HOME > 女性の肌の老化
肌の老化とは?仕組み・「何歳から」・更年期に進む理由
「内的老化」と「光老化(外的老化)」
⚪️肌の老化には大きく2種類あります。年齢やホルモンの変化によって誰にでも起こる「内的老化」と、紫外線・大気汚染などの外的要因による「外的老化(光老化)」です。
⚪️顔や手の甲など、日常的に日光が当たる部位の老化は、とくに光老化の関与が大きいと考えられています。
⚪️光老化は、シミだけでなく、深いシワ・ごわつき・たるみ・毛穴の目立ちなど、肌のお悩みの多くに関わっています。裏を返せば、それらの多くは「徹底した紫外線対策」と「レチノイドのホームケア」という二つの土台で、まとめて対応しやすいということです。だからこそ、私たちはここを、医療エイジングケアのなかでも最も力を注ぐ価値のあるポイントだと考えています。
・内的老化(加齢性変化):内的老化とは、年齢に基づく老化であり、まさに加齢性変化。身体の中で日光のあたらない部位では、肌の老化はこの内的老化がメインになります。
内的老化は、ひと言で言うと「皮膚がしぼむ」老化。くすんだ皮膚はうすくなり、細かなシワが目立つようになります。
・外的老化(光老化):外的老化とは、日光、大気汚染など環境、気候、喫煙などの影響に長期にさらされる顔、首、手などに見られます。
色は黄色、茶色味をおびるようになり、シミ、深いシワができ、乾燥しやすくなります。また皮膚の腫瘍もできやすくなります。
肌の老化は何歳から?真皮・コラーゲン・線維芽細胞の変化
⚪️肌は表面の「表皮」と、その内側の「真皮」の2層構造でできています。ハリと弾力を生み出しているのは真皮で、ここにある線維芽細胞がコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸を作り出し、肌の土台を支えています。
⚪️皮膚科学の通説として、肌の状態がピークを保てるのは20代半ば頃まで。そこを過ぎると線維芽細胞の働きが少しずつ低下し、コラーゲンは「量」だけでなく「質」も変化していきます。これが、いわゆる「お肌の曲がり角」として実感される変化の正体です。真皮が薄くなり、土台が緩むことで、表面のシワ・ハリの低下・たるみとして現れます。
更年期と肌──女性ホルモン低下が招くハリ・シワ・たるみ
⚪️女性では、エストロゲンの分泌量が20代をピークに35歳頃から緩やかに低下し始め、更年期(閉経前後)にはその減少が急激に加速することが知られています。
⚪️皮膚は生殖器を除いてエストロゲンの最大の標的臓器であり、エストロゲン受容体(ERαおよびERβ)を介してコラーゲン・エラスチンの合成促進、皮膚含水量の維持、ヒアルロン酸の産生調整などが担われています。
⚪️加齢に伴うエストロゲン分泌量の低下に加え、皮膚における受容体発現も加齢とともに徐々に減少し、これらが複合的に作用することで、エストロゲンの皮膚をサポートする働きが段階的に減弱化していくと考えられています。
⚪️当院では、肌のエイジングのお悩みをライフステージ別に、35歳前後からのプレ更年期、エストロゲンが急激に減少する更年期(45〜55歳頃)、そしてその後のポスト更年期と分けて提案します。
▶ライフステージ別エイジングケア
青い鳥のエイジングケア①:ホームケアの軸となる「レチノイド」という考え方
青い鳥クリニックがエイジングケアの土台に据えているのが、レチノイド(ビタミンA誘導体)を用いたホームケアです。
レチノイドは表皮のターンオーバーを促進させたり、真皮の線維芽細胞にはたらきかけコラーゲン産生をサポートすることが知られ、「原因から考える」という当院の方針に合った、続けることで力を発揮するケアです。
市販の化粧品に配合できるレチノールと、医療機関でのみ処方できるトレチノインでは性質が大きく異なります。当院では肌の状態に合わせて医師が処方・調整し、紫外線対策や保湿と組み合わせて、無理なく続けられる形でご提案します。
▶ レチノイドの「種類・違い・選び方・使い方」、A反応(赤み・皮むけ)への向き合い方は、レチノイド総合案内ページ(レチノイド完全ガイド)でくわしく解説しています。
※レチノイドは妊娠・授乳中の方など使用に注意が必要な場合があります。効果や反応には個人差があります。必ず医師の診察のうえでご使用ください。
青い鳥のエイジングケア②:紫外線・光老化対策(日焼け止めの正しい使い方)
皮膚の老化は、加齢による内的老化と、紫外線などによる外的老化(光老化)が重なって現れるため、両者をはっきり分けることはできません。ただ、このうち外的老化(光老化)が老化全体の約80%を占めるというのが定説です(詳しくはブログ記事「皮膚老化の原因8割は紫外線?」をご覧下さい)。これは裏を返せば、皮膚の老化の80%は予防できるということでもあります。
だからこそ、肌のエイジングケアの土台になるのは、毎日の紫外線ケアです。紫外線対策はシミだけでなく、深いシワやたるみの予防にも関わるため、レチノイドと並ぶ「医療エイジングケアの両輪」といえます。
効果を引き出すには、製品選びだけでなく、正しい使い方が欠かせません。
✔数値の目安:日常使いでもSPF30以上・PA+++以上を目安に。
✔ 可視光線対策:紫外線だけでなく、可視光線(ブルーライトなど)にも配慮した日焼け止めを。
✔ 塗布量:少なすぎると効果が下がります。顔と首で約1/2ティースプーンを目安に、たっぷりと。
✔ 塗り直し:屋外では2時間ごとを目安に。汗や皮脂で落ちるため、日中の塗り直しが鍵です。
✔ 通年使用:紫外線は曇りの日や冬でも降り注ぎます。季節を問わず一年を通して使いましょう。
当院では DRX UVプロテクト をご案内しています。肌質やライフスタイルに合わせて、続けやすい一本をご提案します。
▶日焼け止め関連ブログ記事
プレ更年期:35〜45歳 積極的な予防と基礎構築
◉この時期の皮膚は、これまでに蓄積された外因性要因(光老化)の影響が表面化し始めると同時に、内因性要因であるホルモンバランスの緩やかな変化が始まる移行期です。
◉まだエストロゲンが保たれている時期。光老化の予防とレチノイドによる肌の土台づくりが中心です。「将来の肌」を左右する、最もスキンケアの努力が結果に結びつく年代です。
◉この年代におけるエイジング対策の主目的は、既存の環境ダメージを修復し、将来の老化進行を遅らせるために、強固で回復力のある皮膚の基盤を構築することにあります。
1.1. 科学的根拠に基づく5つのエイジングケア戦略
1. 徹底的な光防御
科学的根拠:
毎日、ブロードスペクトラム(UVAとUVBの両方をブロックする)な日焼け止めを一貫して使用することは、光老化の進行を遅らせるだけでなく、すでに存在する光老化の兆候(肌の質感、トーン、シワ、色素沈着)を視覚的に逆転させる可能性があります(文献1→文献集はこちら)。
▶クリニックが勧める日焼け止め
2. レチノイド療法の開始
3. 皮膚抗酸化療法
4. 皮膚バリア機能の維持と強化
科学的根拠:
⚪️女性ホルモン、特にエストロゲンの減少は皮膚バリア機能を低下させます(文献4→文献集はこちら)。
⚪️30代後半になるとエストロゲンの初期的な減少や皮膚のエストロゲン受容体の減少もあって、皮膚におけるエストロゲンの作用は減少し始めます 。
⚪️健康なバリア機能は、水分を保持し、外部の刺激物から皮膚を保護するために極めて重要です。したがって、刺激の少ない洗顔料を使用し、セラミド、ヒアルロン酸、天然保湿因子(NMFs)などを含む保湿剤で皮膚バリアを維持することが不可欠です。
▶クリニックが勧める保湿剤
5. コラーゲン産生を促す治療への早期介入
院長コラム 〜UVケアは日焼け止め以外だけじゃない〜
