ゼオミン

「未来」につなげるボツリヌス療法


美容クリニックでボツリヌス療法を続けていて、効き目が弱くなってきたと感じたことはありませんか?

ボツリヌス療法では、生物製剤を利用するため、繰り返し行うと身体に免疫反応が生じて、次第に効果が減弱することがあります。

ボツリヌス療法は、美容以外でもさまざまな神経疾患で使われるようになっており、もし美容目的で「耐性」が生じてしまうと、将来的にそうした疾患にかかったとき治療法が制限されて
しまいます。 


ボツリヌス製剤への「耐性」の問題を避けるためには、できるだけ有効成分以外のタンパク質を含まない製剤を使うことがもっとも有効です。

美容のボツリヌス療法で、「耐性」を決して生じさせてはいけない。当院ではそうした思いからゼオミンを診療メニューに加えました。



院長コラム 

 

 ゼオミンが「耐性」を生じにくい製剤であることは知っていましたが、これまでは美容医療で使われるのは、神経疾患での使用量に比べ少量であり、耐性を心配する必要はないというのが美容医療に携わる医師の共通認識でした。

しかし、ここ数年、米国形成外科学会の関連オンラインアクセス誌上で、ボツリヌス療法の「耐性」の問題がたびたび取り上げられ、直接製剤名には言及していませんが、有効成分以外のタンパク質を含まない製剤を使うことが推奨されるようになりました。

ゼオミンはドイツMerz社が製造する「有効成分以外のタンパク質を含まない製剤」です。日本にはすでに美容目的で使用できる承認製剤があるので、導入するかどうか逡巡しましたが、やはり美容目的でのボツリヌス療法で「耐性」を生じさせてはいけないという思いで導入を決断しました。

*ゼオミンはドイツMerz社が製造し、米国FDAの承認製剤であり、日本でも神経疾患での使用が承認され、ゼオマインの名前で帝人ファーマが販売しています。

 



ボトックスのコラム こちらもご覧下さい



こんな方に

 

  • 1.耐性の生じにくい製剤でボツリヌス療法を続けたい
  • 2.以前に比べボツリヌス療法の効き目が弱くなった



施術について

施術について


施術時間  : 15分程度

麻  酔  : 必要ありません

術後診察  : なし

 

注意事項


入浴・洗髪  : 当日から可能

洗顔・化粧  : 当日から可能

飲酒・運動  : 当日から可能

 

治療スケジュール


3〜6ヶ月毎

 

施術を受けられない方

 

  • 1.ボツリヌス療法でアレルギーが発症した方
  • 2.神経・筋疾患(重症筋無力症、ALSなど)の方
  • 3.妊娠・授乳中の方

施術の流れ

1 カウンセリング

 

2 施術


注入には34Gの極細針を使用します。また注入部位をクーリングしてから注射することで痛みを和らげています。

3 施術終了後


メイクをしてお帰りいただけます。施術後生活の制限はありません。

 

 

価格表

表情ジワ注入療法 

表情ジワ注入療法

価格(税込)

ゼオミン 1部位
額、眉間、目尻、あご、ガミースマイルなど
30,800円



*本施術は自由診療に基づき全額自己負担になります。

その他のボツリヌス療法 

 その他のボツリヌス療法価格(税込)
小顔(エラ)治療 71,500円
ふくらはぎ治療 112,200円



*本施術は自由診療に基づき全額自己負担になります。

 

 


原因

発達した筋肉(咬筋)でエラが張ることもあります。

ボトックスがどう作用するか?
ボトックスで動きを抑えられた筋肉は、やがて萎縮しボリュームが減ります。

治療方法
咬筋の筋肉内に注入します。3〜6ヶ月毎に3回繰り返すことをおすすめします。


原因
ふくらはぎの太さは、筋肉の発達と皮下脂肪の厚みで決まります。

ボトックスがどう作用するか?
ボトックスの作用で筋肉は動きが抑制され、次第にボリュームが小さくなります。

治療方法
ふくらはぎの筋肉内に注入します。3ヶ月毎に3〜5回繰り返すことをおすすめします。ふくらはぎの筋肉は立って歩くだけでも使われるので、メンテナンス治療も必要です。

注意
歩行に支障をきたすことはありませんが、アスリートの方ではパフォーマンスが低下するのでおすすめできません。

 

 

よくいただくご質問

Q

ダウンタイム、リスク・副作用について

A

1)内出血
2)違和感
3)表情の変化
4)アレルギー(まれ)
5)効かない(まれ)

注入後数日して効果が出始めると、たとえば額を治療したときには、まぶたの重みなど違和感を覚えることがあります。また表情の左右差や表情がなくなるなど、表情の変化が問題になることがあります。

Q

ゼオミンはなぜ「耐性」を生じにくいのですか?

A

ボツリヌス療法では、ボツリヌス菌の毒素から作られる生物製剤を使用しますが、多くの製剤では神経毒のみではなく、菌体などのタンパク質も含んでいます。

ゼオミンでは神経毒のみで、他のタンパク質を除去することで、中和抗体が産生されることを防いでいます。

Q

ゼオミンの作用機序は?

