ヒアルロン酸は私のマストアイテム
ヒアルロン酸注入は、エイジングケアや顔の輪郭形成のための美容医療です。主にしわやたるみの改善、ボリュームアップ、顔のパーツ形成(唇、涙袋など)を目的としています。
ヒアルロン酸注入の効果
即効性: 注入後すぐに効果が現れ、しわやたるみが目立たなくなります。
持続期間: 効果は通常6ヶ月から1年程度持続しますが、使用する製剤によって異なります。
ダウンタイムが少ない: 施術後すぐに日常生活に戻れるため、忙しい方にも適しています。
アフターケア: 注入後はメイクも可能で、特別なケアは必要ありません。
注意点
副作用: 一時的な腫れや内出血が見られることがありますが、通常は数日で回復します。まれにアレルギー反応が、ごく稀に塞栓症が起こることもあります。
施術後の注意: 特別、日常生活の制限はありません。
ヒアルロン酸注入は、その手軽さと即効性から多くの人々に支持されています。特に加齢によるお顔の変化が気になる方には効果的な選択肢となります。
*本施術は、厚生労働省承認製剤を使用しますが、自由診療に基づき全額自己負担になります。
院長コラム 〜満足の笑顔を注入〜
ヒアルロン酸は、ボツリヌス療法とともに車の両輪となって、日陰の存在だった美容医療を陽の当たるところに引っ張り出した原動力になりました。
いつまでも気軽に受けられる日常的な施術であって欲しいし、また皆様の期待に応えられる施術として技術的に発展して欲しいと願わずにはいられません。
ヒアルロン酸のリスク〜とくに塞栓症について〜
ヒアルロン酸注射による塞栓症では、注入されたヒアルロン酸が血管内に入ることによって血流がストップされ、深刻な合併症を引き起こす可能性があります。この現象は顔面の特定の部位でリスクが高く、適切な技術と知識を持った医療従事者による施術が求められます。
塞栓症のメカニズム
ヒアルロン酸注射による塞栓症は、以下の要因によって引き起こされます:
直接注入: 注射針が血管内に誤って刺さること。
過度の圧力: 注入時に過剰な圧力がかかることで血管が圧迫される。
高粘度のヒアルロン酸: 血管内で塞栓を形成しやすい製剤の使用。
おもな症状
塞栓症が発生した場合、以下のような初期症状が現れることがあります:
急激な痛みや灼熱感: 施術直後から数時間以内に発症します。
皮膚の蒼白化や変色: 血流が阻害されることで皮膚の色が変わります。
視力低下や失明: 特に眼動脈閉塞の場合、視力に影響を及ぼす可能性があります。
リスク軽減策
血管閉塞のリスクを軽減するためには、以下の対策が重要です:
適切な注射技術: 緩徐な注入や少量ずつの段階的注入を行うこと。
解剖学的知識: 血管の走行を把握し、危険部位を認識すること。
緊急時の対応
万が一塞栓症が疑われる場合は、迅速な対応が必要です。主な緊急処置には以下があります:
ヒアルロニダーゼ注射: ヒアルロン酸を分解し、血流を回復させるために使用されます。
血流改善治療: 血管拡張薬や抗凝固療法など。
このように、ヒアルロン酸注射には大変まれですが、塞栓症という重大なリスクが伴います。施術を受ける際は十分な説明を受けた上で行うことが重要です。
オリジナル美容モデル
1-施術前
目の下の「ハ」の字型に溝ができていることを気にされていました。
2-施術後
ヒアルロン酸の注入で「ハ」の字が解消され、目の下の「くま」も改善されました。
2-施術前
手の甲が痩せて、血管や筋が浮き彫りになっていました。
2-施術後
片側に1ccずつ注入しました。痩せ感が改善しています。
ヒアルロン酸リフト
院長コラム
ヒアルロン酸でほんとうにリフトアップできるのか?
