制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2025年6月30日)
ルビーフラクショナルは美白レーザー
従来の治療法では改善が難しかったシミやそばかす、肌全体のくすみにお悩みではありませんか?もっと肌全体の美白を目指したいとお考えではないですか?
フォトなどの光治療では満足のいく結果が得られなかった方、より高いレベルの美白効果と肌の透明感を求める方へ。
美容外科・美容皮膚科 青い鳥では、日本国内ではまだ導入数の少ない「ルビーフラクショナルレーザー」の治療を提供しています。
ルビーフラクショナルとは?
◉ルビーフラクショナルとは、シミやあざ治療において高い効果を発揮するQスイッチルビーレーザーのレーザービームをシャワー状にして、点状(フラクショナル)に照射する治療法です。
◉レーザー光がターゲットとなるメラニン色素を選択的に破壊しますが、点状に照射することで、皮膚のダメージ、ダウンタイムを最小限に抑えます。
◉従来のレーザーのように面で照射するのではなく、点状に照射することで、周辺の正常な皮膚組織へのダメージを最小限に抑えながら、効果的な治療を可能にします。
◉これは、日本で美肌治療のスタンダードとも言える光治療(IPLなど)からさらに進化したアプローチであり、特定のシミ治療に留まらず、肌全体のトーンアップを図る「美白治療」として位置づけられます。ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)のような深い色素沈着にも効果が期待できます。
ルビーフラクショナルのメリット
◎ 高い美白効果とシミ改善効果: ルビーレーザーはメラニン色素への吸収率が非常に高く、頑固なシミ、そばかす、ADMに対して優れた効果を発揮します。肌全体のトーンも明るくなり、透明感のある肌へと導きます。これは、一般的な光治療では到達しにくい効果レベルです。
◎ 肌への負担軽減: フラクショナル照射により、皮膚表面への熱ダメージが抑えられるため、従来のQスイッチルビーレーザーと比較して、施術後の赤みや腫れ、かさぶたといったダウンタイムが大幅に軽減されています。
◎ ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)への有効性: 皮膚の深い層(真皮)に存在するADMは、治療が難しいとされていますが、ルビーフラクショナルは深達性に優れるため、効果的な治療が期待できます。
◎ 肌質改善効果: レーザーの熱エネルギーがコラーゲン生成を促し、肌のハリやキメの改善といった副次的な効果も期待できます。
◎ 院長による丁寧な施術: 当院では、全ての照射を美容医療に20年以上携わる院長が担当します。豊富な経験に基づき、患者様一人ひとりの肌状態に合わせて最適な出力設定と丁寧な照射を行うことで、効果を最大限に引き出し、リスクを最小限に抑えます。
ルビーフラクショナルのデメリットとリスク
ルビーフラクショナルは多くのメリットを持つ一方で、いくつかのデメリットやリスクも存在します。
⚫️ ダウンタイム: フラクショナル照射により負担は軽減されていますが、施術後には赤み、腫れ、点状のかさぶたなどが生じます。通常、翌日にはメイクでカバーできる程度に落ち着きますが、適切なアフターケア(特に紫外線対策と保湿)が大切です。
⚫️ 複数回の治療が必要
⚫️ 色素沈着のリスク: レーザー治療全般に言えることですが、施術後の炎症が原因で一時的に色素沈着(PIH: 炎症後色素沈着)が濃くなる、あるいは稀に色素脱失(白斑)が起こる可能性があります。特に、施術後の紫外線対策を怠るとリスクが高まります。
⚫️ 費用: 美容目的の施術であり、健康保険は適用されません(自由診療)。全額自己負担となります。
⚫️ 施術者の技術への依存: ルビーフラクショナルは、適切な診断と精緻な照射技術が求められる治療です。施術者の経験や技量によって、効果やリスクの程度が大きく左右されます。港区にも多くのクリニックがありますが、信頼できる経験豊富な医師を選ぶことが極めて重要です。
