炎症後色素沈着(PIH)の治し方|掻いた跡・ニキビ跡の茶色い色素沈着治療

炎症後色素沈着とは

こんなお悩みはありませんか?


ニキビ跡が茶色く残った、虫刺されや掻いた跡が茶色くなった、接触性皮膚炎や湿疹のあとが黒ずんで消えない。このような炎症後に残る茶色から褐色の色素沈着は、炎症後色素沈着(PIH:Post-Inflammatory Hyperpigmentation)の可能性があります。

炎症後色素沈着は、炎症によって刺激されたメラノサイトがメラニンを過剰につくり、炎症が落ち着いたあとも色だけが残る状態です。表皮にとどまる浅い色素沈着は時間とともに薄くなることがありますが、炎症が強い場合や掻き壊しを繰り返した場合は、長く残ることもあります。

青い鳥クリニックでは、色素沈着の原因がニキビ・湿疹・接触性皮膚炎・摩擦・虫刺され・やけど・医療施術後のいずれに近いかを診察し、外用薬、ピーリング、レーザー、ホームケアを組み合わせて治療方針をご提案します。


炎症後色素沈着(PIH)とは


炎症後色素沈着(PIH)は、ニキビ、虫刺され、傷、やけど、湿疹、接触性皮膚炎などの炎症が治まったあとに、炎症が起きた部位に一致して茶色から褐色の色素斑が残る状態です。

「炎症性色素沈着」と呼ばれることもあります。

炎症後色素沈着(PIH)は疾患そのものというよりも、炎症に対する皮膚の生理的な反応の結果です。肌の色が濃い方(フィッツパトリック分類 III〜VI型)に生じやすく、日本人を含むアジア人は特にPIHが起こりやすい肌質とされています。

ニキビ患者の約58%がPIHを有しているという報告(文献1→詳しくはこちら)もあり、ニキビそのものが治った後も色素沈着が長く残ることで、患者さんのQOL(生活の質)に大きな影響を与えることが知られています。

炎症後色素沈着の原因 ── なぜ茶色いシミが残るのか


炎症後色素沈着が生じるメカニズムは、以下のように理解されています。


1. 炎症の発生
ニキビ・傷・やけど・虫刺されなど、何らかの原因で皮膚に炎症が起こります。

2. 炎症性サイトカインの放出
炎症に伴い、プロスタグランジン、ロイコトリエン、インターロイキンなどの炎症性サイトカイン(炎症に関わるシグナル物質)が放出されます。

3. メラノサイトの刺激
これらのサイトカインが表皮のメラノサイト(色素細胞)を刺激し、メラニン色素の生成が通常より活発になります。

4. メラニンの過剰沈着
過剰に生成されたメラニンが表皮内に蓄積します。炎症が真皮にまで及んだ場合は、表皮基底膜が破壊され、メラニンが真皮層にまで落ち込む「メラニンインコンチネンス(メラニン失禁)」が起こります。真皮に落ちたメラニンは、マクロファージ(貪食細胞)に取り込まれ「メラノファージ」として長期間残存するため、より治りにくい色素沈着となります。

表皮型と真皮型の違い

タイプ色調深さ改善の目安
表皮型PIH 明るい茶色 メラニンは表皮にとどまる 数ヶ月〜1年で改善しやすい
真皮型PIH 灰褐色〜青灰色 メラニンが真皮に落ち込む 年単位で残存しやすい

 

 

炎症後色素沈着を引き起こす主な炎症


炎症後色素沈着は、さまざまな原因の炎症から生じます。主なものをご紹介します。


ニキビ(最も多い原因)
赤ニキビや化膿したニキビのあとに、茶色いシミのような跡が残ることがあります。これはニキビの炎症でメラニンが過剰に作られた結果です。

ニキビを潰す、強くこする、炎症を長引かせる行為は色素沈着を濃くする原因になります。茶色いニキビ跡を改善するには、色素沈着の治療だけでなく、新しいニキビを作らない治療も同時に行うことが重要です。