たぶん多くの方が半信半疑でしょうし、私自身も最初は懐疑的に見ていました。
2015年頃アラガン社が開催したワークショップでのブラジル人医師Dr.デマイオのヒアルロン酸注入でのリフトアップ術の実演(実際の注入はDr.デマイオの指示通りに日本人医師が施行)を目の当たりにしたときは、なんだか信じられないものを見せられたような、催眠術にでもかかっているのかと思ったほどでした。
最初は、なぜリフトアップできるのか作用機序の説明がありませんでしたが、その後支持靱帯をヒアルロン酸のボリュームで支えることでリフトアップ効果が生じることが明らかにされました。
人の顔では、支持靱帯という顔面骨と皮膚表面を結びつけている組織があり、これが顔の形態を支えていますが、加齢とともに支持靱帯周囲の脂肪組織が減少する(痩せる)ことが「たるみ」の一因になっています。そこでヒアルロン酸で支持靱帯を支えることで、リフトアップ効果が生まれるというわけです(図1)。
アラガン社のライバルであるガルデルマ社も支持靱帯をメルクマールにした注入法TrueLiftメソッドを提唱しています。昨今のヒアルロン酸注入は、支持靱帯とは切っても切れない関係にあります(図2)。
(図1) 注入でリフトアップするワケ
(図2)頬骨周囲の支持靱帯と注入ポイント
オリジナル美容モデル
注入前
(50代女性)
目周りの痩せ、頬のたるみが目立ちます。
*目周りに両側でボリューマ1本注入
注入直後
若々しい頬の上縁を形成することで、ほうれい線も少しですが改善して見えます。
*ほうれい線には注入はしていません
こんな方におすすめ
- 1.若々しい顔立ちを取り戻したい
- 2.輪郭の痩せを改善したい
- 3.ほうれい線が気になる
- 4.目の下の凹み(やせ)を改善させたい
プレミアム・ヒアルロン酸の紹介
ボルベラXC
プレミアムシリーズはいずれも、アラガン社のVYCROSS技術に基づいて作られたヒアルロン酸です。
ボルベラは、とても柔らかな材質で、滑らかに仕上がります。それでいて9ヶ月から1年という長期間効果が持続します。
*ジュビダームシリーズは厚生労働省承認製剤です。
- 涙袋
- 目まわりの小ジワ
- 目の下
- 口唇
ボリフトXC
ボリフトXCは、ジュビダーム・ウルトラXCよりワンランク上位に位置づけられた製剤です。
施術者からすると、ほんとうに注入しやすいヒアルロン酸。滑らかで周囲になじみやすく、それでいて効果がわかりやすい。アラガン社のVYCROSS技術を一番実感させられる製剤です
*ジュビダームシリーズは厚生労働省承認製剤です。
- ほうれい線
- マリオネットライン
- 目の下
- 額
ボリューマは、中顔面(頬)、顎、コメカミのボリュームを増大する目的での使用で、初めて厚生労働省から承認されました。
ヒアルロン酸でありながら、2年の持続とは驚きです。未承認製剤ならハッタリで何年とでも言えますが、ボリューマはれっきとした厚生労働省承認製剤。製造元のアラガン社には素直に敬意を表したいと思います。
*ジュビダームシリーズは厚生労働省承認製剤です。
- 頬(ゴルゴライン)
- 輪郭(横顔の痩せ)
- コメカミ
- 顎
施術について
施術について
施術時間 : カウンセリングを含め約30分
麻 酔 : なし
術後診察 : 不要
注意事項
入浴・洗髪 : 当日から可能
洗顔・化粧 : 当日から可能
飲酒・運動 : 当日から可能
治療スケジュール
美容効果を持続させるために、6ヶ月〜1年毎の継続的な注入をおすすめします。
ヒアルロン酸注入を受けられない方
妊娠、授乳中の方
施術手順
1 カウンセリング
初めて施術を受ける方には、ご不明、ご不安な点を徹底的にカウンセリングで解消するよう心がけています。安心して施術を受けていただくことは、最も有効な痛み対策です。
2 注入部位を冷却
定期的に続けていただく施術だからこそ、痛みを軽くする工夫が欠かせません。注入前には冷却装置でクーリングを行っています。