日焼け止めだけが、日光対策ではありません。「SPF50+の日焼け止めを使っているから」と日向を堂々と歩いているようでは、美容を語る資格はありません。
- 光防御の重要性を認識する
- 紫外線量の多い時間帯(10時〜14時)は外出しない
- 屋外では日陰を探して歩く(日傘をさしていても日向はできるだけ歩かない)
- 日傘、帽子、紫外線防御の衣服、サングラスなども取り入れる
一番重要なのは屋外に出ないことです。外に出るから日焼け止めや日傘などが必要になります。もし室内で過ごすなら、窓際にずっといない限り、光防御は一切不要です。
更年期:45~55歳 加速する変化に対抗する標的介入
◉この時期は、エストロゲンの急激な減少が内因性老化の強力な加速因子として作用することが特徴です。
◉エストロゲンが欠乏するため閉経後最初の5年間で最大30%ものコラーゲンが失われ、表皮・真皮の菲薄化、そして創傷治癒能力の低下が引き起こされます (文献7→文献集はこちら)。
◉皮膚は、劇的なコラーゲン喪失、菲薄化、弾力性の低下といった重大な構造的変化をきたします。したがって、この年代のケアの焦点は、予防から、劣化しつつある皮膚の構造を積極的に支え、再構築するための標的を定めた介入へと移行します。
2.1. 科学的根拠に基づく5つのエイジングケア戦略
1. 徹底した光防御
科学的根拠:
⚪️エストロゲンは皮膚の抗酸化防御に重要な役割を果たしており、更年期におけるエストロゲン欠乏は、皮膚の酸化ストレスからの防御力を低下させます(文献12→文献集はこちら)。
⚪️それにより皮膚の老化現象が加速することを防ぐために、徹底した光防御がこれまで以上に重要になります。
▶クリニックが勧める日焼け止め
本格的なレチノイド療法の導入
科学的根拠:
⚪️更年期(エストロゲン低下)に進行する光老化症状(皮膚のシワ・たるみ・色素沈着など)に対し、多くの研究で外用レチノイドの有効性が示されています(文献13、14→文献集はこちら)。
▶レチノイドのどれを使ったらいいか迷ったら・・
3. 真皮コラーゲンおよびエラスチン増生に向けた強力な刺激
科学的根拠:
◉エストロゲン喪失の最も重大な帰結は、I型およびIII型コラーゲンの劇的な減少(文献8→文献集はこちら)であり、これが真皮の厚みと張力の喪失に直結します 。
*I型コラーゲンとIII型コラーゲンは、真皮の主要な構造ネットワークを形成するコラーゲンであり、全線維性コラーゲンの約80%をI型が、約15%をIII型が占めます(文献9→文献集はこちら)。
◉これを補うためには、線維芽細胞の活動を強力に刺激し、新コラーゲン造成(neocollagenesis)を促すための積極的な介入が必須となります(文献6→文献集はこちら)。外用薬の範囲を超え、レーザーやデバイスを使った治療法が必要です。
▶積極的なお肌の再生術
4. 細胞外マトリックス(ECM)の再構築
5. 深刻化する皮膚乾燥とバリア機能不全への対処
科学的根拠:
⚪️エストロゲンの欠乏は、皮脂産生の減少と真皮内のヒアルロン酸の低下を招き、乾燥(乾皮症)と皮膚バリアの脆弱化を引き起こします (文献11→文献集はこちら)。
⚪️これにより、皮膚は敏感になり、外部刺激に対して脆弱になります。したがって、セラミド、ヒアルロン酸、および濃厚なエモリエント成分を含む製品による集中的な保湿とバリア修復が極めて重要になります。
▶クリニックが勧める保湿剤
院長コラム 〜見た目の「目」〜
これは皮膚の老化の話ではありません。けれども、肌のエイジングケアもめざすところは「見た目のアンチエイジング」。その意味で、最近発売された点眼薬「アップニーク」には注目しています。
アップニークは後天性眼瞼下垂に対する点眼薬ですが、平たく言えば、加齢とともに誰もが衰えていく「目力」のための目薬です。
目のエイジングは目力だけの問題ではありません。それでも、これまで手術以外に手立てがなく、多くの方が諦めていたお悩みに、点眼というシンプルなホームケアの選択肢が加わった——これは美容にとって大きな出来事だと感じています。
パッチリとした目元をめざしたい方に、おすすめしたい一本です。
▶「シンデレラ」目薬はこちらから
ポスト更年期:55歳以降 修復、サポート、バリア機能の保全
◉この時期は、慢性的なエストロゲン欠乏状態によって定義されます。
◉皮膚は、萎縮(菲薄化)、重度の乾燥(老人性乾皮症)、著しく損なわれたバリア機能、深いしわ、そして顕著なボリュームロスといった兆候を示します。
◉治療目標は、構造の修復、深層からの保湿、バリア機能の回復、そして皮膚の脆弱性の管理に置かれます。
3.1. エストロゲン欠乏肌の管理:科学的根拠に基づくエイジングケア戦略
1. 集中的なバリア修復と老人性乾皮症の管理
科学的根拠:
⚪️ポスト更年期の皮膚における課題は、特にセラミドなどの欠乏による皮膚のバリア機能の低下です(文献15→文献集はこちら)。これは重度の乾燥、かゆみ、そして刺激物に対する感受性の増大を引き起こします。
⚪️この状態を管理するためには、マイルドな洗浄剤の使用と、セラミド、尿素、ヒアルロン酸などを豊富に含むエモリエント(保湿剤)を継続的に塗布し、バリアを修復することが不可欠です。
▶ボディ用ですが、もちろん顔にも使えます
2. 真皮再生療法による皮膚萎縮への対抗
科学的根拠:
⚪️進行性の皮膚の菲薄化に対抗するためには、治療としては真皮の厚みと細胞外マトリックスを再構築することに焦点を当てる必要があります。
⚪️肌育注射と呼ばれる治療においても、強力な再生反応を引き起こす生物刺激性物質(文献10→文献集はこちら)を通じて細胞外マトリックスの再構築を狙います。
▶細胞外マトリックス(ECM)に着目した肌のハリ・小ジワ・肌痩せの治療・・
▶機能性ペプチドの「肌育」治療
3. 重度のテクスチャーダメージへの対処
科学的根拠:
⚪️重度の光老化には、若い年代よりも積極的なリサーフェシング(皮膚再生)が必要ですが、エストロゲン欠乏により創傷治癒力も低下している(文献7→文献集はこちら)ことを考慮する必要があります。長期的なレチノイドの使用が求められます。
▶レチノイドのどれを使ったらいいか迷ったら・・
院長コラム 〜ポスト更年期の肌のエイジングケア〜
アフター更年期の肌のエイジングケアにおいて最も重要なポイントは、肌を「萎縮」させないことです。
では、どうすればよいのでしょうか。
ヒントは、肌の「萎縮」の終着点とも言える皮膚粗鬆症の治療法にあります(詳しくはブログ記事「皮膚粗鬆症とは?」をご覧下さい)。
a)(中分子)ヒアルロン酸外用
b)レチナール外用
c)ビタミンC外用
肌の老化がここまで進むと、もはやレーザーなどのエネルギーデバイスの出番はありません。
a)(中分子)ヒアルロン酸外用
ここで狙っているのは、細胞外マトリックスの再生です。この場合のヒアルロン酸は、皮膚の保湿を目的としたものではありません。
b)レチナール外用
これも興味深いポイントです。なぜトレチノインではないのか。なぜレチノールではいけないのか。
あくまで個人的な見解ですが、脆弱化した肌にはトレチノインは強すぎ、レチノールでは弱すぎるのではないかと考えています。
c)ビタミンC外用
高齢になると、体内のビタミンCが充足していても、末端組織である皮膚はビタミンC欠乏状態にあることが知られています。ビタミンCはコラーゲンの生成に欠かせません。そのため、外用での投与が必要になるというわけです。
皮膚粗鬆症は手足に生じる症状であり、顔のエイジングケアにそのまま当てはめることは適当ではないかもしれません。しかし、皮膚粗鬆症は皮膚の究極の老化であり、その究極の老化に当てはまることは、どの段階の老化に対しても参考になると言えるでしょう。
よくいただくご質問
どうしてもレチノイドが使えない場合はどうしたらいいか?
