スキンボトックス(マイクロボトックス)

制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2025年7月4日)

リフトアップと美肌をともに手にいれる


毛穴の開きや黒ずみ、肌表面のザラつき、乾燥による小じわ、なんとなく感じる肌の衰え…そんなお悩みをお持ちなら、肌質そのものを改善し、なめらかで引き締まった若々しい印象へと導く「スキンボトックス」をご検討ください。

スキンボトックスは、経験豊富な医師による丁寧な施術と、リスクに配慮した適切な薬剤選択によってはじめて、その魅力を最大限に引き出すことができます。

スキンボトックスとは?

スキンボトックスとは、ボツリヌストキシン製剤(当院では、耐性リスクの少ないドイツ製「ゼオミン®」を使用)をごく少量ずつ、皮膚の浅い層(真皮層)に細かく注入する施術です。「マイクロボトックス」や「メソボトックス」とも呼ばれます。

従来のボトックス注射が、表情筋に作用して深いシワを改善するのに対し、スキンボトックスは皮膚そのものに働きかけることで、肌の引き締め、キメの改善、毛穴の縮小、皮脂分泌の抑制といった総合的な肌質改善効果を目指します。

具体的には、皮膚の浅い層にある筋肉(立毛筋など)や皮脂腺、汗腺に作用することで、毛穴を引き締め、過剰な皮脂や汗の分泌を抑えます。また、真皮層への刺激によりコラーゲン産生が促され、肌のハリや弾力が向上し、小じわやたるみの改善にも繋がると考えられています。自然な表情を保ちながら、肌全体のコンディションを底上げする治療法です。


スキンボトックスのメリット

毛穴の引き締め: 皮脂分泌を抑え、毛穴周りの皮膚を引き締めることで、開いた毛穴や黒ずみが目立ちにくくなります。

小じわ・キメの改善: 肌表面の細かなシワや凹凸がなめらかになり、キメの整った均一な肌へと導きます。

皮脂分泌の抑制・テカリ防止: 過剰な皮脂分泌をコントロールし、テカリや化粧崩れを防ぎます。ニキビができやすい方にもおすすめです。

肌のハリ・ツヤ感アップ: 肌全体の引き締め効果とコラーゲン産生促進により、内側から輝くようなハリとツヤをもたらします。

自然なリフトアップ効果: フェイスラインや頬のたるみを引き締め、すっきりとした印象を与えます。

ダウンタイムが少ない: 注入直後に多少の赤みや腫れが出ることがありますが、通常は数時間~数日で治まり、日常生活への影響は最小限です。


スキンボトックスのデメリットとリスク

スキンボトックスは多くのメリットを持つ一方で、いくつかのリスクやデメリットも存在します。

⚫️ 効果の持続期間に限りがある: 効果は永続的ではなく、一般的に3~6ヶ月程度です。効果を持続させるためには、定期的な施術が必要です。

⚫️ コスト: 自由診療のため、全額自己負担となります。

⚫️ 副作用・リスク: 注入部位に一時的な赤み、腫れ、内出血、軽い痛み、凹凸感などが生じる場合があります。まれに、注入部位や量によって表情に軽微な違和感が生じる可能性もゼロではありませんが、従来のボトックスに比べてリスクは低いとされています。

 ⚫️ 医師の技術力への依存: 注入する深さや量、部位の判断が効果と安全性に直結します。医師の経験と技術力が不足していると、効果が不十分であったり、予期せぬ副作用のリスクが高まります。港区 内のクリニックでもスキンボトックスは提供されていますが、リスクを理解し信頼できる医師を選ぶことが重要です。


当院のスキンボトックスの特徴

浜松町・大門エリアに位置する当院では、患者様が安心してスキンボトックスの効果を最大限に実感できるよう、以下の点にこだわっています。

経験豊富な院長による丁寧な施術: 美容医療に20年以上携わってきた院長が、豊富な経験と解剖学的知識に基づき、一人ひとりのお肌の状態を丁寧に見極め、最適な深さと量で精密に注入を行います。

