タザロテン(タズレットクリーム)

制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2025年11月15日)

タザロテンが日光ダメージから肌を救う


光老化によるシミやしわ、難治性のニキビなどでお悩みなら、第3世代レチノイド「タザロテン(タズレットクリーム)」をご検討下さい。

港区で本格的なエイジングケアや美肌治療をお探しの方へ、医師の診察のもとで安全に処方いたします。


タザロテン(タズレットクリーム)とは?


◉タザロテン(タズレットクリーム)は、米国FDAが承認した第3世代の外用レチノイド(ビタミンA誘導体)です。

◉日本ではまだ馴染みの薄いですが、ニキビ治療薬のディフェリン(アダパレン)と同じ合成レチノイドの仲間で、トレチノインよりも強力な作用を持つことが特徴です。

◉1997年に米国で乾癬・ニキビ治療薬として承認され、その後光老化に伴う細かいしわ、色ムラ、シミの緩和を目的とした製剤も登場しています。


タザロテン(タズレットクリーム)の主な効果

タザロテンの効果として、以下のような作用が医学的に認められています:

1. 光老化の改善

タザロテンは光老化による細かいしわ、色ムラ、シミを緩和します。紫外線により誘導されるコラーゲン分解酵素(MMP)を抑制し、光によるダメージの進行を緩やかにします。

2. 表皮ターンオーバーの促進

メラニンを含む角化細胞の排出が促進され、沈着した色素が早く除去されます。これにより、美肌治療をお求めの方に、透明感のある肌へと導きます。

3. ニキビ・ニキビ跡の改善

角質層を薄くすることで毛穴の詰まりを防ぎ、ニキビ治療に効果を発揮します。特に肌の色が濃い方でのニキビ跡の炎症後色素沈着にも有効性が示されています。

4. 炎症反応の抑制
抗炎症作用により、炎症に伴う色素沈着の悪化を防ぐ効果があります。


タザロテン(タズレットクリーム)の使い方と注意点


使用方法

タザロテンの使い方は、1日1回、夜の洗顔後に患部に薄く塗布します。浜松町でタザロテン治療をご希望の方には、医師がお客様一人ひとりの肌質に応じて適切な使用頻度をご指導いたします。

主な副作用(刺激反応)

⚫️皮膚の赤み、乾燥、皮むけ(レチノイド反応)
⚫️一時的なかゆみや刺激感
⚫️光感受性の増加
これらの反応は使用開始初期に現れやすく、徐々に軽減していきますが、症状が強い場合は使用頻度の調整が必要です。


重要な注意事項

⚫️理論上催奇形性のリスクが否定できないため、妊娠可能年齢の女性には処方できません
⚫️日中は必ず日焼け止めを使用し、紫外線対策を徹底してください
⚫️他のレチノイド製品との併用は避けてください


当院(美容外科・美容皮膚科 青い鳥)での処方の特徴

当院では、20年以上の経験を持つ院長が、タザロテン(タズレット)のカウンセリングから使用指導まで、すべて医師が直接担当いたします。

◎丁寧なカウンセリング
患者様の肌質、お悩み、治療歴を詳しくお伺いし、タザロテンが適切かどうかを慎重に判断します。

◎段階的な導入指導

刺激反応を最小限に抑えるため、使用頻度や併用する保湿剤について、個別にきめ細かく指導いたします。

◎継続的なフォローアップ

使用開始後も定期的に肌の状態を確認し、必要に応じて使用方法を調整します。万一、強い反応が出た場合の対処法もお伝えします。

◎安全性の確保
日本では未承認医薬品のため、医師の個人輸入により適切に管理された製品のみを使用し、安全性を最優先に処方いたします。


まとめ:医師の管理下で安全なエイジングケアを

✅港区でタザロテン(タズレットクリーム)によるエイジングケア、美肌治療をご希望なら、ぜひ当院にご相談ください。

✅タザロテンは強力なレチノイドであり、適切な使用により光老化の進行を緩やかにし、肌質改善が期待できる医薬品です。しかし、その効果の高さゆえに、医師の適切な指導なしでは刺激反応などのリスクも伴います。