傷跡・やけど跡の色素沈着
切り傷、すり傷、やけどのあとにも、炎症の強さに応じて茶色い色素沈着が残ることがあります。浅い炎症であれば時間とともに薄くなることがありますが、深いやけどや強い炎症では長く残る場合があります。治癒直後は紫外線の影響を受けやすいため、日焼け止めや衣類での遮光が大切です。


掻いた跡が茶色い・虫刺され跡が黒ずむケース
虫刺され、湿疹、乾燥による痒みなどを掻き壊すと、皮膚の炎症が強くなり、掻いた跡が茶色から黒っぽく残ることがあります。

色素沈着を薄くする前に、まず痒みや炎症を抑え、掻かない状態を作ることが必要です。爪で刺激する、ナイロンタオルでこする、スクラブを使うなどの刺激は避けてください。



アトピー性皮膚炎・湿疹
アトピー性皮膚炎や接触皮膚炎(かぶれ)などの慢性的な炎症が繰り返されると、広範囲に色素沈着が生じることがあります。


接触性皮膚炎・かぶれ後の色素沈着
化粧品、ヘアカラー、湿布、金属、マスク、外用薬などによる接触性皮膚炎のあとに、色素沈着が残ることがあります。原因物質への接触が続くと炎症が繰り返され、色素沈着も改善しにくくなります。かぶれを繰り返す場合は、原因を確認し、必要に応じて皮膚科的な炎症治療を優先します。


医療処置後(レーザー治療・ケミカルピーリング後など)
美容医療の施術後にも一時的なPIHが生じることがあります。レーザー治療後の炎症後色素沈着は、適切な紫外線防御により通常数ヶ月で改善します。


抗がん剤による色素沈着
抗がん剤がメラノサイトを直接刺激するとともに、炎症反応を介してメラニン産生が亢進し、色素沈着が生じることが知られています。


炎症後色素沈着はいつ治る?── 改善までの期間


炎症後色素沈着がいつ治るかは、メラニンがどの深さにあるか、炎症がすでに止まっているか、紫外線や摩擦を避けられているかで大きく変わります。

目安として、明るい茶色の表皮型PIHは、炎症が落ち着き適切な紫外線対策ができていれば半年から1年程度で自然に薄くなることがあります。一方、灰褐色から青灰色に見える真皮型PIHや、掻き壊し・ニキビ・湿疹を繰り返している場合は、年単位で残ることがあります。

3か月から6か月以上ほとんど変化がない、色が濃くなっている、湿疹やニキビが続いている、市販の色素沈着クリームで刺激が出た、という場合は自己判断を続けず診察をおすすめします。



要素改善が早いケース改善に時間がかかるケース
メラニンの深さ 表皮型(明るい茶色) 真皮型(灰褐色〜青灰色)
元の炎症の強さ 軽度の炎症 強い炎症・長期間の炎症
肌の色(スキンタイプ) 色白の肌 色の濃い肌
紫外線防御 適切にUVケアをしている UVケアが不十分
炎症のコントロール 症が完全に収束 炎症が繰り返されている

 

一般的な目安:

表皮型PIH: 適切なケアのもとで半年〜1年程度で自然に改善することが多いとされています。
真皮型PIH: 数年単位で残存する場合があり、治療を組み合わせることで改善を目指します。

最も重要なのは、原因となっている炎症をまず止めることです。

炎症が続いている限り、メラニンの過剰生成も続くため、色素沈着は改善しません。ニキビが活動中であればニキビの治療を、湿疹が続いていれば湿疹の治療を優先することが、PIH改善の第一歩です。