痛みに配慮したこだわりの器具: 施術時の痛みを最小限に抑えるため、注入に使用する針やシリンジの品質にもこだわっています。当院では注入部位には表面麻酔をしたうえで、極細の注射針(34G)を使用するなど、痛みを和らげる工夫をしています。

抗体産生リスクの少ない「ゼオミン®」を使用: 繰り返し施術を受けても効果が落ちにくいよう、当院ではボツリヌス療法にドイツ メルツ社製の「ゼオミン®」を採用しています。ゼオミン®は、有効成分以外の複合タンパク質を可能な限り除去した純度の高い製剤であり、抗体産生のリスクが極めて低いことが特徴です。将来的に他の疾患治療でボツリヌス製剤が必要になった場合にも影響が出にくいため、長期的な視点からも安心して治療を継続いただけます。

患者様一人ひとりに合わせた注入計画: カウンセリングにてお悩みやご希望を詳しくお伺いし、肌質や症状に合わせて最適な注入部位、量、濃度を判断し、パーソナライズされた治療計画をご提案します。


まとめ:自然な美肌と安心を追求するスキンボトックス

▶︎ 港区(浜松町・大門・芝公園エリア)で、毛穴、小じわ、肌質改善、テカリなどのお悩みに対するスキンボトックス(マイクロボトックス、メソボトックス)をご検討なら、ぜひ当院にご相談ください。

▶︎ 当院では、スキンボトックスによる美肌効果を最大限に引き出すとともに、施術に伴うリスク(特に耐性リスク)を最小化するため、20年以上の経験を持つ院長が、抗体産生リスクの少ない「ゼオミン®」を用い、痛みに配慮した丁寧な注入を行っています。

▶︎ 毛穴の目立ちをなくしたい、キメの整ったなめらかな肌になりたい、自然に若々しい印象を保ちたい、テカリや化粧崩れを抑えたいといったご希望をお持ちの方は、ぜひ一度カウンセリングにお越しください。

▶︎ 皆様に「満足の笑顔」をお届けするために、スタッフ一同、心をこめてサポートいたします。


*使用する製剤は、厚生労働省承認のゼオミン(ゼオマイン)ですが、この施術は厚生労働省に承認された用法の範囲外です。

**お知らせ**
当院は2003年に自由が丘から港区浜松町(最寄駅:JR/東京モノレール 浜松町駅、都営浅草線/大江戸線 大門駅、都営三田線 芝公園駅)に移転して診療しています。



オリジナル美容モデル

施術前

30代女性
お悩みは頬の毛穴。

2週間後

肌触りから変わったことが実感できました。

施術前

30代女性
同じ女性の右側。

2週間後

口元からフェイスラインがスッキリと軽くなりました。

施術前

30代女性
頬から口元にかけてのボリューム感をターゲットにしました。

2週間後

スキンボトックスらしいナチュラルなタイトニング効果が見られます。

医療広告ガイドライン・限定解除要件

通常必要とされる治療内容:ボツリヌス療法で使われるゼオミンを専用の注射針を使用して、皮膚の浅層に細かくおよそ1cm間隔で注入します。(ゼオミン30単位使用)
*カウンセリングから治療終了までの時間:1時間半

標準的な費用:94,050円
*施術料+初診料+麻酔料

標準的な治療期間及び回数:通院は1回で、経過に問題が生じなければ、その後に通院治療の必要はありません。

デメリット・リスク・副作用:スキンボトックスは多くのメリットを持つ一方で、いくつかのリスクやデメリットも存在します。

⚫️ 効果の持続期間に限りがある: 効果は永続的ではなく、一般的に3~6ヶ月程度です。効果を持続させるためには、定期的な施術が必要です。

⚫️ コスト: 自由診療のため、全額自己負担となります。

⚫️ 副作用・リスク: 注入部位に一時的な赤み、腫れ、内出血、軽い痛み、凹凸感などが生じる場合があります。まれに、注入部位や量によって表情に軽微な違和感が生じる可能性もゼロではありませんが、従来のボトックスに比べてリスクは低いとされています。