✅当院では、患者様一人ひとりの肌状態に合わせた処方と、きめ細やかなフォローアップにより、安全かつ効果的な治療をサポートいたします。

✅タザロテン(タズレット)の治療をお考えの方は、まずは医師の診察を受けて、ご自身に適した治療法かどうかをご相談ください。

 

**お知らせ**
当院は2003年に自由が丘から港区浜松町(最寄駅:JR/東京モノレール 浜松町駅、都営浅草線/大江戸線 大門駅、都営三田線 芝公園駅)に移転して診療しています。

 




院長コラム 〜再開への思い〜


強力すぎた第3世代レチノイド

当院では以前、タザロテンクリームの処方を行っていました。しかし正直に言うと、ほとんどご希望される方が現れないまま使用期限を迎え、取り扱いを中止した経緯があります。

タザロテンは第3世代レチノイドで、トレチノインを超える強力な作用を持ちます。その効果の高さゆえに、赤みや皮むけといった副反応も強く出やすく、日本人の繊細な肌質には、この強力なレチノイドは少しハードルが高すぎたのかもしれないと、その時は思いました。

「塗るだけで毛穴・ニキビ跡が改善」という可能性

しかし、タザロテンには見過ごせない大きな魅力があります。それは「外用薬の塗布のみで毛穴やニキビ跡の改善が期待できるかもしれない」というエビデンスが存在することです。

従来、毛穴・ニキビ跡の治療といえばレーザーやダーマペンなどの施術が中心でした。これらは確実な効果が期待できる反面、ダウンタイムや通院の負担、そして費用面でのハードルがありました。タザロテンは、毎日のスキンケアの延長で、自宅で毛穴やニキビ跡へのアプローチが可能という、外用療法の未来を切り拓く可能性を秘めています。

今度こそ、続ける覚悟で

このような理由から、タザロテンクリームの処方を再開することにいたしました。たとえ処方希望者が少なくても、今度は取り扱いを続ける覚悟です。

なぜなら、この薬を本当に必要としているお客様が必ずいらっしゃると信じているからです。毛穴やニキビ跡に悩みながらも、施術には踏み切れない。そんな方々にとって、タザロテンは新しい選択肢となるはずです。

強力な薬だからこそ、十分な配慮が必要です。当院の妊娠可能年齢の女性にはタザロテンを販売しない方針については、どうかご理解下さい。




こんな方におすすめ

 

  • 1.トレチノインより強力なレチノイドを使いたい方に
  • 2.スキンケアで毛穴を小さくしたい
  • 3.スキンケアでニキビ痕を目立たなくしたい




タザロテンの使い方

 

タザロテンを使い始めて数日すると、多くの方で刺激反応が出現します。

刺激反応には

  • 赤み
  • 皮むけ
  • ヒリヒリ感
  • 乾燥

があり、これらは使用を中止してしまう原因になります。

タザロテンの皮膚刺激を回避または最小限に抑えるためには、以下のような方法が効果的です。刺激反応は、1〜2週間すれば自然になくなります。


1. 少量使用:
米粒大程度の少量から始め、過剰使用を避けます。

2. バッファリング法:
レチナール製品を塗る前に、保湿クリームを薄く塗ることで刺激を緩和できます。

3. 敏感な部位を避ける:
目の周り、口の周り、鼻の周りなど敏感な部位には肌が慣れるまで塗らないようにします。

4. 保湿の強化:
ディフェリン使用時は特に保湿を心がけ、肌のバリア機能を維持します。

5. 日焼け止めの使用:
日中はSPF30以上の日焼け止めを必ず使用し、肌を保護します。

6. 他の刺激物との併用を避ける:
AHAやBHAなどの他の刺激性成分との併用は避けます。

7. 適切な洗顔:
優しい洗顔料を使い、摩擦を最小限に抑えます。

8. 肌の状態に注意:
日焼けした肌や傷のある肌には使用を控えます。

9. 季節に応じた調整:
乾燥しやすい冬季は使用頻度を減らすなど、季節に応じて調整します。

10. 医師の助言:
医師に相談し、自分の肌に合った使用方法をアドバイスしてもらいます。

これらの方法を組み合わせることで、タザロテンの効果を最大限に引き出しながら、皮膚刺激を最小限に抑えることができます。個人の肌質や状態に合わせて、最適な使用法を見つけることが重要です。