炎症後色素沈着の治し方|まず炎症を止め、色素を増やさない

治療の基本方針 ── 3つのアプローチ


炎症後色素沈着の治療では、いきなりレーザーや強い美白治療を行うのではなく、次の順番で整えることが重要です。

1️⃣原因となる炎症を止める:ニキビ、湿疹、接触性皮膚炎、虫刺されの痒みなどが続いている場合は、その治療を優先します。
2️⃣紫外線と摩擦を避ける:紫外線と摩擦はメラニン産生を促進し、色素沈着を長引かせます。
3️⃣外用薬・クリームでメラニン生成を抑え、排出を促す:ハイドロキノン、アゼライン酸、レチノイド、ビタミンC、ナイアシンアミドなどを状態に合わせて検討します。
4️⃣必要に応じてピーリングやレーザーを組み合わせる:外用だけで改善が乏しい場合や真皮型が疑われる場合は、医師が適応を判断します。


炎症後色素沈着の治療は、以下の3つのアプローチを組み合わせて行います。

アプローチ目的主な治療法
メラニン生成の抑制 新たなメラニンが作られるのを抑える 外用薬(ハイドロキノン、アゼライン酸、ビタミンC等)
メラニン排出の促進 蓄積したメラニンの排出を促す ケミカルピーリング、レチノイド外用
メラニンの直接破壊 沈着したメラニンを直接破壊する Qスイッチルビーレーザー、ルビーフラクショナル





外用治療


炎症後色素沈着の治療において、外用薬は第一選択となる治療法です。当院ブログ「医学的根拠に基づく美白成分ランキング2025」で解説したGRADEシステム(エビデンスの質を評価する国際的な手法)に基づくと、以下の成分がPIHに対する有効性のエビデンスが蓄積されています。(詳しくはこちらへ)


ハイドロキノン(エビデンスレベル・最高):メラニン生成の抑制

チロシナーゼ(メラニン合成酵素)を阻害し、メラニンの生成を強力に抑制します。色素沈着治療において最も広範な臨床文献に支持されている外用成分です。2〜4%の濃度で使用されることが一般的です。

※ 米国では2020年以降、化粧品への配合が禁止され、医療用としてのみ使用されています。当院でもドクターズコスメとして医師の管理のもとでお取り扱いしています。

▶クリニックで取り扱うハイドロキノン


 

 



アゼライン酸(エビデンスレベル・高):メラニン生成の抑制

チロシナーゼの活性を阻害するとともに、異常なメラノサイトに選択的に作用する特徴があります。正常な肌の色には影響を与えにくく、刺激が比較的少ないため、敏感肌の方にも使いやすい成分です。

▶クリニックで取り扱うアゼライン酸


 

 


トレチノイン(エビデンスレベル・高):メラニン排出の促進

ビタミンA誘導体(レチノイド)の一種で、表皮細胞のターンオーバーを促進し、メラニンを含む古い角質の排出を加速します。ハイドロキノンとの併用で相乗効果が期待できます。

※ 使い始めに皮剥け・赤み・乾燥が生じることがあります(レチノイド反応)。医師の指導のもとで使用量・頻度を調整しながら使用します。

▶クリニックで取り扱うトレチノイン


 

 


レチナール(レチンアルデヒド):メラニン排出の促進

トレチノインと同じレチノイドファミリーですが、トレチノインより穏やかな作用で、皮剥けなどの副反応が出にくい特徴があります。ターンオーバー促進によるメラニン排出と、コラーゲン産生促進による肌質改善が期待できます。レチノイド初心者の方や、トレチノインの刺激が強すぎる方に適しています。

▶クリニックで取り扱うレチナール


 

 


ビタミンC(アスコルビン酸):メラニン生成の抑制

抗酸化作用によりメラニン生成過程で生じる酸化を抑制し、色素沈着の改善に寄与します。チロシナーゼの活性抑制と、メラニンの還元作用を持ちます。他の美白成分との併用でも効果的です。

▶クリニックで取り扱うビタミンC外用剤


 

 


