制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2025年7月13日)
レチナールで上質な年齢不詳肌
「年齢とともに増える小じわやハリ不足が気になる」、「紫外線によるシミやくすみを改善したい」、「肌のキメや質感を向上させたい」とお考えの方に、「レチナールアクティブ」をお勧めします。
レチナールアクティブとは?
⚪️レチナールアクティブは、ビタミンA誘導体(レチノイド)の一種である「レチナール(レチナールデヒド)」を配合した外用薬です。
⚪️ダーマペンを手がけるオーストラリアのDermapenWorld社がダーマペンの施術に活用できるように開発、製造しています。
レチナールアクティブのメリット
◎ 効率的なエイジングケア効果: レチノールよりも速やかに肌へ作用し、小じわやハリの低下、キメの乱れなど肌の老化症状を改善に導きます。
◎ 幅広い美肌効果: コラーゲン産生促進によるハリ感アップ、ターンオーバー促進による滑らかな肌触り、メラニン生成抑制によるシミ・くすみ改善、さらには毛穴・ニキビへのアプローチなど、多角的な効果が期待できます。
◎ ダーマペン治療との相乗効果: ダーマペン施術と組み合わせることで、有効成分の皮膚への浸透を促し、治療効果の増強が期待できます。
◎ 比較的マイルドな使用感: 処方薬のレチノイン酸と比較して、肌への刺激(レチノイド反応)が抑えることができます。
レチナールアクティブのデメリットとリスク
レチナールアクティブは多くのメリットを持つ一方で、いくつかの注意点も存在します。
⚫️ 初期の皮膚刺激(レチノイド反応): 使用開始初期に、赤み、乾燥、皮むけ、ひりつきなどの反応が出ることがあります。通常は徐々に慣れていきますが、症状が強い場合は医師にご相談ください。
⚫️ 紫外線対策の徹底: 使用期間中は肌が紫外線に対して敏感になるため、日中の日焼け止め(SPF30以上推奨)の使用が必須です。
⚫️ コスト: 美容目的の治療となるため、自由診療(全額自己負担)となります。
⚫️ 専門的な知識が必要: 効果的な使用法や副作用への対処には、医師による適切な指導が不可欠です。
当院のレチナールアクティブ治療の特徴
◉港区浜松町・大門エリアに位置する当院は、都内でも指折りのレチノイド療法(外用剤、施術)を積極的に行っているクリニックです。
◉レチナールアクティブをはじめ、様々なレチノイド治療の選択肢をご用意し、患者様一人ひとりのお肌の状態やライフスタイルに合わせた最適な治療プランをご提案いたします。
港区および近隣地域の皆様に安心して先進的なエイジングケアを受けていただけるよう、以下の点にこだわっています。
◯ 丁寧なカウンセリングと指導: 患者様のお悩みやご希望を詳しく伺い、レチナールアクティブの適切な使用方法、期待される効果、注意点、レチノイド反応が出た場合の対処法などを丁寧に説明します。
◯ 多様な治療法の組み合わせ提案: レチナールアクティブ単独での使用はもちろん、ダーマペンなどの施術との効果的な組み合わせ治療もご提案可能です。
まとめ:安心・安全を第一に、理想の仕上がりをサポート
▶︎ 港区でレチナールアクティブによる本格的なエイジングケアをご検討なら、ぜひ当院にご相談ください。
▶︎ 当院は、都内でも有数のレチノイド療法実績を持つクリニックとして、レチナールアクティブを含む多様な選択肢の中から、専門知識と経験に基づき、患者様に最適な治療をご提案します。
▶︎ 小じわ、ハリ不足、シミ、くすみ、毛穴、ニキビ跡など、様々なお肌のお悩みに対応可能です。
▶︎ 浜松町・大門・芝公園エリアで、安心・安全に配慮した丁寧な治療をご希望の方は、ぜひ一度カウンセリングにお越しください。
▶︎ 皆様に「満足の笑顔」をお届けするために、スタッフ一同、心をこめてサポートいたします。
**お知らせ**
当院は2003年に自由が丘から港区浜松町(最寄駅:JR/東京モノレール 浜松町駅、都営浅草線/大江戸線 大門駅、都営三田線 芝公園駅)に移転して診療しています。
オリジナル美容モデル
使用前
50代女性
肌の質感の向上を目指しました。
レチナール使用中
肌が滑らかになったことを実感されています。
医療広告ガイドライン・限定解除要件
◉通常必要となる治療内容:レチナールアクティブを1日2回顔に塗布します。
◉レチナールアクティブはオーストラリアのDermapenWorld社が開発・製造しています。