3 ヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸注入でもっとも多いトラブルは内出血で腫れや青アザの原因になります。またもっとも重症なトラブルは非常にまれですが、ヒアルロン酸が血管が詰まる塞栓症です。どちらにも血管を傷つけないよう先端が丸くなったカニューレを使うことが有効な対策です。当院では可能なかぎりカニューレを使用して注入しています。
4 施術終了後
施術後、メイクも可能です。
気になる事があれば何でもご相談下さい。
価格表
ベーシック・ヒアルロン酸 | 価格(税込) |
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ジュビダーム・ウルトラXC ほうれい線、目の下、額 |
1本(1.0ml)57,200円 |
ジュビダーム・ウルトラプラスXC 頬、横顔の痩せ、顎 |
1本(1.0ml)57,200円 |
プレミアム・ヒアルロン酸 | 価格(税込) |
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ジュビダーム・ボルベラXC 口唇、涙袋、目周りの小ジワ |
1本(1.0ml)92,400円 |
ジュビダーム・ボリフトXC ほうれい線、目の下、額 |
1本(1.0ml)92,400円 |
ジュビダーム・ボリューマXC 頬、横顔の痩せ、顎 |
1本(1.0ml)92,400円 |
ヒアルロン酸その他 | 価格(税込) |
---|---|
手の甲ヒアルロン酸(2ml) | 107,800円 |
ヒアルロニダーゼ 1部位 (ヒアルロン酸分解注射) *注入手技料はかかりません |
41,800円 |
■注入手技料別途 3,300円
■手の甲ヒアルロン酸注入は麻酔料 3,850円別途
*本施術は、自由診療に基づき全額自己負担になります。
若いドクター向け「塞栓症」解説
塞栓症について
塞栓症は、ヒアルロン酸フィラーを血管内に誤って注入した結果として起こりうる、まれではあるものの深刻な合併症です。 皮膚の壊死から眼障害に至るまで、様々な障害を引き起こす可能性があります。
●ヒアルロン酸フィラーは、血管抵抗を上回る十分な圧力で注入すると、血管内に注入される可能性があります。 これにより、フィラーが血管系に侵入し、塞栓を引き起こします。
●血管内に入ったフィラーの挙動は、塞栓量とフィラーのレオロジー特性の両方に依存します。 少量の低粘度フィラーは分散して遠位に塞栓する傾向がありますが、大量の高粘度フィラーは閉塞性塞栓を形成する可能性が高くなります。
●ヒアルロン酸フィラーは血栓形成性があり、塞栓のサイズを大きくする可能性があります。 これは、ヒアルロン酸と血小板の相互作用によるもので、血小板凝集が開始されます。
ヒアルロン酸フィラー注入に伴う塞栓症のリスクを減らすためには予防戦略が不可欠です。 これらの戦略には、以下のようなものがあります。
○ボーラスサイズを最小限にする。
○リスクの高い領域を避ける。
○先端が丸いマイクロカニューレを使用する。
○血管超音波マッピングを採用する。
ヒアルロン酸フィラー注入に関連する血管合併症の管理には、血管閉塞の迅速な認識と治療が不可欠です。 血管閉塞が発生した場合、塞栓を分解するためにヒアルロニダーゼを投与する必要があります。 血管閉塞の重症度と範囲によっては、追加の治療が必要になる場合があります。
皮膚塞栓症
皮膚塞栓症総論
皮膚壊死は、ヒアルロン酸フィラー注入後の重大な合併症の1つです。主なポイントは以下の通りです。
原因:
動脈内へのフィラー誤注入による血管閉塞
フィラーによる血管外からの圧迫
過剰な量の注入による組織圧上昇
好発部位:
鼻
眉間
鼻唇溝
前額部
症状:
注入直後の皮膚の蒼白化
痛み
その後の紫斑、水疱形成
最終的に壊死、潰瘍形成
予防:
解剖学的知識の習得
適切な注入テクニック(ゆっくり少量ずつ)
吸引テスト
血管走行を避けた注入
治療:
即時のヒアルロニダーゼ投与
温罨法
血管拡張薬(ニトログリセリンなど)
抗血小板薬
高圧酸素療法
早期発見・早期治療が非常に重要で、特にヒアルロニダーゼは症状出現から48時間以内の投与が効果的とされています。適切な解剖学的知識と注入テクニックの習得が予防には不可欠です。
どのような症状があれば皮膚塞栓を疑うか?
