たるみには厳しく、顔には優しい糸リフト
ボブリフト(VOV Lift Premium)は、PCL(ポリカプロラクトン)という素材で作られた溶ける糸を使った、切らないたるみ治療です。皮膚の下に挿入した糸についている「コグ」と呼ばれる棘がたるんだ組織に引っ掛かり、皮膚ごと引き上げることでリフトアップ効果をもたらします。
ボブリフトの大きな特徴は、従来の糸リフトよりも効果の持続期間が長いこと。PCLは従来の糸と比べて分解速度が遅く、吸収されるまでにおよそ約2年間かかると言われています。PCLは体内で加水分解され、最終的に水と二酸化炭素に分解される安全性の高い素材です。
その他、ボブリフトには以下のような特徴があります。
⚪️自然な仕上がり: PCLは柔軟性があるため、自然なリフトアップ効果が期待できます。
⚪️痛みが少ない: 糸自体が柔らかく、コグの先端も丸みを帯びているため、挿入時の痛みを軽減されています。
⚪️ダウンタイムが短い: 腫れや内出血などの症状が少なく、施術後すぐにメイクも可能です。
⚪️コラーゲン生成促進効果: PCLは体内で分解される過程でコラーゲン生成を促進し、肌のハリや弾力アップも期待できます。
ボブリフトは、頬や口元のたるみ、フェイスラインのリフトアップ、老け顔の改善などに効果が期待できます。
ボブリフトは安全性の高い施術ですが、効果や持続期間には個人差があります。また、腫れや痛み、内出血などのリスクもあるため、施術を受ける前に医師とよくご相談下さい。
*本施術は、厚生労働省未承認の医療材料を使用したもので、また自由診療に基づき全額自己負担になります。
オリジナル美容モデル
1-施術前
60代女性
頬のたるみを気にされていたので、VOVリフト・ミドルを行いました。
1-施術後1.5ヶ月
頬がしっかりリフトアップしたので、ロワーフェイスまで軽くなりました。
2-前
50代女性
口元のたるみを気にされていました。
2-施術1ヶ月後
ボブリフト・ミドル施行
口元のたるみが軽くなり、頬が引き締まりました。
2-施術前
60代女性
とくに頬のたるみを気にされていました。
2-施術直後
施術直後でも、日常生活、社会生活に支障が出ないように仕上げています。
院長コラム 〜もうガッカリさせない糸リフト〜
たるみが気になるけど、切る施術はイヤ!きっとあなたもそうではありませんか?
私が美容医療に入ってもう20年以上になりますが、切らない美容医療の需要は高まるばかり。切らないたるみ治療として糸リフトが果たすべき役割も当然大きい。
現状の糸リフトで乗り越えなければならない大きな課題が持続力。
VOVリフトは、糸の素材に分解に時間のかかる(*1)PCL(ポリカプロラクトン)を使うことで、長い持続力を誇ります。
PCL(ポリカプロラクトン)は、ヒアルロン酸より長期持続のフィラー製剤として使われたり、コラーゲンブースターとして美肌治療に使われたり、美容医療的にはよく知られた素材です。
これまで糸の素材としてはPDO(PDS)に限っていたため、導入を見送ってきましたが、PCL(ポリカプロラクトン)であれば、これまでも取り扱っており、今回導入に踏み切りました。
VOVリフトは、テスリフトと共に人気を二分する糸リフト。人気の理由をぜひ実感して下さい。
*1:生体内で分解吸収されるのに、およそ2年程度かかるとされています。
もっと詳しくボブリフト
ボブリフト 〜PCL〜
ボブリフトは、ポリカプロラクトン(PCL)を素材に使用した糸リフトで、顔のたるみを効果的に引き上げる施術です。
安全性
糸の素材であるPCLは、FDAやCEマークの認証を受けており、その安全性が高く評価されています。この素材は、体内に入るとPDOやPLLAよりも時間をかけて加水分解されるため、持続的な効果が期待できます。PCLは柔軟性と持続性に優れた特性を持ちますが、この素材は、加水分解によって100%体内で分解されるため、身体に蓄積することがなく無害です。このため施術後の安全性が高まり、安心して治療を受けることができます。