⚫️ 医師の技術力への依存: 注入する深さや量、部位の判断が効果と安全性に直結します。医師の経験と技術力が不足していると、効果が不十分であったり、予期せぬ副作用のリスクが高まります。



こんな方におすすめ

 

  • 1.毛穴の開きが気になる
  • 2.皮脂分泌が多い、オイリー肌の方
  • 3.お顔のたるみが気になる
  • 4.小じわやキメの粗さが気になる
  • 5.自然なリフトアップ効果が欲しい
  • 6.ロワーフェイスをスッキリ見せたい
  • 7.従来のボトックス(ゼオミン)では副作用が心配




施術について

施術について


施術時間  : カウンセリングからで約1時間

麻  酔  : 表面麻酔

術後診察  : 不要

 

注意事項


入浴・洗髪  : 当日から可能

洗顔・化粧  : 当日のメイクはお控え下さい

飲酒・運動  : 当日から可能

 

治療スケジュール


3〜6ヶ月毎

 

施術を受けられない方


・ボツリヌス療法を受けてアレルギー症状が生じた方

・神経・筋疾患の方(重症筋無力症、ALSなど)
・妊娠、授乳中の方



施術の流れ

1 表面麻酔



2 注入


皮内注射専用の特殊な針を使って、細かく少量ずつボツリヌス製剤ゼオミンを注入します。

※自動注入器は使用しません。

3 施術終了後


メイクをしてお帰りいただけます。施術後日常生活の制限はありません。

 


 価格表

スキンボトックス(30単位)

価格(税込) 
1回 88,000円


■麻酔料 2,750円別途

*本施術は、自由診療に基づき全額自己負担になります。




さまざまなスキンボトックス


首の前面に膜状に広がる広頸筋。本来は首の表情筋ですが、顔にまで伸びて、口角や頬の脂肪を下向きに引っ張って顔のたるみの原因になっています。

広頸筋の作用をボツリヌス製剤ゼオミンで抑えれば、ナチュラルでリフトアップで、明るい表情を取り戻せます。




(施術内容)
・注射器での注入(注入範囲はロワーフェイス、顎下)
*40単位

 



こんな方に

 

  • 1.フェイスラインのたるみが気になる
  • 2.口元が重く見える
  • 3.首のバンドが目立つ



オリジナル美容モデル

施術前

50代女性
ロワーフェイスのもたつきを気にされていました。

施術2ヶ月後

アゴまわりがスッキリしたことを自覚されています。

施術前

70代女性
口元から首にかけてのエイジングサインがターゲット

施術1ヶ月後

首に目立っていたプラティスマバンドが軽快し、また口元の小ジワも減りました。

医療広告ガイドライン・限定解除要件

通常必要とされる治療内容:ボツリヌス療法で使われるゼオミンを専用の注射針を使用して、皮膚の浅層に細かくおよそ1cm間隔で注入します。(ゼオミン40単位使用)
*カウンセリングから治療終了までの時間:1時間半

標準的な費用:116,050円
*施術料+初診料+麻酔料

標準的な治療期間及び回数:通院は1回で、経過に問題が生じなければ、その後に通院治療の必要はありません。

デメリット・リスク・副作用:スキンボトックスは多くのメリットを持つ一方で、いくつかのリスクやデメリットも存在します。

⚫️ 効果の持続期間に限りがある: 効果は永続的ではなく、一般的に3~6ヶ月程度です。効果を持続させるためには、定期的な施術が必要です。

⚫️ コスト: 自由診療のため、全額自己負担となります。

⚫️ 副作用・リスク: 注入部位に一時的な赤み、腫れ、内出血、軽い痛み、凹凸感などが生じる場合があります。まれに、注入部位や量によって表情に軽微な違和感が生じる可能性もゼロではありませんが、従来のボトックスに比べてリスクは低いとされています。