当院のルビーフラクショナルの特徴
◯美容外科・美容皮膚科 青い鳥は、港区のJR浜松町駅、大門駅、芝公園駅からアクセスしやすい徒歩圏にあり、ルビーフラクショナル治療において、安全性と効果、そして患者様への丁寧なケアを最優先に考えています。以下の点にこだわり、他院との差別化を図っています。
◯ 院長が一貫して担当:安心の専任制: カウンセリングから施術計画の立案、そして実際のレーザー照射まで、全ての工程を美容医療歴20年以上の院長が一貫して担当します。看護師による照射は一切行いません。院長の豊富な経験と知識に基づいた的確な診断と、繊細な照射技術により、安全かつ効果的な治療を提供します。
◯ 国内では数少ないレーザー治療を提供: ルビーフラクショナルは、その高い効果にも関わらず、日本では導入しているクリニックが限られています。
◯ 「肌全体の美白」を目指す治療: 単なるシミ取りではなく、肌全体の質感を向上させ、根本から明るく透明感のある肌へと導く「進化した美白治療」として、本施術を位置づけています。従来の光治療では物足りなかった方にも、ご満足いただける結果を目指します。
◯ 丁寧なカウンセリングとリスク管理: 患者様のお悩みや肌状態を詳細に診察し、期待できる効果と潜在的なリスクについて、分かりやすくご説明します。肌質やシミの種類に合わせて、レーザーの出力や照射設定を微調整し、効果を最大化しつつ、リスクを最小限に抑えるよう細心の注意を払います。
◯ 充実したアフターケア: 施術後のダウンタイムを少しでも快適に過ごしていただけるよう、詳細なアフターケア指導を行います。経過観察にも力を入れ、万が一、予期せぬ反応が出た場合にも迅速かつ適切に対応いたします。
まとめ:安心・安全を第一に、理想の美白肌をサポート
▶︎ 港区で、より効果的なシミ治療、本格的な美白治療をお探しなら、ルビーフラクショナルをご検討ください。
▶︎ 日本ではまだ数少ない先進レーザーを、20年以上の美容医療の経験を持つ院長による施術で受けられるのが当院の強みです。
▶︎ 従来の光治療や美白ケアでは改善しなかった頑固なシミ、くすみ、色ムラでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
▶︎ お客様が自信の持てる、明るく輝く肌を手に入れられるよう、スタッフ一同、心を込めてサポートいたします。
*本施術は、厚生労働省から承認された医療機器を使用していますが、本施術はその用法の範囲外です。また自由診療に基づき全額自己負担になります
**お知らせ**
当院は2003年に自由が丘から港区浜松町(最寄駅:JR/東京モノレール 浜松町駅、都営浅草線/大江戸線 大門駅、都営三田線 芝公園駅)に移転して診療しています。
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オリジナル美容モデル
1.1-前
40代女性
ソバカス、小班型老人性色素斑、ホクロが散在しています。
1.1-後
(施術5回後)
ホクロは残っていますが、シミの多くは目立たなくなりました。
1.2-前
40代女性
鼻、鼻横の頬には毛穴の開きが目立ちます。
1.2-後
(施術5回後)
治療の難しい鼻の毛穴も小さくなりました。
クアンタ社製 Q-Plus Rでは、フラクショナルレーザーのビームが平行ではなく、真皮層で収束するよう設計されています。そのため肌理を細やかに整える作用があります。
医療広告ガイドライン・限定解除要件
◉通常必要とされる治療内容:顔全体に低出力のフラクショナルルビーレーザーを照射します。照射はチリチリとした感覚があり、照射する時間は10〜15分、照射後は赤みが出ています。
*カウンセリングから治療終了までの時間:1時間
◉標準的な費用:254,650円(5回照射の費用)
*レーザー施術料(1回+2回で1クールを2クール+初診料+麻酔料)
◉標準的な治療期間及び回数:4週ごとに通院して5回の照射を推奨しています。5回の施術回数で治療期間は4ヶ月になります。
