ゼオミン



ゼオミン

ボツリヌス療法とは?


ボツリヌス療法は、ボツリヌス菌が作り出す天然のたんぱく質(ボツリヌストキシン)を有効成分とする薬を筋肉内に注射する治療法です。


ボツリヌストキシンには、注射することで筋肉の働きを抑える作用があります。ボツリヌス療法は、美容医療の分野で幅広く活用されています。

主な効果と特徴は以下の通りです:
主な美容効果
表情ジワの改善
眉間のシワ
額の横ジワ
目尻のシワ
唇の上の縦ジワ
あごの梅干しジワ


小顔効果
エラ張りの改善
フェイスラインのスッキリ化


たるみ改善
顔のリフトアップ効果


その他
多汗症の改善
ふくらはぎの筋肉縮小


特徴
メスを使わない低侵襲な治療法
短時間で施術可能
ダウンタイムがほとんどない
効果は3-7日程度で現れ、3〜6ヶ月程度持続

メリット

手軽に受けられる
自然な仕上がりが得られる
予防効果も期待できる


ボツリヌス療法は、筋肉の過剰な収縮を抑制することで、シワの改善や小顔効果などが得られます。安全性が確立された治療法ですが、適切な施術には医師の技術と経験が重要です。効果には個人差があるため、事前に医師とよく相談することが大切です。

最初からゼオミン


ボツリヌス療法がさまざまな医療分野で使われるようになると生物製剤を使うボツリヌス療法にとって避けられない「耐性」の問題が心配されるようになりました。

そのため、耐性が生じるリスクの少ないゼオミンが注目されるようになったのです。


耐性問題が生じる前からゼオミンに切り替えることで、長くずっとボツリヌス療法を続けることができます。美容上欠かせない治療だから、耐性が生じず、ずっと使える製剤を選びましょう。

 

*本施術は、厚生労働省承認製剤を使用しますが、自由診療に基づき全額自己負担になります。



 

ゼオミンの特徴〜中和抗体を作りにくい〜


抗体の形成リスクの低減

ゼオミンの主な利点のひとつは、他のボツリヌス毒素製剤と比較して中和抗体の形成リスクを低減できる可能性があることです。これは主に、その独自の組成によるものです。
複合タンパク質を含まない:ゼオミンは、複合タンパク質を含まない唯一のボツリヌス毒素製剤です。これらのタンパク質は治療効果には必要ありませんが、他の製剤では抗体の形成リスクを高める可能性があります。
純粋な神経毒素:ゼオミンには、免疫原性を低減させる可能性のある不必要なタンパク質が含まれておらず、活性神経毒素のみが含まれています。

治療への影響

ゼオミンでは中和抗体の形成リスクが低いため、治療にいくつかの重要な影響があります。
効果の持続:ゼオミンの治療では、中和抗体による治療への耐性形成のリスクが低い可能性があります。
柔軟な治療間隔:抗体形成のリスクが低いことから、注射と注射の間隔により柔軟性を持たせることができます。
長期的な治療の可能性:抗体による抵抗性により効果が失われることなく、より長期間にわたってゼオミンによる治療を受けることができます。

臨床使用における考慮事項

ゼオミンの特性は中和抗体の形成リスクが低いことを示唆していますが、以下の点に留意することが重要です。
個体差:患者の反応は様々であり、ゼオミンを使用しても中和抗体が形成される可能性は否定できない。
適切な投与:抗体形成のリスクを最小限に抑えるには、適切な用量と注射技術が依然として重要である。
モニタリング:耐性発生の可能性を検出するには、治療効果の定期的な評価が依然として必要である。


結論として、ゼオミンのようなタンパク質と結合しない独自の処方は、中和抗体の生成を減少させるという点で利点と言えます。この特性は、さまざまな神経学的および美容的な適応症に対する長期的な効果と治療スケジュールに柔軟性をもたらす可能性があります。

他のボツリヌス製剤と比較して何が異なるのか?


ゼオミンの処方は、他のボツリヌス毒素製剤と比較して、いくつかの重要な点で異なります。

独自の組成

複合タンパク質の非含有:ゼオミン(インコビツリヌストキシンA)は、複合タンパク質を含まない唯一のボツリヌス毒素製剤です。これらのタンパク質は治療効果に必要ないため、製造過程で除去されています。

純粋な神経毒素:ゼオミンには、不必要なタンパク質を一切含まない、活性型150kDaのボツリヌス神経毒素A型のみが含まれています。これにより、非常に純度の高い製剤となっています。

ゼオミンとボトックスの効果と副作用を比較すると?