ボブリフト 〜痛みの少ないリフトアップ〜
⚪︎リフトは、施術中や施術後の痛み、違和感が少ないことで知られています。これはボブリフトで使用される糸は、トゲの先端が丸みを帯びていることが貢献しています。施術を受けた方の多くは「施術前の麻酔注射の方が痛かった」と感じるほどです。痛みの少なさはボブリフトの大きな魅力の一つです。
⚪︎ボブリフトのダウンタイムは通常は1週間程度。施術後には軽い腫れや内出血が見られることがありますが、これらの症状は徐々に改善されます。ボブリフトは糸の挿入によるダメージが少ないため、従来の糸リフトに比べてダウンタイムが短いのが特徴です。これにより通常の日常生活に早く戻ることが可能です。
⚪︎ボブリフトでは、糸とトゲが一体化した独自の形状を持つことが特徴です。この糸設計により、糸が皮膚にしっかりと引っかかり、安定したリフトアップ効果を発揮します。さらに、PCL素材を使用しているため、強度と柔軟性を兼ね備え、施術後の肌に強い刺激は与えません。このような特徴的な技術により、ボブリフトは他の糸リフトと一線を画しています。
こんな方におすすめ
- 1.切らないたるみ治療を希望する方
ボブリフトは糸を挿入する治療なので皮膚を切開する必要がありません。
- 2.自然な仕上がりを希望する方
ボブリフトで使用されているPCL(ポリカプロラクトン)という素材は、従来の糸のリフトに比べ柔軟性があり、自然な引き上げ効果が期待できます。
- 3.ダウンタイムが短い治療を希望する方
ボブリフトは、切らない治療なので腫れや痛みが少なく、針穴も目立ちません。
- 4.効果の持続期間が長い治療を希望する方
ボブリフトは、新素材の糸で吸収される期間が長く続きます。具体的には、PCLは従来のリフト糸と比較して吸収される期間が長く、痛みの少なさや牽引力にも優れています。
- 5.異物感が少ない治療を希望する方
ボブリフトで使用される糸は、コグの角が丸められていて、材料が柔軟です。
*施術を受ける前に、医師に自分の状態や希望する効果、リスクなどを相談し、ボブリフトが適切な施術かどうかを判断してもらうことが重要です。
施術について
施術について
施術時間 : 60分程度
麻 酔 : なし
術後診察 : なし
注意事項
入浴・洗髪 : 当日から可能
洗顔・化粧 : 当日から可能
飲酒・運動 : 翌日から可能
治療スケジュール
効果を維持するために、1〜2年ごとに続けることをおすすめします。
施術を受けられない方
- 1.妊娠・授乳中の方
施術手順
1 カウンセリング・洗顔
2 マーキング・麻酔
糸の挿入デザインを決定してマーキングします。針の刺入部を麻酔します。
*麻酔でも鈍針を使い内出血のリスクを低減しています。
3ボブリフト挿入
トゲトゲ状の糸がたるみを捉えてリフトアップ効果をもたらします。
4 施術終了後
当日の運動、飲酒はお控え下さい。
気になる事があれば、お気軽にご相談下さい。
価格表
ボブリフト(VOV lift) | 価格(税込) |
---|---|
ミドル(8本) 頬のたるみに |
220,000円 |
トータル(14本) 頬・フェイスラインのたるみに |
308,000円 |
■麻酔料 3,850円別途
*本施術は、自由診療に基づき全額自己負担になります。
糸リフトについて
糸リフトの歴史
糸リフト(スレッドリフト)の歴史の主なポイントは以下の通りです:
⚫️90年代後半:ロシアの形成外科医Sulamanidzeらが、非吸収性の有棘糸(APTOS)を開発し、初めて顔の引き上げに使用。
⚫️2000年代前半:WuがWOFFLES thread、IsseがEndo Progressive Face Lift Sutureなど、様々なタイプの非吸収性糸が開発される。
⚫️2000年代半ば:ContourThreadsやSilhouette Liftなど、FDA承認を受けた製品が登場。