ナイアシンアミド(ビタミンB3):メラニン生成の抑制

メラノソーム(メラニンを含む小器官)がメラノサイトから表皮細胞(ケラチノサイト)へ受け渡されるのを阻害する作用があります。メラニンの生成自体を止めるのではなく、生成されたメラニンの分配を抑えるという独自のメカニズムです。

▶クリニックで取り扱うナイアシンアミド外用剤


 

 


グリコール酸:メラニン排出の促進

グリコール酸は古い角質を除去することで、皮膚のターンオーバーを促進する働きがあり、メラニン色素の排出を促進します。WiQo美容液は高濃度(8%)のグリコール酸が配合されたホームピーリング用の美容液です。

▶クリニックで取り扱うグリコール酸


 

 

 

 

 

ピーリング(メラニン排出の促進)


ケミカルピーリングは、酸性の薬剤を皮膚表面に塗布することで古い角質を除去し、表皮のターンオーバー(新陳代謝)を促進する治療法です。メラニンを含む古い角質層の排出を加速させることで、色素沈着の改善を図ります。

ピーリングは外用治療と組み合わせることで、より効果的な改善が期待できます。


サリチル酸マクロゴールピーリング

サリチル酸をマクロゴール(PEG)基剤に溶解した製剤を使用するピーリングです。サリチル酸が角質層のみに作用し、基剤のマクロゴールが真皮への過度な浸透を防ぐため、施術後の赤みやひりつきが軽度で、ダウンタイムが短い点が特徴です。

PIHのある肌は刺激に対して再びメラニンを過剰生成するリスクがあるため、刺激の少ないピーリングが適しています。

▶クリニックのピーリング①


 

 


レチノールピール

レチノール(ビタミンA)を主成分としたピーリングです。ターンオーバーの促進に加え、コラーゲン産生の促進による肌質改善も期待できます。PIHの治療とともに、肌全体のテクスチャー改善を目指す方に適しています。

▶クリニックのケミカルピーリング②


 

 


マッサージピール(PRX-T33)

TCA(トリクロロ酢酸)と低濃度の過酸化水素を組み合わせた製剤を使用するピーリングです。表皮を剥離せずに真皮に作用しますが、コウジ酸を高濃度に含んであり美白効果も侮れません。PIHに伴う肌のくすみやハリの低下が気になる方に適しています。

▶クリニックのケミカルピーリング③


 

 



 

レーザー治療(メラニンの直接破壊)


外用治療やピーリングで十分な改善が得られない場合、あるいは真皮型のPIHに対しては、レーザー治療が選択肢となります。

ただし、PIHに対するレーザー治療は慎重に適応を判断する必要があります。レーザー照射自体が皮膚に炎症を起こすため、不適切なレーザー治療はかえってPIHを悪化させるリスクがあるからです。当院では、PIHの状態(表皮型か真皮型か、原因炎症の収束状況など)を慎重に評価したうえで、レーザー治療の適応を判断しています。


Qスイッチルビーレーザー

694nmの波長を持つルビーレーザーを超短時間(ナノ秒)で照射し、メラニン色素を選択的に破壊する治療法です。メラニンへの吸収率が高く、周囲組織へのダメージを最小限に抑えられます。色素沈着の治療において世界的に広く使用されているレーザーです。

▶クリニックのレーザー治療①


 

 


ルビーフラクショナル

ルビーレーザーの波長をフラクショナル(点状)に照射する治療法です。Qスイッチルビーレーザーの色素選択性を活かしつつ、照射面積をコントロールすることで、色素沈着の程度や範囲に合わせた繊細な治療が可能です。広範囲の色素沈着や、通常のQスイッチルビーレーザーでは照射が難しい部位への対応に適しています。

▶クリニックのレーザー治療②


 

 




日常ケア(紫外線防御と摩擦回避)


炎症後色素沈着の治療において、日常のセルフケアは治療効果を左右する極めて重要な要素です。どんなに優れた外用薬やレーザー治療を行っても、日常ケアが不十分であれば効果は半減します。