ヒアルロン酸注入後に皮膚塞栓症を疑う主な症状は以下の通りです:
1 急性の痛み:
注入時または直後に、通常の注入時痛とは異なる激しい痛みが生じる。
2 皮膚の色調変化:
蒼白化(白色化):注入部位とその周辺の皮膚が急に白くなる。
リベドレティクラリス(網状皮斑):青みがかった網目状の皮膚変色が現れる。
3 皮膚温の低下:
触診で注入部位の皮膚が冷たくなっている。
4 毛細血管再充満時間の延長:
皮膚を押した後、色が戻るのに通常より時間がかかる。
5 感覚異常:
注入部位やその周辺の皮膚感覚が鈍くなる、またはしびれ感がある。
6 浮腫:
注入部位周辺に腫れ、むくみが生じることがある。
7 水疱形成:
数時間から数日後に、皮膚に水疱が形成される場合がある。
8 皮膚の変色進行:
初期の蒼白化から、紫斑や暗紫色への変化が進行する。
これらの症状、特に急性の痛みと皮膚の蒼白化が同時に発生した場合は、即座に皮膚塞栓症を疑い、迅速な対応が必要です。症状は注入直後から数時間以内に現れることが多いですが、遅発性の症状が出る場合もあるため、注意深い経過観察が重要です。
皮膚塞栓症の治療
皮膚塞栓症に対する初期治療は以下の通り。全てを行う必要はありませんが、ヒアルロニダーゼと温熱療法は必須です。
ヒアルロニダーゼ: ヒアルロニダーゼは、ヒアルロン酸を分解する酵素であり、血管閉塞を引き起こすヒアルロン酸フィラーを溶解するために使用されます。ヒアルロニダーゼ療法は、塞栓の最初の兆候が現れてからできるだけ早く開始する必要があります。血管の虚血を示唆する毛細血管再充満の遅延がみられる部位、および主要な動脈閉塞が疑われる部位に、治療を直ちに開始します。この酵素は、塞栓を起こした部位の周囲に、また皮膚の虚血が疑われる部位に広く注射することができます。リドカイン1%または2%(アドレナリンなし)とともに使用し、塞栓が解消されるまで、1時間ごとに繰り返して注射する必要があります。ヒアルロニダーゼの利点は、皮膚虚血の症状発現後2日以内であれば有効である可能性があります。
温熱療法: 温熱療法は、血管拡張を促進し、血流を改善するために使用することができます。
マッサージ: 患部をマッサージすると、塞栓の原因となっているフィラー物質を分解するのに役立ちます。
血管拡張薬: 硝酸イソソルビドなどの血管拡張薬は、血管拡張を促進し、血流を改善するために使用することができます。
高圧酸素療法(HBOT): HBOTが虚血性皮膚損傷の治療に役立つ可能性があることを示唆していますが、この治療法を支持する証拠は限られています。HBOTは、組織への酸素供給を増加させ、治癒を促進すると考えられています。
血栓溶解療法: 血栓溶解療法がフィラー誘発血管閉塞(FIVO)の転帰を改善する可能性が示唆されています。ラットの腹壁動脈と大腿静脈のヒアルロン酸閉塞モデルを用いた複数の研究では、血栓溶解療法とヒアルロニダーゼの併用療法を受けた動物の皮弁生存率が有意に改善されたことが示されています。
局所ニトログリセリン: 局所ニトログリセリンは、血管拡張を促進するために使用されてきましたが、FIVOでは有効性が証明されていません。
抗血小板療法: アスピリンなどの抗血小板薬は、血小板の凝集を阻害し、さらなる血栓形成を防ぐために使用することができます。
コルチコステロイド: コルチコステロイドは、炎症を軽減し、塞栓に伴う腫脹を軽減するために使用することができます。
皮膚塞栓症の治療の成功は、塞栓の重症度、塞栓が発生した体の部位、治療までの時間など、多くの要因に依存します。早期診断と治療は、成功の可能性を高めるために重要です。
若きドクターへ 〜皮膚塞栓症〜
「皮膚塞栓症を防ぐ注入法はなくても、皮膚壊死は最小化できる」
#皮膚塞栓症を防ぐ注入法はない
動脈の走行を考えてとか少量ずつ注入するとか逆流のないことを確認してから注入するとか、さまざまにアドバイスされますが、解剖には個人差が大きすぎて平均的な走行を語ることはできても、目の前のお客様でもそうなっている保証はありません。
