2018.10.07更新


【目次】

1 MSMとは?コラーゲン生成に関わる「有機硫黄化合物」の正体
2 MSMの効果の鍵は「抗炎症」と「抗酸化」。老化と肌荒れを防ぐ仕組み
3 MSMはサプリメント摂取がおすすめ?気になる副作用と安全性?
4 【お悩み別】MSMサプリに期待できる4つの効果
5 美容皮膚科医の本音:MSMだけで「美肌」は作れるのか?
6 まとめ:MSMを上手に取り入れて、内側から輝く美しさを

 



「MSM」という成分を、サプリメントなどで見かけたことはありませんか?

「お肌に良いらしい」、「関節にも効果があるって聞くけど…」、そんな風に気になっている方も多いのではないでしょうか。

以前、お客様からMSMについてご質問をいただいたことをきっかけに記事にしたのですが、予想外に多くの方に読まれる記事だったので、改めて最新の情報を集めて、書き直すことにしました。



1 MSMとは?コラーゲン生成に関わる「有機硫黄化合物」の正体


MSM(メチルスルフォニルメタン)
とは、実はとても身近な物質です。

◉自然界に存在する「有機硫黄化合物」
MSMは、野菜や果物、牛乳など多くの食品に微量ながら含まれている、天然の栄養成分です。

◉美容に不可欠な「硫黄」の供給源
⚪️私たちの体内では、カルシウムやリンに次いで4番目に多いミネラルが「硫黄」です。MSMは、この硫黄を体に補給してくれる重要な存在。特に、肌のハリを支えるコラーゲンや、髪・爪の主成分であるケラチンなど、美容に欠かせないタンパク質を作るために不可欠です。


2 MSMの効果の鍵は「抗炎症」と「抗酸化」。老化と肌荒れを防ぐ仕組み


MSMが注目される理由は、その優れた「抗炎症作用」と「抗酸化作用」にあります。


ポイント1:内側から炎症をブロック!「抗炎症作用」(文献1)



肌荒れやニキビ、そしてシミやシワといった肌の老化。これらの肌トラブルの根本には、体内で起こる「炎症」が深く関わっています。

私たちの体には、炎症を引き起こす炎症の司令塔(NF-κB)ともいうべきスイッチのようなものがあります。このスイッチがONになると、炎症を促進する物質(サイトカインなど)が次々と作られ、肌トラブルや体の不調につながります。

MSMは、この「炎症の司令塔」のスイッチをOFFにする働きを持っています。つまり、炎症が起こる大元にアプローチすることで、肌トラブルを未然に防ぎ、健やかな状態に導いてくれるのです。


ポイント2:体の"サビつき"を防ぐ!「抗酸化作用」(文献2)



呼吸するだけで発生し、紫外線やストレスでさらに増える「活性酸素」は、体を鉄のようにサビつかせ、細胞にダメージを与えて老化を促進させる原因です。

MSMは、活性酸素を直接攻撃するわけではありませんが、私たちの体に元々備わっている”サビつきを防ぐ力(抗酸化酵素)”をパワーアップさせてくれます。

これにより、体全体の抗酸化力を底上げし、活性酸素のダメージから肌や体を守ってくれるのです。



3 MSMはサプリメント摂取がおすすめ?気になる副作用と安全性?


MSMは食品にも含まれますが、その量はごくわずか。美容や健康への効果を実感できるほどの量を食事だけで摂るのは、残念ながら現実的ではありません。

MSMは、もともと工業用溶剤の研究過程で、その代謝物として発見されました。研究を進める中で、無臭で体に有益な作用があることが分かり、1980年代には美容効果に関する特許も取得されています。

現在、サプリメントとして流通しているMSMは、高純度に精製されたもので、その安全性は米国食品医薬品局(FDA)によっても「一般的に安全と認められる物質(GRAS)」として認定されています。副作用の報告もほとんどなく、安心して摂取できる成分です。


4 【お悩み別】MSMサプリに期待できる4つの効果

MSMの4つの働き


MSMは、その多様な働きから、様々なお悩みにアプローチできます。

Case 1:関節の動きをスムーズにしたい、アクティブに過ごしたい方(文献3)