紫外線防御(最も重要)

紫外線はメラノサイトを直接刺激してメラニン生成を促進するため、PIHの悪化・再発の最大の原因です。治療中はもちろん、治療後も継続的な紫外線対策が必要です。

日焼け止めの毎日使用: SPF30〜50、PA+++以上の日焼け止めを毎日塗布してください。

酸化鉄を有効成分として含む日焼け止め:紫外線だけでなく可視光線(ブルーライト)からも肌を守ることができ、色素沈着の悪化防止に特に有効です。

▶酸化鉄を有効成分として含む日焼け止め


 

 

2〜3時間ごとの塗り直し: 外にい続ける場合、日焼け止めはこまめな塗り直しが重要です。



摩擦回避

摩擦は炎症を引き起こし、メラニン生成を促進します。以下の点に注意してください。

◎洗顔時は泡で優しく洗い、ゴシゴシこすらない
◎タオルで顔を拭く際は、押さえるように優しく水分を取る
◎ナイロンタオルでの体のこすり洗いを避ける
◎下着やマスクなどの締め付け・擦れに注意する
◎化粧品は手のひらで優しくなじませ、パッティングや強い摩擦を避ける


保湿

皮膚のバリア機能を維持するために、十分な保湿ケアを行ってください。バリア機能が低下した肌は外部刺激に対して過敏になり、わずかな刺激でも炎症が起こりやすくなります。

▶医師がすすめる保湿剤


 

 


 

 

よくいただくご質問

Q

 炎症後色素沈着は自然に治りますか?

A

⚪️表皮型の炎症後色素沈着は、原因となった炎症が収束し、適切な紫外線防御を行っていれば、半年〜1年程度で自然に改善することが多いです。

⚪️ただし、真皮型の場合は自然改善に時間がかかり、年単位で残存することがあります。

⚪️改善を早めたい場合や、なかなか改善しない場合は、外用薬やピーリング、レーザー治療などの医療的なアプローチが有効です。
 

 

Q

炎症後色素沈着とシミの違いは何ですか?

A

⚪️一般的に「シミ」と呼ばれるものの中には、老人性色素斑(日光性色素斑)、肝斑、そばかす(雀卵斑)など、さまざまな種類があります。

⚪️炎症後色素沈着はこれらとは異なり、皮膚の炎症が原因で生じるもので、炎症が起きた部位に一致して色素斑が現れるのが特徴です。治療法もそれぞれ異なるため、まずは正確な診断を受けることが大切です。

 

 

Q

ニキビ跡の茶色いシミは炎症後色素沈着ですか?

A

⚪️はい、ニキビが治った後に残る茶色いシミの多くは炎症後色素沈着(PIH)です。ニキビの炎症が原因でメラニンが過剰に生成され、色素斑として残ります。

⚪️ニキビ跡には「赤み」「茶色いシミ(PIH)」「凹み(クレーター)」の3タイプがありますが、茶色いシミはPIHに該当し、適切な治療とケアで改善が期待できます。

 

Q

虫刺されの跡の黒ずみも治療できますか?

A

⚪️ はい、虫刺されによる黒ずみも炎症後色素沈着の一種であり、治療の対象となります。虫刺されの際に掻いてしまうと炎症が悪化し、色素沈着がより強く残る原因となります。

⚪️まずは痒みのコントロールで掻くことを防ぎ、そのうえで美白外用薬や紫外線防御によるケアを行います。

 

Q

やけどの跡の色素沈着はどのくらいで治りますか?

A

⚪️ やけどの深さや範囲によって異なりますが、浅いやけど(I度〜浅いII度)の場合、適切なケアのもとで数ヶ月〜1年程度で改善することが多いです。深いやけどの場合は色素沈着がより長期間残存する場合があります。

⚪️ 紫外線防御の徹底と、必要に応じた外用薬の使用が改善を促します。

Q

ハイドロキノンはどのくらいの期間使用しますか?