少量ずつといっても実は0.1ml以下の注入量でも皮膚塞栓症どころかもっと恐ろしい眼塞栓症が報告されています。
逆流の確認はそもそも本当にそれが有効かどうかも議論があります。また針を止めて注入するボーラス注入ならまだしも針を動かしながら(引きながら)注入することの方が多いのでその場合はまったく無力です。
注入法に絶対安全な方法がない以上、リスクを避けるためにできるのは「塞栓症リスクの高い部位への注入は避ける」ことです。個人的にはほうれい線基部や鼻根部への注入は取りやめています。ただしリスクの高い部位は、お客様から要望の多い部位でもあるので、勤務医の場合はドクター会議や院長など責任者との話し合いの中で相談されることをお勧めします。
#皮膚壊死は最小化できる
眼塞栓症と皮膚塞栓症との決定的な違いはここで、網膜は虚血に弱いですが皮膚は虚血に耐えられる時間が長く、また塞栓が溶けなくても側副血行路を開かせることで血流の復活が期待できるので皮膚壊死を防ぐことを可能にしています。
何よりも「すべてのヒアルロン酸注入の施術にさいして、塞栓症を疑う」ことに尽きます。皮膚壊死を防ぐためには、注入中または直後に気づくことが不可欠で、クリニックを離れてからお客様自身が異常に気づく状況では皮膚壊死は避けられません。
ポイントは皮膚の変色です。皮膚塞栓症では血流が途絶するため最初期の症状は皮膚の蒼白化になります。絶対をこれを見逃してはいけません。
「塞栓症を疑う」気持ちがないと見えていても気づかないので、つねに疑っていることが必要。それが可能なら注入前に洗顔をお願いするか、広い範囲でメイクを落としてもらうこと。お客様の便宜を図るつもりで注入ポイントだけメイクを落とすのでは蒼白化は見逃します。なぜなら蒼白化それ自体で気づくというより正常部とのコントラスト、境界ができていることで気づくからです。
#皮膚壊死をどう防ぐ
ヒアルロニダーゼ注入は必ず行いましょう。医師からすると血管内に詰まっているヒアアルロン酸を溶解するには動脈内注入でなければ意味がないのではと疑問に思う方もいるでしょうが、そもそもそれは技術的に不可能で(だからそうした報告もない)、また血管外組織への投与でも血管内の塞栓が溶解したとする報告があります。ヒアルロニダーゼ注入を躊躇する理由はありません。
一番重要なのは、「温熱療法」です。根拠は皮膚の血管は本来「終動脈ではない」から。心臓や脳と異なり皮膚は側副血行路が発達しているはず。それなのになぜ皮膚壊死が起こるかというと、皮膚は外気温にさらされているため体温を保持するために網目状にあるはずの側副血行路がほとんど閉鎖されているから。たとえ塞栓を溶かすことができなくても側副血行路を開くことができれば皮膚壊死は防ぐことができるはず。
どうすれば側副血行路が開けるか?たとえばお風呂上がりなど顔がほてって赤くなっているはず。体温を上げれば熱を発散させる必要が生じて側副血行路が開きます。
具体的にはいろいろあるでしょうが、たとえば皮膚の虚血に対する耐久時間を考慮して1日2回以上たとえば温めたタオルで患部を中心に顔を広く温めること。加えて朝晩ゆっくりと湯船につかること。ただし、やりすぎて熱傷にならないように注意させましょう。
いつまで温熱療法を続けるかは塞栓が溶解するまで、または側副血行路が常時開通するようになるまでですが、必ず再診して皮膚の状態を見てから解除する時期を決めることです。
皮膚塞栓症の発症をゼロにすることはできませんが、温熱療法を徹底することで、皮膚壊死を防ぐ、ないし壊死する面積を最小にできるはずなので、その努力を怠ってはいけません。
眼塞栓症
眼塞栓症総論
• 眼の虚血は、フィラーが眼動脈の循環に誤って入り、網膜への血流を遮断してしまうことで発生する、まれではあるものの深刻な合併症です。この合併症は、眼動脈がウィリス動脈輪と直接つながっているため、脳梗塞の可能性もあり、意識消失やめまいなどの関連症状が見られることがあります。