⚫️スキンボトックス・リフトは、ゼオミンによって広頚筋の働きを弱めて効果を発揮する治療です。元々たるみに対し広頚筋の関与が少ない方では効果は期待できません。適応の見極めが大切な施術です。




スキンボトックス・リフト(40単位)価格(税込)
1回
110,000円


■麻酔料  2,750円別途


*本施術は、自由診療に基づき全額自己負担になります。





額のシワの悩みでボトックスを受けたら、表情がなくなったり、重く感じられたりで、自分にはボトックスは合わないとあきらめていませんか?

スキンボトックスなら、眉の動きを止めずに、シワだけを少なくすることができます。



(施術内容)
・注射器での注入(注入範囲は額)
*10単位

 



こんな方に

 

  • 1.額のシワが気になる
  • 2.以前にボトックス治療を受けてコリゴリ
  • 3.自然な表情を保ちたい



オリジナル美容モデル

施術前

50代女性
通常の注入法では目が開きにくくなってしまいます。

1ヶ月後

眉を上げるようにお願いして撮影。眉は動きますが、シワは少なくなっています。

医療広告ガイドライン・限定解除要件

通常必要とされる治療内容:ボツリヌス療法で使われるゼオミンを専用の注射針を使用して、額のシワが目立つ部位の皮膚の浅層に細かくおよそ1cm間隔で注入します。(ゼオミン10単位使用)
*カウンセリングから治療終了までの時間:1時間

標準的な費用:39,050円
*施術料+初診料+麻酔料

標準的な治療期間及び回数:通院は1回で、経過に問題が生じなければ、その後に通院治療の必要はありません。

デメリット・リスク・副作用:スキンボトックスは多くのメリットを持つ一方で、いくつかのリスクやデメリットも存在します。

⚫️ 効果の持続期間に限りがある: 効果は永続的ではなく、一般的に3~6ヶ月程度です。効果を持続させるためには、定期的な施術が必要です。

⚫️ コスト: 自由診療のため、全額自己負担となります。

⚫️ 副作用・リスク: 注入部位に一時的な赤み、腫れ、内出血、軽い痛み、凹凸感などが生じる場合があります。まれに、注入部位や量によって表情に軽微な違和感が生じる可能性もゼロではありませんが、従来のボトックスに比べてリスクは低いとされています。

⚫️リスクは低いとされますが、まれに額が重く感じられるなど従来の注入法と同様の問題が生じることがあります。



スキンボトックス・額(10単位)

価格(税込) 
1回 33,000円


■麻酔料 2,750円別途

*本施術は、自由診療に基づき全額自己負担になります。





顔がどんなに若々しくても、首や手には年齢が現れやすいもの。

首に縦ジワ、横ジワができる原因のひとつは、首の表情筋、広頸筋。だからこそ縦ジワ、横ジワにはマイクロトキシンが有効です。

(施術内容)
・注射器での注入(注入範囲は首)
*20単位

 



こんな方に

 

  • 1.力が入ると首の縦ジワが見える
  • 2.首の横ジワが目立つ

スキンボトックス・首(20単位)

価格(税込) 
1回 66,000円


■麻酔料 2,750円別途

*本施術は、自由診療に基づき全額自己負担になります。



スキンボトックスの医学的検証

スキンボトックスの効果


スキンボトックスは、従来のボツリヌス毒素注射とは異なるアプローチで、顔の若返りや肌質の改善に多岐にわたる効果が期待できます。

期待される主な効果は以下の通りです。

◉自然な表情を保ちながらのしわの軽減

⚪️マイクロボトックスの主な目的は、筋肉を麻痺させるのではなく、リラックスさせることです(文献1)。これにより、顔のしわやラインを減少させつつ、「凍りついたような顔(frozen aspect)」を避け、ある程度の表情の動きを保つことができます(文献1)。

