制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2026年1月18日)
1分でわかる糸の選び方
「頬〜輪郭」を上げたい
タイトニング系の糸で、肌質・小じわ・軽いたるみを“じわっと”底上げ
肌のハリ・影を整えたい
タイトニング系の糸で、肌質・小じわ・軽いたるみを“じわっと”底上げ
ほうれい線や口元(マリオネットライン)にはスキャフォールド、ロワーフェイスやミドルフェイスでタイトニングや小ジワの改善を目指すにはショッピングスレッドをおすすめします。
糸の効果を高める施術
ヒアルロン酸
併用例
◉糸リフト+ヒアルロン酸(頬のボリュームアップ)
◉糸リフト+ヒアルロン酸(輪郭形成)
◉スキャフォールド+ヒアルロン酸(リフトアップ)
糸の施術にヒアルロン酸を組み合わせることで、さらに若々しいボリューム感、なだらかな輪郭を目指すことができます。
サーマクール / ハイフ(ウルトラフォーマー)
スキンボトックス / スキンボトックスリフト
併用例
◉糸リフト+スキンボトックス (「位置(引き上げ)」と「皮膚(引き締め)」)
◉糸リフト+スキンボトックスリフト(たるみ治療の相乗効果)
スキンボトックスには皮膚のタイトニング効果、スキンボトックスリフトにはロワーフェイスのリフトアップ効果が期待できます。
トゲつき糸を使った糸リフト
「たるみ」の再配置
◉糸リフトとは、皮膚の下(皮下組織)に医療用の糸を入れて、加齢で下がってきた組織(たるみ)を本来あるべき位置へ“再配置”する治療です。
◉たるみは皮膚だけの問題ではなく、内側の脂肪や靭帯の支えがゆるむことで起こります。糸リフトはこの「位置のずれ」に働きかけ、頬〜フェイスラインのもたつき、ほうれい線や口元の“影”を目立ちにくくします。
◉皮膚を切らずに行えるため、手術は避けたいけれど変化はほしい方に選ばれています。糸の種類や本数、引き上げ方向は状態に合わせて調整し、自然な仕上がりを目指します。
※効果には個人差があり、適応は診察で判断します。
なぜ糸でリフトアップする??
1
たるみを引き上げてから、トゲ付きの糸を通します。
2
Aの方向に糸を引っ張ろうとすると、B側のトゲが抜けないように抵抗します。
3
逆にBの方向に糸を引っ張ると、今度はA側のトゲが抜けないように抵抗します。
結局どちらにも糸が動けなくなり、「たるみ」は位置を変えて固定されたことになります。あとは皮膚の外に出ている糸を切ってしまえば完了です。
糸リフトでできること・できないこと
糸リフトは、下がってきた皮下組織を「本来の位置へ再配置」して、輪郭や口元の影を整える治療です。一方で、万能ではなく“得意・不得意”があります。
糸リフトでできること
✅頬〜フェイスラインのもたつきを引き上げ、輪郭をすっきり見せる
✅ほうれい線・口元の「しわ」よりも“影”を薄く見せる(再配置による見え方の改善)
✅手術(切開)を避けることができる
✅糸の種類や本数を調整して、自然な仕上がりを狙える
糸リフトでできないこと(限界)
☑️皮膚の余りが強い・たるみが重い場合に、糸だけで大きく改善しきること
☑️深いしわ・刻まれた溝を「完全に消す」こと(影は軽くできても限界あり)
☑️体重変動や加齢の進行そのものを止めること
☑️だれでも同じ効果を保証すること(骨格・脂肪量・皮膚の質で差があります)
※効果には個人差があります。適応や必要本数は診察した上でご提案します。
糸リフトはこんな方に
- 1.フェイスラインのもたつきが気になってきた
- 2.頬が下がって、顔が四角く見える・輪郭がぼやけて見える
- 3.ほうれい線や口元の“しわ”というより「影」が濃くなったと感じる
- 4.マリオネットライン(口元のたるみ)が気になる
- 5.できるだけ切らずに、自然なリフトアップを目指したい
- 6.HIFUやサーマクールだけでは物足りず糸の治療も検討したい
- 7.できるだけ切らずに、自然なリフトアップを目指したい
- 8.自分の骨格やたるみ方に合わせてオーダーメイドの糸リフトを受けたい
トゲなし糸はタイトニング
◉ショッピングスレッドやスキャフォールドなどの「トゲなし糸(コグのない糸)」は、強く引き上げるための糸ではなく、皮膚の浅い層に細い糸を入れて“肌を内側から支える”発想の治療です。
◉ハリ・引き締め、キメ、小じわ、口元やほうれい線の「影」をなめらかに見せたい方に向きます。
◉変化は比較的自然で、少しずつ整っていくのが特徴です。
◉大きなたるみには糸リフト(引き上げ系)との併用を検討します。
※効果には個人差があります。
トゲなし糸でできること・できないこと
トゲなし糸(ショッピングスレッド/スキャフォールドなど)は、強く“引き上げる”糸ではなく、皮膚の浅い層に糸を入れて内側から支え、肌の質感や影を整える治療です。
できること
✅肌のハリ・引き締め感を高め、軽いたるみを“すっきり見せる”
✅キメの乱れや小じわをなめらかに見せる(肌質改善のサポート)
✅ほうれい線・口元などの「しわ」を目立たなく見せる(支えによる見え方の改善)
✅大きく変えずに、自然な若々しさを積み重ねたい方に向く
✅引き上げ系の糸リフトや照射治療(HIFU/RF)と組み合わせて底上げできる
できないこと(限界)
☑️頬〜フェイスラインをしっかり引き上げる(リフトアップの主役にはなりにくい)
☑️皮膚の余りが強い・たるみが重いケースを、糸だけで大きく改善する
☑️深く刻まれた溝を「完全に消す」
☑️だれでも同じ効果を保証する(皮膚の厚み・たるみ・生活習慣で差があります)
※効果には個人差があります。適応や必要本数などは診察した上でご提案します。
トゲなし糸はこんな方に
- 1.小ジワ・キメの乱れをなめらかに整えたい
- 2.ほうれい線や口元のマリオネットラインが気になる
- 3.肌のハリ不足やゆるみ感(軽いたるみ)が気になってきた
- 4.大切な予定に向けて、ナチュラルに肌印象を上げたい(※ダウンタイムの余裕がある方)
- 5.強いリフトアップよりも、自然に若々しく見せたい
- 6.HIFUやサーマクールの効果を、もう一段底上げしたい(併用を考えている)
- 7.いきなり大きく変えるのは不安で、段階的に整える治療が合っている
よくいただくご質問
糸リフトはいつ頃から始まったのですか?