⚫️2009年頃:非吸収性糸の合併症が問題視され、FDAがContourThreadsの承認を取り消し。
⚫️2010年代:ポリジオキサノン(PDO)などの吸収性糸が開発され普及。安全性が向上。
⚫️2015年頃から:より進化した吸収性糸(PLGA、PCLなど)が登場。効果の持続性や組織刺激性が向上。
⚫️現在:さまざまな形状・素材の糸が開発され、単独または他の施術と組み合わせて幅広く使用されている。
このように、初期の非吸収性糸から、より安全で効果的な吸収性糸へと進化してきた歴史があります。現在も新しい糸の開発や手技の改良が続いています。
はじめての糸リフト「アプトス」はこうして誕生
1980年代後半、ロシアのマルレン・スラマニゼ医師は、侵襲的な外科的フェイスリフトに代わる、最小侵襲の顔のリフトアップ治療の研究を開始しました。
⚪︎初期の実験では、眉毛を持ち上げるためにシルク糸を使用しましたが、効果は限定的でした。
しかし、これが組織全体を把持できる突起やバーブ(逆棘)付きの糸を作るアイデアにつながりました。
⚪︎1998年、最初の一方向性バーブを持つAPTOS(アンチプトーシス)糸が、創傷縫合用に導入されました。
当初のAPTOS糸は小切開が必要でしたが、これは双方向性バーブを持つ無針糸に進化し、ガイド針を使用して切開なしで挿入できるようになりました。
⚪︎2002年、1本の糸が2本の針に取り付けられた新しいデザインが作られ、1回の穿刺で挿入できるようになりました。これがAPTOS Threadとして知られるようになりました。
さらなる改良版には以下のものがあります:
APTOS Needle(2003年) - 両端針に滑らかな糸を取り付けたもの
APTOS Needle 2G(2005年) - 2本の両端針にバーブ付き糸を取り付けたもの
APTOS Springs(2003年) - 筋肉の動きが活発な部位用の弾性糸
これらの技術と糸のデザインは、解剖学的考慮と結果の経験に基づいて、時間とともに改良されていきました。
要約すると、APTOSは1980年代後半の基本的な縫合糸から始まり、2000年代初頭までにより洗練されたバーブ付きおよび弾性糸システムへと進化しました。スラマニゼ医師と同僚による反復的なデザイン改良を通じて発展し、従来の手術に代わる最小侵襲の顔面リフティング方法の開発につながりました。
糸リフトのリフトアップ・メカニズム
糸リフトによるリフトアップの主なメカニズムは以下の通りです:
物理的な引き上げ効果:
糸に付いた逆棘や円錐状の構造が皮下組織に引っかかり、挿入時の張力で組織を持ち上げます。
糸の両端を固定することで、たるんだ組織を支える足場となります。
組織反応による効果:
異物反応により、糸の周囲に線維芽細胞が集まり、コラーゲンやエラスチンの産生が促進されます。
これにより皮膚の弾力性が向上し、長期的なリフトアップ効果が得られます。
体積効果:
挿入された糸自体の体積や、その周囲に形成される線維性被膜が、わずかながら組織にボリュームを与えます。
組織のリモデリング:
糸の刺激により、周囲の組織が再構築され、より引き締まった状態に変化します。
血流改善:
糸の挿入により局所の血流が改善され、皮膚の質感や色調が向上することがあります。
吸収性糸の場合の追加効果:
糸が徐々に分解される過程で、さらなる組織刺激や再生効果が得られます。
これらの効果が複合的に作用し、即時的および長期的なリフトアップ効果をもたらします。ただし、効果の程度や持続期間は、使用する糸の種類や挿入技術、患者の皮膚の状態などによって異なります。
糸リフトはこんな方に
糸リフトは以下のような人に適していると考えられます:
1 軽度から中程度の皮膚のたるみがある人:
⚪︎顔の輪郭がぼやけ始めている
⚪︎頬や顎のラインにわずかな下垂がある
2 30代後半から50代の比較的若い年齢層:
