レチナール(Retinal)とは?
「レチノールは知っているけれど、レチナールって何?」....そんな疑問をお持ちの方が増えています。
レチナール(レチナールデヒド / Retinaldehyde / RAL)は、ビタミンA(レチノイド)の一種で、エイジングケアの成分として知られる「レチノール」の一歩先を行く成分です。近年、美容皮膚科の領域で注目を集めています。
このページでは、レチナールとは何か、なぜレチノールよりも注目されているのかを、美容皮膚科医の立場からわかりやすく解説します。
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レチナールの基本情報
| 正式名称 | レチナールデヒド(Retinaldehyde) |
|---|---|
| 略称 | レチナール(Retinal)/ RAL |
| 分類 | ビタミンA誘導体(レチノイド)の一種 |
| 化学的な位置づけ | レチノールが酵素(レチノールデヒドロゲナーゼ)によって酸化された中間体 |
| 化粧品への配合 | 可能(トレチノインと異なり、医師の処方箋が不要) |
レチナールは、私たちの肌の中でビタミンAが働くための「変換経路」において、最終的に肌に作用する「レチノイン酸(トレチノイン)」の一歩手前に位置する成分です。このポジションが、レチナールの最大の特徴です。
ビタミンA誘導体の変換経路....肌の中で何が起きているのか?
ビタミンA誘導体は、肌に塗っただけでは効果を発揮しません。皮膚細胞の中で段階的に「活性型」へと変換されてはじめて、コラーゲン産生促進やターンオーバー促進といった効果が現れます。
肌に実際に作用するのは、この変換経路の最終形である「トレチノイン(レチノイン酸)」です。トレチノインが皮膚細胞の核内にあるレチノイン酸受容体(RAR)に結合することで、コラーゲン産生促進、細胞のターンオーバー促進、メラニン生成抑制などの美容効果が得られます。
なぜレチナールが注目されるのか?....「律速段階」の壁
この変換経路で最も重要なのが、「レチノール → レチナール」のステップです。このステップは「律速段階(ボトルネック)」と呼ばれ、変換が最も遅く進むポイントです。
わかりやすく言うと、工場の生産ラインで最も作業が遅い工程があると、そこで全体のスピードが決まってしまいます。レチノールからトレチノインへの変換では、「レチノール → レチナール」がまさにそのボトルネックです。
つまり、いくら高濃度のレチノールを肌に塗っても、この律速段階のせいで活性型(トレチノイン)になれる量には限りがあります。
レチナールは、この「律速段階」をバイパスして、活性型であるトレチノインにたった1ステップで変換されます。しかも、この最後のステップは不可逆反応であり、効率的にトレチノインを供給できるのです。
「レチノールの次のステップ」としてのレチナール
エイジングケア成分として広く知られているのは「レチノール」です。ドラッグストアで購入できる化粧品にも多く配合されており、「レチノール配合」という言葉を見たことがある方も多いでしょう。
しかし、レチノールには「効果を実感するまでに時間がかかる」、「濃度を上げると赤みや刺激が出やすい」という声も少なくありません。これは、レチノールが律速段階を含む2段階の変換を経なければならないことに起因しています。
レチナールは、いわば「レチノールの次のステップ」とも言える成分です。レチノールの美容効果を実感しながらも「もう少し効果がほしい」「もっと効率的にケアしたい」とお考えの方にとって、レチナールは非常に魅力的な選択肢です。
レチナールとレチノールの違いを徹底比較
レチナールとレチノールは、どちらもビタミンA誘導体(レチノイド)の一種ですが、その「効果の出方」には大きな違いがあります。「名前が似ているだけで同じものでは?」と思われがちですが、効果の強さ、刺激の程度、そして化粧品規制上の扱いまで、明確に異なります。
効果の強さの違い....レチナールは「ちょうどいい」ポジション
ビタミンA誘導体の効果の強さは、活性型であるトレチノインに近いほど強くなります。
レチナールは、レチノールよりも高い生理活性を持ちながら、トレチノインほどの刺激はないという「ちょうどいい」ポジションにあります。
「効果はしっかり実感したいけれど、肌への負担は抑えたい」という方に最適の選択肢です。
刺激性の違い――研究データが示すレチナールの優位性