レチノイドが使いにくいときは、アルファヒドロキシ酸(AHA)を活用します。
グリコール酸、乳酸などが使いやすいでしょう。
DNA修復酵素(photoliase)入りの日焼け止めを使うべきですか?
⚪️光線過敏症状があるなら、DNA修復酵素(photoliase)入りの日焼け止めを使うことを勧めますが、一般の方での有用性はエビデンスがなく、おすすめしません。
飲む日焼け止めは有効ですか?
⚪️シダ植物由来の成分であるPolypodium leucotomosを使った「飲む日焼け止め」の効果は実証されていると言えますが、その効果は高くありません。SPFに換算すれば5にも届きません。
⚪️ただ、たとえばゴルフなどで長時間外にいて、しても日焼け止めを塗りなおすことが難しい状況では、「飲む日焼け止め」も役に立つと言えるでしょう。無防備になるよりはるかにマシです。
パソコンやスマホのブルーライトで日焼けやシミになりますか?
⚪️スマートフォンやパソコンから出るブルーライトは光量が非常に小さいため、日焼けやシミなどの皮膚への影響は心配ありません。
室内で過ごす日も日焼け止めは塗るべきですか?
⚪️窓際でずっと過ごすような場合を除けば、室内での光防御は一切不要です。最も確実な紫外線対策は「屋外に出ないこと」とも言えます。
紫外線対策としてサングラスを選ぶ際の注意点はありますか?
⚪️レンズの色が濃いほど紫外線を防げるわけではありません。色が濃すぎると瞳孔が開き、かえって多くの紫外線が目に入ってしまうことがあります。また、サングラスの隙間から紫外線が入るため、帽子と一緒に使うことをおすすめします
「皮膚の老化」関連のX(旧Twitter)投稿集
皮膚粗鬆症
- 皮膚粗鬆症(1)
「皮膚粗鬆症」という言葉が生まれたのは2007年。加齢の進んだ皮膚の症状を明らかにし、そこから予防を喚起し、合併症を防ぐために提唱された。
(補足:皮膚の老化の究極が皮膚粗鬆症。自分がいずれどうなるか誰もが知っておくべき。)
Dermatology
2007;215:284-294 (2021年11月16日)
-
皮膚粗鬆症(2)
症状:皮膚萎縮
皮膚がペラペラにうすく、透けて見えるようになること。おもに日光に暴露されていた部分に生じる。
Dermatology
2007;215:284-294 (2021年11月17日)
- 皮膚粗鬆症(3)
症状:老人性紫斑
ほとんどが手足に現れる。わずかな外傷でも、また外傷の覚えがなくてもできる。
(補足:わずかな外傷でも血管が破れてできるし、血管から血液が漏れ出て生じるとも言われる。)
Dermatology
2007;215:284-294 (2021年11月18日)
- 皮膚粗鬆症(4)
症状:偽瘢痕
外傷歴がなくても、自然に真皮に亀裂が生じて瘢痕化する。70歳以上の20~40%に見られ、女性に多い。
Dermatology
2007;215:284-294 (2021年11月19日)
- 皮膚粗鬆症(5)
恐い合併症
解離性皮下出血
高齢者(女性に多い)の足に起こりやすい。初期症状は感染症に似て、処置が遅れると広範囲に皮膚が壊死し、創傷治癒の遅れもあって長期入院になる。
(補足:高齢者をあずかる施設のスタッフは知っておくべき。)
Dermatology
2007;215:284-294 (2021年11月20日)
- 皮膚粗鬆症(6)
分類:原発性
原因は加齢。
60歳前後から見られるようになり、70歳以上では多くの人で認められる。
(補足:エイジングが根本原因だからこそ、介入する余地がいくらでもある。)
J Clin Aesthet Dermatol
2018;11(1):13-18 (2021年11月21日)
- 皮膚粗鬆症(7)
分類:続発性
原因として
・紫外線
・遺伝的素因
・ステロイド外用/内服
・慢性腎不全
・慢性閉塞性肺疾患
・運動不足
・血液抗凝固剤の使用
J Clin Aesthet Dermatol
2018;11(1):13-18 (2021年11月21日)
- 皮膚粗鬆症(8)
なぜ皮膚はもろくなる?
皮膚で「粘性」を担うヒアルロン酸、「弾性」を担うコラーゲン・エラスチン。それらの質的劣化、量的減少が「粘弾性」を低下させ、わずかな外力でも皮膚が裂けやすくなる。
(補足:粘弾性があるから、外力を分散・吸収できる。)
Dermatology
2007;215:284-294 (2021年11月23日)
- 皮膚粗鬆症(9)
なぜ皮膚は萎縮する?
皮膚のヒアルロン酸は、分解産物が受容体(CD44)と結びつくことで、皮膚の恒常性の維持に働く。この働きが落ちると、皮膚は萎縮してしまう。
(補足:ヒアルロン酸は保湿因子というより再生因子。)
Dermatology
2007;215:284-294 (2021年11月23日)
- 皮膚粗鬆症(10)
皮膚の再生にヒアルロン酸受容体(CD44)は重要だが、皮膚粗鬆症の皮膚では、これが減少している。レチナールの外用は受容体(CD44)を増やすが、紫外線暴露やステロイド外用は受容体(CD44)を減らす。
J Clin Aesthet Dermatol
2018;11(1):13-18 (2021年11月24日)
- 皮膚粗鬆症(11)
ヒアルロン酸とその受容体(CD44)は、皮膚粗鬆症の治療戦略の新たなターゲット。
(補足:従来はヒアルロン酸の「海」に浮かぶコラーゲンをターゲットにしてきたが、「海」をターゲットに!)
Dermatology
2007;215:284-294 (2021年11月26日)
- 皮膚粗鬆症(12)
中分子量のヒアルロン酸は、1日2回、1ヶ月の外用で皮膚粗鬆症を改善させた。低分子や高分子のヒアルロン酸ではそうした効果はなかった。
(補足:市中に出回るヒアルロン酸は保湿剤、中分子のヒアルロン酸は再生因子。)
Dermatology
2007;215:284-294 (2021年11月27日)
- 皮膚粗鬆症(13)
レチナールと中分子ヒアルロン酸を組み合わせた外用療法は、相乗作用で皮膚中のヒアルロン酸とその受容体(CD44)を増やし、皮膚粗鬆症を改善させる。
(補足:レチナールが使われるのは、レチノールでは弱すぎ、トレチノインでは刺激的すぎるのだろう。)
Dermatology
2007;215:284-294 (2021年11月28日)
- 皮膚粗鬆症(14)
207人の高齢者を収容する施設で、スタッフへの教育、皮膚のケア、袖あり衣服の着用、サイドレールにパッド装着など15ヶ月にわたり皮膚防御を徹底したところ、皮膚裂傷の発症数を月間19例から9例に減少させることができた。
J Clin Aesthet Dermatol
2018;11(1):13-18 (2021年11月29日)
- 皮膚粗鬆症(15)
治療スケジュール
レチナールと中分子ヒアルロン酸の1日2回の外用で、1ヶ月で急速な改善が認められるが、3~6ヶ月で頭打ちになる。その後は1日1回の塗布を1年続ける。
(補足:これが「皮膚粗鬆症」を提唱した研究グループの治療指針。)
Clin Dermatol.
2019;37:346-350 (2021年11月30日)
- 皮膚粗鬆症(16)
中分子ヒアルロン酸を塗布しても、まだ萎縮していない皮膚では変化は認めない。健康的な皮膚では、自然なヒアルロン酸代謝ですでに受容体(CD44)が飽和しているから。
PloS Med
2006;3(12):e493 (2021年12月1日)
- 皮膚粗鬆症(17)
ビタミンC外用
老人性紫斑の改善には5%ビタミンCの外用が有効。皮膚粗鬆症の皮膚では局在的なビタミンC欠乏に陥っていることが示唆される。
(補足:萎縮している皮膚には、内服より直接塗る方が効果的かもしれない。)
Clin Dermatol.
2019;37:346-350 (2021年12月2日)
皮膚の老化
- 皮膚のエイジング対策(1)
抗酸化療法
酸化ストレスを軽減してエイジングを緩和すると期待される。ただし過剰投与は有害と、βカロテン、ビタミンA、Eで報告されている。
(補足:抗酸化物療法の必要性を判断する何らかのモノサシが必要。推奨度:様子見)
Cell transplantat.