⚪︎肌の弾力性がまだある程度保たれている
3 手術に抵抗がある人:
⚪︎大がかりな手術を避けたい
⚪︎ダウンタイムが短い施術を希望する
4 自然な仕上がりを望む人:
⚪︎劇的な変化ではなく、さりげない若返りを希望する
5 フェイスリフト手術の前段階として検討している人:
⚪︎より侵襲的な手術の前に効果を試してみたい
6 以前のフェイスリフト効果を維持したい人:
⚪︎手術後の経過年数とともに効果が薄れてきた場合
7 局所的な改善を希望する人:
⚪︎眉毛、ほうれい線、顎線など特定の部位の引き上げを望む
8 肌質が比較的厚い人:
⚪︎糸が目立ちにくく、良好な結果が得られやすい
9 健康状態が良好で、大きな基礎疾患がない人
ただし、以下のような人には適していない可能性があります:
⚫️極度の皮膚のたるみがある
⚫️非常に薄い皮膚の人
⚫️出血傾向がある
⚫️自己免疫疾患がある
⚫️妊娠中や授乳中の女性
⚫️ケロイドになりやすい体質の人
個々の状況や希望する結果によって適応は異なるため、医師との詳細な相談が重要です。
糸リフトのリスク
糸リフトの主な合併症には以下のようなものがあります:
1 一時的な合併症:
⚪︎腫れ、痛み、赤み(多くの場合数日で軽快)
⚪︎皮下出血、打撲(1-2週間程度で消失)
⚪︎違和感、つっぱり感
2 可視性の問題:
⚪︎糸の透見(特に薄い皮膚の場合)
⚪︎皮膚の凹凸や非対称性
⚪︎ディンプリング(皮膚のくぼみ)
3 触知性の問題:
⚪︎糸の触知(皮膚表面から糸が触れる)
⚪︎結び目や糸端の突出感
4 感染関連:
⚪︎局所感染
⚪︎肉芽腫形成
5 神経関連:
⚪︎一時的な感覚鈍麻や異常感覚
⚪︎まれに顔面神経麻痺(通常一過性)
6 糸の問題:
⚪︎糸の移動や露出
⚪︎糸の破断
⚪︎非吸収性糸の場合、長期的な異物反応
7 効果に関する問題:
⚪︎不十分なリフトアップ効果
⚪︎非対称的な結果
⚪︎過剰な引き上げによる不自然な表情
8 その他:
⚪︎アレルギー反応(まれ)
⚪︎瘢痕形成(特にケロイド体質の場合)
⚪︎色素沈着
これらの合併症の多くは一時的で、適切な処置により改善します。しかし、重大な合併症を防ぐためには、経験豊富な医師による施術や術後のケアが重要です。また、施術を受ける方も術前の十分な理解、術後の指示遵守が必要です。
よくいただくご質問
ダウンタイム、リスクについて
ボブリフトには以下のような合併症が起こる可能性があります。
⚫️腫れ
⚫️痛み
⚫️内出血
⚫️感染
⚫️血腫
⚫️ひきつれ
⚫️硬化、しこり
⚫️異物感
⚫️糸の露出
⚫️糸刺入部位の凹凸
⚫️麻痺、感覚低下など神経障害
これらの合併症は多くの場合、一時的なものであり、時間の経過とともに改善します。 しかし、症状が長引いたり、悪化したりする場合は、医師にご相談下さい。 また、糸が組織で固定されるまでおよそ1ヶ月間は顔のマッサージはお控え下さい。
ボブリフトは比較的安全な施術とされていますが、合併症のリスクをゼロにすることはできません。施術を受ける前に、医師から合併症のリスクや注意点について説明を受けて下さい。
ボブリフトで使用する糸にはどんな特徴がありますか?
ボブリフトの糸は、棘がプレス成型で作られているため、しっかりと確実なリフトアップ力をもたらします。また糸の棘が丸いことが、違和感が少ないことにつながっています。
ヒアルロン酸やボトックス治療と併用できますか?
ボトックス治療は部位にかかわらず同時に受けていただけます。ヒアルロン酸注入もボブリフトの施術部位と重ならなければOKです。
使用する糸について
長年美容医療では広く使われているPCL(ポリカプロラクトン)製の細い糸です。
厚生労働省未承認の医療材料ですが、国内の代理店を通じて、医師が個人的に正式な手続きを経て輸入しています。国内には同等の承認された糸付き針はありません。諸外国において、医療材料に起因する重篤な副作用の報告はありません。