⚪️マイクロボトックスはボツリヌス毒素を真皮または顔面筋の表層に注入し、深部の筋肉を完全に麻痺させることなく、その表層線維を弱めます(文献1)。


◉顔のリフトアップと輪郭の改善

⚪️マイクロボトックスは、下顔面と首のしわやたるみの改善に特に効果的です(文献2)。

⚪️具体的には、あごのライン(下顎骨輪郭)の引き締め(文献3)、二重あごの軽減(文献3)、たるんだ皮膚の引き締め(文献3)、マリオネットラインやほうれい線の改善(文献2)、広頚筋バンド(首の縦線)の軽減(文献2)、そして首のライン(cervicomental angle)の引き締め (文献3)などが挙げられます。

⚪️これは、下顔面の下制筋である広頚筋の表層線維をリラックスさせることで、皮膚が下の顔や首の輪郭に沿うようになり、たるみを改善すると考えられています(文献1)。


◉肌質の改善

⚪️肌のきめ(質感)と輝き(光沢)の改善(文献1)

⚪️皮脂腺と汗腺の活動の減少(文献1):これにより、肌のテカリを抑え、よりマットな肌に導きます。

⚪️毛穴の縮小(文献4)

⚪️肌の水分保持とバリア機能の強化(文献5):ボツリヌス毒素は、リンパ管を保護する筋肉を弛緩させ、真皮の浸透圧を高めることで、コンパクトな真皮に水分を保持させ、顔を輝かせる効果があります(文献5)。


◉その他の応用

⚪️酒さ(Rosacea)やニキビ(Acne)の治療(文献5)

⚪️ケロイドの治療:ボツリヌス毒素が治癒中の創傷の筋緊張を低下させ、線維芽細胞の成長を阻害し、TGF-β1の産生を変化させることで、ケロイドの軟化と運動範囲の改善を示す効果が報告されています(文献5)。

⚪️多汗症の治療(文献5)




スキンボトックスのリフトアップ効果


マイクロボトックスでリフトアップ効果が見られる理由は、主に以下のメカニズムよるものです。

筋肉の表層線維への作用
顔の筋肉は骨から始まり、多くが皮膚に付着しています。マイクロボトックスは、これらの筋肉の表層線維の「引っ張り」効果を阻害し、深層線維の機能を維持することで、顔に自然でリラックスした外観を与えます(文献1)。


具体的なリフトアップ効果の部位

◎下顔面と首:下顔面の下制筋である広頸筋の表層線維を弛緩させることで、引き締まった顎のラインを形成します(文献2)。ある研究では、広頸筋の引き締め効果が、特に細い横じわや「クレープ状の皮膚」を持つ患者で効果的であると示されています(文献5)。マイクロボトックスは、ネフェルティティリフトと比較して、たるみや首のボリュームをより改善することが示されています(文献2)。

◎眉と額のリフト:眉の下制筋(眼輪筋、皺眉筋など)を弱めることで、眉を引き上げる前頭筋がリラックスし、額のしわを軽減し、額を麻痺させることなく眉をリフトアップする効果があります(文献6)。

【参考文献】

1) Multipoint and multilevel injection technique of botulinum toxin A in facial aesthetics
Ivano Iozzo, et al.
J Cosmet Dermatol
2014;13(2):135-42

2) Evaluation of the Microbotox Technique: An Algorithmic Approach for Lower Face and Neck Rejuvenation and a Crossover Clinical Trial
Cyril J Awaida, et al.
Plast Reconstr Surg
2018;142(3):640-649

3) Personal Technique of Microinfiltration With Botulin Toxin: The SINB Technique (Superficial Injection Needling Botulinum)
Francesco Calvani, et al.
Plast Surg (Oakv)
2019;27(2):156-161