若干の違いはあるものの、ゼオミンとボトックスは、さまざまな用途において概ね同等の有効性と安全性を示しています。

この2つの薬剤の選択は、医師の好み、患者の病歴、具体的な治療目標などの要因によって決まるでしょう。



院長コラム 

 

 ゼオミンが「耐性」を生じにくい製剤であることは知っていましたが、これまでは美容医療で使われるのは、神経疾患での使用量に比べ少量であり、耐性を心配する必要はないというのが美容医療に携わる医師の共通認識でした。

しかし、ここ数年、米国形成外科学会の関連オンラインアクセス誌上で、ボツリヌス療法の「耐性」の問題がたびたび取り上げられ、直接製剤名には言及していませんが、有効成分以外のタンパク質を含まない製剤を使うことが推奨されるようになりました。

ゼオミンはドイツMerz社が製造する「有効成分以外のタンパク質を含まない製剤」です。日本にはすでに美容目的で使用できる承認製剤があるので、導入するかどうか逡巡しましたが、やはり美容目的でのボツリヌス療法で「耐性」を生じさせてはいけないという思いで導入を決断しました。

*ゼオミンはドイツMerz社が製造し、米国FDAの承認製剤であり、日本でも神経疾患での使用が承認され、ゼオマインの名前で帝人ファーマが販売しています。

 




こんな方に

 

  • 1.耐性の生じにくい製剤でボツリヌス療法を続けたい
  • 2.以前に比べボツリヌス療法の効き目が弱くなった
  • 3.これからボツリヌス療法を始めたい



施術について

施術について


施術時間  : 15分程度

麻  酔  : 必要ありません

術後診察  : なし

 

注意事項


入浴・洗髪  : 当日から可能

洗顔・化粧  : 当日から可能

飲酒・運動  : 当日から可能

 

治療スケジュール


3〜6ヶ月毎

 

施術を受けられない方

 

  • 1.ボツリヌス療法でアレルギーが発症した方
  • 2.神経・筋疾患(重症筋無力症、ALSなど)の方
  • 3.妊娠・授乳中の方

施術の流れ

1 カウンセリング

 

2 施術


注入部位をクーリングしてから注射することで痛みを和らげています。当院では超極細針(34G)を使用していて、痛みが少ないとご好評をいただいています。

3 施術終了後


メイクをしてお帰りいただけます。施術後生活の制限はありません。




価格表

表情ジワ治療

表情ジワ注入療法

価格(税込)

ゼオミン 1部位 10単位
額、眉間、目尻、あご、ガミースマイルなど
30,800円



*本施術は自由診療に基づき全額自己負担になります。

その他のボツリヌス療法

 その他のボツリヌス療法価格(税込)
小顔(エラ)治療 40単位 71,500円
ふくらはぎ治療 100単位 112,200円
口角リフト 6単位 24,200円
リップフリップ 4単位 24,200円



*本施術は自由診療に基づき全額自己負担になります。



その他のボツリヌス療法

口角リフト


あなたのまわりにいつも怒ったような口元をしている人を見かけませんか?


こうした口元の表情は、ネガティブな印象を与えるため対人関係にマイナスの影響を与えます。

表情の補正はボツリヌス療法にお任せください。ゼオミンを注入することで、あなたの口元は「幸せ」の発信源になります。


こんな方に 

 

  • 1.無意識に口元が「へ」の字になってしまう
  • 2.不機嫌そうにみられがち

 

価格 

 

 その他のボツリヌス療法価格(税込)
口角リフト 6単位 24,200円



*本施術は自由診療に基づき全額自己負担になります。

リスク 

 

  • 1.口の不自然な動き
  • 2.口が曲がる

オリジナル美容モデル 〜口角リフト〜

美容モデル1:術前

60代女性:口元の印象の改善を目指して口角リフトを行いました。

美容モデル1:1ヶ月後

小さな変化ですが、口元からネガティブな印象は消えました。

美容モデル2:術前

50代女性:口元が「へ」の字になりやすいと自覚されていました。

美容モデル2:1ヶ月後

無意識な表情を変えられるのがボツリヌス療法です。



リップフリップ


唇のエイジングは

1)形:立体感が失われる
2)ボリューム:薄くなる
3)色:赤みがうすくなる
として現れます。

リップフリップは、上唇の辺縁にゼオミンを注入することで、上唇をふっくらと立体化して上唇のエイジングを取り戻します。

こんな方に 

 