◉標準的な費用:15,400円
*レチナールアクティブ1個の費用+初診料
◉標準的な治療期間:ホームケアとして、エイジングケアとして継続的に使用していただきます。
◉デメリット・リスク・副作用:
赤み、ほてり感、ヒリヒリ感、腫れ、かゆみ、皮むけ、乾燥
*使用開始初期に、レチノイド反応として赤み、乾燥、皮むけ、ひりつきなどの反応が出ることがあります。
◉レチナールアクティブが肌に合わない場合、過敏症、アレルギー症状が現れることがあります。
◉以下に該当する方は、レチナールアクティブは使用できません。ご不明な点があれば必ず事前に医師にご相談下さい。
●妊娠中・授乳中の方
●皮膚疾患をお持ちの方
こんな方におすすめ
レチナールは多くの人に適していますが、特に以下のような特徴や悩みを持つ人に効果的です:
1. 年齢に関連する肌の悩みがある人:
⚪️ シワやたるみが気になる中年以上の人
⚪️ 初期の老化サインが現れ始めた30代以降の人
2. 日光による肌ダメージがある人:
⚪️ 光老化の兆候(シミ、そばかす、肌のざらつき)がある人
⚪️ 日焼けによる肌ダメージを改善したい人
3. ニキビができやすい肌質の人:
⚪️ 大人にきびに悩む人
⚪️ にきびの跡や毛穴の開きが気になる人
4. 不均一な肌トーンや色素沈着がある人:
⚪️ メラニンの過剰生成によるシミやくすみがある人
⚪️ 肌の色ムラを改善したい人
5. 長期的なスキンケアを考えている人:
⚪️ 即効性よりも、継続的で安定した効果を求める人
ただし、非常に敏感な肌、アレルギー体質、特定の皮膚疾患がある場合は、使用前に医師に相談して下さい。
レチナールアクティブの使い方
Step1
夜洗顔後、水分を拭き取ったら、レチナールアクティブを1〜2プッシュ分取り、お顔全体に塗布します。
*首、デコルテにもお使いいただけます。
Step2
10分ほどしてから、いつも通りのスキンケアをして下さい。
*1ヶ月問題なく使えたら、朝晩1日2回お使い下さい。
皮膚刺激の抑え方
レチナールの皮膚刺激を回避または最小限に抑えるためには、以下のような方法が効果的です:
1. 少量使用:
米粒大程度の少量から始め、過剰使用を避けます。
2. 段階的な使用頻度:
週1-2回の使用から始め、肌の反応を見ながら徐々に頻度を増やします。
3. バッファリング法:
レチナール製品を塗る前に、保湿クリームを薄く塗ることで刺激を緩和できます。
4. 敏感な部位を避ける:
目の周り、口の周り、鼻の周りなど敏感な部位には最初からは塗らないようにします。
5. 保湿の強化:
レチナール使用時は特に保湿を心がけ、肌のバリア機能を維持します。
6. 他の刺激物との併用を避ける:
AHAやBHAなどの他の刺激性成分との併用は避けます。
これらの方法を組み合わせることで、レチナールの効果を最大限に引き出しながら、皮膚刺激を最小限に抑えることができます。個人の肌質や状態に合わせて、最適な使用法を見つけることが重要です。
価格表
価格(税込) | |
---|---|
レチナールアクティブ(50ml) | 12,100円 |
レチナールを使用した施術
その他のレチノイド療法
レチナールの医学的検証
レチナールの臨床応用
レチナールの主な有用性は以下の通りです。
光老化皮膚の全体的な改善
⚪️顔の光老化皮膚の患者において、0.05%レチナールクリームは小じわの減少と肌の平坦化を示し、プラセボでは有意な変化は見られませんでした(文献1)。
⚪️0.05%レチナールクリームの3ヶ月間適用で、肌の粗さや小ジワが有意に改善しました(文献1)。
⚪️2018年の研究では、0.1%および0.05%レチナールクリームの3ヶ月間適用により、全体的な光老化が95%の患者で改善しました(文献2)。
○肌の質感を有意に改善し、小じわを軽減しました。
○患者および評価者による全体的な光老化の評価でも高い改善度が示されました。
皮膚の構造的改善
⚪️表皮の厚さの増加: 0.5%、0.1%、0.05%レチナールを1〜3ヶ月間適用したボランティアにおいて、用量依存的かつ有意な表皮の厚さの増加が観察されました。これは0.1%または0.05%RAの局所適用によって引き起こされる変化に類似しています(文献3)。
⚪️真皮の厚さの増加: 0.05%レチナールを1年間使用した研究では、表皮の厚さの増加に加え、真皮の厚さも増加する傾向が示されました(文献4)。