2018;27(5):729 (2021年12月3日)
- 皮膚のエイジング対策(2)
幹細胞治療
脂肪組織の自家移植は、ボリューム効果だけでなく、皮膚の若返り効果ももたらす。含まれる脂肪幹細胞が上皮幹細胞に変わって作用する。
(補足:形成外科のトップジャーナルにも掲載されている。推奨度:期待して待ち)
Cell transplantat.
2018;27(5):729 (2021年12月4日)
- 皮膚のエイジング対策(3)
レチノイド
コラーゲンの分解を抑制し、また表皮の厚みを増やす。内因性の老化にも、外因性の老化(光老化)にも効果的。
(補足:推奨度:強く勧める。)
Cell transplantat.
2018;27(5):729 (2021年12月5日)
- 皮膚のエイジング対策(4)
ホルモン補充療法
ホルモン補充により、皮膚の厚み、コラーゲン量、弾性、保湿が改善する。
(補足:ガイドラインでは、美容目的の補充療法を認めていない。
推奨度:様子見)
Cell transplantat.
2018;27(5):729 (2021年12月6日)
- 皮膚のエイジング対策(5)
テロメア
テロメアを伸張させる酵素テロメラーゼの活性化は、きわめて有力だが、一方で発がんリスクと隣り合わせで、今後の研究次第。
(補足:推奨度:遠くから様子見)
インでは、美容目的の補充療法を認めていない。
推奨度:様子見)
Cell transplantat.
2018;27(5):729 (2021年12月7日)
- 皮膚のエイジング対策(6)
食事
現状では糖化した組織は元に戻せないので、1)糖化を防ぐ、2)AGEsを多く含む食品を摂らない、ことが基本戦略。
(補足:血糖値を上げないこと、調理法では、焼く、炒める<煮る、蒸す。)
Cell transplantat.
2018;27(5):729 (2021年12月8日)
- 皮膚のエイジング対策(7)
内因性老化への対策
高齢者に対し、日光にあたらない上腕内側に0.4%レチノールを週3回、半年間塗布することで小ジワの有意な改善を認めた。
(補足:ボディのスキンケアでは、安価なレチノール(ビタミンA)の保湿クリームを探そう!)
Arch Dermatol.
2007;143:606 (2021年12月9日)
大気汚染と皮膚の老化
- 大気汚染と皮膚の老化(1)
WHOの発表では、大気汚染は健康を脅かす最大の環境要因であり、1年間に700万人が大気汚染が原因で死亡している。
Dermatol Ther.
2020;33(1):e13171 (2023年1月27日)
- 大気汚染と皮膚の老化(2)
アトピー性皮膚炎、皮膚の老化、ニキビ、皮膚癌は、環境汚染の影響を強く受けている。
Dermatol Ther.
2020;33(1):e13171 (2023年1月28日)
- 大気汚染と皮膚の老化(3)
世界の人口の50%超は都市部に生活しており、2050年までにはその割合は70%に達する。都市部の大気汚染は人々の健康にさまざまな問題を引き起こす。
Dermatol Ther.
2020;33(1):e13171 (2023年1月29日)
- 大気汚染と皮膚の老化(4)
従来、外因性皮膚老化は日光への曝露が主な原因とされてきたが、他の環境要因も皮膚老化に影響していること明らかになりつつある。
J Invest Dermatol.
2010;130(12):2719-2726 (2023年1月30日)
- 大気汚染と皮膚の老化(5)
皮膚を老化させる、日光曝露以外の環境要因としては、(微小)粒子状物質(PM)やタバコが挙げられる。
J Invest Dermatol.
2010;130(12):2719-2726 (2023年1月31日)
- 大気汚染と皮膚の老化(6)
人がさらされる(微小)粒子状物質(PM)の濃度は高まっており、毛穴から、また直接皮膚内に入り込む。
J Invest Dermatol.
2010;130(12):2719-2726 (2023年2月1日)
- 大気汚染と皮膚の老化(7)
(微小)粒子状物質(PM)の表面には多環芳香族炭化水素(PAHs)が付着し、そのキャリアになりうる。
J Invest Dermatol.
2010;130(12):2719-2726 (2023年2月2日)
- 大気汚染と皮膚の老化(8)
(微小)粒子状物質(PM)に長期にさらされることで、PMそのもの、またはPMに付着した多環芳香族炭化水素(PAHs)による酸化ストレスで皮膚が老化する。
J Invest Dermatol.
2010;130(12):2719-2726 (2023年2月3日)
- 大気汚染と皮膚の老化(9)
400人の高齢女性と居住地の大気汚染を調べた研究では、大気汚染は皮膚の老化、とくに顔のシミを増やしていた。
J Invest Dermatol.
2010;130(12):2719-2726 (2023年2月4日)
- 大気汚染と皮膚の老化(10)
大気汚染によるシミ形成の機序はわかっていないが、紫外線がなくてもメラニン色素が増強するメカニズム、とくに多環芳香族炭化水素(PAHs)の関与が示唆されている。
J Invest Dermatol.
2010;130(12):2719-2726 (2023年2月5日)
- 大気汚染と皮膚の老化(11)
PM2.5やPM0.1は、吸い込むことで肺から、または毛穴を通して皮膚から身体に侵入することができる。
Cells
2022;111:2220 (2023年2月6日)
- 大気汚染と皮膚の老化(12)
最近は粒子状物質(PM)の中で一番大きいPM10でも、従来の見解と異なり、肺や皮膚から身体に侵入することが示されている。
Cells
2022;111:2220 (2023年2月7日)
- 大気汚染と皮膚の老化(13)
皮膚が粒子状物質(PM)に曝露されると、
・老人性色素斑
・活性酸素
・炎症を促進する生理活性因子
を通して、皮膚のエイジングが加速する。
Cells
2022;111:2220 (2023年2月8日)
UVケア
- UVケア 2022(1)
皮膚癌は、米国ではだんとつでもっとも多い悪性腫瘍。
(補足:日本人ではそこまで多くないとされてきたが、高齢者では増加しており、無関心ではいられないという。)
Yale J Biol Med.
2020;93:55-67 (2022年5月28日)
- UVケア 2022(2)
UVAはUVBに比べ遺伝子突然変異を生じさせる力は弱いが、日光にはUVBより20~100倍多く含まれている。窓ガラス、衣服もすり抜けやすく、そして皮膚の深部に到達して、光老化を引き起こす。
Yale J Biol Med.
2020;93:55-67 (2022年6月1日)
- UVケア 2022(3)
皮膚のDNAがもっとも吸収するのは、UVC領域(200-280 nm)の紫外線だが、UVB、UVA領域もある程度吸収する。
Yale J Biol Med.
2020;93:55-67 (2022年5月30日)
- UVケア 2022(4)
UVC領域(200-280 nm)の紫外線は地上にほとんど到達しないため、皮膚のDNAの直接的な損傷は、UVB領域(280-320 nm)の紫外線による。
Yale J Biol Med.
2020;93:55-67 (2022年5月31日)
- UVケア 2022(5)
UVC領域(200-280 nm)の紫外線は地上にほとんど到達しないため、皮膚のDNAの直接的な損傷は、UVB領域(280-320 nm)の紫外線による。
Yale J Biol Med.
2020;93:55-67 (2022年5月31日)
- UVケア 2022(6)
日光を浴びた皮膚では、たとえ健康的に見えていても、皮膚の細胞の遺伝子では突然変異が生じている。
Yale J Biol Med.
2020;93:55-67 (2022年5月31日)
- UVケア 2022(7)
喫煙すると皮膚の扁平上皮癌のリスクが1.5倍になるが、タバコに含まれる有害物質が体内に入り、皮膚で紫外線を浴びて、発がんを誘発することも機序ひとつとして考えられている。
Yale J Biol Med.
2020;93:55-67 (2022年6月3日)
- UVケア 2022(8)
日焼け止めの成分、酸化チタンは紫外線を浴びると活性酸素を放出する性質がある。ナノ化してコーティングすることで、活性酸素の放出、組織の損傷を防いでいる。
Yale J Biol Med.