レチナールはレチノールよりやや刺激性があるものの、トレチノインと比較すると副作用は明らかに少なく、それでいて同等の効果が期待できるとする報告もあります。
▼ 臨床研究データ
P Creidiらの研究(文献1→詳しくはこちら)
光老化肌の患者を対象に、レチナール0.05%クリームとトレチノイン0.05%クリームを比較した研究
• プロフィロメトリー評価で、両者のシワ改善効果は同等
• トレチノイン群では局所刺激(赤み・乾燥・皮むけ)の発生率が高く、レチナール群は副作用が有意に少ない
• レチナールは角化細胞の分化段階に応じてトレチノインに変換されるため、「コントロールされた供給」が実現するとした
レチナールだけの特徴....抗菌活性と脱色素作用
| アクネ菌への抗菌活性 | レチノール・レチナール・トレチノインの3種類を比較した実験で、アクネ菌(P. acnes)に対する有意な抗菌活性を示したのはレチナールのみでした。レチナールの側鏈にあるアルデヒド基がこの抗菌作用に関与していると考えられています。(文献2) |
|---|---|
| 脱色素作用 | レチナールにはメラニン生成を抑制する脱色素作用が報告されており、シミや色素沈着の改善が期待できます(文献3) |
*(文献2)、(文献3)について、詳しくはこちら
レチナールは、単に「レチノールの強化版」ではなく、独自の抗菌活性や脱色素作用を持つ、異なる特徴を持った成分なのです。ニキビが気になる方や、シミ・くすみの改善も同時に目指したい方にとって、レチナールは非常に魅力的な選択肢です。
化粧品規制の違い....「化粧品で使える最強のレチノイド」
レチナールとレチノールの違いを考えるうえで、意外と見落としがちなのが「化粧品規制」の観点です。
トレチノインは強力なレチノイドですが、その作用の強さから化粧品や医薬部外品への配合が認められておらず、日本では医師の処方箋が必要です。ドラッグストアや通販で購入することはできません。
レチナールは、化粧品として使用できるレチノイドの中で、最も効率的に活性型へ変換される成分です。つまり「化粧品で使える最強のレチノイド」と言えます。
レチナールアクティブ〜「化粧品で使える最強のレチノイド」〜
これまで見てきたように、レチナールは「効果」、「安全性」、「入手のしやすさ」のすべてにおいてバランスが良い成分です。そして、そのレチナールをクリニック品質で届けるのが「レチナールアクティブ(Retinal Active)」です。
レチナールアクティブとは?
⚪️レチナールアクティブは、ビタミンA誘導体(レチノイド)の一種である「レチナール(レチナールデヒド)」を配合した外用薬です。
⚪️ダーマペンを手がけるオーストラリアのDermapenWorld社がダーマペンの施術に活用できるように開発、製造しています。
レチナールアクティブのメリット
◎ 効率的なエイジングケア効果: レチノールよりも速やかに肌へ作用し、小じわやハリの低下、キメの乱れなど肌の老化症状を改善に導きます。
◎ 幅広い美肌効果: コラーゲン産生促進によるハリ感アップ、ターンオーバー促進による滑らかな肌触り、メラニン生成抑制によるシミ・くすみ改善、さらには毛穴・ニキビへのアプローチなど、多角的な効果が期待できます。
◎ ダーマペン治療との相乗効果: ダーマペン施術と組み合わせることで、有効成分の皮膚への浸透を促し、治療効果の増強が期待できます。
◎ 比較的マイルドな使用感: 処方薬のレチノイン酸と比較して、肌への刺激(レチノイド反応)が抑えることができます。
レチナールアクティブのデメリットとリスク
レチナールアクティブは多くのメリットを持つ一方で、いくつかの注意点も存在します。
⚫️ 初期の皮膚刺激(レチノイド反応): 使用開始初期に、赤み、乾燥、皮むけ、ひりつきなどの反応が出ることがあります。通常は徐々に慣れていきますが、症状が強い場合は医師にご相談ください。
⚫️ 紫外線対策の徹底: 使用期間中は肌が紫外線に対して敏感になるため、日中の日焼け止め(SPF30以上推奨)の使用が必須です。
⚫️ コスト: 美容目的の治療となるため、自由診療(全額自己負担)となります。
⚫️ 専門的な知識が必要: 効果的な使用法や副作用への対処には、医師による適切な指導が不可欠です。
当院のレチナールアクティブ治療の特徴
◉港区浜松町・大門エリアに位置する当院は、都内でも指折りのレチノイド療法(外用剤、施術)を積極的に行っているクリニックです。
◉レチナールアクティブをはじめ、様々なレチノイド治療の選択肢をご用意し、患者様一人ひとりのお肌の状態やライフスタイルに合わせた最適な治療プランをご提案いたします。