⚪️肌の弾力性とハリの向上: 0.05%レチナールの1年間の使用により、皮膚の弾力性の有意な増加と皮膚の硬さの減少が観察されました(文献4)。これは、皮膚の弾力性に関与する構造(コラーゲンや弾性線維ネットワーク)の質や密度の回復によるものと考えられています。
⚪️コラーゲンと弾性線維の修復: UVAおよびUVB照射を受けたヒト皮膚モデルにおいて、0.05%レチナールは、弾性線維とコラーゲンの損傷修復を促進し、コラーゲン合成を増加させました(文献5)。
色素沈着の改善
⚪️0.1%レチナールはメラニン指数を有意に改善しました(文献2)。
⚪️その脱色素効果は、メラニン細胞毒性とは関連しない、メラニン分解作用(メラノリシス)によるものと示唆されています(文献6)。
⚪️レチナールは、メラノソームのケラチノサイトへの転送を阻害し、表皮のターンオーバーを促進することで、色素沈着した病変を薄くする効果も示します(文献7)。
肌のバリア機能と水分保持の改善
⚪️経表皮水分蒸散量(TEWL)の減少と皮膚水分量の増加が観察されました。これは肌のバリア機能と保湿状態の改善を示唆しています(文献2)。
肌の忍容性(刺激の少なさ)
⚪️臨床試験では、0.05%レチナールは顔の光老化皮膚に対してRAと同程度の有効性を示しつつ、忍容性が非常に良好であることが確認されました(文献1)。
⚪️0.1%および0.05%レチナールは皮膚に刺激が少なく、炎症性皮膚疾患の人でも最長3年間まで長期使用が可能でした(文献3)。
これらの結果から、レチナールは光老化皮膚の多くの症状に対して有効かつ皮膚への刺激の少ない局所治療薬であることが示されています。
レチノールとレチナール 〜 一字違いが大違い 〜
レチナール(RAL)とレチノール(ROL)は、いずれもビタミンAの誘導体であり、皮膚に塗布されることでさまざまな生物学的効果を発揮します。両者は生体内での代謝経路と、それによる効果や忍容性に違いがあります。
レチノールからレチナールへ、そしてトレチノインへ:
⚪️ビタミンAの主要な生理活性型はトレチノイン(レチノイン酸、RA)です(文献6)。
⚪️皮膚細胞において、レチノールは2つの酵素ステップを経てトレチノインに酸化されます。
⚪️まず、レチノールがレチナールに可逆的に酸化され、次にレチナールがトレチノインに不可逆的に酸化されます(文献3)。
⚪️このプロセスにおいて、レチノールからレチナールへの最初のステップが律速段階です(文献3)。
レチナールの優位性:
⚪️レチナールは、この律速段階をバイパスするため、レチノールよりもトレチノインのより効率的な前駆体であるとされています(文献3)。
⚪️マウス皮膚での実験では、外用したレチノールからはトレチノインが検出されなかったのに対し、レチナールを外用した場合はトレチノインが検出されました(文献8)。これは、レチナールがレチノールよりも効率的に皮膚内で活性型トレチノインに変換されることを示しています(文献8)。
生物活性の発現:
⚪️レチナールは核内レチノイド受容体に直接結合することはなく、その生物学的活性は皮膚細胞内でトレチノインに酵素的に変換されることによって発揮されます(文献8)。
⚪️外用されたレチナールの大部分は、レチニルエステル(貯蔵形態)に変換され、少量がトレチノインに変換されます。この「制御された」変換が、レチナールの低い刺激性に寄与すると考えられています(文献9)。
レチノールとレチナールはどちらもビタミンAの誘導体であり、最終的に活性型であるトレチノインに変換されることで皮膚に作用します。しかし、レチナールはレチノールがトレチノインに変換される際の律速段階をバイパスするため、より効率的にトレチノインを供給できるとされています(文献3)。
これにより、レチナールはレチノールよりも高い生理活性を示す一方で、トレチノインと比較して刺激が少ないという長所を持ちます(文献8)。さらに、レチナールはアクネ菌に対する独自の抗菌活性や効率的な脱色素作用を持つ点がレチノールやトレチノインとの重要な違いとして挙げられます(文献6)。全身への吸収が最小限である点も、レチナールの安全性プロファイルを裏付けています(文献10)。
【参考文献】
1) Profilometric evaluation of photodamage after topical retinaldehyde and retinoic acid treatment
P Creidi, et al.