2020;93:55-67 (2022年6月4日)
- UVケア 2022(9)
WHOの国際がん研究機関は、日焼けマシンをタバコと並んで、明らかに発がん性があるとするグループ1に分類している。
Yale J Biol Med.
2020;93:55-67 (2022年6月5日)
- UVケア 2022(10)
日焼けマシンの使用には、発がんだけでなく、依存性の問題も指摘されている。
(補足:日焼けマシンは、やめられなくなる中毒性があるということ。)
Yale J Biol Med.
2020;93:55-67 (2022年6月6日)
- UVケア 2022(11)
日焼けマシンを避けるだけでなく、米国皮膚科学会は午前10時から午後4時までの屋外の活動を避けるようすすめている。
Yale J Biol Med.
2020;93:55-67 (2022年6月7日)
- UVケア 2022(12)
日光を避けることのデメリットであるビタミンDが不足することの懸念は、サプリメントで解決する。
(補足:サプリメントで補わないと、食事からの摂取だけでは期待できないことも知っておくべき。)
Yale J Biol Med.
2020;93:55-67 (2022年6月8日)
- UVケア 2022(13)
日光を浴びることでの感情障害(うつなど)を抑える効果は、紫外線を避けても、可視光線を浴びることで得られるかもしれない。
(補足:日光を避けることの是非は、今でも重要な論点。これは皮膚科側からの見解。)
Yale J Biol Med.
2020;93:55-67 (2022年6月9日)
- UVケア 2022(14)
日焼け止めが使われるようになるずっと前から、紫外線から肌を守るために衣服が工夫されてきた。
Yale J Biol Med.
2020;93:55-67 (2022年6月10日)
- UVケア 2022(15)
布地の光防御を考えるさいには、編まれている線維の隙間が重要で、隙間を6%以内に抑えないと、UPF(SPFと同様)15にならない。
Yale J Biol Med.
2020;93:55-67 (2022年6月10日)
- UVケア 2022(16)
衣服での紫外線対策では、線維間の隙間を最小化する工夫に加え、紫外線吸収成分を洗剤や染料に加える試みがなされている。
Yale J Biol Med.
2020;93:55-67 (2022年6月10日)
- UVケア 2022(17)
ノンケミカル成分のマイクロ化は表皮への浸透も心配されるが、現状では浸透したとするハッキリしたデータはなく、FDAもノンケミカルの日焼け止めを安全で効果的と認めている。
Yale J Biol Med.
2020;93:55-67 (2022年8月15日)
- UVケア 2022(18)
ケミカルな日焼け止め成分は、刺激性、アレルギー性といった皮膚炎のリスクはあるが、今後も日焼け止め製品に使われ続けるだろう。
Yale J Biol Med.
2020;93:55-67 (2022年8月16日)
- UVケア 2022(19)
過去には議論もあったが、日焼け止めは、メラノーマ、皮膚扁平上皮癌の予防に効果が認められる。
Yale J Biol Med.
2020;93:55-67 (2022年8月17日)
- UVケア 2022(20)
日焼け止めの使用は、慢性的な光老化症状(表皮、真皮の萎縮、弾性線維の減少、シミ、シワなど)を減少させる。
Yale J Biol Med.
2020;93:55-67 (2022年8月18日)
- UVケア 2022(21)
日焼け止めの使用は、日光にあたることで悪化する皮膚疾患の管理に欠かすことができない。
・エリテマトーデス
・皮膚筋炎
・光線性皮膚炎
・酒さ など
Yale J Biol Med.
2020;93:55-67 (2022年8月19日)
- UVケア 2022(22)
日焼け止めの塗り直し回数を減らすための工夫では、ウォータープルーフ化や有効成分を角質に結合させるなどが模索されている。
Yale J Biol Med.
2020;93:55-67 (2022年8月20日)
- UVケア 可視光(1)
太陽から放射されて地表に届く電磁波の50%は可視光線。5%が紫外線で、45%が赤外線。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1219-1231 (2022年8月22日)
- UVケア 可視光(2)
DNAはおもに紫外線を吸収するので、可視光線で直接的なDNA損傷は生じないが、可視光線が活性酸素を生じることで間接的にDNAを損傷する。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1219-1231 (2022年8月23日)
- UVケア 可視光(3)
水(角質の15~20%、表皮、真皮の70~75%)は、あまり可視光線を吸収しない。水は赤外線(炭酸ガスレーザー)をよく吸収する。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1219-1231 (2022年8月24日)
- UVケア 可視光(4)
波長は長いほど皮膚の深部に到達し、短いほど高エネルギー。つまりブルーライトは赤色光より高エネルギーだが、深くまでは達しない。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1219-1231 (2022年8月25日)
- UVケア 可視光(5)
可視光線は表皮全層を貫通し、とくに赤色光は皮膚全層を貫通する。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1219-1231 (2022年8月26日)
- UVケア 可視光(6)
ブルーライトは表皮細胞、色素細胞に存在する光受容体(OPN3)を介してチロシナーゼを発現させ、メラニン合成を亢進させる。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1219-1231 (2022年8月27日)
- UVケア 可視光(7)
メラニンがもっとも吸収するのは紫外線だが、吸収領域が広く(200~900nm)、可視光線、赤外線まで吸収する。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1219-1231 (2022年8月28日)
- UVケア 可視光(8)
可視光による皮膚反応
・色素過剰
・光線で発症したり増悪する皮膚疾患
・赤み、炎症
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1219-1231 (2022年8月29日)
- UVケア 可視光(9)
可視光の治療への応用
・ニキビ:赤色光、青色光
・乾癬
・創傷治癒
・発毛:赤色光
・皮膚の抗老化:赤色光、黄色光、青色光
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1219-1231 (2022年8月30日)
- UVケア 可視光(10)
スマホやタブレット、PCからのブルーライト
光量が小さいため、色素増強をきたす光線量にはならず、皮膚への作用は見られない。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年8月31日)
- UVケア 可視光(11)
日焼け止めのノンケミカルの成分は、紫外線を吸収せず反射するというとらえ方は誤解であり、ノンケミカルでも、特にナノ化されたものは紫外線を吸収する。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月1日)
- UVケア 可視光(12)
日焼け止めのノンケミカル成分(酸化亜鉛、酸化チタン)には、可視光線から肌を守る作用があるが、ナノ化されるとその作用は失われる。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月2日)
- UVケア 可視光(13)
米国FDAが承認するノンケミカル成分(酸化亜鉛、酸化チタン)は、毒性を持たず、アレルギーも起こさず、またケミカル成分と違って、光による反応の影響をほとんど受けない。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月3日)
- UVケア 可視光(14)
日焼け止めのノンケミカル成分(酸化亜鉛、酸化チタン)のナノ化は、製品としてより魅力的になるが、UVAや可視光線への防御は弱くなる。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月4日)
- UVケア 可視光(15)
現在市場に出回る日焼け止めは、ケミカルでもノンケミカルでも、ほとんどの製品で可視光線対策にならない。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月5日)
- UVケア 可視光(16)
色つき日焼け止め(tinted sunscreens)は、現在入手できる唯一の可視光線から肌を守れる日焼け止め。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月6日)
- UVケア 可視光(17)
色つき日焼け止め(tinted sunscreens)とは、酸化鉄や酸化チタンの色素のブレンドからなり、可視光線、紫外線をブロックする。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月7日)
- UVケア 可視光(18)
色つき日焼け止め(tinted sunscreens)に含まれる酸化鉄は、酸化の状態により、黄色、赤色、黒色になるが、黄色の酸化鉄が可視光線による色素増強を防ぐ。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月8日)
- UVケア 可視光(19)
色つき日焼け止め(tinted sunscreens)は、可視光線の浸透を93~98%防ぐ。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月9日)
- UVケア 可視光(20)
色つき日焼け止め(tinted sunscreens)は、色つきでない(non-tinted)日焼け止め(SPF50+)との比較試験で、より可視光線からの色素増強を防いだ。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月10日)
- UVケア 可視光(21)
色つき日焼け止め(tinted sunscreens)の成分である酸化鉄を含むファンデーションなどコスメ製品は、色味のカバーという役割に加え、日光によるさらなる色素増強を防ぐ。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月11日)
- UVケア 可視光(22)
色つき日焼け止め(tinted sunscreens)は、色の濃い肌タイプの人は使用した方がよい。可視光線は肝斑や炎症後色素沈着の色素増強に関与する可能性がある。