  • 1.唇が薄くなってきた
  • 2.鼻下が伸びてみえる
  • 3.以前の魅力的な唇を取り戻したい

 

価格 

 

 その他のボツリヌス療法価格(税込)
リップフリップ 4単位 24,200円



*本施術は自由診療に基づき全額自己負担になります。

リスク 

 

  • 1.口笛が吹きにくい
  • 2.ストローが吸いにくい

オリジナル美容モデル 〜リップフリップ〜

美容モデル1:術前

50代女性:リップフリップで上唇に4カ所注射しました。

美容モデル1:2週後

リップフリップにはボリュームアップ効果があります。

美容モデル2:術前

50代女性:リップフリップで上唇に4カ所注射しました。

美容モデル2:2週後

リップフリップには鼻下を短く見せる効果があります。

美容モデル3:術前

50代女性:リップフリップで上唇に4カ所注射しました。

美容モデル3:2週後

リップフリップには上唇を立体化する効果があります。




もっと詳しくボツリヌス療法を知りたい方へ

ボツリヌス療法の歴史


発見と初期の研究

1895年、ベルギーの微生物学者Emile Pierre-Marie van Ermengemがボツリヌス菌を発見しました。
1920年代、米国のHerman Sommerが純化されたボツリヌス毒素タイプAを分離することに成功しました。

医療応用への道

1970年代、科学者たちがサルの斜視治療実験中に、偶然にもシワが減少する効果を発見しました。
1989年、米国食品医薬品局(FDA)が眼瞼痙攣と斜視の治療薬としてボツリヌス毒素を初めて承認しました。

美容目的での使用

1989年、リチャード・クラークとクレイグ・シンビリスが美容目的でのボツリヌス毒素使用について初めて報告しました。
2002年、FDAが眉間のシワ治療薬としてボトックスを承認しました。

適応拡大と発展

1990年代から2000年代にかけて、頸部ジストニア、多汗症、片頭痛など様々な疾患への適応が承認されていきました。
近年では、短い間隔での投与や新しい製剤開発など、治療法の改良が進んでいます。


ボツリヌス毒素は、かつては食中毒の原因として恐れられていましたが、現在では多くの疾患の治療に有益な薬剤として広く使用されるようになりました。今後もさらなる適応拡大や製剤改良が期待されています。



ゼオミンの作用メカニズム



神経伝達物質の放出阻害

ボツリヌストキシン(ゼオミン)の最も重要な作用機序は、神経終末からのアセチルコリンの放出を阻害することです。これは以下のプロセスで起こります:

⚪️神経終末への侵入:ボツリヌストキシン(ゼオミン)は神経終末に選択的に結合し、細胞内に取り込まれます。
⚪️SNARE複合体の分解:トキシン(ゼオミン)は神経終末内で、シナプス小胞の開口放出に必要なSNARE(Soluble N-ethylmaleimide-sensitive factor Attachment protein REceptor)複合体のタンパク質を分解します。
⚪️アセチルコリン放出の阻害:SNARE複合体の機能が阻害されることで、神経伝達物質であるアセチルコリンの放出が妨げられます。


筋肉の弛緩

アセチルコリンの放出が阻害されることで、以下の効果が生じます:
⚪️ 神経筋接合部での信号伝達が遮断されます。
⚪️筋肉への刺激が減少し、結果として筋肉の収縮が抑制されます。
⚪️注射部位の筋肉が弛緩状態となります。


長期的な効果

ボツリヌストキシン(ゼオミン)の効果は一時的ですが、比較的長期間持続します:
⚪️効果は通常、注射後3〜6ヶ月間持続します。
⚪️ 神経終末が徐々に回復し、新しいSNARE複合体が形成されることで、効果は徐々に減弱します。


治療応用

ボツリヌストキシン(ゼオミン)の作用機序を利用して、以下のような治療に応用されています:
⚪️ 眼瞼痙攣や斜頸などの局所的な筋肉の過剰な収縮を伴う疾患
⚪️ 美容目的での顔のしわの改善
⚪️過度の発汗(多汗症)の治療
⚪️慢性偏頭痛の予防

ボツリヌストキシン(ゼオミン)の作用機序は、神経伝達物質の放出を特異的に阻害することで筋肉の弛緩をもたらし、これにより様々な治療効果を発揮します。



ボツリヌス療法と美容医療


ボツリヌス療法が美容目的で初めて使用されたのは1989年です。

具体的には以下のような経緯がありました:

・1989年、カリフォルニア大学デービス校のリチャード・クラークとクレイグ・シンビリスが、美容目的でのボツリヌス毒素使用について初めて報告しました。

・彼らは52歳の女性患者の前頭筋や皺眉筋などにボツリヌス毒素を注入し、額や眉間のシワの改善に成功しました。
・この症例報告は1988年1月に形成外科学会に提出され、ボツリヌス毒素の美容目的での使用に関する最初の文献となりました。
・その後、1992年1月にCarruthers and Carruthersが眉間のしわ改善に関する報告を発表するなど、美容目的での使用に関する研究報告が相次ぎました。


このように、1989年の報告が美容目的でのボツリヌス療法の始まりとされており、その後急速に研究と臨床応用が進んでいったことがわかります。

ボツリヌス療法が美容目的で使用されるようになった背景

 

・偶然の発見: 眼瞼痙攣や斜視などの治療でボツリヌス毒素を使用していた際に、患者の顔のシワが改善されるという副次的効果が観察されました。
・低侵襲な治療法の需要: 従来のシワ治療は外科的手術が中心でしたが、ダウンタイムやリスクが大きいという問題がありました。ボツリヌス療法は注射だけで効果が得られる低侵襲な治療法として注目されました。
・表情ジワへの効果: ボツリヌス毒素の筋肉弛緩作用が、表情筋の動きによって生じるシワの改善に効果的であることが分かりました。
・安全性の確立: 医療用途での使用実績により、適切な使用法での安全性が確認されていました。


これらの要因が重なり、ボツリヌス療法が美容医療の分野で注目され、広く使用されるようになったのです。効果的で低侵襲な治療法として、お客様のニーズに応える選択肢となりました。

 



ボツリヌス療法の適応の拡大


ボツリヌス療法の適応は近年大きく拡大しており、以下のような疾患や症状に対して適用されるようになっています:



神経筋疾患

眼瞼痙攣

片側顔面痙攣
痙性斜頸
上肢・下肢の痙縮
脳卒中後遺症
脊髄損傷
脳性麻痺
局所性ジストニア


泌尿器科領域
過活動膀胱
神経因性膀胱


皮膚科領域

重度の原発性腋窩多汗症


その他

斜視
慢性片頭痛
唾液分泌過多


2020年4月には過活動膀胱に対するボツリヌス療法が保険適用となり、泌尿器科領域での使用が可能になりました。

また、脳卒中後や脊髄損傷、脳性麻痺による上肢・下肢の痙縮に対しても2010年から保険適用となっており、リハビリテーション分野での使用が広がっています。

ボツリヌス療法は世界90カ国以上で認可されており、今後もさらに適応拡大が期待される治療法と言えます。

 




よくいただくご質問

Q

ダウンタイム、リスク・副作用について

A

1)内出血
2)違和感
3)表情の変化
4)アレルギー(まれ)
5)効かない(まれ)

注入後数日して効果が出始めると、たとえば額を治療したときには、まぶたの重みなど違和感を覚えることがあります。また表情の左右差や表情がなくなるなど、表情の変化が問題になることがあります。

Q

ゼオミンはなぜ「耐性」を生じにくいのですか?

A

ボツリヌス療法では、ボツリヌス菌の毒素から作られる生物製剤を使用しますが、多くの製剤では神経毒のみではなく、菌体などのタンパク質も含んでいます。

ゼオミンでは神経毒のみで、他のタンパク質を除去することで、中和抗体が産生されることを防いでいます。

Q

ゼオミンの作用機序は?

A

ゼオミンは神経の伝達をブロックすることで筋肉の動きを抑制します。

目尻の笑いジワで説明すると、シワの原因は眼輪筋の収縮ですが、神経からの指令で収縮します。実際には神経の末端から神経伝達物質が放出され、それが眼輪筋に作用して指令が伝達されます。ゼオミンは神経伝達物質の放出を阻害して神経からの指令を遮断することができます。

Q

表情が変わることはありますか?

A

ボツリヌス療法は施術直後には効果を確認することができません。そのためお客様から前回はどうだったかお聞きして注入する部位、量を調整する必要があります。

ボツリヌス療法は、お客様と医師で作り上げていく施術です。表情が変わったとか、違和感が続いたとかありましたらお伝え下さい。

Q

同日に2か所以上注入することは可能ですか? また、他の治療と同日に受けられますか?