◉デメリット・リスク・副作用:フラクショナルルビーレーザーは多くのメリットを持つ一方で、いくつかのデメリットやリスクも存在します。
▶︎ダウンタイム: フラクショナル照射により負担は軽減されていますが、施術後には赤み、腫れ、点状のかさぶたなどが生じます。通常、翌日にはメイクでカバーできる程度に落ち着きますが、適切なアフターケア(特に紫外線対策と保湿)が大切です。
▶︎ 複数回の治療が必要
▶︎ 色素沈着のリスク: レーザー治療全般に言えることですが、施術後の炎症が原因で一時的に色素沈着(PIH: 炎症後色素沈着)が濃くなる、あるいは稀に色素脱失(白斑)が起こる可能性があります。特に、施術後の紫外線対策を怠るとリスクが高まります。
▶︎ 費用: 美容目的の施術であり、健康保険は適用されません(自由診療)。全額自己負担となります。
こんな方に
- 1.ダウンタイムを心配せずシミ・アザ(ADMなど)を治療したい
- 2.色黒、くすみを治療したい
- 3.色白で肌理細やかな素肌になりたい
施術について
施術について
施術時間 : カウンセリング、麻酔を含め60分程度
麻 酔 : 表面麻酔
術後診察 : なし
注意事項
入浴・洗髪 : 当日から可能
洗顔・化粧 : 当日はメイクは控えて下さい
飲酒・運動 : 当日から可能
治療スケジュール
4週間隔で、4~8回の治療を推奨しています。
施術を受けられない方
- 1.日焼けをしている、あるいは日焼けをする予定のある方
- 2.治療部位に傷や化膿、感染性の皮膚疾患がある方
- 3.光増感剤(光線過敏症を引き起こす可能性のある薬品)を服用している方
- 4.金の糸が入っている方
- 5.妊娠、授乳中または妊娠の可能性のある方
*その他ご不明な点があれば、お気軽にご相談下さい。
施術の流れ
1 カウンセリング
お悩み、治療へのご希望をお聞きし、肌の状態を診察して最適な治療計画、どのタイプのレーザーが最も効果的かを判断します。これにより治療の効果を最大限に引き出すことが可能となります。
照射前には、麻酔クリームを使用して痛みを軽減しています。この麻酔は、レーザー照射中の不快感を最小限に抑えます。
2 ケミカルピーリング
レーザー照射の前処置としてケミカルピーリングを行います。
ケミカルピーリングによって古い角質を排除します。古い角質にはメラニン色素が溜まっていて、そのまま照射するとレーザー光がこのメラニン色素に吸収されて、そこから先には届かなくなるので、レーザー光をできるだけ減弱させずにターゲットである表皮基底層に届けることを目的としてケミカルピーリングを行っています。
3 フラクショナル照射
お顔全体への照射はおよそ20分です。
ルビーフラクショナルの照射では、チリチリする感覚が顔の上を移動していく感じがわかると思います。クリーム麻酔で表面麻酔をしているので、特別痛い刺激ではありません。もちろん快適な刺激ではありませんが、これまで施術途中で痛みのために続行できなくなった方もいないので、大人の方が普通に我慢できる範囲内と言えます。
4ホワイトニングパック
レーザー治療後の色素沈着予防として、高濃度ビタミンC・トラネキサム酸をパック導入します。
5 施術終了後
ノーメイクでお帰りいただきます。
レーザー照射後は、
①遮光(日光にあたらない)
②こすらない、触らない
③保湿
の3点をお守り下さい。
レーザーを照射した部位は、過敏な状態になっていて、紫外線暴露で色素沈着を生じやすくなります。外出時には必ず日焼け止めを使用してください。
価格表
ルビーフラクショナル(全顔) | 価格(税込) |
---|---|
1回 |
50,600円 |
1クール(2回) |
99,000円 |
3クール目以降(*照射のみ)77,000円 |
■麻酔料 2,750円別途(クールは麻酔料込み)
■施術内容
❶サリチル酸マクロゴールピーリング
❷フラクショナル照射
❸ホワイトニング導入
*照射のみ について
❷フラクショナル照射のみ(❶、❸を除く)の治療での価格です。
*本施術は、自由診療に基づき全額自己負担になります。
よくいただくご質問