4)Evaluation of Intradermal Injection of Botulinum Toxin A for Facial Lifting
Enayat Mohamed Atwa, et al.
J Clin Aesthet Dermatol
2020;13(12):22-26

5) Microdroplet Botulinum Toxin: A Review
Rajat Kandhari, et al.
J Cutan Aesthet Surg
2022;15(2):101-107

6) Use of Micro Botulinum Toxin for a Face-lifting Effect: A Systematic Review
Zhi Yang Ng
Dermatol Surg
2022;48(8):849-854




よくいただくご質問

Q

ダウンタイム、リスク・副作用について

A


スキンボトックス(マイクロボトックス)の副作用は、従来のボツリヌス毒素注射と比較して一般的に軽度で頻度も低いとされていますが、以下のような副作用が報告されています:


1 一時的な副作用:

⚪︎注射部位の痛み、腫れ、発赤
⚪︎軽度の内出血やあざ
⚪︎頭痛(一時的なもの)

2 表情の変化:

⚪︎眉毛の非対称性
⚪︎軽度の眉下垂(通常のボツリヌス毒素注射よりも頻度は低い)
⚪︎目の開きづらさ(一時的)

3 皮膚関連:

⚪︎注射部位の乾燥感
⚪︎まれに、一時的な皮膚のつっぱり感

4 筋肉関連:

⚪︎意図しない筋肉の弱化(適切な技術で注射すれば通常は起こりにくい)
⚪︎まれに、首の動きにくさ(過剰に注射した場合)

5 アレルギー反応:

⚪︎非常にまれですが、ボツリヌス毒素やその他の成分に対するアレルギー反応

6 効果の不均一:

⚪︎注射技術によっては、効果が均一でない場合がある

7 感染:

⚪︎非常にまれですが、注射部位の感染

8 神経学的影響:

⚪︎極めてまれですが、神経学的な副作用(例:一時的な顔面麻痺)

9 心理的影響:

⚪︎期待した効果が得られない場合の不満足感

10 拡散関連:

⚪︎意図しない部位への毒素の拡散(適切な技術と希釈で最小限に抑えられる)

重要な点:
⚫️これらの副作用の多くは一時的で、数日から数週間で自然に改善します。
⚫️適切な技術と経験を持つ施術者による処置で、多くの副作用のリスクは大幅に低減されます。
⚫️従来のボツリヌス毒素注射に比べ、「凍った表情」のような不自然さは起こりにくいです。
⚫️患者の個別の状況(例:既往歴、薬物アレルギーなど)によって、リスクが異なる場合があります。


施術前の十分なカウンセリングと、熟練した施術者による適切な技術の使用が、安全で効果的なスキンボトックス(マイクロボトックス)治療の鍵となります。

Q

効果はどれくらいで現れますか?

A

ボツリヌス療法の作用は注入後すぐには現れません。2,3日してから変化が出始め1〜2週間で最大になります。

Q

どのような効果が期待できますか?*

A

◉ 毛穴の引き締め(皮脂分泌抑制により毛穴周りの皮膚が引き締まる)
◉ 小じわ・キメの改善(肌表面の細かなシワや凹凸がなめらかに)
◉たるみ・緩みのタイトニング
◉ 皮脂分泌の抑制・テカリ防止(化粧崩れの防止、ニキビ予防)
◉ 肌のハリ・ツヤ感アップ(コラーゲン産生促進効果)
◉自然なリフトアップ効果
◉ 肌全体のコンディション向上

Q

効果が切れると、たるみが強くなりませんか?

A

ボツリヌス療法の効果が切れると筋肉は元通りの力に戻るだけで、前よりたるむことはありません。

Q

他のボツリヌス療法と一緒に受けられますか?

A

マイクロトキシンの注入部位ではない、他の部位へのボツリヌス療法は同時に受けられます。

Q

首ではどのような効果が期待できますか?