港区および近隣地域の皆様に安心して先進的なエイジングケアを受けていただけるよう、以下の点にこだわっています。
◯ 丁寧なカウンセリングと指導: 患者様のお悩みやご希望を詳しく伺い、レチナールアクティブの適切な使用方法、期待される効果、注意点、レチノイド反応が出た場合の対処法などを丁寧に説明します。
◯ 多様な治療法の組み合わせ提案: レチナールアクティブ単独での使用はもちろん、ダーマペンなどの施術との効果的な組み合わせ治療もご提案可能です。
まとめ:安心・安全を第一に、理想の仕上がりをサポート
▶︎ 港区でレチナールアクティブによる本格的なエイジングケアをご検討なら、ぜひ当院にご相談ください。
▶︎ 当院は、都内でも有数のレチノイド療法実績を持つクリニックとして、レチナールアクティブを含む多様な選択肢の中から、専門知識と経験に基づき、患者様に最適な治療をご提案します。
▶︎ 小じわ、ハリ不足、シミ、くすみ、毛穴、ニキビ跡など、様々なお肌のお悩みに対応可能です。
▶︎ 浜松町・大門・芝公園エリアで、安心・安全に配慮した丁寧な治療をご希望の方は、ぜひ一度カウンセリングにお越しください。
▶︎ 皆様に「満足の笑顔」をお届けするために、スタッフ一同、心をこめてサポートいたします。
**お知らせ**
当院は2003年に自由が丘から港区浜松町(最寄駅:JR/東京モノレール 浜松町駅、都営浅草線/大江戸線 大門駅、都営三田線 芝公園駅)に移転して診療しています。
オリジナル美容モデル
*効果には個人差があり、同様の効果を保証するものではありません
使用前
50代女性
肌の質感の向上を目指しました。
レチナール使用中
肌が滑らかになったことを実感されています。
医療広告ガイドライン・限定解除要件
◉通常必要となる治療内容:レチナールアクティブを1日2回顔に塗布します。
◉レチナールアクティブはオーストラリアのDermapenWorld社が開発・製造しています。
◉標準的な費用:15,400円
*レチナールアクティブ1個の費用+初診料
◉標準的な治療期間:ホームケアとして、エイジングケアとして継続的に使用していただきます。
◉デメリット・リスク・副作用:
赤み、ほてり感、ヒリヒリ感、腫れ、かゆみ、皮むけ、乾燥
*使用開始初期に、レチノイド反応として赤み、乾燥、皮むけ、ひりつきなどの反応が出ることがあります。
◉レチナールアクティブが肌に合わない場合、過敏症、アレルギー症状が現れることがあります。
◉以下に該当する方は、レチナールアクティブは使用できません。ご不明な点があれば必ず事前に医師にご相談下さい。
●妊娠中・授乳中の方
●皮膚疾患をお持ちの方
こんな方におすすめ
レチナールは多くの人に適していますが、特に以下のような特徴や悩みを持つ人に効果的です:
1. 年齢に関連する肌の悩みがある人:
⚪️ シワやたるみが気になる中年以上の人
⚪️ 初期の老化サインが現れ始めた30代以降の人
2. 日光による肌ダメージがある人:
⚪️ 光老化の兆候(シミ、そばかす、肌のざらつき)がある人
⚪️ 日焼けによる肌ダメージを改善したい人
3. ニキビができやすい肌質の人:
⚪️ 大人にきびに悩む人
⚪️ にきびの跡や毛穴の開きが気になる人
4. 不均一な肌トーンや色素沈着がある人:
⚪️ メラニンの過剰生成によるシミやくすみがある人
⚪️ 肌の色ムラを改善したい人
5. 長期的なスキンケアを考えている人:
⚪️ 即効性よりも、継続的で安定した効果を求める人
ただし、非常に敏感な肌、アレルギー体質、特定の皮膚疾患がある場合は、使用前に医師に相談して下さい。
レチナールアクティブの使い方
レチナールアクティブは、正しい使い方をすることで効果を最大限に引き出すことができます。ここでは、当院がおすすめする基本的な使用方法と、肌への刺激を抑えるためのコツを解説します。
Step1
夜洗顔後、水分を拭き取ったら、レチナールアクティブを1〜2プッシュ分取り、お顔全体に塗布します。
*首、デコルテにもお使いいただけます。
Step2
10分ほどしてから、いつも通りのスキンケア(化粧水・美容液・保湿クリームなど)を行って下さい。
*1か月間問題なく使えたら、朝晛1日2回の使用に切り替えましょう。
皮膚刺激(A反応)の抑え方
レチナールはトレチノインと比較して刺激が少ないことが臨床研究で示されていますが、肌質によっては反応が出る場合があります。
レチナールでは、