治療の主なリスク、副作用、ダウンタイムについて
本治療は効果が期待できる一方、以下のような経過やリスク、副作用を伴います。治療をご検討される際は、必ず下記の内容をご理解ください。
⚫️施術中: 施術中は、麻酔クリームを使用しますが、「熱い針で細かく刺されるような」「骨の上など部位によっては強い」痛みを感じることがあります。
⚫️施術直後~翌日: 施術直後は、照射部位全体に赤み、腫れ、ヒリヒリとした熱感が生じます。これらの症状は通常数時間から翌日には大半が落ち着きます。
⚫️施術後3日~1週間: 照射部位に、直径1mm未満の「点状の黒いかさぶた(マイクロクラスト)」が多数形成されます。これにより、肌の表面がザラザラ、ゴワゴワした手触りになり、一時的に化粧ノリが著しく悪くなります。 このかさぶたは、洗顔などで自然に剥がれ落ちるまで、無理に剥がさないでください。また、この期間は肌が非常に乾燥し、かゆみを感じることがありますので、十分な保湿ケアが必要です。
• 炎症後色素沈着(PIH): 治癒過程において、照射部位が一時的に元のシミより濃くなる「炎症後色素沈着」が起こる可能性があります。これは特にADM治療などで見られる比較的一般的な反応であり、通常3~6ヶ月かけて徐々に薄くなりますが、稀に長引くことがあります。このリスクを最小限に抑えるため、施術後は徹底した紫外線対策(日焼け止めの使用など)が必須です。
• その他のリスク: ニキビ様皮疹、毛嚢炎、まれに色素脱失(白斑)、アートメイクの色調の変化、感染症、熱傷、瘢痕などが起こる可能性があります。
具体的にどのような肌の悩みが治療できますか?
ルビーフラクショナルレーザーは、メラニン色素が原因となる様々な肌トラブルに対して幅広い効果を発揮します。
主な治療対象
最も得意とするのは、顔全体に散らばる細かいシミ(老人性色素斑)、そばかす(雀卵斑)、そして肌全体のくすみです。一つ一つスポットで治療するには数が多すぎるようなケースに特に適しており、広範囲を均一にトーンアップさせる美白効果が特徴です。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)への効果
特筆すべきは、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)への有効性です。これは真皮層に存在するアザの一種で、従来の光治療などでは改善が困難でしたが、クアンタ社製Q-Plus Rのルビーレーザーの光は深部で収束するためADMの治療にも効果が期待できます。
副次的な美肌効果(リジュビネーション)
この治療は単なるシミ取りに留まりません。照射時に発生する熱が真皮層の線維芽細胞を刺激し、コラーゲンの生成を促進します。その結果、副次的な効果として肌のキメが整い、ハリやツヤが向上し、毛穴の開きや小じわが目立たなくなるといったリジュビネーション効果も期待できます。
シミやくすみを改善しながら、肌全体の質感を若々しく向上させることができるのは、この治療の大きな魅力です。
ルビーフラクショナルレーザーとは、具体的にどのような治療ですか?
◉ルビーフラクショナルの治療とは
シミやそばかすの原因となるメラニン色素の吸収率が非常に高い波長694nmの「Qスイッチルビーレーザー」を、特殊な「フラクショナル(点状)」方式で照射する治療法
◉治療法のポイントは二つの要素の組み合わせ:
- 古くからシミ治療において高い効果が実証されてきた「ルビーレーザー」の特性
- レーザー光がメラニン色素に選択的に吸収され、正常な皮膚組織へのダメージを最小限に抑制
◉「フラクショナル」照射技術の特徴:
- レーザーを面で一気に照射するのではなく、マイクロドット状(微細な点の集合体)として照射
- 一度に顔全体を治療対象にすることが可能
◉治療効果:
- 細かく無数にある小さなシミ・ソバカスを全体的に治療
- 顔全体の美白治療
◉ 個別のシミではなく、顔全体を治療対象とする包括的なアプローチ
「フラクショナル」という照射方法の仕組みと、その利点は何ですか?