こうした工夫でも刺激反応が強い場合は、ショートコンタクト法をお試し下さい。

ショートコンタクト法


薬剤の皮膚への接触時間を短くすることで、刺激反応を軽減する方法です。


  • 夜、洗顔して最初にタザロテンを塗る
  • 2分したらタザロテンを洗い流す
  • 洗顔料は使わず、ぬるま湯で洗い流す
  • あとはいつものスキンケアを行う

ここからスタートして、

  • 刺激反応が見られなければ塗っている時間を1分ずつ延長する
  • 延長は少なくとも3日以上の間隔で行う
  • 延長しても、塗っている時間は最長で5分とする

これが基本形。

もし、使用中に刺激症状(皮むけ、赤み、乾燥、ヒリヒリ感など)が出たら

  • 塗っている時間を30秒に短縮する
  • 刺激反応が治まったら塗っている時間を30秒ずつ延長する
  • 延長は少なくとも3日以上の間隔で行う
  • 延長しても、塗っている時間は最長で5分とする

臨床試験では、通常の使用法で10%ほどの使用中断率が、この方法ではゼロになったと報告されています。


 

 

価格表

タザロテン価格(税込)
0.1%クリーム20g 3,740円


*当院では妊娠可能年齢の女性に対しては販売しておりません。
*当院では保険診療は行っていません。全額自己負担になります。


その他のレチノイド療法




よくいただくご質問

Q

タザロテンの特徴は?

A

◉タザロテン(Tazarotene)は、米国FDAが承認した第3世代の外用レチノイド(ビタミンA誘導体)です。

◉1997年に乾癬・にきび治療薬として承認され、その後「光による肌の変化(光老化)に伴う皮膚症状の緩和」を目的としたクリーム製剤が追加承認されました。

◉この「緩和(mitigation)」という表現が示す通り、タザロテンはしわや色ムラなど、光ダメージに伴う皮膚変化を軽減する補助療法として位置づけることができます。


Q

タザロテンは具体的にどのような皮膚の悩みに効果がありますか?

A

◉タザロテンクリームは、主に顔の光老化の症状の緩和を目的として使用します。

◉光老化は、紫外線(UV照射)によって引き起こされる皮膚の老化であり、太いしわや小じわ、ざらつき、不均一な色素沈着などが特徴です。

Q

改善が期待できる具体的な症状は何ですか?

A

臨床的に有意な改善が認められた主な症状は、
小じわ (fine wrinkling)
斑状の色素沈着 (mottled hyperpigmentation)
です。

その他に改善が期待できる症状としては、
◎老人性色素斑 (lentigines)
◎毛穴の開き (apparent pore size)
◎不規則な色素脱失 (irregular depigmentation)
◎弾力性の低下 (elastosis)
◎皮膚のざらつき (tactile roughness)
などがあります。

Q

治療を開始してから、どのくらいの期間で効果を感じられますか?

A

ご自身による自覚的な評価では、治療開始後4週間で、多くの方(60%〜68%)が肌の改善を実感されています。


Q

効果の持続性について教えて下さい

A

効果は治療の継続とともにさらに高まり、臨床試験では52週間(12ヶ月間)の治療期間が終了しても改善が頭打ちになっていないことが示されています。これは、長期的な治療の有用性を示唆しています。


Q

タザロテン(タズレットクリーム)はどのように塗ればよいですか?

A


タザロテン(タズレットクリーム)の効果を最大限に引き出し、副作用を最小限に抑えるためには、正しい塗布方法が大切です。基本的な使い方と量の目安は以下の通りですが、医師の指示に従ってください。

準備
○まず、低刺激性の洗顔料で優しく洗顔し、タオルで軽く押さえるように水分を拭き取ります。
○タザロテン(タズレットクリーム)は最初にお使い下さい。
*肌が濡れた状態で塗布すると、刺激が強く出ることがあります(“hydration-enhanced permeation”)。一般的には、洗顔後10分ほど待つことが推奨されます。

塗布量
○多くの臨床試験では「
えんどう豆大(pea-size)=約0.25 g」を全顔に薄く塗布するプロトコルを採用しています。
○毛穴、ニキビ跡など局所的に使用する場合は、綿棒の先にごく少量をとり、病変部からはみ出さないように薄く塗布します。
○「たくさん塗れば早く効く」というわけではありません。むしろ、量を多くすると刺激が強く出やすくなります。

塗布方法
○清潔な指先または綿棒で、薄く均一に伸ばします。強く擦り込まず、優しく塗布してください。

Q

副作用としてどのような症状が多いですか?