A

同日に2カ所以上に注入する事は可能です。

また、他の治療と一緒に受けることもできます。あらかじめお伝えいただければ、スムーズにご案内できます。




ゼオミンのエビデンス〜Xへの投稿から〜

 

    •  ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(1)
      典型的な症状は、同じ効果を出すのに使う製剤の量が増えたり、間隔が短くなったりすることだが、見過ごされやすく、問題が過小認識されている。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月4日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(2)
      これまでの報告例では、耐性を生じているのはボツリヌス療法を受けている患者の0.3~27.6%。高い数値はジストニア(1.3~27.6%)、痙縮(0.3~13.3%)など神経系疾患に対してボツリヌス療法を受けている場合。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月5日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(3)
      これまでの報告をまとめると製剤別の耐性率は
      ボトックス 0.3~5.6%
      ディスポート 0~13.3%
      ゼオミン 0~1.1%
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月6日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(4)
      一種類の製剤でしか施術を受けていない人での耐性率は
      ボトックス 0.6%
      ディスポート 5.3%
      ゼオミン 0%
      Plast Reconstr Surg Glob Open.

      2022;10(6):e4407 (2022年11月7日) 
    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(5)
      従来、美容施術での使用量は、脳神経系疾患での使用量と比べ少なく、美容での使用では、中和抗体が作られることは疑問視されてきた。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月8日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(6)
      美容での使用でも、長期間にわたり使われれば蓄積量として多くなること、多量に使う美容施術が増えてきていることから、耐性の問題が懸念される。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月9日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(7)
      皮膚内に注入する施術(マイクロトキシンなど)が増えているが、皮膚内への注入は筋肉内への注入に比べ、免疫系を刺激しやすい(中和抗体を作り耐性を生じやすい)とされる。

      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月10日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(8)
      美容目的でボツリヌス療法を受けた人で、耐性につながる中和抗体を持つのは0.2~0.4%。

      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月11日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(9)
      美容目的での使用で耐性を生じたと報告されている13例を分析すると、いずれも受けていた製剤はボトックスないしディスポートで、3例では耐性を生じてからゼオミンにスイッチされていた。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月12日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(10)
      美容目的での使用で耐性を生じたと報告されている13例を分析すると耐性が生じるまでの治療期間は、2〜72ヶ月。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月13日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(11)
      美容目的、脳神経疾患目的を問わず、ゼオミン(incobotlinumtoxinA)の単独使用では、耐性が生じたとする報告はない。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月14日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(12)

      FDA承認製剤のうちボトックス、ディスポートは神経毒に関連したタンパク質や菌体のタンパク質も含むが、ゼオミンは神経毒のみで、他のタンパク質を含まない。

      (補足:それが中和抗体ができるのを防いでいるとされる。)

      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月15日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(13)
      ボツリヌス製剤の有効成分である神経毒は人体にとって異物であるが、抗体産生に至るまで免疫系を刺激しない。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月16日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(14)
      ボトックス、ディスポートに含まれる神経毒に関連したタンパク質は、治療効果には関係しないが、中和抗体を免疫系を刺激して、中和抗体を産生させる。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月17日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(15)
      耐性が生じるリスクは
      製剤に余分なタンパクが含まれていないか
      使用量
      治療回数・間隔
      で決まる。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月18日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(16)
      美容目的のボトックス使用で耐性が生じた場合、のちにボトックスが適応となる神経疾患などを発症した時にボトックスが使えなくなる。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月19日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(17)
      美容目的であっても、若い時からさまざまにボツリヌス療法を受けていると、将来的に耐性を生じるリスクは高まる。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月20日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(18)
      耐性を防ぐには、高度に精製された製剤を使い、できるだけ投与量を少なくして、適切に治療間隔を保つことが役立つかもしれない。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月21日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(19)
      投与量が多くなることが予想されるなら、最初から高度に精製され、中和抗体を作りにくい製剤を選択するのがいいかもしれない。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407  (2022年11月22日)

 




参考文献

1) Emerging trends in botulinum neurotoxin A resistance: An international multidisciplinary review and consensus
Plast Reconstr Surg Glob Open
Wilson W S Ho, et al.
2022;10(6):e4407

2) Immunogenicity associated with aesthetic botulinumtoxin A: A survey of asia-pacific physician’s experiences and recommendations
Plast Reconstr Surg Glob Open
Je-Young Park, et al.
2022;10(4):e4217

3) Immunogenicity of botulinum toxin formulations: potential therapeutic implications
Adv Ther
Warner Q Carr, et al.
2021;38:5046-5064

4) Neurotoxin impurities: A review of threats to efficacy
Plast Reconstr Surg Glob Open
Je-Young Park, et al.
2020;8(1):e2627