◎「フラクショナル」の意味:
- 「分割された」という意味を持つ言葉
- レーザービームを意図的に分割し、シャワーのように点状に照射
◎照射の仕組み:
- レーザーが照射された点と点の間には、ダメージを受けていない正常な皮膚が残る
- ホースから水を一気に撒くのではなく、シャワーで水を撒く状態に類似
◎ 治癒プロセスの利点:
- あえて残された正常な皮膚が基点となり、皮膚の再生・治癒プロセスを速やかに進める
- 面で一気にダメージを与える方法と比較して、点でダメージを与える方が皮膚の回復が格段に早い
◎治療上の利便性:
- この作用機序がルビーフラクショナルレーザーの利便性を飛躍的に高めている根源となっている
クアンタ社製 Q-Plus Rの特徴は?
◎きめ細かなフラクショナル照射:
Q-Plus Rでは1回の照射範囲はおよそ5%(他の機種はおよそ20%)です。きめ細かなフラクショナル照射が、炎症後色素沈着の予防に役立ちます。
◎高速3Hz発振:
従来のQスイッチルビーレーザーでは、1秒間に繰り返し照射できるのは2回、つまり2Hzが限界でした。クアンタ社は3Hzという高速レーザー発振を実現しました。迅速で効率的なレーザー治療ができます。
ピコレーザーやIPL(光治療)といった他の人気治療とは、どのように違うのですか?
美容医療には様々なレーザー治療が存在するため、その違いを理解しておくことが必要です。ルビーフラクショナルレーザーは、特にピコレーザーやIPLと比較されることが多いため、その使い分けを解説します。
ピコレーザーとの比較
ピコレーザーも「フラクショナル」モードを持つことがあり、両者はしばしば比較対象となります。最大の違いは、それぞれの得意分野にあります。
ルビーフラクショナルレーザーは、その名の通りルビーレーザーの特性を活かし、メラニン色素(シミ、くすみ)の除去に非常に高い効果を発揮します。
一方、ピコフラクショナルレーザーは、衝撃波によって肌の内部に微細な空洞を作り、コラーゲン生成を強力に促す作用が特徴です。そのためピコレーザーは肌質の改善効果を主目的とする場合に選択されます。
クリニックによっては「シミの色素をしっかり取りたいならルビーフラクショナル、肌の質感や凹凸の改善を優先するならピコフラクショナル」というように、患者様の主訴に応じて使い分けを提案しています。
IPL(光治療)との比較
IPL(フォトフェイシャルなど)は、レーザーよりもマイルドな光を広範囲に照射する治療です。ルビーフラクショナルレーザーは、ルビーレーザーの光がIPLよりもメラニン色素に対して選択性が高く、より強力に作用します。また、IPLでは効果が期待できないADM(後天性真皮メラノサイトーシス)のようなアザにも、ルビーフラクショナルレーザーは対応可能です。
このように、各治療法にはそれぞれ得意な領域があります。自身の肌悩みが「色」の問題なのか、「質感」の問題なのかを考えることが、最適な治療法を選択する上での第一歩となります。
結果を実感するには、何回の施術が必要ですか?
◉標準的な治療回数: 4回から6回程度の施術を推奨
◉効果実感の目安: 2回から3回の照射で多くの人が改善を感じ始める(個人差あり)
◉ 複数回必要な理由: フラクショナル照射方式のため
- 1回の施術でレーザーが照射される面積は全体の約10〜20%程度
- 肌へのダメージを抑え、迅速な回復を促すための意図的な設計
- 1回の治療ではシミ全体の約1〜2割にしかレーザーが作用しない
◉ 治療の仕組み: 2回、3回と治療を重ねることで照射されていない残りの部分を埋め、徐々に全体のカバー率を高めて最終的にシミ全体をレーザー治療したのと同様の効果を得る
◉ 治療間隔: 肌のターンオーバーや回復期間を考慮し、1ヶ月ごとに設定するのが一般的
ルビーフラクショナルレーザーが最適なのは、どのような人ですか?