(補足:色の濃いとはスキンライプⅣ~Ⅵ。日本人はおよそⅡ~Ⅳ。)
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月12日)
- UVケア 可視光(23)
色つき日焼け止め(tinted sunscreens)は、色の濃い肌タイプの人は使用した方がよい。可視光線は肝斑や炎症後色素沈着の色素増強に関与する可能性がある。
(補足:色の濃いとはスキンライプⅣ~Ⅵ。日本人はおよそⅡ~Ⅳ。)
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月13日)
- UVケア 可視光(24)
米国FDAは、“broad-spectrum”のSPF15以上の日焼け止めの使用を推奨し、米国皮膚科学会は、“broad-spectrum”のSPF30以上の日焼け止めを勧めている。
(補足:米国にはPAのようなUVAに対する防御能を示す基準はない。)
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月14日)
- UVケア 可視光(25)
米国で日焼け止めで使われる“broad-spectrum”という表記は、少なくとも370nmまでの波長までは90%以上をブロックできる製品に使われる。
(補足:波長が長いほど防御は難しい。370nmは、320~400nmのUVA領域。)
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月15日)
- UVケア 可視光(26)
SPF15、30の日焼け止めは、肌にあたる紫外線量の3.3%、1.7%を通す。この差は1回の日焼けでは大差にはならないかもしれないが、繰り返されると、大きな差になり得る。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月16日)
- UVケア 可視光(27)
SPFの計測では平方センチメートルあたり2mgを塗布して行われるが、実際に塗布されている量は、平方センチメートルあたり0.5~1mg。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月17日)
- UVケア 可視光(28)
目に入る紫外線のUVBは、角膜、レンズにダメージを与え、可視光線は網膜に障害を与える。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月18日)
- UVケア 可視光(29)
サングラスは、オレンジ色や黄色が紫外線、可視光線に対し防御能が高い。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月19日)
- UVケア (30)
10年間24,000人のパッチテスト検査では、0.9%が日焼け止めにアレルギー反応を示し、その70%は原因がオキシベンゼンだった。米国ではオキシベンゼンの代替成分のFDA承認が遅れていることもあり、いまだに使用されている。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月20日)
- UVケア (31)
ノンケミカル成分の酸化亜鉛や酸化チタンのナノ粒子は、毛穴や汗腺の入り口や皮膚表面の溝に蓄積するが、角質を通り抜けない。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月21日)
- UVケア (32)
ノンケミカル成分の酸化亜鉛や酸化チタンのナノ粒子は、紫外線にあたると活性酸素を発生させるが、粒子をコーティングすることで、その発生を最小化できる。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月22日)
- UVケア (33)
ある種の脱毛症は日焼け止め使用との関連が指摘され、患者の毛髪から日焼け止め成分が検出されているが、広く使われている割に患者の発生は少なく、日焼け止めを使用していない患者もいて、直接的な関係とするにはエビデンスが足らない。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月23日)
- UVケア (34)
日焼け止めの使用が、紫外線(UVB)によるビタミンD生成を妨げているという指摘はあるが、そもそも実際の使用量が不十分だから問題にならない。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月24日)
- UVケア (35)
米国皮膚科学会は、ビタミンDのために日光を浴びるのではなく、ビタミンDは食事、サプリメントから摂取すべきと推奨。日焼け止めの使用は、リスクよりベネフィットが上回るとしている。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月25日)
- UVケア (36)
日焼け止めのケミカルな成分は、サンゴの死滅の原因と指摘されているが、海水での濃度は、実験でサンゴへの毒性を認める濃度に比べ1000倍薄い。海水温の上昇がサンゴの死滅の原因とする研究報告も多い。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月26日)
- UVケア (37)
ハワイ州は2021年1月オキシベンゾン、オクチノキサートを含む日焼け止めの販売を禁止した。アメリカ領ヴァージン諸島、パラオ、ボネールなどでも同様の禁止措置を取っている。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月27日)
- UVケア (38)
DNA修復酵素フォトリアーゼを含む日焼け止めの有用性を示すエビデンスが報告されている。
(補足:もともと人間にはない酵素であり、すぐ飛びつく話ではない。)
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月28日)
- UVケア (39)
DNA修復酵素フォトリアーゼと抗酸化剤(ビタミンE、Cなど)との組み合わせは相乗効果が期待できるかも。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月29日)
- UVケア (40)
DNA修復酵素フォトリアーゼは、可視光線のブルーライトで活性化されるので、可視光線のブロッカーと併用すべきでない。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年9月30日)
- UVケア (41)
紫外線のUVBは、直接的にDNA損傷を引き起こすが、UVAの作用はほとんど活性酸素を介する。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年10月1日)
- UVケア (42)
皮膚で発生する活性酸素の半分は可視光線が原因かもしれない。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年10月2日)
- UVケア (43)
抗酸化剤を含む日焼け止め12製剤を調べたところ、10製剤では抗酸化作用を認めず、2製剤では抗酸化作用は低レベルだった。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年10月3日)
- UVケア (44)
「飲む日焼け止め」は外的要因(洗う、発汗、こするなど)の影響を受けないというメリットがある。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年10月4日)
- UVケア (45)
日焼け止めは進化しているが、今後は紫外線UVA1(340~400nm)、可視光線への防御を高められるかが焦点になる。
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年10月5日)
- UVケア (46)
可視光線からの防御
・日射しが強い時間帯は日陰に入る
・日射しから守れる衣服、サングラスなどをつける
・色つき日焼け止め(“tinted sunscreen”)をつける
J Am Acad Dermatol.
2021;84(5):1232-1244 (2022年10月6日)
- UVケア (47)
衣服での防御
紫外線を防ぐ指標であるUPFの表記がない場合は、繊維が重いほど、厚いほど、色が濃いほど、また素材はライクラ/ポリエステルが防御能が高いと考えてよい。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年10月7日)
- UVケア (48)
衣服での防御
擦れてうすくなったり、伸びたり、ぬれたりすると防御能は落ちる。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年10月8日)
- UVケア (49)
衣服での防御
スポーツ用のウエアは一般に防御能が非常に高い。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年10月9日)
- UVケア (50)
サングラス
慢性的に紫外線を目に入れることは、
・白内障
・黄斑変性症
・翼状片
のリスクファクター。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年10月10日)
- UVケア (51)
サングラス
サングラスだけではフレームの周囲から紫外線の少なくとも5%は目に入ってしまうので、帽子も合わせて着用することが勧められる。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年10月11日)
- UVケア (52)
サングラス
色が濃いほど防御能が高いわけではない。色が濃いと瞳孔が開いて、より多くの紫外線が目に入ってしまうことになる。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年10月12日)
- UVケア (53)
サングラス
屋外で仕事をする労働者にとって、サングラスは重要な紫外線防御対策だが、水難救助員では80%の装着率に対し、イギリスや日本の建設作業員はほとんど装着していない。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年10月13日)
- UVケア (54)
(日焼け止めが十分な量塗られていないという指摘があるが)塗る量に応じて直線的に防御能も落ちるのか、もっと劇的に落ちるのか議論は分かれている。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年10月14日)
- UVケア (55)
日焼け止めが十分量塗られていないことを補うためには、高いSPF値(50以上)の日焼け止め使うことが望ましい。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年10月15日)
- UVケア (56)
SPF30の日焼け止めを使用した人は、SPF15を使用した人より紫外線を浴びる傾向にある。
(補足:安心感から紫外線を浴びても大丈夫と思ってしまうが、本当に大丈夫?)