A

最も頻繁に報告される副作用は、局所的な皮膚刺激の兆候や症状です。

具体的には、
⚫️
落屑(皮膚の剥がれ)
⚫️紅斑(赤み)
⚫️灼熱感(ヒリヒリ感)
⚫️乾燥肌
⚫️かゆみ
などがあります。

Q

刺激はいつ頃起こりやすいですか?

A

刺激症状は通常、治療を開始してから最初の1〜2週間に一時的に発生します。


Q

タザロテン治療中、普段使っている化粧水や保湿剤、メイクアップ製品は使用できますか?

A

タザロテン治療中は、とくに使いはじめの頃は肌が通常よりも敏感になりやすいため、スキンケア製品やメイクアップ製品の選び方や使い方に注意が必要です。

保湿剤: タザロテン治療中は皮膚が乾燥しやすくなるため、保湿ケアを徹底することが非常に重要です。刺激の少ない、無香料、ノンコメドジェニックな保湿剤を使用してください。

化粧水: 使用する場合は、アルコールフリーで刺激の少ない、保湿成分が含まれたものを選びましょう。

洗顔料: マイルドで、肌への刺激が少ない洗顔料を選び、よく泡立てて優しく洗顔してください。ゴシゴシこすったり、スクラブ入りの洗顔料を使用したりするのは避けましょう。

メイクアップ製品: 基本的には使用できます。、肌のコンディションが不安定な場合は、なるべく肌への負担が少ない製品を選ぶとよいでしょう。

注意が必要な製品 高濃度のビタミンCAHA(フルーツ酸)BHA(サリチル酸)レチノール配合製品など、他にピーリング作用のあるものや刺激の強い成分が含まれるスキンケア製品の併用は、肌への負担が増大する可能性があるため、医師に相談なく使用するのは避けてください。


Q

タザロテンは体内に吸収されて蓄積しますか?

A

局所塗布後の全身吸収は限定的です。活性代謝物であるタザロテン酸の血中濃度は非常に低く(最大で0.71 ng/mLを超えません)、体内に自然に存在する内因性レチノイドの総濃度よりも大幅に低い値です。

薬物の全身的な蓄積は認められていません。

Q

妊娠、授乳中について

A


妊娠中、授乳中の女性、または妊娠を計画している女性は、タザロテンの使用を避ける必要があります。

当院では、妊娠可能年齢の女性へは販売を控えています

Q

タズレットクリームの開示情報

A

◉ 製品の法的地位と概要
タズレットフォルテクリーム(Tazret Forte Cream)は、有効成分タザロテン(Tazarotene)0.1% を含有する外用レチノイド製剤です。タザロテンは第三世代アセチレン系合成レチノイドで、皮膚内で活性代謝物タザロテン酸に変換され、レチノイン酸受容体(RARα/β/γ、とくにRARβ/γ)を介して角化の正常化、コラーゲン産生促進、炎症性シグナルの抑制等の遺伝子発現調節を行います。

日本の薬機法上、本製品は国内未承認医薬品に該当します。そのため、医師の責任において適法に個人輸入し、自由診療の範囲で使用する位置づけです。

◉ 製造元及び日本国内における入手経路
製造元: Glenmark Pharmaceuticals Limited(インド)
同社の複数製造拠点は WHO-GMP 等の国際基準で運用されています(US-FDA/MHRA UK/TGA Australia/ANVISA Brazil ほかによる査察実績あり)。一方で、2019年以降、一部施設がFDAのWarning Letter の対象となった経緯があり、品質管理に関する改善指摘が行われてきたことを付記します。

入手経路: 当院では医師が自己の責任において、患者治療を目的に適法範囲で個人輸入しています。

◉ 同一成分・性能を有する国内承認品の有無
同一成分(タザロテン)を有する国内承認医薬品はありません。
国内で同等カテゴリーの承認外用レチノイドとしてはアダパレン0.1%ジェル(ディフェリン)があり、同じ第三世代レチノイドですが成分・作用特性・刺激性プロファイルが異なります。