A

首でのボツリヌス療法は、プラティスマ・バンドといわれる縦に走る筋の治療から始まりました。

そのとき縦に走る筋だけでなく、首がスッキリする効果がもたらされることがわかりました。 広頸筋に力が入ると、顎と首のアングルがなくなりますが、広頸筋のとくに表層だけをボツリヌス製剤で力を弱めれば、クッキリとしたアングルができるようになります。「広頸筋効果」と呼ばれています。

Q

スキンボトックス(マイクロボトックス、メソボトックス)とは何ですか?

A

スキンボトックスとは、ボツリヌストキシン製剤を極少量ずつ、皮膚の浅い層(真皮層)に細かく注入する施術です。

「マイクロボトックス」や「メソボトックス」とも呼ばれます。

従来のボトックス注射が表情筋に作用するのに対し、スキンボトックスは皮膚そのものに働きかけ、肌の引き締め、キメの改善、毛穴の縮小、皮脂分泌の抑制といった総合的な肌質改善効果を目指します。

Q

通常のボトックス(ゼオミン)注射との違いは何ですか?

A

通常のボトックス(ゼオミン)注射は表情筋に直接注入し筋肉の動きを抑制しますが、スキンボトックスは皮膚の浅い層にごく少量を注入するため、表情筋への影響を最小限に抑えながら肌質改善が可能です。

自然な表情を保ちながら、毛穴の引き締めや皮脂分泌の抑制、小じわの改善などの効果が期待できます。

Q

効果はいつから現れますか?

A

個人差がありますが、施術後3~7日程度で効果が現れ始めます。

Q

効果はどのくらい持続しますか?*

A

効果は一般的に3~6ヶ月程度持続します。

個人差はありますが、効果を持続させるためには、定期的な施術が必要です。

Q

施術時間はどのくらいですか?

A

 麻酔込みで1時間程度です。

注入自体は10~20分程度で完了しますが、カウンセリングや麻酔を含めた全体の所要時間となります。

Q

痛みはありますか?

A

施術前に表面麻酔を行い、極細針(34G等)を使用するため、痛みは最小限に抑えられます。

注入時にチクチクした軽い刺激を感じる程度です。

Q

ダウンタイムはありますか?

A

ダウンタイムはほとんどありません。

注入直後に多少の赤みや腫れが出ることがありますが、通常は数時間~数日で治まります。針穴も極細針使用のため、数日で目立たなくなります。翌日からメイクも可能になります。

Q

表情が不自然になることはありますか?

A

スキンボトックスは表情筋に影響しない真皮層への注入となるため、表情が不自然になるリスクは従来のボトックス注射に比べて大幅に低減されています。

自然な表情を保ちながらたるみのタイトニングや肌質改善が可能です。

Q

施術を受けられない方はいますか?

A

以下の方は施術をお受けできません:

⚫️ ボツリヌス療法を受けてアレルギー症状が生じた方
⚫️ 神経・筋疾患の方(重症筋無力症、ALSなど)
⚫️妊娠中、授乳中の方

Q

何度も施術を繰り返しても大丈夫ですか?

A

適切な間隔を空けて施術を受ける分には問題ありません。

むしろ繰り返し施術を受けることで、効果の持続期間が延びる傾向があります。ただし、抗体産生リスクを最小化するため、ゼオミンにように純度の高い製剤の使用が必要です。

Q

どのような製剤を使用しますか?

A

抗体産生リスクの少ない製剤を使用することが望まれます。

当院では、有効成分以外の複合タンパク質を可能な限り除去したドイツ製「ゼオミン®」を採用しており、抗体産生のリスクが極めて低いことが特徴です。

Q

アラガン社製ボトックスとの違いは?