J Am Acad Dermatol
1998;39(6):960-5
2) Efficacy and safety of retinaldehyde 0.1% and 0.05% creams used to treat photoaged skin: A randomized double-blind controlled trial
Hyuck Sun Kwon, et al.
J Cosmet Dermatol
2018;17(3):471-476
3) Topical retinaldehyde on human skin: biologic effects and tolerance
J H Saurat, et al.
J Invest Dermatol
1994;103(6):770-4
4)Efficacy of topical 0.05% retinaldehyde in skin aging by ultrasound and rheological techniques
S Diridollou, et al.
Dermatology
1999:199 Suppl 1:37-41
5) Comparative study of the anti-aging effect of retinaldehyde alone or associated with pretocopheryl in a surviving human skin model submitted to ultraviolet A and B irradiation
S Boisnic, et al.
Int J Tissue React
2005;27(3):91-9
6) The potential depigmenting activity of retinaldehyde
O Sorg, et al.
Dermatology
2013;227(3):231-7
7) Why Topical Retinoids Are Mainstay of Therapy for Acne
James Leyden, et al.
Dermatol Ther (Heidelb)
2017;7(3):293-304
8) Metabolism of topical retinaldehyde and retinol by mouse skin in vivo: predominant formation of retinyl esters and identification of 14-hydroxy-4, 14-retro-retinol
J O Sass, et al.
Exp Dermatol
1996;5(5):267-71
9) Metabolism of topical retinaldehyde
O Sorg, et al.
Dermatology
1999:199 Suppl 1:13-7
10) Plasma retinoids after topical use of retinaldehyde on human skin
J O Sass, et al.
Skin Pharmacol
1996;9(5):322-6
よくいただくご質問
レチナールとは何ですか?
⚪️レチナール(Retinaldehyde、RAL)は、ビタミンA(レチノール)の自然な代謝物であり、強力な生物学的活性を持つトレチノインの直接の前駆体です。
⚪️レチノールは、皮膚のケラチノサイトによってレチナールに、そしてさらにトレチノインへと2段階の酵素反応で変換されます。
⚪️このため、レチナールはレチノイド類の中でも特に、肌への刺激を抑えながらレチノイン酸の多様な効果を届けるための重要な成分として注目されています。
なぜレチナールが肌に良いとされているのですか?
⚪️レチナールが肌に良いとされるのは、主にそれが肌細胞内で生物学的に活性なトレチノインに変換されるためです。
⚪️この変換プロセスは、レチノールからトレチノインへの変換における律速段階をバイパスするため、より制御された形でレチノイドの効果を肌に届けることが可能になります。
⚪️その結果、レチナールはトレチノインが引き起こす可能性のある強い刺激を抑えつつ、トレチノインが持つ多様な美容効果を発揮します。
レチノールとレチナール、トレチノインの違いは何ですか?
これらは全てビタミンA誘導体(レチノイド)の仲間ですが、肌の中での変換経路と活性・刺激の度合いが異なります。
◉レチノール(Retinol, ROL): ビタミンAの主要な形態で、比較的穏やかな作用を持ちます。
◉レチナール(Retinaldehyde, RAL): レチノールが皮膚の酵素によって変換された中間体です。トレチノインへの変換ステップをバイパスできるため、効果的でありながら刺激が少ないとされています。
◉トレチノイン(Retinoic Acid, RA): 最も生物学的に活性が高い形態で、核内レチノイド受容体に直接結合して遺伝子発現を調節し、肌に多様な効果をもたらします。しかし、その強力な作用ゆえに刺激を感じやすいという特徴があります。
肌の弾力性やハリに対するレチナールの効果は?
⚪️レチナールは、肌の弾力性やハリの改善に寄与します。1年間の使用で、レチナールは肌の弾力性を有意に向上させ、肌の硬さを有意に減少させる傾向を示しました(文献a)。
⚪️これらの効果は、コラーゲンや弾性線維ネットワークなど、肌のしなやかさと弾力性に関わる構造の質や密度の回復によるものと考えられています(文献a)。
【参考文献】
a) Efficacy of topical 0.05% retinaldehyde in skin aging by ultrasound and rheological techniques
S Diridollou, et al.