1)夜1回の使用から始めます
2)刺激症状が出るようなら、通常の1プッシュではなく、軽いプッシュで少量にとどめ、肌が慣れてきたら1~2プッシュへと増やしましょう
3)通常レチナールは洗顔後最初に塗りますが、レチナールアクティブを塗る前に、保湿クリームを薄く塗っておくことで刺激を緩和できます。これを「バッファリング法」と呼びます。肌が慣れてきたら、洗顔後すぐに直接塗布する方法に切り替えましょう。
▶このほか一般的なA反応対策についての詳しい解説はレチノイド療法総合ページをご覧下さい。
価格表
| 価格(税込) | |
|---|---|
| レチナールアクティブ(50ml) | 12,100円 |
レチナールを使用した施術
その他のレチノイド療法
レチナールが持つアンチエイジング効果の医学的検証
年齢とともに気になりやすい小ジワ、肌のざらつき、ハリの低下、くすみなどに対して、改善をサポートする可能性が報告されています。
とくに、紫外線の影響を受けて進む光老化に対して、さまざまな研究が行われています。
光老化した肌を全体的に改善する可能性
肌のハリやなめらかさを支える「構造」に働きかける可能性
レチナールは、見た目の変化だけでなく、皮膚の構造面にも良い影響を与える可能性があります。
◉まず、1〜3か月の塗布試験では、表皮の厚みが増えることが確認されており、肌をすこやかに保つ方向への変化が示されています(文献5→詳しくはこちら)。
◉また、0.05%レチナールを1年間使用した研究では、表皮だけでなく真皮の厚みも増える傾向が示されました(文献6→詳しくはこちら)。加えて、皮膚の弾力性の向上や、加齢とともに増えやすい“たるみやすさ”を示す硬さの低下も報告されています(文献6→詳しくはこちら)。
こうした変化の背景には、コラーゲンや弾性線維といった、肌のハリを支える成分の状態改善が関わっている可能性があります。
◉実際、ヒト皮膚モデルを用いた研究では、0.05%レチナールが紫外線で傷んだコラーゲンや弾性線維の修復を促し、コラーゲン産生を高めることが示されています(文献7→詳しくはこちら)。
くすみや色むらの改善に役立つ可能性
バリア機能やうるおい状態を整える可能性
◉レチナール使用後には、経表皮水分蒸散量(TEWL)の低下と皮膚水分量の増加が報告されています(文献4→詳しくはこちら)。
これは、単に見た目だけでなく、肌のバリア機能や保湿状態の改善につながる可能性を示す所見です。年齢とともに乾燥しやすくなった肌を、より健やかな状態へ導く一助になることが期待されます。
よくいただくご質問
レチナールとは何ですか?
⚪️レチナール(Retinaldehyde、RAL)は、ビタミンA(レチノール)の自然な代謝物であり、強力な生物学的活性を持つトレチノインの直接の前駆体です。
⚪️レチノールは、皮膚のケラチノサイトによってレチナールに、そしてさらにトレチノインへと2段階の酵素反応で変換されます。
⚪️このため、レチナールはレチノイド類の中でも特に、肌への刺激を抑えながらレチノイン酸の多様な効果を届けるための重要な成分として注目されています。
なぜレチナールが肌に良いとされているのですか?
⚪️レチナールが肌に良いとされるのは、主にそれが肌細胞内で生物学的に活性なトレチノインに変換されるためです。
⚪️この変換プロセスは、レチノールからトレチノインへの変換における律速段階をバイパスするため、より制御された形でレチノイドの効果を肌に届けることが可能になります。
⚪️その結果、レチナールはトレチノインが引き起こす可能性のある強い刺激を抑えつつ、トレチノインが持つ多様な美容効果を発揮します。
レチノールとレチナール、トレチノインの違いは何ですか?
これらは全てビタミンA誘導体(レチノイド)の仲間ですが、肌の中での変換経路と活性・刺激の度合いが異なります。
◉レチノール(Retinol, ROL): ビタミンAの主要な形態で、比較的穏やかな作用を持ちます。
◉レチナール(Retinaldehyde, RAL): レチノールが皮膚の酵素によって変換された中間体です。トレチノインへの変換ステップをバイパスできるため、効果的でありながら刺激が少ないとされています。
◉トレチノイン(Retinoic Acid, RA): 最も生物学的に活性が高い形態で、核内レチノイド受容体に直接結合して遺伝子発現を調節し、肌に多様な効果をもたらします。しかし、その強力な作用ゆえに刺激を感じやすいという特徴があります。
肌の弾力性やハリに対するレチナールの効果は?