A

アラガン社製ボトックスビスタは日本で唯一厚生労働省承認を取得した製剤です。

一方、ゼオミン®のような高純度製剤は、複合タンパク質が除去されているため抗体産生リスクが低く、長期的な治療継続に適しています。

各クリニックで適切な製剤選択を行っています。

Q

スキンボトックスで使用する製剤について

A

スキンボトックスでは、ゼオミン(製剤名Bocouture)を使用しています。

国内での承認状況について
◉ゼオミン(製剤名Bocouture)の美容目的での使用に関する承認状況
○日本では、インコボツリヌストキシンA(ゼオミン)は2020年に帝人ファーマ株式会社により上肢痙縮の治療薬として厚生労働省から承認を受けており、2021年には下肢痙縮の効能・効果も追加承認されています。

○しかし、美容目的(スキンボトックス等)での使用については、日本の厚生労働省(MHLW)から医薬品医療機器等法上の承認を得ていない適応外使用となります。


海外での承認状況について

◉アメリカ合衆国(FDA):
○2010年に「Xeomin」として初回承認(頸部ジストニア、眼瞼けいれん治療用)
○2011年に美容目的での使用について承認(眉間の表情ジワ改善)
○2024年7月にFDAから上顔面線(額のシワ、眉間のシワ、目尻のシワ)の同時治療における米国初のボツリヌストキシンとして承認を取得

◉ヨーロッパ(EMA):
○「Bocouture」として額のしわ、眉間のしわ、目尻のしわの治療において欧州regulatory authoritiesから承認を取得
○欧州で顔の上半分のしわ(額・眉間・目尻)の複合適応症として承認された唯一のボツリヌストキシン製剤 
○英国では医薬品・医療製品規制庁(MHRA)から顔の上半分のしわ治療について承認を取得

◉その他の国々:
○世界75か国以上で承認されており、多数の国で眉間線治療について承認取得
○一部の国では外眼角周囲線などの追加適応症も承認されている 
○欧州連合大部分の国、ラテンアメリカ、カナダおよびアジアの一部の国でも承認されています


製造元・入手経路について

◉製造元・入手経路
○本製品は、ドイツのMerz社(メルツ社)によって開発・製造されています。医師の判断のもとで個人輸入の手続きを行っています。
※帝人ファーマ社が承認を受けているゼオマイン製剤は、痙縮治療目的に限定されており、美容目的での使用は承認されていません。


国内承認医薬品等との関係

国内承認医薬品等との関係
美容目的でのボツリヌストキシン使用において、日本の厚生労働省から承認を得ている医薬品は、アッヴィ合同会社アラガン・エステティックスの「ボトックスビスタ®注用50単位」(眉間と目尻のシワ治療用)のみです。


医薬品副作用被害救済制度について

◉医薬品副作用被害救済制度
万が一重篤な副作用が生じた場合、美容目的での使用は国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。


副作用・リスクについて

◉副作用・リスク
一般的・軽微かつ一過性の注射部位反応: 発赤、腫脹(腫れ)、内出血、軽度の疼痛・圧痛・不快感、搔痒感(かゆみ)、注射部位の一時的な筋力低下や表情の変化など。これらは通常数日から数週間で自然に軽快します。

比較的稀な合併症
○ボツリヌストキシン成分に対するアレルギー反応・過敏症(発疹、蕁麻疹、重度の発赤・腫脹など)
○注射部位周辺の想定外の筋力低下(眼瞼下垂、眉毛下垂、口角下垂など)
○注射部位の皮膚色の変化(色素沈着・変色)
○頭痛、めまい、全身倦怠感


安全性に関する臨床研究データについて

◉安全性プロファイル
○インコボツリヌストキシンA(Bocouture)は、複数の臨床研究において良好な安全性プロファイルを示しています。長期使用に関する研究では、幅広い適応症において安全で効果的な治療選択肢であることが報告されています。

○美容目的での使用に関する臨床試験では、迅速な効果発現と長期間持続する効果が確認されており、忍容性も良好であることが示されています。

○ただし、製造元であるMerz社は、一般消費者向けの公式ウェブサイトでは、具体的な副作用リストを限定的に公表しており、詳細な安全性情報は医療従事者向けに提供されています。