A

⚪️ ハイドロキノンは一般的に、3〜6ヶ月を1クールとして使用します。効果が現れるまでに通常4〜8週間程度かかります。

⚪️長期連用による副作用(外因性褐皮症など)のリスクがあるため、休薬期間を設けながら計画的に使用することが重要です。

⚪️当院では、使用期間と休薬のスケジュールを院長がご指導いたします。

Q

アゼライン酸とハイドロキノン、どちらが良いですか?

A

⚪️ 両方ともPIHに対する有効性のエビデンスがある外用成分ですが、特性が異なります。

⚪️ハイドロキノンは美白効果がより強力ですが、使い方に注意が必要です。アゼライン酸は刺激が少なく安全性が高いため、敏感肌の方や妊娠中の方にも使用可能です。

⚪️肌の状態やPIHの程度に応じて、どちらが適しているか、または併用が有効かを院長が判断いたします。

Q

レーザー治療で色素沈着が悪化することはありますか?

A

⚪️ レーザー照射自体が皮膚に炎症を起こすため、照射後に一時的にPIHが増悪するリスクがあります。特に、原因炎症がまだ収束していない段階でのレーザー治療や、不適切な照射設定による治療は、悪化のリスクが高まります。

⚪️ 当院では、PIHの状態を慎重に評価したうえでレーザー治療の適応を判断し、照射後の紫外線防御の徹底をご指導しています。

Q

色素沈着の治療は保険適用ですか?

A

⚪️炎症後色素沈着の原因疾患(ニキビ、湿疹など)の治療は保険適用となる場合があります。ただし、色素沈着そのものに対する美白外用薬(ハイドロキノン等)やレーザー治療、ケミカルピーリングは美容目的の自由診療となり、保険適用外です。


Q

治療中に気をつけることは何ですか?

A

⚪️最も重要なのは紫外線防御の徹底です。日焼け止めを毎日使用し、長時間外にいる場合は2〜3時間ごとに塗り直して下さい。有効成分として酸化鉄を含む日焼け止め(Tinted Sunscreen)の使用がより効果的です。

⚪️また、洗顔やスキンケア時の摩擦を避けること、処方された外用薬を指示通りに使用すること、そして原因疾患がある場合はその治療を並行して続けることが大切です。


Q

市販のシミ消しクリームで炎症後色素沈着は治りますか?

A

⚪️市販のシミ対策化粧品にも美白成分(トラネキサム酸、ビタミンC誘導体等)が配合されている製品がありますが、医療用に比べて濃度が低いため、効果は限定的です。

⚪️特に真皮型のPIHに対しては、市販品での改善は難しい場合がほとんどです。改善が見られない場合は、皮膚科・美容皮膚科での専門的な治療をおすすめします。



Q

 肌の色が濃い人はPIHになりやすいですか?

A

⚪️はい、一般的に肌の色が濃い方(フィッツパトリック分類 III〜VI型)はPIHが生じやすいとされています。

⚪️日本人を含むアジア人は、欧米の白人と比較してメラノサイトの反応性が高いため、PIHが起こりやすい傾向があります。ただし、適切な治療とケアにより改善は十分に期待できます。




Q

カウンセリングだけでも受けられますか?

A

⚪️はい、カウンセリングのみのご来院も承っております。

⚪️院長が直接お肌の状態を診察し、炎症後色素沈着のタイプ(表皮型・真皮型)を評価したうえで、外用薬・施術・日常ケアを含めた治療プランと費用の目安をご説明いたします。

⚪️治療を受けるかどうかは、カウンセリング後にご判断下さい。




参考文献


1. Frequency and characteristics of acne-related post-inflammatory hyperpigmentation
Flordeliz Abad-Casintahan, et al.
J Dermatol
2016 Jul;43(7):826-8

制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2026年5月31日)