⚪️レチナールは、肌の弾力性やハリの改善に寄与します。1年間の使用で、レチナールは肌の弾力性を有意に向上させ、肌の硬さを有意に減少させる傾向を示しました(文献a)。
⚪️これらの効果は、コラーゲンや弾性線維ネットワークなど、肌のしなやかさと弾力性に関わる構造の質や密度の回復によるものと考えられています(文献a)。
【参考文献】
a) Efficacy of topical 0.05% retinaldehyde in skin aging by ultrasound and rheological techniques
S Diridollou, et al.
Dermatology
1999:199 Suppl 1:37-41
レチナールは肌のターンオーバーを促進しますか?
⚪️はい、レチナールは肌のターンオーバーを促進する効果が期待できます。
⚪️レチナールは、表皮の厚みを増加させ、BrdU陽性細胞(DNA合成を示す細胞)を増加させることが示されています(文献b)。
【参考文献】
b) Biological activities of topical retinaldehyde
L Didierjean, et al.
Dermatology
1999:199 Suppl 1:19-24
レチナールは光老化肌のシワや粗さを改善しますか?
⚪️はい、レチナールは光老化によって生じるシワや肌の粗さの改善に効果的です。
⚪️0.05%レチナールクリームを用いた研究では、18週後と44週後の時点で、シワや粗さといった光老化の進んだ肌の特徴が有意に減少したことが確認されています(文献c)。
【参考文献】
c) Profilometric evaluation of photodamage after topical retinaldehyde and retinoic acid treatment
P Creidi, et al.
J Am Acad Dermatol
1998;39(6):960-5
レチナールは色素沈着(シミやくすみ)に効果がありますか?
⚪️はい、レチナールは色素沈着の軽減にも効果を示す可能性が報告されています。
⚪️培養メラノサイトを用いた研究では、レチナールがメラニン含量を減少させ、メラニン合成酵素であるチロシナーゼの活性を阻害することが示されています(文献d)。
【参考文献】
d) The potential depigmenting activity of retinaldehyde
O Sorg, et al.
Dermatology
2013;227(3):231-7
ニキビ(尋常性ざ瘡)治療におけるレチナールの役割は?
⚪️レチナールは、ニキビ治療において重要な役割を果たす可能性があります。
⚪️レチノイドは一般的に、異常な角化の正常化、コメド形成の抑制、炎症経路の阻害によりニキビを改善します。
⚪️レチナールもこれらの作用を持つほか、抗菌活性も報告されています(文献e)。
【参考文献】
e) Pharmacology of RALGA, a mixture of retinaldehyde and glycolic acid
Christian Tran, et al.
Dermatology
2005:210 Suppl 1:6-13
レチナールはニキビの原因菌に直接作用しますか?
⚪️はい、レチナールはニキビの原因菌であるアクネ菌(Propionibacterium acnes)に対して抗菌活性を持つことが示されています(文献f)。
⚪️レチノールやトレチノインにはこの作用は見られないため、レチナール特有の特性とされています(文献f)。
【参考文献】
f) Topical retinaldehyde on human skin: biologic effects and tolerance
J H Saurat, et al.
J Invest Dermatol
1994;103(6):770-4
トレチノインと比較して、レチナールは肌への刺激が少ないですか?
⚪️はい、レチナールはトレチノインと比較して肌への刺激が少ないことが複数の研究で示されています。
⚪️0.5%レチナールでも70%の被験者が耐容可能であり、0.1%および0.05%の調製物ではさらに耐容性が良好でした(文献g)。
⚪️光老化肌を対象とした比較研究では、レチナールが全体的に耐容性が高く、レチノイン酸に比べて局所的な刺激が少なかったため、患者の治療継続率(コンプライアンス)にも良い影響を与えました(文献h)。
【参考文献】
g) Topical retinaldehyde on human skin: biologic effects and tolerance
J H Saurat, et al.
J Invest Dermatol
1994;103(6):770-4
h) Profilometric evaluation of photodamage after topical retinaldehyde and retinoic acid treatment
P Creidi, et al.
J Am Acad Dermatol
1998;39(6):960-5
レチナールは長期使用しても安全ですか?