Dermatology
1999:199 Suppl 1:37-41
レチナールは肌のターンオーバーを促進しますか?
⚪️はい、レチナールは肌のターンオーバーを促進する効果が期待できます。
⚪️レチナールは、表皮の厚みを増加させ、BrdU陽性細胞(DNA合成を示す細胞)を増加させることが示されています(文献b)。
【参考文献】
b) Biological activities of topical retinaldehyde
L Didierjean, et al.
Dermatology
1999:199 Suppl 1:19-24
レチナールは光老化肌のシワや粗さを改善しますか?
⚪️はい、レチナールは光老化によって生じるシワや肌の粗さの改善に効果的です。
⚪️0.05%レチナールクリームを用いた研究では、18週後と44週後の時点で、シワや粗さといった光老化の進んだ肌の特徴が有意に減少したことが確認されています(文献c)。
【参考文献】
c) Profilometric evaluation of photodamage after topical retinaldehyde and retinoic acid treatment
P Creidi, et al.
J Am Acad Dermatol
1998;39(6):960-5
レチナールは色素沈着(シミやくすみ)に効果がありますか?
⚪️はい、レチナールは色素沈着の軽減にも効果を示す可能性が報告されています。
⚪️培養メラノサイトを用いた研究では、レチナールがメラニン含量を減少させ、メラニン合成酵素であるチロシナーゼの活性を阻害することが示されています(文献d)。
【参考文献】
d) The potential depigmenting activity of retinaldehyde
O Sorg, et al.
Dermatology
2013;227(3):231-7
ニキビ(尋常性ざ瘡)治療におけるレチナールの役割は?
⚪️レチナールは、ニキビ治療において重要な役割を果たす可能性があります。
⚪️レチノイドは一般的に、異常な角化の正常化、コメド形成の抑制、炎症経路の阻害によりニキビを改善します。
⚪️レチナールもこれらの作用を持つほか、抗菌活性も報告されています(文献e)。
【参考文献】
e) Pharmacology of RALGA, a mixture of retinaldehyde and glycolic acid
Christian Tran, et al.
Dermatology
2005:210 Suppl 1:6-13
レチナールはニキビの原因菌に直接作用しますか?
⚪️はい、レチナールはニキビの原因菌であるアクネ菌(Propionibacterium acnes)に対して抗菌活性を持つことが示されています(文献f)。
⚪️レチノールやトレチノインにはこの作用は見られないため、レチナール特有の特性とされています(文献f)。
【参考文献】
f) Topical retinaldehyde on human skin: biologic effects and tolerance
J H Saurat, et al.
J Invest Dermatol
1994;103(6):770-4
トレチノインと比較して、レチナールは肌への刺激が少ないですか?
⚪️はい、レチナールはトレチノインと比較して肌への刺激が少ないことが複数の研究で示されています。
⚪️0.5%レチナールでも70%の被験者が耐容可能であり、0.1%および0.05%の調製物ではさらに耐容性が良好でした(文献g)。
⚪️光老化肌を対象とした比較研究では、レチナールが全体的に耐容性が高く、レチノイン酸に比べて局所的な刺激が少なかったため、患者の治療継続率(コンプライアンス)にも良い影響を与えました(文献h)。
【参考文献】
g) Topical retinaldehyde on human skin: biologic effects and tolerance
J H Saurat, et al.
J Invest Dermatol
1994;103(6):770-4
h) Profilometric evaluation of photodamage after topical retinaldehyde and retinoic acid treatment
P Creidi, et al.
J Am Acad Dermatol
1998;39(6):960-5
レチナールは長期使用しても安全ですか?
⚪️はい、レチナールは長期使用においても良好な耐容性を示すことが報告されています。
⚪️0.05%レチナール製剤は、炎症性皮膚疾患の患者の顔面皮膚に最長3年間の長期使用が可能でした(文献i)。
【参考文献】
i) Topical retinaldehyde on human skin: biologic effects and tolerance
J H Saurat, et al.
J Invest Dermatol
1994;103(6):770-4
レチナールは体に吸収され、全身に影響を及ぼしますか?