• 眼の虚血の症状は、突然の視力低下や失明、眼痛などが主。。その他の関連症状としては、注射部位の痛み、眼瞼下垂、縮瞳、眼球突出などがあります。
• 眼の虚血は、顔面へのヒアルロン酸注入の最も深刻な合併症である失明の主な原因であり、特に眉間、鼻、額への注入後に発生するリスクが高くなります。
• 眼動脈塞栓症は、フィラーが眼動脈の枝、特に滑車上動脈と眼窩上動脈に塞栓を起こすと発生する可能性があります。
• 血管塞栓症のリスクを軽減するために推奨される予防的アプローチには、ボーラスサイズの制限(中枢網膜動脈塞栓症は、わずか0.08mlのHAで発生する可能性があります)、リスクの高い領域の回避、鈍端マイクロカニューレの使用、血管超音波マッピングの採用などがあります。
• 血管閉塞が発生した場合は、塞栓を分解するために、ヒアルロニダーゼを投与する必要があります。高用量のヒアルロニダーゼ(1mlあたり1,500単位)のパルスモデルを、眼窩上切痕、結膜下、視認できる皮膚虚血領域に投与することが推奨されます。
• その他の治療法としては、眼圧を下げるために眼球穿刺、網膜浮腫を軽減するためのステロイドの静脈内投与、血管拡張のための舌下ニトログリセリン、高圧酸素療法などが行われることがあります。
• しかし、視力回復のための確実な治療法はありません。これは、網膜の虚血耐性が限られているためです。血管閉塞が発生した場合の視覚障害の程度は、眼動脈の眼内分枝における塞栓の部位に依存し、眼動脈閉塞(OAO)や網膜中心動脈閉塞(CRAO)のパターンが多く、この場合は予後不良、網膜分枝動脈閉塞(BRAO)の場合は比較的予後良好と言えます。
眼塞栓症は非常に重篤な合併症のため、予防と早期発見・対応が極めて重要であり、速やかに専門の医療機関に紹介する必要があります。
眼塞栓症が生じるリスクがある注入部位は?
眼塞栓症が生じるリスクがある部位は主に以下の顔面上部および中央部の領域です:
鼻部:
最もリスクが高い部位の一つとされています。
特に鼻背部や鼻尖部が危険です。
眉間:
鼻部に次いでリスクが高い部位です。
額:
特に中央部や側頭部近くがリスクが高い部位です。
鼻唇溝:
鼻翼基部周辺を含む領域です。
眼窩周囲:
特に内側や上部の領域がリスクが高い部位です。
こめかみ (テンプル):
側頭部の注入でもリスクがあります。
頬部:
特に上部や内側の注入でリスクがあります。
眉毛:
眉毛部の注入でもリスクが報告されています。
これらの部位は、眼動脈の枝である滑車上動脈、眉上動脈、背側鼻動脈などと、顔面動脈や浅側頭動脈の枝との吻合が存在する領域です。これらの血管吻合を介して、注入された充填剤が眼動脈系に逆流し、網膜中心動脈閉塞などを引き起こす可能性があります。
一方で、下顎、顎線、唇などの下顔面領域からの眼塞栓症のリスクは比較的低いとされています。
ただし、顔面の血管走行には個人差があるため、どの部位でも潜在的なリスクがあることを認識しておくことが重要です。適切な解剖学的知識と安全な注入テクニックを用いることで、リスクを最小限に抑えることができます。
眼塞栓症を疑う症状は?
眼塞栓症を疑う主な症状は以下のとおりです:
・突然の視力低下や視野欠損
・眼痛
・眼瞼下垂
・眼球運動障害
・外斜視
・瞳孔異常
・頭痛
・吐き気・嘔吐
特に以下の点が重要です:
・症状は注入直後に突然発症することが多い
・片側の眼に症状が出ることが多い
・視力低下の程度は軽度から完全な失明まで様々
・眼痛を伴うことが多いが、必ずしも全例ではない
・視力低下に加えて、眼瞼下垂や眼球運動障害などの眼窩周囲の症状を伴うことが多い
これらの症状が見られた場合は、ヒアルロン酸注入による眼塞栓症の可能性を考慮し、速やかに適切な処置を行う必要があります。症状発現から治療開始までの時間が短いほど、視力回復の可能性が高くなります。
眼塞栓症を疑った場合の初期対応は?