A

ゼオミンは神経の伝達をブロックすることで筋肉の動きを抑制します。

目尻の笑いジワで説明すると、シワの原因は眼輪筋の収縮ですが、神経からの指令で収縮します。実際には神経の末端から神経伝達物質が放出され、それが眼輪筋に作用して指令が伝達されます。ゼオミンは神経伝達物質の放出を阻害して神経からの指令を遮断することができます。

Q

表情が変わることはありますか?

A

ボツリヌス療法は施術直後には効果を確認することができません。そのためお客様から前回はどうだったかお聞きして注入する部位、量を調整する必要があります。

ボツリヌス療法は、お客様と医師で作り上げていく施術です。表情が変わったとか、違和感が続いたとかありましたらお伝え下さい。

Q

同日に2か所以上注入することは可能ですか? また、他の治療と同日に受けられますか?

A

同日に2カ所以上に注入する事は可能です。

また、他の治療と一緒に受けることもできます。あらかじめお伝えいただければ、スムーズにご案内できます。




ゼオミンのエビデンス(Tweet集)

 

    •  ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(1)
      典型的な症状は、同じ効果を出すのに使う製剤の量が増えたり、間隔が短くなったりすることだが、見過ごされやすく、問題が過小認識されている。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月4日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(2)
      これまでの報告例では、耐性を生じているのはボツリヌス療法を受けている患者の0.3~27.6%。高い数値はジストニア(1.3~27.6%)、痙縮(0.3~13.3%)など神経系疾患に対してボツリヌス療法を受けている場合。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月5日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(3)
      これまでの報告をまとめると製剤別の耐性率は
      ボトックス 0.3~5.6%
      ディスポート 0~13.3%
      ゼオミン 0~1.1%
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月6日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(4)
      一種類の製剤でしか施術を受けていない人での耐性率は
      ボトックス 0.6%
      ディスポート 5.3%
      ゼオミン 0%
      Plast Reconstr Surg Glob Open.

      2022;10(6):e4407 (2022年11月7日) 
    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(5)
      従来、美容施術での使用量は、脳神経系疾患での使用量と比べ少なく、美容での使用では、中和抗体が作られることは疑問視されてきた。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月8日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(6)
      美容での使用でも、長期間にわたり使われれば蓄積量として多くなること、多量に使う美容施術が増えてきていることから、耐性の問題が懸念される。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月9日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(7)
      皮膚内に注入する施術(マイクロトキシンなど)が増えているが、皮膚内への注入は筋肉内への注入に比べ、免疫系を刺激しやすい(中和抗体を作り耐性を生じやすい)とされる。

      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月10日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(8)
      美容目的でボツリヌス療法を受けた人で、耐性につながる中和抗体を持つのは0.2~0.4%。

      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月11日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(9)
      美容目的での使用で耐性を生じたと報告されている13例を分析すると、いずれも受けていた製剤はボトックスないしディスポートで、3例では耐性を生じてからゼオミンにスイッチされていた。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月12日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(10)
      美容目的での使用で耐性を生じたと報告されている13例を分析すると耐性が生じるまでの治療期間は、2〜72ヶ月。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月13日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(11)
      美容目的、脳神経疾患目的を問わず、ゼオミン(incobotlinumtoxinA)の単独使用では、耐性が生じたとする報告はない。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月14日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(12)

      FDA承認製剤のうちボトックス、ディスポートは神経毒に関連したタンパク質や菌体のタンパク質も含むが、ゼオミンは神経毒のみで、他のタンパク質を含まない。

      (補足:それが中和抗体ができるのを防いでいるとされる。)

      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月15日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(13)
      ボツリヌス製剤の有効成分である神経毒は人体にとって異物であるが、抗体産生に至るまで免疫系を刺激しない。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月16日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(14)
      ボトックス、ディスポートに含まれる神経毒に関連したタンパク質は、治療効果には関係しないが、中和抗体を免疫系を刺激して、中和抗体を産生させる。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月17日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(15)
      耐性が生じるリスクは
      製剤に余分なタンパクが含まれていないか
      使用量
      治療回数・間隔
      で決まる。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月18日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(16)
      美容目的のボトックス使用で耐性が生じた場合、のちにボトックスが適応となる神経疾患などを発症した時にボトックスが使えなくなる。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月19日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(17)
      美容目的であっても、若い時からさまざまにボツリヌス療法を受けていると、将来的に耐性を生じるリスクは高まる。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月20日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(18)
      耐性を防ぐには、高度に精製された製剤を使い、できるだけ投与量を少なくして、適切に治療間隔を保つことが役立つかもしれない。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月21日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(19)
      投与量が多くなることが予想されるなら、最初から高度に精製され、中和抗体を作りにくい製剤を選択するのがいいかもしれない。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407  (2022年11月22日)

 




参考文献

 

1) Emerging Trends in Botulinum Neurotoxin A Resistance: An International Multidisciplinary Review and Consensus.
Wilson W S Ho,et al
Plast Reconstr Surg Glob Open
2022;10(6):e4407

2) Immunogenicity Associated with Aesthetic Botulinumtoxin A: A Survey of Asia-Pacific Physicians' Experiences and Recommendations
Je-Young Park,et al
Plast Reconstr Surg Glob Open
2022;10(4):e4217

3) Immunogenicity of Botulinum Toxin Formulations: Potential Therapeutic Implications
Warner W Carr,et al
Adv Ther.
2021;38(10):5046-5064