◉ 医薬品副作用被害救済制度について
重要: 個人輸入された未承認医薬品による健康被害は、日本の公的な「医薬品副作用被害救済制度」の対象外です。重篤な健康被害が生じた場合でも、公的救済(医療費・障害年金等)の給付は受けられません。

◉ 副作用・リスクの詳細な分析
一般的にみられる反応(頻度10–30% 程度)
皮膚乾燥、紅斑(赤み)、落屑(皮むけ)、灼熱感・刺痛、掻痒(かゆみ)

注意を要する有害事象
光線過敏症(光毒性):日光/日焼けベッドで強い日焼け、水疱、腫脹のリスクが上がります。広域スペクトラムの日焼け止め(最低SPF15以上)と厳格な遮光が必須です。

レチノイド皮膚炎:開始後2–4日で出現しやすく、乾燥・紅斑・灼熱感・落屑がピーク(2週前後)を越えると次第に軽快する傾向。用量・頻度の調整、保湿、短時間接触療法などで管理します。

色素異常:刺激や紫外線対策不十分PIH(炎症後色素沈着)のリスク。
接触皮膚炎:刺激性/アレルギー性。まぶた等の薄い皮膚では間接接触でも起こり得ます。

重大なリスク
催奇形性(妊娠中は絶対禁忌):旧FDAカテゴリーX相当。妊娠可能年齢の方は治療開始直前の妊娠陰性確認、適切な避妊、妊娠判明時の直ちの中止が必須です。

市販後報告:水疱、強い疼痛、蕁麻疹、色素沈着過剰/脱失、浮腫など。

◉ 禁忌事項(絶対禁忌)
妊娠中、妊娠の可能性がある方
本剤成分に対する過敏症既往

相対禁忌・注意
授乳中(ヒト乳汁移行不明。投与する場合は面積・期間を最小化し、乳児皮膚接触を回避)
湿疹・日焼け・擦過傷等の刺激皮膚、光感受性素因・皮膚がん既往/家族歴、職業的日光曝露、極端な気象環境下

◉ 海外での承認状況(安全性等の情報)
米国FDA:1997年承認(Tazorac®:痤瘡・乾癬)。クリームは2000年承認。
EU/英国/カナダ/オーストラリア/ブラジル/イスラエル/南アフリカ/インド等で承認。
使用実績:25年以上のグローバル臨床使用実績。

◉ 製品情報(当院取り扱い品の概要)
製品名:タズレットフォルテクリーム 1%(Tazret Forte Cream)
有効成分:タザロテン 0.1% w/w
製造国/製造元:インド/Glenmark Pharmaceuticals Limited
品質:WHO-GMP 等の国際基準で製造。※一部工場で過去にFDA警告書歴あり。
剤形:外用クリーム

◉ 適応・期待される効果(海外公的情報・臨床試験に基づく)
尋常性痤瘡(ニキビ):非炎症性・炎症性病変の減少
光老化症状の改善:微細なしわ、斑状色素沈着、皮膚質感
毛穴の目立ち・ニキビ跡(萎縮性瘢痕)の改善に関する報告あり
※日本では未承認。国内での効能効果は公的に承認されていません。

◉ 使用方法(目安)
頻度:1日1回、**夜間(就寝前)**に薄く塗布
部位:清潔で完全に乾いた皮膚へ。目・口・粘膜・傷部位を避ける
併用:保湿剤は塗布1時間以上前に使用(刺激軽減に有用)
改善目安:早ければ約4週で変化、24週で最大効果の報告
強い刺激が出た場合:中止または頻度・濃度を調整し、再導入を検討
遮光:治療期間中は毎日、広域スペクトラムの高SPFと物理的遮光を徹底

◉ 併用禁忌・相互作用(要注意)
・光感作性薬剤(例:テトラサイクリン、フルオロキノロン、チアジド、フェノチアジン、サルファ剤)併用時は厳格な紫外線防御。
・過酸化ベンゾイルは分解による効果低下懸念:塗布時間を分ける(例:BPO=朝、タザロテン=夜)。
・強力な乾燥・刺激性外用(高濃度アルコール、収斂剤、薬用石鹸、ワックス等)は同時期の使用を回避。