眼塞栓症が疑われた場合の初期対応は迅速かつ適切に行う必要があります。以下が推奨される初期対応の手順です:
注入の即時中止:
症状が現れたら、ただちに注入を中止します。
患者の状態評価:
視力、視野、眼球運動、瞳孔反応などを素早く評価します。
発症時間を記録します。
救急搬送の手配:
直ちに眼科専門医のいる医療機関への救急搬送を手配します。
可能であれば施術者が同行し、詳細な情報を提供します。
再呼吸法:
紙袋を用いて再呼吸を行わせ、血中二酸化炭素濃度を上昇させます。
これにより網膜動脈の拡張を促します。
アスピリン投与:
禁忌がなければ、アスピリン300-325mgを経口投与します。
血栓形成を予防する目的です。
眼球マッサージ:
間欠的に眼球を圧迫・解放するマッサージを行います。
塞栓物質を末梢へ移動させる目的です。
亜硝酸薬の投与:
ニトログリセリンの舌下投与を考慮します。
血管拡張を促進する目的です。
局所へのヒアルロニダーゼ投与:
注入部位周辺に高用量のヒアルロニダーゼを投与します。
ヒアルロン酸フィラーの場合に有効です。
眼圧下降薬の投与:
チモロール0.5%点眼液を1-2滴、患眼に点眼します。
眼圧を下げる目的です。
酸素投与:
可能であれば高濃度酸素を投与します。
詳細な記録:
使用したフィラーの種類、量、注入部位、注入方法などを記録します。
発症時間や症状の経過を詳細に記録します。
これらの初期対応を行いながら、できるだけ早く専門医による治療を受けられるようにすることが重要です。網膜の虚血耐性時間は短いため、発症から90分以内に適切な治療を開始することが望ましいとされています。
球後へのヒアルロニダーゼ注入について
日本では、ヒアルロン酸の解説書の中には、眼塞栓症の治療として、球後へのヒアルロニダーゼ注入を紹介したものがありますが、眼科の専門トレーニングを受けた医師でない限り行うべきではありません。
球後へのヒアルロニダーゼ注入に関する主な点は以下の通りです:
1. 目的:
- ヒアルロン酸フィラー注入後の視力喪失や眼動脈閉塞を治療するための緊急処置として提案されています。
2. 理論的根拠:
- 球後に注入されたヒアルロニダーゼが血管壁を通過し、血管内のヒアルロン酸フィラーを分解することを期待しています。
3. 効果の不確実性:
- 複数の研究や症例報告がありますが、その有効性については議論が分かれています。
- 一部の症例で視力回復が報告されていますが、多くの場合で効果が限定的または無効とされています。
4. リスク:
- 網膜出血
- 眼球穿孔
- 網膜血管閉塞
- 局所および全身的な副作用
5. 技術的課題:
- 緊急時に適切に実施するには高度な専門技術が必要です。
- 美容医療を行う多くの医師にとって、この処置を行う十分な訓練や経験がない可能性があります。
6. タイミング:
- 効果があるとすれば、発症後できるだけ早く(理想的には60-90分以内)実施する必要があります。
7. 代替方法:
- 皮下や眼窩周囲へのヒアルロニダーゼ注入など、より安全な代替方法が提案されています。
8. 専門家の見解:
- 多くの専門家は、リスクと不確実な効果のバランスを考慮し、この処置の routine useに対して慎重な立場をとっています。
9. ガイドライン:
- 現在、この処置の使用に関する明確な国際的コンセンサスはありません。
結論として、球後へのヒアルロニダーゼ注入は理論的には魅力的ですが、その有効性は確立されておらず、重大なリスクを伴う可能性があります。そのため、十分な訓練を受けた専門家のみが、他の治療選択肢と併せて慎重に検討すべき処置と言えます。
ヒアルロン酸注入による「失明」
- ヒアルロン酸注入による失明は非常にまれな合併症ですが、発生すると深刻な結果をもたらします
- 正確な発生率は不明ですが、推定では約0.001%とされています
- 2015年の世界的な文献レビューでは98例の報告がありましたが、2019年の更新レビューではそれから49%増加しています
- ヒアルロン酸フィラーの使用増加に伴い、失明の報告例も増加傾向にあります
- 鼻部(56.3%)と眉間部(27.1%)が最も失明のリスクが高い注入部位とされています
- 失明の約半数は部分的な視力喪失で、完全失明ではありません
- ほとんどの症例は片眼性で、症状は注入直後に発症します
- 中心網膜動脈閉塞や眼動脈閉塞のパターンは予後不良です
- 早期診断と適切な治療が重要ですが、効果的な治療法は確立されていません
以上、ヒアルロン酸注入による失明は稀ですが、重篤な合併症であり、適切な解剖学的知識と注意深い手技が重要です。