⚪️局所的に塗布されたレチナールは、検出可能なレベルで全身に吸収されることはないと考えられています。
⚪️健康な男性ボランティアに大量のレチナールを局所塗布した研究では、血漿中のレチノイド代謝物濃度に検出可能な変化は見られず、レチナール自体も血漿中から検出されませんでした(文献j)。
⚪️これは、塗布されたレチナールの大部分が皮膚内で貯蔵形態(レチニルエステル)に変換され、全身に循環する前に皮膚内に留まるためと考えられています。
【参考文献】
j) Plasma retinoids after topical use of retinaldehyde on human skin
J O Sass, et al.
Skin Pharmacol
1996;9(5):322-6
レチナールとグリコール酸の併用はどのようなメリットがありますか?
◉レチナールとグリコール酸(Glycolic Acid、GA)を組み合わせることで、レチノイドの生物学的活性をさらに高めることができます。
⚪️グリコール酸の存在は、レチナールの皮膚への浸透性を高め、結果として活性代謝物であるトレチノインの皮膚内での濃度を上昇させます(文献k)。
⚪️レチナール単独と比較して、グリコール酸との併用製剤(RALGA)は、表皮と真皮でトレチノインの量が5倍も多く供給されることが示されています(文献k)。
⚪️これにより、高濃度のレチノイン酸を皮膚に供給できる一方で、トレチノインで観察される副作用を予防できる可能性があります(文献k)。
【参考文献】
k) Pharmacology of RALGA, a mixture of retinaldehyde and glycolic acid
Christian Tran, et al.
Dermatology
2005:210 Suppl 1:6-13
レチナールはレーザー治療の効果を高めますか?
⚪️はい、レチナールは非アブレイティブレーザーによる皮膚の再構築(リモデリング)の効果を増強することが示されています(文献l)。
⚪️0.05%レチナールをレーザー治療と併用することで、真皮の厚みの増加が促進されることが超音波画像診断で確認されました(文献l)。
⚪️これは、レーザー治療単独よりもレチナールとの併用の方が真皮の厚みの増加率が有意に高かったという結果から支持されています(文献l)。
【参考文献】
l) Ultrasound imaging demonstration of the improvement of non-ablative laser remodeling by concomitant daily topical application of 0.05% retinaldehyde
Serge Mordon, et al.
J Cosmet Laser Ther
2004;6(1):5-9
レチナール配合製品を使用する際の注意点は?
レチナールは比較的刺激が少ないとされていますが、使用時には以下の点に注意することで、より快適に効果を実感できます。
◉日中の紫外線対策: レチナール使用中は肌が敏感になる可能性があるため、日中はSPF値の高い日焼け止めを使用し、紫外線から肌を保護することが重要です。
◉初期の軽度な刺激: 使用開始初期に、軽度のヒリヒリ感、赤み、乾燥、皮むけなどの刺激症状が現れることがありますが、これらは一時的なもので、通常数週間で治まります。症状が続く場合は、使用頻度を減らすなど調整してください。
◉保湿ケア: 乾燥を感じる場合は、保湿クリームを併用し、肌のバリア機能をサポートすることが推奨されます。
◉妊娠中・授乳中の方: レチノイドは一般的に妊娠中・授乳中の使用が推奨されていません。該当される場合は、必ず医師にご相談ください。
◉他の薬剤との併用: 他の角質ケア製品や刺激の強い薬剤との併用は、刺激を増強する可能性があるため、医師にご相談ください。
レチナールアクティブの製品情報
◉ レチナールアクティブは国内未承認製剤(医薬品・医薬部外品としての承認なし)です。
◉ 院長が、国内正規代理店である株式会社PRSSを通じて個人輸入しています。
◉ 同一成分・濃度・性能を有する国内承認医薬品・医薬部外品はありません。
◉ 万が一重篤な副作用が生じた場合、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
◉副作用・リスク
●塗布部位の赤み・刺激感
●乾燥やつっぱり感、軽度の皮むけ
●一過性の色素沈着または色素脱失
●そう痒感(かゆみ)・接触皮膚炎
●日光過敏症(使用中は紫外線対策が必須)
●アレルギー反応
●稀に感染・炎症の悪化
●妊娠中・授乳中の使用は推奨されません
◉安全性に関する情報
DermapenWorld公式サイト上では、レチナールアクティブに関する重大な副作用報告は掲載されていません(2025年7月現在)。
※スキンケア効果を最大限引き出すために、医師の指導のもと適切な用量・頻度をお守りください。