Sci
2024 May 13;25(10):5302

4) Making the case for early treatment of acne
Andrea L Zaenglein
Clin Pediatr
2010 Jan;49(1):54-9

5) Acne Scarring: Why We Should Act Sooner Rather Than Later
Brigitte Dréno, Linda Stein Gold
Dermatol Ther
2021 Aug;11(4):1075-1078



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制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2026年3月1日)

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

2022.06.09更新


1 はじめに ―「すべてのニキビにはニキビ跡になるリスクがある」


ニキビは誰にとっても身近な肌トラブルですが、本当に怖いのは「ニキビ跡」になってしまうことです。ですから、皮膚科でのニキビ治療の原則は『たとえ軽いニキビであっても、早い段階から正しくケアして、ニキビ跡を残さないようにすること』です。

とはいえ、「どんなニキビがニキビ跡になりやすいのか」という疑問に対して、これまで明確な答えがありませんでした。「重いニキビほど跡になりやすい」というのは感覚的に理解できても、具体的にどんな特徴に注目すればいいのかがわからなかったのです。

ところが近年、ニキビ一つひとつを2週間ごと・6ヶ月間にわたって追跡するという非常に緻密な臨床研究が報告され、ニキビ跡になりやすいニキビの正体がかなり明確になってきました(文献1)。

この記事では、その研究結果をもとに「どんなニキビに注意すべきか」を解説するとともに、最新の医学文献に基づくニキビ跡の赤み(炎症後紅斑)の予防と治療のポイントについてもご紹介します。


2 ニキビ跡の8割以上は「治った後の赤み」から生まれていた


ニキビ跡の8割は赤みから

研究の結論は、多くの方にとって意外なものかもしれません。

ニキビ跡(瘢痕)の実に83%は、ニキビが治った後に残る「赤み」や「色素沈着」から進行してできていたのです。

特に多かったのが、赤く腫れたニキビ(赤ニキビ)がいったん治まったあと、赤みだけがいつまでも残り、そこからニキビ跡へと変わっていくというパターンでした。

さらに注目すべきデータがあります。将来的にニキビ跡になったニキビは、跡にならなかったニキビに比べて治るまでの期間が明らかに長かった(平均10.5日 vs 6.6日)のです。

つまり、以下の2つがニキビ跡になる危険信号です。
• ニキビが1週間以上経っても治らない
• ニキビ自体は平らになったのに、赤みがなかなか引かない

これらに当てはまる場合は、「そのうち消えるだろう」と放置せず、早めに皮膚科を受診した方が良さそうです。


3 消えないニキビ跡の赤み(炎症後紅斑)を放置してはいけない理由とクレーター化のリスク

ニキビが治った後に残る赤みは、医学的には「炎症後紅斑(macular erythema)」と呼ばれます。これは見た目には「ニキビの名残」程度に思えますが、実は肌の中でまだ炎症が続いているサインです(文献2)。

この炎症が長引くと、皮膚の組織が破壊されてクレーター状のニキビ跡(萎縮性瘢痕)に進行してしまう恐れがあります。逆に言えば、この「赤みの段階」で適切に治療を行えば、ニキビ跡への進行を食い止められる可能性があります。


4 ニキビ跡の赤みを防ぐための治療戦略

■ もっとも大切なのは「ニキビそのものを早く治す」こと

ニキビ跡の赤みを防ぐにはニキビは早期から継続的な治療で治すことです。

日本で保険適用のあるニキビ治療薬の代表は以下の2つです。

✔️アダパレン(ディフェリンゲル)
は、毛穴のつまりを改善し、ニキビの発生と炎症の両方に働きかける外用レチノイドです。外用レチノイドは、ニキビの治療だけでなく、赤みや色素沈着、さらには瘢痕の改善にも効果があるとされています(文献3)。