この治療法が特に推奨されるのは、次のような方々です。
◎広範囲に細かいシミやそばかすが散在している方
顔全体に無数の小さなシミが広がっており、一つ一つをスポット照射で治療するのが現実的でない場合に最適です。
◎積極的に肌を明るくしたい方
ルビーフラクショナルで皮膚のメラニン色素を破壊した上で、しっかり「美白」ケアをすることが、多くの方にとって最善の「美白」ケアになります。
◎IPLなどの光治療で満足のいく結果が得られなかった方
よりマイルドな治療法で効果を感じられなかった場合、メラニン色素への選択性が高いルビーレーザーが有効な選択肢となります。
◎ダウンタイムを極力避けたい方
仕事や日常生活の都合上、テープ保護や目立つかさぶたといった長期間のダウンタイムを取ることができない方でも、この治療法なら受けていただけます。
◎ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)と日光性のシミが混在している方
異なる種類のシミが混在している場合でも、ルビーフラクショナルレーザーは同時にアプローチすることが可能です。
これらの特徴から、ルビーフラクショナルレーザーは、単にシミを取りたいというだけでなく、「日常生活への影響を最小限に抑えながら、広範囲の肌の色ムラを自然に改善したい、肌の色を明るくしたい」と考える現代人のニーズに合致した治療法であると言えます。
治療の効果はどのくらい持続しますか?
ルビーフラクショナルレーザーによって破壊されたメラニン色素が自然に元に戻ることはありません。しかし、様々な原因で皮膚には再びメラニン色素が作られて、蓄積していきます。ただ日焼け止めを塗っているだけでは全く不十分なのです。
効果の持続期間
治療効果の持続期間を一概に述べるのは困難です。それは個人の肌質や生活習慣に大きく左右されるからです。
結果を維持するための鍵:アフターケア
皮膚のメラニン色素生成を刺激する要因としては
1)日光(紫外線、可視光、赤外線)
2)大気汚染
3)炎症
4)ホルモン変動
5)薬剤・化学物質
が挙げられます。
中でも効果を長期間維持するために最も重要なのは、徹底した紫外線対策です。日焼け止めの常用はもちろん、帽子や日傘の活用など、治療後少なくとも3ヶ月から半年は、日常的な遮光を徹底することが、治療結果を維持するための鍵となります。
この治療は、肌を一度「リセット」する行為と捉えるべきです。その美しい状態を維持するためには、継続的なスキンケアと紫外線防御という努力が不可欠なのです。
この治療が不向きなシミの種類や肌の状態はありますか?
ルビーフラクショナルレーザーにも、不得意な分野や注意すべき肌状態が存在します。
⚫️大きくて境界が明瞭な単発のシミ
直径1cmを超えるような、孤立した濃いシミに対しては、フラクショナル照射よりも従来のQスイッチレーザーによるスポット照射の方が、1回あたりの効果が高く効率的です。
⚫️目立つ肝斑(かんぱん)
これは最も注意を要する点です。ルビーフラクショナルレーザーが肝斑に有効とする報告もありますが(参考文献)、増悪、再発のリスクは避けられません。当院では肝斑の治療目的でのルビーフラクショナル治療は行っていません。肝斑が目立つ場合は、まず肝斑の治療を優先することをお勧めします。
【参考文献】
Efficacy of 694-nm Q-switched ruby fractional laser treatment of melasma in female Korean patients
Jang WS, et al.
Dermatol Surg.