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年10月16日)
- UVケア (57)
有効成分を同量含むが基剤が異なる日焼け止めで効果を比較したところ、w/o(油中水)型が一番SPFの測定値が高かった。もっとも均一に厚く塗りやすいからと推測された。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年10月17日)
- UVケア (58)
o/w(水中油)型の日焼け止めでは、水に接触するとすぐに紫外線防御能が減少してしまう。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年10月18日)
- UVケア (59)
ノンケミカルの日焼け止めは、べたつきや白浮きのため好まれず、実際の使用量の調査ではケミカル成分のみの日焼け止めのときの65%で、測定したSPFでは半分以下にとどまった。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年10月19日)
- UVケア (60)
ノンケミカルの日焼け止めは、成分を微少化することで、白浮きする現象を減らしたが、今度は体内への吸収とそのリスクが問題視されるようになった。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年10月20日)
- UVケア (61)
ノンケミカルの日焼け止め成分であるナノ化された酸化亜鉛、酸化チタンはともに人体での調査で、皮膚表面の角質において検出レベルを下回っており、角質の下にある表皮細胞に影響することは考えにくい。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年10月21日)
- UVケア (62)
期限切れの日焼け止めの紫外線防御能に関する文献は見当たらない。使用期限内の日焼け止めを使うことが推奨されるが、そこにエビデンスはない。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年10月22日)
- UVケア (63)
日焼け止めの開封後の期限についても1年とされるが、その根拠はハッキリしない。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年10月23日)
- UVケア (64)
最初に適量が塗られていれば、塗り直しが必要なのは泳いだり、汗をかいたり、こすってしまったりしたときに限られる。
(補足:そもそも適量を塗るのが難しい。)
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年10月24日)
- UVケア (65)
スポーツをするさいウォータープルーフの日焼け止めを使用しても、発汗やそれによる体温調整の妨げにはならない。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年10月25日)
- UVケア (66)
すべての癌の中で皮膚癌が占める割合は、アフリカ系米国人では1~2%、アジア系米国人では2~4%だが、白人では20~30%になる。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年10月27日)
- UVケア (67)
日焼け止めの有効成分の人へのいかなる毒性も証明されていないが、環境への影響はさらなる研究が必要。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年10月28日)
- UVケア (68)
ケミカルの日焼け止めを使ったときの最も多い皮膚トラブルは光線過敏症だが、生じる頻度は非常に低い。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年10月29日)
- UVケア (69)
子供と日焼け止め
カナダでは生後6ヶ月を過ぎた子供には日焼け止めを推奨している。6ヶ月以下の子供では小児科医と相談することとしている。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年10月30日)
- UVケア (70)
子供と日焼け止め
6ヶ月未満の小児では、日射しを避けることと、衣服で防御することが中心。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年10月31日)
- UVケア (71)
子供と日焼け止め
6ヶ月未満の小児では、カナダと米国の小児科学会は日焼け止めは衣服で隠せない顔や手の甲など小範囲にとどめ、外から戻ったら洗い流すようすすめている。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年11月1日)
- UVケア (72)
子供と日焼け止め
6ヶ月未満の小児における日焼け止めの安全性を調査した研究はない。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年11月2日)
- UVケア (73)
子供と日焼け止め
子供では身体の体積に対して、(日焼け止めを塗る)表面積が大きく、また皮膚のバリアが未発達であることから、日焼け止めの体内への吸収の問題は大人より子供で懸念される。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年11月3日)
- UVケア (74)
子供と日焼け止め
最近の日焼け止めは成分がナノ化されているが、その場合の体内への吸収について、大人に比べ皮膚バリアが未発達な子供では検証されていない。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年11月4日)
- UVケア (75)
子供と日焼け止め
54組の母子の研究で、母乳の85%から日焼け止め成分が検出されたが、日焼け止めを使用していたのは55%だった。日焼け止め以外のコスメに同じ成分が含まれていた可能性がある。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年11月5日)
- UVケア (76)
光老化と日焼け止め
日焼け止めは光老化を防ぐという十分なエビデンスがある。
J Cutan Med Syrg.
2019;23(4):357-369 (2022年11月6日)
- UVケア (77)
紫外線UVAの透過率で、黒人の表皮は白人の表皮の3分の1(17.5% vs. 55.5%)。
Am J Clin Dermatol.
2022;23:195-205 (2022年11月7日)
- UVケア (78)
紫外線UVBの透過率で、黒人の表皮は白人の表皮の4分の1(7.4% vs. 29.4%)。
Am J Clin Dermatol.
2022;23:195-205 (2022年11月8日)
- UVケア (79)
SPFに換算して、黒人の表皮はおよそSPF13.4で、白人の表皮のおよそ4倍。
Am J Clin Dermatol.
2022;23:195-205 (2022年11月9日)
- UVケア (80)
肌の色の濃い人では、日光にあたっても赤く(sunburn)なりにくく、黒く(tanning)なりやすい。
Am J Clin Dermatol.
2022;23:195-205 (2022年11月10日)
- UVケア (81)
肌の色の濃い人では、メラニンにより太陽光線から皮膚が守られているが(皮膚癌のリスクは低い)、色味(シミ)のトラブルが生じやすい。
Am J Clin Dermatol.
2022;23:195-205 (2022年11月11日)
- UVケア (82)
肌の色のうすい人に比べ、肌の色の濃い人で生じやすい色味(シミ)のトラブルの代表例が、炎症後色素沈着と肝斑。
Am J Clin Dermatol.
2022;23:195-205 (2022年11月12日)
- UVケア (83)
肌の色の濃い人(スキンタイプⅣ~Ⅵ)では、皮膚の炎症(ニキビ、湿疹)や外傷や火傷のあとに炎症後色素沈着が生じやすい。
Am J Clin Dermatol.
2022;23:195-205 (2022年11月13日)
- UVケア (85)
炎症後色素沈着や肝斑は、紫外線だけでなく可視光線でも悪化するので、微小化されていないノンケミカル成分または色つき(tinted)の日焼け止めを使う。
Am J Clin Dermatol.
2022;23:195-205 (2022年11月15日)
- UVケア (86)
日光で変性したコラーゲンやエラスチンが蓄積することが、光老化した皮膚の顕微鏡検査での特徴であり、光老化の症状をもたらす。
Am J Clin Dermatol.
2022;23:195-205 (2022年11月16日)
- UVケア (87)
肌の色の濃い人では、表皮のメラニンで守られるため、光老化のシワの出現は、色の白い人より遅れる。
Am J Clin Dermatol.
2022;23:195-205 (2022年11月17日)
- UVケア (88)
アジア人では光老化の症状は、シミの問題、老人性色素斑や脂漏性角化症として現れやすい。
Am J Clin Dermatol.
2022;23:195-205 (2022年11月18日)
- UVケア (89)
日光暴露と光老化の程度が相関することは、肌の色の白い人ではエビデンスが固まっているが、アジア人やアフリカ系アメリカ人でも同様な関係が見つかっている。
Am J Clin Dermatol.
2022;23:195-205 (2022年11月19日)
- UVケア (90)
肌の色の濃い人では皮膚癌の発症は少ない。米国での統計で人口10万人あたりメラノーマ(悪性黒色腫)の発症は、白人で26人、ヒスパニック系で4.6人、アジア系で1.3人、アフリカ系で1人。
Am J Clin Dermatol.
2022;23:195-205 (2022年11月20日)
「レチノイド」
- 100歳まで美肌を保つ法~レチノイド(1)~
ビタミンAは、卵黄に含まれる胚の成長に欠かせない物質として発見された。
(補足:3000年前のエジプトで、当時流行していた夜盲症の治療として、レバーを食べさせた記録があるそう。)
Clin Interv Aging
2006;1(4):327-348 (2021年12月17日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチノイド(2)~
レチノイドの外用療法がニキビ治療に使われ出したのは1940年代。光老化の治療に使われるようになったのは1980年代から。
Plast Reconstr Surg.
2014;133(4)481e-490e (2021年12月18日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチノイド(3)~
レチノイドには、レチノール(ビタミンA)、レチナール、トレチノイン、レチニルエステル(ビタミンAの貯蔵形態)と多くの合成レチノイド(ニキビ治療で使われるディフェリンなど)がある。
Clin Interv Aging
2006;1(4):327-348 (2021年12月19日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチノイド(4)~
レチノイドを塗ることが皮膚の光老化治療になることがわかったきっかけは、ニキビ治療で使っていた人で、目元の小ジワが改善したことから。
Am J Clin Dermatol
2016;17:265-276 (2021年12月20日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチノイド(5)~
ビタミンAは、食事からβカロテン、レチニルエステルとして摂取される。肝臓でレチニルエステルとして貯蔵されるが、肝臓は最大2年分貯蔵できる。
Am J Clin Dermatol
2016;17:265-276 (2021年12月20日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチノイド(6)~
ビタミンAが体内で運搬されるときの形態がレチノール。生理機能を発揮するときの形態がトレチノイン。レチノールとトレチノインの中間形態のレチナールは視覚機能で重要
Am J Clin Dermatol
2016;17:265-276 (2021年12月20日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチノイド(7)~
皮膚への作用が強いランキング
トレチノイン>レチナール>レチノール>レチニルエステル
Dermatol Ther.