MSMの抗炎症作用は、関節の健康維持にも役立ちます。変形性関節症の痛みやこわばりを和らげたという臨床試験の結果も多数報告されています。

⚪️ 階段の上り下りなど、関節の動きが気になる
⚪️運動後の筋肉や関節の痛みを軽減したい



Case 2:美肌を目指したい方(シワ・ハリ・弾力不足)(文献3)


MSMはコラーゲンの生成をサポートするため、内側からふっくらとしたハリと弾力のある肌を目指せます。


肌のハリが低下する原因やセルフケア・機器治療を含めた全体像は 肌のハリ・弾力を取り戻すには?からご確認いただけます。




⚪️ 肌のハリや弾力が欲しい
⚪️乾燥による小ジワが気になる
⚪️内側から輝くようなツヤ肌になりたい



Case 3:健康で美しい髪と爪を育てたい方(文献3)


髪や爪の主成分は「ケラチン」というタンパク質で、その生成には硫黄が欠かせません。MSMで硫黄を補うことで、強くしなやかな髪と爪を育むサポートができます。

⚪️ 髪にハリやコシがなくなってきた
⚪️爪が割れやすい、薄い



Case 4:季節の変わり目などの不調が気になる方(文献3)


MSMには、アレルギー症状を緩和する効果も期待されています。研究では、季節性アレルギー性鼻炎の症状が軽減したという報告もあります。

⚪️季節の変わり目に肌がゆらぎやすい
⚪️花粉などのアレルギー症状に悩んでいる


5 美容皮膚科医の本音:MSMだけで「美肌」は作れるのか?


実際にはMSMはもっぱら整形外科領域での使用が一般的でグルコサミン、コンドロイチン硫酸に近い使われ方をするサプリメントと言えるでしょう。

「美肌効果」についてですが、特許取得にさいして申請理由に「皮膚の質感、テクスチャーの改善」が上げられていますが、美容皮膚科医として断言しますが、MSMで「美肌」というのはお勧めできるレベルではありません。

本気で肌質を変えたいなら、直接肌の再生を促す治療が近道です。

【関連施術】 肌そのものを若返らせるサーモン注射「 リジュラン
【関連施術】 肌の入れ替えを行い、質感そのものを改善する「 ダーマペン4



6 まとめ:MSMを上手に取り入れて、内側から輝く美しさを


今回は、注目の美容成分「MSM」について解説しました。

◎MSMはコラーゲンやケラチンの材料となる「硫黄」を補給する天然成分
◎「抗炎症作用」と「抗酸化作用」で肌や体の老化にアプローチ
◎食品から摂るのは難しいため、サプリメントでの摂取が効率的
◎肌、髪、爪、関節など、幅広いお悩みに対応

安全性も高く、副作用の心配もほとんどないMSMは、美容と健康の心強い味方です。ご自身の目的に合わせて、毎日のケアに取り入れてみてはいかがでしょうか。



【参考文献】

1) Methylsulfonylmethane: Applications and Safety of a Novel Dietary Supplement Matthew Butawan, et al.
Nutrients
2017;9(3):290

2) Effects of Methylsulfonylmethane (MSM) on exercise-induced oxidative stress, muscle damage, and pain following a half-marathon: a double-blind, randomized, placebo-controlled trial
Eric D Withee, et al.
J Int Soc Sports Nutr
2017:14:24

3) Beauty from within: Oral administration of a sulfur-containing supplement methylsulfonylmethane improves signs of skin ageing
Neelam Muizzuddin & Rodney Benjamin
Int J Vitam Nutr Res
202l;92(3-4):182-191
 
 

 

 



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【参考文献】

1)  A moat around castle walls. The role of axillary and facial hair in lymph node protection from mutagenic factors
Svetlana V Komarova
Med Hypotheses
2006;67(4):698-701

2)  Hair or Bare?: The History of American Women and Hair Removal, 1914-1934
Kirsten Hansen
https://history.barnard.edu/sites/default/files/inline-files/Hansen_HairOrBare_2007.pdf

3)  A comparative clinical study of different hair removal procedures and their impact on axillary odor reduction in men
Anthony Lanzalaco, et al.
J Cosmet Dermatol
2015 Dec 10;15(1):58–65

4)  Characteristics of Axillary Odor in the Modern Japanese Female
Ayumi Kyuka, et al.
J Soc Cosmet Chem Jpn
2017;51(2):147-152

 
 

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制作・執筆: 坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2026年9月7日)

 

投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