2011;37(8):1133-40
この治療を受けられないのは、どのような人ですか?(禁忌事項)
安全上の理由から、以下に該当する方はルビーフラクショナルレーザー治療を受けることができません。これらは医学的な禁忌事項であり、該当する事項があればカウンセリング時に必ず申告して下さい。
⚫️妊娠中、妊娠の可能性がある、または授乳中の方
⚫️ケロイド体質の方
⚫️治療希望部位に活動性の皮膚感染症(ヘルペスなど)や重度の皮膚疾患、傷がある方
⚫️光線過敏症の方、または光感受性を高める薬剤を内服中の方
⚫️金の糸(ゴールドリフト)を入れている方
⚫️治療前に強い日焼けをしている、または直後に日焼けをする予定のある方
⚫️治療希望部位にアートメイク(眉毛やアイラインのタトゥー)がある方(レーザー照射により変色や火傷のリスクがあるため、施術前に必ず申告する必要があります)
施術は痛いですか?
痛みに関する不安は、レーザー治療を検討する上で最も大きな懸念事項の一つです。
痛みの感覚
「チリチリとした熱い刺激」があります 。シミが濃い部分ほど、メラニンがレーザーによく反応するため、刺激が強くなる傾向にあります。
麻酔の使用
施術前には麻酔クリームを使用します。これにより、痛みは大幅に緩和され、十分我慢できる程度の感覚になります。
施術後の痛み
施術直後には、ヒリヒリとした熱感や痛みが数時間続くことがありますが、これも冷却処置によって和らぎ、通常翌日までには消失します。
総じて、全くの無痛ではありませんが、麻酔の使用により多くの人が問題なく受けられるレベルの痛みであると理解してよいでしょう。
ダウンタイムはどのくらいですか?施術直後の肌はどのような状態になりますか?
「ダウンタイム」という言葉の定義は主観的ですが、ここでは医学的な回復期間と社会生活への影響という二つの側面から解説します。
施術直後の反応
照射直後は、赤み、ヒリヒリとした熱感、そして軽度の腫れが生じるのが一般的です。赤みは施術当日に見られますが、翌日にはほとんどなくなることがほとんどです。
かさぶたの形成と経過
ルビーフラクショナルレーザーの大きな特徴は、従来のレーザーのような大きくて目立つかさぶたができない点です。代わりに、照射された部分が点状の非常に細かいかさぶたになり、肌に触れるとザラザラとした「紙やすり」のような感触になります。この微細なかさぶたは、数日かけて徐々に色が濃くなり、その後1週間ほどで自然に剥がれ落ちます。このプロセスは肌の再生に不可欠なものであり、無理に剥がしたり、こすったりしてはいけません。
クリニックが「ダウンタイムが少ない」と表現するのは、主にテープ保護が不要で、翌日からメイクもできるという「社会的ダウンタイム」の短さを指しています。しかし、肌内部では再生プロセスが進行中であり、その意味での回復には1〜2週間を要することをご理解下さい。
必ず守るべき、必須のアフターケアは何ですか?
治療効果を最大限に引き出し、副作用を防ぐために、お客様自身が行うアフターケアには三つの原則があります。
紫外線対策(遮光)
これが最も重要なルールです。治療後の肌はバリア機能が低下しており、紫外線に対して非常に敏感になっています。この時期に紫外線を浴びることは、炎症後色素沈着を引き起こす最大の原因となります。季節や天候に関わらず、毎日、高SPF値の日焼け止めを使用することが必須です。
摩擦を避ける(こすらない)
洗顔、スキンケア、メイクアップの際に、肌を強くこすらないよう細心の注意を払う必要があります。物理的な刺激は微細な炎症を引き起こし、これもまた炎症後色素沈着のリスクを高めます。洗顔はたっぷりの泡で優しく行い、タオルで水分を拭き取る際も押さえるようにします。
保湿
レーザー照射後の肌は一時的に乾燥しやすくなっています。肌のバリア機能をサポートし、正常なターンオーバーを促すために、低刺激性の化粧水やクリームで十分に保湿することを心がけて下さい。
この「遮光・非摩擦・保湿」の三原則を徹底することが、治療の成否を分けると言っても過言ではありません。
メイクや洗顔、運動などの日常生活はいつから再開できますか?