2006;19:289-296 (2021年12月21日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチノイド(8)~
刺激反応に挫折せず続けやすいランキング
レチニルエステル>レチノール=レチナール>>トレチノイン
Dermatol Ther.
2006;19:289-296 (2021年12月22日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチノイド(9)~
レチノイドは、細胞の核内のリセプターに結合し、遺伝子の翻訳に働きかけることで、効果を発現する。
(補足:ほとんどホルモンのような働き方をする。)
Am J Clin Dermatol
2016;17:265-276 (2021年12月23日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチノイド(10)~
レチノイドの美白作用にはさまざまな機序が考えられている。
・直接的なチロシナーゼ(メラニン形成でキーとなる酵素)阻害
・メラニン輸送の阻害
・メラニンを含んだ表皮細胞の剥離
Am J Clin Dermatol
2016;17:265-276 (2021年12月24日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチノイド(11)~
レチノイドの抗シワ効果
・コラーゲン分解酵素の抑制
・線維成分(コラーゲン、エラスチン)の生成
小ジワ、大ジワを改善し、また弛んだ皮膚を引き締める。
Aesthetic Surgery Journal
2010;30(1):74-77 (2021年12月27日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチノイド(12)~
レチノイドの皮膚を強くする作用
7型コラーゲンが増えるため、表皮と真皮の結合力が強まり、皮膚の脆弱性が緩和される。
(補足:7型コラーゲンは、真皮と表皮を結合する係留線維の成分。)
Am J Clin Dermatol
2016;17:265-276 (2021年12月28日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチノイド(13)~
レチノイドの抗炎症作用
これがニキビ治療に効果的なひとつのメカニズムであり、光老化の炎症を鎮めるのにも役立っている。
Am J Clin Dermatol
2016;17:265-276 (2021年12月29日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチノイド(14)~
レチノイドの肌の質感を向上させる作用
表皮の過形成とムチン(粘性のタンパク質)の蓄積による。
(補足:表皮への効果は早く、数ヶ月で期待できる。)
Am J Clin Dermatol
2016;17:265-276 (2021年12月30日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチノイド(15)~
表皮の表皮細胞にはレチノイドの代謝に関わる酵素がすべてある。
(補足:レチノール(ビタミンA)をレチナール、トレチノインと変換できる。)
Dermatology
2014;228:314-325 (2021年12月31日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチノイド(16)~
レチニルアセテート(酢酸レチニル)、レチニルパルミテート(パルミチン酸レチノール)にはアンチエイジング作用は認められない。
Aesthetic Surgery Journal
2010;30(1):74-77 (2022年1月1日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチノイド(17)~
・栄養不足
・紫外線
・酸化ストレス
・加齢
はすべて表皮のレチノール(ビタミンA)不足を引き起こす。
Dermatology
2014;228:314-325 (2022年1月2日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチノイド(18)~
これまでの30年以上の臨床で使われてきた経験でも、トレチノインを含むレチノイドの外用で、全身の副作用が生じたことはない。
Plast Reconstr Surg.
2014;133(4)481e-490e (2022年1月3日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチノイド(19)~
催奇形性を示した報告はないが、安全性も証明されていないので、妊娠が判明したらレチノイドの外用は中止すべき。
Plast Reconstr Surg.
2014;133(4)481e-490e (2022年1月4日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチノイド(20)~
215例の妊婦を対象に、妊娠初期にトレチノイン療法を行ったとき、障害のある子が生まれたのは1.9%で、コントロール群の2.6%より低く、催奇形性は認めなかった。
Plast Reconstr Surg.
2014;133(4)481e-490e (2022年1月5日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチノイド(21)~
アダパレン(ディフェリン)やトレチノインは、クリームタイプよりジェルタイプの方が刺激反応が少なく、使いやすいとされる。
Br J Dermatol.
2010;163:1157-1165 (2022年1月6日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチノイド(22)~
以前はレチノイドの効果は、刺激反応の結果とされたが、その点は十分解明されていない。
(補足:最初、作用が強すぎて「刺激反応」、皮膚が慣れると「効果」として実感できると説明するが、もっと複雑かも。)
J Cosmet Dermatol.
2005;4(2):130-134 (2022年1月7日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチノイド(23)~
レチノイド(とくにトレチノイン)は光線過敏を起こすことがあるので、紫外線を多く浴びる日には使わない方がよい。
Dermatology
2014;228:314-325 (2022年1月8日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチノイド(24)~
トレチノイン塗布で生じる刺激反応の問題を回避するひとつの解決策は、トレチノインの前駆体であるレチナール、レチノールを使うこと。
Dermatology
2014;228:314-325 (2022年1月9日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチノイド(25)~
トレチノイン療法は傷の治癒を早めるが、それは皮膚の血行を促進させる作用による。
(補足:侵襲ある肌治療前にレチノイドを使用しておくという手がある。)
Plast Reconstr Surg.
2014;133(4)481e-490e (2022年1月10日)
参考文献
1) Daily photoprotection to prevent and reverse photoageing
Jean Krutmann, et al.
Photodermatol Photoimmunol Photomed
2021;37(S1), 58-63
2) Topical tretinoin for treating photoaging: A systematic review of randomized controlled trials
Irma Bernadette S Sitohang, et al.
Int J Womens Dermatol
2022 Mar 25;8(1):e003
3) Ferulic acid stabilizes a solution of vitamins C and E and doubles its photoprotection of skin
Fu-Hsiung Lin, et al.
J Invest Dermatol
2005 Oct;125(4):826-32
4) Biology of estrogens in skin: implications for skin aging
Sylvie Verdier-Sévrain, et al.
Exp Dermatol
2006 Feb;15(2):83-94
5) Skin collagen through the lifestages: importance for skin health and beauty
Reilly, David M., and Jennifer Lozano
David M. Reilly, Jennifer Lozano
Plast Aesthet Res
2021;8:2
6) Neocollagenesis and Neoelastinogenesis: From the Laboratory to the Clinic
Sujata R Mehta-Ambalal
J Cutan Aesthet Surg
2016 Jul-Sep;9(3):145–151
7) Estrogens and aging skin
Thornton MJ
Dermato-endocrinology
2013;5(2) : 264-270
8)Effects of postmenopausal hypoestrogenism on skin collagen
P Affinito, et al.
Maturitas
1999 Dec 15;33(3):239-47
9) Dermal Fibroblasts as the Main Target for Skin Anti-Age Correction Using a Combination of Regenerative Medicine Methods
Alla Zorina, et al.
Curr Issues Mol Biol
2023 May 1;45(5):3829-3847
10) Injectable “Skin Boosters” in Aging Skin Rejuvenation: A Current Overview
Nark-Kyoung Rho, et al.
Arch Plast Surg
2024;51(6): 528-541
11) 日本更年期医学会ニューズレター
2010;15(3) Jan
12) Menopause and the Skin: Old Favorites and New Innovations in Cosmeceuticals for Estrogen-Deficient Skin
Edwin D Lephart , Frederick Naftolin
Dermatol Ther
2021 Feb;11(1):53-69
13) Topical tretinoin improves photoaged skin. A double-blind vehicle-controlled study
J S Weiss, et al.
JAMA
1988 Jan;259(4):527-32
14) Treatment of photodamaged facial skin with topical tretinoin
J J Leyden, et al.
J Am Acad Dermatol
1989 Sep;21(3 Pt 2):638-44
15) Aging-associated alterations in epidermal function and their clinical significance
Zhen Wang, et al.
Aging (Albany NY)
2020 Mar 27;12(6):5551-5565
制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2026年6月15日)