若きドクターへ 〜眼塞栓症〜
塞栓症についてネットで情報を求めると、びっくりするほと詳細に解剖学知見やら、施術方法について、専門医資格がどうのだとか書かれていたりします。しかし、そんなに時間をかけて記述する暇があるなら、もう少し丁寧に文献にあたれば、結局のところそんなものは何の役にも立たず、ただ「顔の上半分へのヒアルロン酸注入では眼塞栓症のリスクがある」と覚悟した方が実態に近いことがわかるはず。
この眼塞栓症の難しさは、実際にはきわめてまれなのに発症すれば結果がきわめて重篤であることに尽きます。どのくらいまれかと言えば、私自身で言えば、20年以上美容医療に携わっていて経験したこともなければ、自分のまわりで話を聞いたこともない。そのくらいまれな話ではあります。
怖がりすぎてはヒアルロン酸を注入できなくなり、ひいては美容医療そのものを否定することになってしまいます。交通事故に遭うのが怖いから自宅に閉じこもるようなもの。
現実的に可能な対策としては、「顔の上半分へのヒアルロン酸注入」をやめることではなく、特にハイリスクな部位(眉間から鼻根にかけての領域)へのヒアルロン酸注入を避けることではないでしょうか。現状では一度発症した場合、確実に回復させる治療法はないので、何より発症リスクを下げることが最善。
また現状での問題点としては、もし眼塞栓症が発症したとき、搬送先を見つけるのがきわめて難しいだろうこと。
この高いハードルを少しでも下げるには、すぐに実現する話ではありませんが、厚労省や学会レベルへの働きかけが必要。日本においてヒアルロン酸後の失明がどの程度発生しているか調査して必要性を確認した上で、眼塞栓症が発症した場合の最善の処置についてガイドラインを策定し、それを救急医療機関に周知して速やかに対応してもらえるような整備が必要だと思います。
よくいただくご質問
ヒアルロン酸注入のリスクについて
ほとんどの方でダウンタイムは必要ありません。
リスク・副作用について
1)内出血(腫れ、青アザ)
2)凹凸
3)腫れ、むくみ
4)痛み、違和感
5)しこり(異物肉芽種)
6)感染症(まれ)
7)アレルギー(まれ)
8)動脈塞栓症(まれ)
もっとも多いトラブルは内出血です。
腫れや青アザの原因になります。冷却してからカニューレを使用して注入することで内出血対策としています。内出血してもたいていの場合メイクでカバーすることができます。ただし青アザとなって広がることもありますので大切なご用事が控えているさいは、ご用事がすんでから施術をお受け下さい。
その他、ごくまれですがアレルギーのリスクがあります。アレルギーが疑われる場合には、ヒアルロン酸を溶解するなど処置をすることがあります。
凸凹になることがあると聞きました・・
注入直後にはなくてもあとで気づくこともあります。
原因としては体内で水分を吸収してヒアルロン酸のボリュームが増えたり、まばたきや表情によってヒアルロン酸が偏ることなどが考えられます。
ほとんどの場合マッサージすることで直せます。我慢されずにご連絡下さい。
量り売りはしていますか?
「量り売り」とはヒアルロン酸注入の料金を0.1mlあたりで決めることですが、当院では製剤1本をお買上いただき、施術に使用しています。「量り売り」は行っていません。
痛いですか?
当院では痛みの軽減に最大限配慮しており、他のクリニックより痛みの少ない施術になっていると自負しています。実際痛みを心配されて当院を選ばれるお客様も数多くいらっしゃいます。
注入量の目安は?
原則としてヒアルロン酸製剤1本(1cc)でご満足いただける注入を心がけています。2本以上使う場合はあらかじめ十分にご説明いたします。
他院で注入していますが、同じ部位に注入してもらえますか?
もちろん注入いたします。
クリニックが替わると注入するヒアルロン酸の製剤が異なる場合もありますが、特に問題ありませんので前医へのお問い合わせは必要ありません。
治療後に気をつけることはありますか?
注入部を強く圧迫することは避けて下さい。メイクでのマッサージは問題ありません。
《激しい運動について》
内出血を誘発する恐れがあり施術当日はしないで下さい。
《レーザー治療について》
施術から1~2週間経てば問題なく行えますが、各クリニックで決めた独自のルールがあるのでお問い合わせ下さい。
ヒアルロン酸は何からできていますか?
2種類の糖が交互に連結した直線上の高分子化合物です。生体内では最終的に二酸化炭素と水に分解されます。
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