⚪️はい、レチナールは長期使用においても良好な耐容性を示すことが報告されています。
⚪️0.05%レチナール製剤は、炎症性皮膚疾患の患者の顔面皮膚に最長3年間の長期使用が可能でした(文献i)。
【参考文献】
i) Topical retinaldehyde on human skin: biologic effects and tolerance
J H Saurat, et al.
J Invest Dermatol
1994;103(6):770-4
レチナールは体に吸収され、全身に影響を及ぼしますか?
⚪️局所的に塗布されたレチナールは、検出可能なレベルで全身に吸収されることはないと考えられています。
⚪️健康な男性ボランティアに大量のレチナールを局所塗布した研究では、血漿中のレチノイド代謝物濃度に検出可能な変化は見られず、レチナール自体も血漿中から検出されませんでした(文献j)。
⚪️これは、塗布されたレチナールの大部分が皮膚内で貯蔵形態(レチニルエステル)に変換され、全身に循環する前に皮膚内に留まるためと考えられています。
【参考文献】
j) Plasma retinoids after topical use of retinaldehyde on human skin
J O Sass, et al.
Skin Pharmacol
1996;9(5):322-6
レチナールとグリコール酸の併用はどのようなメリットがありますか?
◉レチナールとグリコール酸(Glycolic Acid、GA)を組み合わせることで、レチノイドの生物学的活性をさらに高めることができます。
⚪️グリコール酸の存在は、レチナールの皮膚への浸透性を高め、結果として活性代謝物であるトレチノインの皮膚内での濃度を上昇させます(文献k)。
⚪️レチナール単独と比較して、グリコール酸との併用製剤(RALGA)は、表皮と真皮でトレチノインの量が5倍も多く供給されることが示されています(文献k)。
⚪️これにより、高濃度のレチノイン酸を皮膚に供給できる一方で、トレチノインで観察される副作用を予防できる可能性があります(文献k)。
【参考文献】
k) Pharmacology of RALGA, a mixture of retinaldehyde and glycolic acid
Christian Tran, et al.
Dermatology
2005:210 Suppl 1:6-13
レチナールはレーザー治療の効果を高めますか?
⚪️はい、レチナールは非アブレイティブレーザーによる皮膚の再構築(リモデリング)の効果を増強することが示されています(文献l)。
⚪️0.05%レチナールをレーザー治療と併用することで、真皮の厚みの増加が促進されることが超音波画像診断で確認されました(文献l)。
⚪️これは、レーザー治療単独よりもレチナールとの併用の方が真皮の厚みの増加率が有意に高かったという結果から支持されています(文献l)。
【参考文献】
l) Ultrasound imaging demonstration of the improvement of non-ablative laser remodeling by concomitant daily topical application of 0.05% retinaldehyde
Serge Mordon, et al.
J Cosmet Laser Ther
2004;6(1):5-9
レチナール配合製品を使用する際の注意点は?
レチナールは比較的刺激が少ないとされていますが、使用時には以下の点に注意することで、より快適に効果を実感できます。
◉日中の紫外線対策: レチナール使用中は肌が敏感になる可能性があるため、日中はSPF値の高い日焼け止めを使用し、紫外線から肌を保護することが重要です。
◉初期の軽度な刺激: 使用開始初期に、軽度のヒリヒリ感、赤み、乾燥、皮むけなどの刺激症状が現れることがありますが、これらは一時的なもので、通常数週間で治まります。症状が続く場合は、使用頻度を減らすなど調整してください。
◉保湿ケア: 乾燥を感じる場合は、保湿クリームを併用し、肌のバリア機能をサポートすることが推奨されます。
◉妊娠中・授乳中の方: レチノイドは一般的に妊娠中・授乳中の使用が推奨されていません。該当される場合は、必ず医師にご相談ください。
◉他の薬剤との併用: 他の角質ケア製品や刺激の強い薬剤との併用は、刺激を増強する可能性があるため、医師にご相談ください。
レチナールアクティブの製品情報
◉ レチナールアクティブは国内未承認製剤(医薬品・医薬部外品としての承認なし)です。
◉ 院長が、国内正規代理店である株式会社PRSSを通じて個人輸入しています。
◉ 同一成分・濃度・性能を有する国内承認医薬品・医薬部外品はありません。
◉ 万が一重篤な副作用が生じた場合、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
◉副作用・リスク
●塗布部位の赤み・刺激感
●乾燥やつっぱり感、軽度の皮むけ
●一過性の色素沈着または色素脱失
●そう痒感(かゆみ)・接触皮膚炎
●日光過敏症(使用中は紫外線対策が必須)
●アレルギー反応
●稀に感染・炎症の悪化
●妊娠中・授乳中の使用は推奨されません
◉安全性に関する情報
DermapenWorld公式サイト上では、レチナールアクティブに関する重大な副作用報告は掲載されていません(2025年7月現在)。
※スキンケア効果を最大限引き出すために、医師の指導のもと適切な用量・頻度をお守りください。
レチナールのエビデンス
これまでのX(旧Twitter)への投稿を集めました
- 100歳まで美肌を保つ法~レチナール(46)~
塗布されたレチナールは表皮細胞によって大部分はレチノール、レチニルエステルに、一部がトレチノインに変換される。
Dermatol Ther.