使用の可否は医師による適応判断と文書同意のうえで決定します。疑問点は遠慮なくご相談ください。

 




X(旧Twitter)投稿のまとめ

 

    • 100歳まで美肌を保つ法~Tazarotene(タザロテン)(70)
      第3世代合成レチノイド。
      光老化皮膚への1%クリームの効果を検証。1日1回の塗布、2週で小ジワ、シミに、8週で毛穴、ハリに効果が現れた。
      J Am Acad Dermatol
      2005;52(2):268-274  (2022年2月23日)

 

    • 100歳まで美肌を保つ法~Tazarotene(タザロテン)(71)
      光老化皮膚への1%クリームの1日1回塗布の効果を検証。効果は2週から現れ、24週でもプラトー(頭打ち)になることはなかった。
      J Am Acad Dermatol
      2005;52(2):268-274  (2022年2月24日)

 

    • 100歳まで美肌を保つ法~Tazarotene(タザロテン)(72)
      光老化皮膚への1%クリームの1日1回塗布の効果を検証。毛穴を縮小させる効果が、患者満足に大きく寄与した。
      J Am Acad Dermatol
      2005;52(2):268-274  (2022年2月25日)

 

    • 100歳まで美肌を保つ法~Tazarotene(タザロテン)(73)
      光老化皮膚への1%クリームの1日1回塗布の効果を検証。副作用は、皮むけ、赤み、ヒリヒリ感など刺激反応で、4%の人が使用を中止した。
      J Am Acad Dermatol
      2005;52(2):268-274  (2022年2月26日)

 

    • 100歳まで美肌を保つ法~Tazarotene(タザロテン)(74)
      0.1%クリームの長期効果を見た試験で、52週までプラトー(頭打ち)にならずに光老化皮膚の改善傾向が続いた。
      Br J Dermatol.
      2010;163:1157-1165  (2022年2月27日)

 

    • 100歳まで美肌を保つ法~Tazarotene(タザロテン)(75)
      プロドラッグで活性型のタザロテン酸に変換される。0.1%クリームの長期使用試験で、タザロテンおよびタザロテン酸の血中濃度は、内因性レチノイド以下で、蓄積は認めなかった。
      Br J Dermatol.
      2010;163:1157-1165  (2022年2月28日)

 

    • 100歳まで美肌を保つ法~Tazarotene(タザロテン)(76)
      光老化皮膚への効果を見るトレチノイン0.05%と濃度を変えたタザロテンの比較試験。タザロテンはトレチノインより早期から効果が出やすい。6ヶ月以降は同程度。
      Arch Dermatol.
      2001;137:1597-1604  (2022年3月1日)

 

    • 100歳まで美肌を保つ法~Tazarotene(タザロテン)(77)
      光老化皮膚への効果を見るトレチノイン0.05%と濃度を変えたタザロテンの比較試験。タザロテンは0.1%がベストで、それはトレチノイン0.05%と同程度の効果をもたらす。
      Arch Dermatol.
      2001;137:1597-1604  (2022年3月2日)

 

    • 100歳まで美肌を保つ法~Tazarotene(タザロテン)(78)
      光老化皮膚への効果を見るため、タザロテンの濃度を変えて試験。刺激反応は、軽度~中等度。濃度が高いほど刺激反応も強かった。
      Arch Dermatol.
      2001;137:1597-1604  (2022年3月3日)

 

    • 100歳まで美肌を保つ法~Tazarotene(タザロテン)(80)
      トレチノイン0.05%クリームとタザロテン0.1%クリームは、光老化症状の改善に有効で、トレチノイン0.05%クリームは1995年に、タザロテン0.1%クリームは2002年に米国FDAにその効果を認められている。
      J Am Acad Dermatol
      2005;52(2):268-274  (2022年3月5日)

 

    • 100歳まで美肌を保つ法~Tazarotene(タザロテン)(81)
      ニキビ痕に、半顔にタザロテン0.1%ゲルを夜1回3ヶ月間塗布、半顔にダーマローラーを1ヶ月毎合計4回行った。効果はほぼ同程度だった。
      (補足:最近読んだ文献の中で、もっとも衝撃的!)
      JAMA Facial Plast Surg
      2019;21(2):125-132  (2022年3月6日)