✔️過酸化ベンゾイル(BPO/ベピオゲル等)は、抗菌作用と角質剥離作用をもつ外用薬で、アダパレンとの併用(エピデュオゲル等)が推奨されています。

これらの外用薬をニキビの初期段階から継続的に使用することが、ニキビ跡の赤みを予防するうえでもっとも基本的かつ重要な戦略です。


■ 治らないニキビ跡の赤みを消すための美容皮膚科での最新治療

ニキビ自体は落ち着いたのに赤みだけが残っている….日本では保険診療の範囲外になりますが、そんなときは、以下のような治療が研究で報告されています。

トラネキサム酸皮内注射は、近年注目されている治療法です。トラネキサム酸を赤みのある部位に直接注射することで、短期間で赤みの改善が得られたと報告されています(文献4)。トラネキサム酸はもともと止血剤・抗炎症薬として日本でもなじみのある成分であり、コストを抑えた赤みの治療法として今後の展開が期待されます。

▶当院のトラネキサム酸注射:


ニキビ跡のクレーター予防のために トラネキサム酸注射

スキンケアとして高濃度トラネキサム酸 ダームエデン美容液



このほか海外では、タクロリムス外用(文献2)やチモロール点眼液外用(文献5)といった、本来の適応外の薬を赤みに使用する試みも報告されていますが、いずれもまだ研究段階であり、日本ではニキビ後の赤みへの保険適用はありません。


■ 日常のケアも忘れずに

どのような治療を行う場合でも、紫外線対策と肌のバリア機能を守るスキンケアの併用が欠かせません。紫外線は赤みを悪化させ、色素沈着を引き起こす要因になります。日焼け止めの毎日の使用と、肌に負担をかけない保湿ケアを継続することが、治療効果を最大限に活かすカギとなります(文献6)。


5 まとめ:ニキビ跡は「予防」がもっとも効果的

ニキビ跡は一度できてしまうと、セルフケアだけでの改善は難しいのが現実です。しかし、最新の研究が示しているのは、ニキビ跡は「運が悪かったから」できるものではなく、適切なタイミングで適切な治療を行えば防げる可能性があるということです。

覚えておきたいポイントは3つです。
1. 「治りが遅いニキビ」「赤みが長引くニキビ」は危険信号 .... 1週間以上改善しないニキビや、平らになっても赤みが引かないニキビは要注意です。

2. ニキビ後の赤み(炎症後紅斑)は“まだ炎症が続いているサイン” .... 放置するとクレーター状のニキビ跡に進行するリスクがあります。

3. アダパレンやBPOなどの外用薬を早期から継続使用することが、もっとも確実な予防策 ....
「たかがニキビの赤み」と軽視せず、気になったら早めに皮膚科医にご相談ください。早期からの正しいケアで、ニキビ跡に悩まされない健やかな肌を目指しましょう。

 

 

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【参考文献】

1)Prospective study of pathogenesis of atrophic acne scars and role of macular erythema
Tan J,et al.
J Drugs Dermatol.
2017;16(6)567

2) Topical tacrolimus for acne-related macular erythema to prevent atrophic scarring
Madhulika Mhatre, et al.
J Am Acad Dermatol
2022 Jun;86(6):e253-e254

3) Recommendations to Improve Outcomes in Acne and Acne Sequelae: A Focus on Trifarotene and Other Retinoids
Naiem Issa, et al.
Dermatol Ther
2025 Mar;15(3):563-577

4) The Comparable Efficacy Between Tranexamic Acid Intradermal Injection and Pulsed Dye Laser for Treatment of Post-Acne Erythema
Kartika Ruchiatan, et al.
Clin Cosmet Investig Dermatol

5) Topical TimololinDermatology:ApplicationsandAdvances
Wang Yu, et al.
Dermatol Ther
2025;2025(1):5812080

6) A Real-World Approach to Trifarotene Treatment in Patients with Acne and Acne Sequelae
Maria Carmela Annunziata, et al.
Dermatol Ther
2025;15:245-264



 

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制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2026年2月25日)

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