2006;19:289-29 (2022年1月30日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチナール(47)~
トレチノインで刺激反応が生じるのは、皮膚の中でトレチノインが非生理的な量(普通ありえない量)に達するからかも。トレチノインの前駆体レチナールを使うことで刺激を軽減できる。
Dermatolgy
1999;199(supple 1):1-2 (2022年1月31日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチナール(48)~
レチノール→レチナール→トレチノイン
この変化の中で一番時間がかかる(律速段階)のはレチノール→レチナール。レチナールを使うことで、ここをスキップできる。
Dermatolgy
1999;199(supple 1):13-17 (2022年2月1日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチナール(49)~
レチナール→トレチノインと変換させる酵素は、まさに効果が発揮される成長途中の表皮細胞にのみ存在するので、効率よく成分が浸透すると言える。
Dermatolgy
1999;199(supple 1):13-17 (2022年2月2日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチナール(50)~
レチナール自体はレチノイド受容体には結合しない。皮膚への作用は、トレチノインに変換されてからなので、効果は質的にトレチノインと同じといえる。
Dermatolgy
1999;199(supple 1):13-17 (2022年2月3日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチナール(51)~
マウスの実験だが、レチナールを塗ると表皮細胞にある受容体を飽和させるのに十分なトレチノインに変換されることが示された。
Dermatolgy
1999;199(supple 1):13-17 (2022年2月4日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチナール(52)~
マウスの実験だが、レチナールを塗って変換されるトレチノイン濃度は、直接塗ったときよりはるかに低く、そのため刺激反応が抑えられている可能性がある。
Dermatolgy
1999;199(supple 1):13-17 (2022年2月5日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチナール(53)~
レチナールを塗ったとき、その作用は皮膚にとどまり、14日間の塗布で血液中のレチノイドの濃度に変化はなかった。
(補足:全身には影響を及ぼさない。)
Dermatolgy
1999;199(supple 1):13-17 (2022年2月6日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチナール(54)~
レチナールには、他のレチノイドにはない抗菌作用がある。
(補足:トレチノインに変換されて皮膚へ作用するのとは別の独自作用。)
Dermatology
2013;227:231-237 (2022年2月7日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチナール(55)~
レチナールには、他のレチノイドにはない美白作用がある。これは色素細胞への細胞毒性を伴わない。
(補足:この細胞毒性を伴わない美白作用というのは、白斑を作るリスクがない点でポイントが高い。)
Dermatology
2013;227:231-237 (2022年2月8日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチナール(56)~
韓国女性を対象にしたレチナールの最新臨床試験(3ヶ月)。1ヶ月で保湿効果が現れた。
(補足:保湿目的のレチノイドは盲点になりやすい。ターンオーバーを促進させれば、バリア機能は改善する。)
J Cosmet Dermatol.
2018;17:471-476 (2022年2月9日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチナール(57)~
韓国女性を対象にしたレチナールの最新臨床試験(3ヶ月)。保湿、バリア機能改善の他に効果が大きかったのが、滑らかさの改善。小ジワへの効果はわずか。
(補足:試験期間が3ヶ月では、効果は表皮まで。)
J Cosmet Dermatol.
2018;17:471-476 (2022年2月10日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチナール(58)~
韓国女性を対象にしたレチナールの最新臨床試験(3ヶ月)。保湿、バリア機能、滑らかさ、小ジワの改善に、0.1%と0.05%のレチナールの使用で差はなかった。
(補足:コスメは0.05%が多い。)
J Cosmet Dermatol.
2018;17:471-476 (2022年2月11日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチナール(60)~
レチナールの最新臨床試験(3ヶ月)。0.1%と0.05%のレチノールの使用で、メラニン減少効果に差があったが、皮膚の明るさの評価は同等。
(補足:水分量やバリア機能なども影響していると推測している。)
J Cosmet Dermatol.