この治療法の魅力である「日常生活への影響の少なさ」について、具体的なタイムラインを以下に示します。
◎メイクアップ
施術の翌日から可能です。ただし、肌が敏感になっているため、低刺激性の製品を選び、優しく塗布することが推奨されます。
◎洗顔・シャワー
施術当日から可能です。ただし、熱いお湯は避け、ぬるま湯で優しく洗い流すようにしてください。治療部位をゴシゴシこすることは厳禁です。
◎入浴・運動・飲酒
血行を促進する行為(長時間の入浴、激しい運動、アルコールの摂取)は、赤みや腫れを増強させる可能性があります。禁止はしませんが、もし気になるようならお控え下さい。
1回施術を受けましたが、変化が見られません。治療が効いていないのでしょうか?
1回の施術で目に見える変化がなくても、心配する必要はほとんどありません。その理由は以下の通りです。
◉フラクショナル照射
フラクショナル照射では、1回の施術では肌全体の約10〜20%にしかレーザーが照射されていません。全体的な変化を感じにくいのは当然です。
◉安全性を優先した初回設定
通常、レーザーに対する肌の反応を慎重に見極めるため、初回の施術ではやや抑えめの出力設定で行います。これは施術後のトラブルを最小限に抑えるための重要な安全対策です。
◉効果の現れ方が穏やか
この治療は、目立つかさぶたや強い赤みといった「やられた感」が少ないため、効果が出ていないように感じてしまうことがあります。しかし、皮膚の中ではメラニンが破壊され、肌の再生が始まっています。
効果は徐々に、そして自然に現れるため、焦らずに2回目、3回目の治療をお待ち下さい。
施術後、シミが以前より濃く見えるのですが、これは異常ですか?
非常によくある質問です。施術後にシミが一時的に濃く見えるのは、異常ではなく、正常な反応です。
これは、レーザーの光に反応したメラニン色素が破壊され、皮膚の表面で微細なかさぶたが形成されているためです。
シミが濃く見えるのは、治療が効果的に行われた証拠とも言えます。この濃くなった状態は、かさぶたが自然に剥がれ落ちるまでの1週間程度で解消され、その下から新しい綺麗な皮膚が現れます。
事前にこの経過を知らないと不安になる可能性がありますが、これは回復過程における正常なステップであると理解しておきましょう。
使用する医療機器の承認状況について
◉承認機器と適応外使用: 当院で使用するレーザー機器「Quanta System社製 Q-Plus R」は、厚生労働省より「刺青および良性色素性病変の蒸散・除去」を目的として医療機器承認(承認番号:22800BZI00012000)を受けている高度管理医療機器です。
ルビーフラクショナル治療は、この承認された医療機器を、承認された使用目的とは異なる方法(フラクショナル照射による肌質改善や薄いシミの治療)で使用するため、「適応外使用」に該当します。
◉未承認ハンドピースの使用と入手経路: この治療に使用するフラクショナルハンドピースは、医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医療機器です。当院の医師が、その有効性と安全性を評価した上で、医師の裁量のもと個人輸入の手続きを行っております。
◉諸外国における安全性等に係る情報: 同一の原理を持つ機器(または、本機器に接続可能な同一製造元のハンドピース)は、米国のFDA(食品医薬品局)や欧州のCEマークなど、特定の目的(例:色素性病変の治療、タトゥー除去、しわの治療)で承認を得ている国もあります。7 しかし、これらの海外での承認は、日本国内での承認を意味するものではありません。
◉国内の代替治療法: 国内では、シミや色素性病変に対して、承認された他のレーザー治療(Qスイッチレーザー、ピコレーザーなど)や光治療(IPL)が存在します。
当院ではピコレーザー、IPLを取り扱っていません。取り扱いのあるクリニックで詳しく説明をお受けになった上で最終的に治療を受けるかどうかお決め下さい。