糸リフト(スレッドリフト)の歴史の主なポイントは以下の通りです:
◉90年代後半:ロシアの形成外科医Sulamanidzeらが、非吸収性の有棘糸(アプトスAPTOS)を開発し、初めて顔の引き上げに使用。
◉2000年代前半:WuがWOFFLES thread、IsseがEndo Progressive Face Lift Sutureなど、様々なタイプの非吸収性糸が開発される。
◉2000年代半ば:ContourThreadsやSilhouette Liftなど、FDA承認を受けた製品が登場。
◉2010年代:ポリジオキサノン(PDO)などの吸収性糸を素材とする製品が開発され普及。
◉2015年頃から:より持続性の吸収性糸(PLGA、PCLなど)が登場。
◉現在:さまざまな形状・素材の糸が開発され、単独または他の施術と組み合わせて幅広く使用されている。
このように、初期の非吸収性糸から、よりトラブルの少ない吸収性糸へと進化してきた歴史があります。現在も新しい糸の開発や手技の改良が続いています。
糸リフトのリフトアップ・メカニズムは?
糸リフトによるリフトアップの主なメカニズムは以下の通りです:
物理的な引き上げ効果:
糸に付いた逆棘や円錐状の構造が皮下組織に引っかかり、挿入時の張力で組織を持ち上げます。
糸の両端を固定することで、たるんだ組織を支える足場となります。
組織反応による効果:
異物反応により、糸の周囲に線維芽細胞が集まり、コラーゲンやエラスチンの産生が促進されます。
これにより皮膚の弾力性が向上し、長期的なリフトアップ効果が得られます。
体積効果:
挿入された糸自体の体積や、その周囲に形成される線維性被膜が、わずかながら組織にボリュームを与えます。
組織のリモデリング:
糸の刺激により、周囲の組織が再構築され、より引き締まった状態に変化します。
血流改善:
糸の挿入により局所の血流が改善され、皮膚の質感や色調が向上することがあります。
吸収性糸の場合の追加効果:
糸が徐々に分解される過程で、さらなる組織刺激や再生効果が得られます。
これらの効果が複合的に作用し、即時的および長期的なリフトアップ効果をもたらします。ただし、効果の程度や持続期間は、使用する糸の種類や挿入技術、患者の皮膚の状態などによって異なります。
糸リフトのリスクは?
糸リフトの主な合併症には以下のようなものがあります:
1 一時的な合併症:
⚪︎腫れ、痛み、赤み(多くの場合数日で軽快)
⚪︎皮下出血、打撲(1-2週間程度で消失)
⚪︎違和感、つっぱり感
2 可視性の問題:
⚪︎糸の透見(特に薄い皮膚の場合)
⚪︎皮膚の凹凸や非対称性
⚪︎ディンプリング(皮膚のくぼみ)
3 触知性の問題:
⚪︎糸の触知(皮膚表面から糸が触れる)
⚪︎結び目や糸端の突出感
4 感染関連:
⚪︎局所感染
⚪︎肉芽腫形成
5 神経関連:
⚪︎一時的な感覚鈍麻や異常感覚
⚪︎まれに顔面神経麻痺(通常一過性)
6 糸の問題:
⚪︎糸の移動や露出
⚪︎糸の破断
⚪︎非吸収性糸の場合、長期的な異物反応
7 効果に関する問題:
⚪︎不十分なリフトアップ効果
⚪︎非対称的な結果
⚪︎過剰な引き上げによる不自然な表情
8 その他:
⚪︎アレルギー反応(まれ)
⚪︎瘢痕形成(特にケロイド体質の場合)
⚪︎色素沈着
これらの合併症の多くは一時的で、適切な処置により改善します。しかし、重大な合併症を防ぐためには、経験豊富な医師による施術や術後のケアが重要です。また、施術を受ける方も術前の十分な理解、術後の指示遵守が必要です。
施術時の痛みはありますか?麻酔は使用しますか?
⚪️施術時の痛みを最小限に抑えるため、針の刺入部や糸が通る経路に局所麻酔を使用します。
⚪️痛みに敏感な方も安心して施術を受けられるよう配慮しています。
他の施術との併用は可能ですか?
⚪️ヒアルロン酸注入やボトックスとの併用により、より効果的な若返りが期待できます。
⚪️施術の順序や間隔については、カウンセリングでご相談ください。
施術後の注意事項はありますか?
⚫️施術当日は飲酒・運動・サウナをお控えください
⚫️施術部位への強い圧迫やマッサージは1ヶ月程度お控えください
⚫️大きく口を開ける動作は2週間程度控えめにして下さい
⚫️腫れや痛みが続く場合は、ご連絡ください
糸はレントゲンやMRIに写ったりしますか?
写りません。たとえ検査するとしても申告する必要もありません。