2018;17:471-476 (2022年2月13日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチナール(61)~
マウスの実験だが、レチナール(0.1%)をグリコール酸(6.4%)を同時に塗ると、皮膚で転換されるトレチノインの濃度が大きく上昇し、それはトレチノイン0.5%を直接塗布したときよりもはるかに高かった。
Dermatology
2005;210(suppl 1):6-13 (2022年2月14日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチナール(62)~
マウスの実験だが、レチナールを塗布するとき、グリコール酸も同時に使うとレチナールの浸透性を高めることができ、結果的に皮膚で転換されるトレチノイン濃度が高まった。
Dermatology
2005;210(suppl 1):6-13 (2022年2月15日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチナール(63)~
マウスの実験だが、レチナール(0.1%)をグリコール酸(6.4%)を同時に塗ったとき、顕微鏡検査では、皮脂腺の縮小効果も認めれた。
Dermatology
2005;210(suppl 1):6-13 (2022年2月16日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチナール(64)~
レチナールにはアクネ菌への抗菌作用があり、それはグリコール酸を併用しても失われないため、薬剤抵抗性が問題になっている現状では、レチナールとグリコール酸の併用はニキビ治療に有用といえる。
Dermatology
2005;210(suppl 1):6-13 (2022年2月17日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチナール(65)~
レーザーとレチナールの併用
ノンアブレイティブなレーザー治療後にレチナールの外用を続けると、レチナールを使わないコントロールより皮膚がより厚くなった。
J Cosmet Laser Ther
2004;6:5-9 (2022年2月18日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチナール(66)~
レーザーとレチナールの併用
アブレイティブなレーザー治療(リサーフェシング)後にレチナールの外用を使うと、治療後に生じる赤みからの回復が早かった。
J Cosmet Laser Ther
2004;6:5-9 (2022年2月19日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチナール(67)~
レチナールとビタミンE
紫外線を照射したとき、レチナール(0.05%)単独よりもレチナールとビタミンEを塗布したときの方が、はるかに紫外線による活性酸素の発生を抑制し、またコラーゲンの増生も促した。
Int J Tissue React
2005;27(3):91-99 (2022年2月20日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチナール(68)~
229人の試験で、0.5%レチナールは、0.1%トレチノインと同等な効果。さらにレチナールの長期間の組織学的検証を含めた試験が必要。
(補足:レチナールの効果はトレチノインの5分の1程度か。)
Plast Reconstr Surg.
2014;133(4):481e-490e (2022年2月21日)
- 100歳まで美肌を保つ法~レチナール(69)~
135人による10ヶ月の試験で、0.05%レチナールは、0.05%トレチノインと同等な効果を示し、刺激反応が少ないため、長く続けられる人が多かった。
(補足:皮膚科トップジャーナルのレチナール推しの文献。)
J Am Acad Dermatol
1998;39(6):960-965 (2022年2月22日)
参考文献
1) Profilometric evaluation of photodamage after topical retinaldehyde and retinoic acid treatment
P Creidi, et al.
J Am Acad Dermatol
1998;39(6):960-5
2) The antibacterial activity of topical retinoids: the case of retinaldehyde
M Pechère, et al.
Dermatology
2002;205(2):153-8
3) Retinoids in cosmeceuticals
Olivier Sorg , et al.
Dermatol Ther
2006 Sep-Oct;19(5):289-96
4) Efficacy and safety of retinaldehyde 0.1% and 0.05% creams used to treat photoaged skin: A randomized double-blind controlled trial
Hyuck Sun Kwon, et al.
J Cosmet Dermatol
2018;17(3):471-476
5) Topical retinaldehyde on human skin: biologic effects and tolerance
J H Saurat, et al.
J Invest Dermatol
1994;103(6):770-4
6)Efficacy of topical 0.05% retinaldehyde in skin aging by ultrasound and rheological techniques
S Diridollou, et al.
Dermatology
1999:199 Suppl 1:37-41
7) Comparative study of the anti-aging effect of retinaldehyde alone or associated with pretocopheryl in a surviving human skin model submitted to ultraviolet A and B irradiation
S Boisnic, et al.
Int J Tissue React
2005;27(3):91-9
8) The potential depigmenting activity of retinaldehyde
O Sorg, et al.
Dermatology
2013;227(3):231-7
9) Why Topical Retinoids Are Mainstay of Therapy for Acne
James Leyden, et al.
Dermatol Ther (Heidelb)
2017;7(3):293-304
制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2026年3月20日)



