制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2025年8月5日)
ゼオミンを使ったボツリヌス療法
ボツリヌス療法とは?
年齢とともに気になる額の横ジワ、眉間の縦ジワ、目尻の笑いジワ、ゼオミン注射はそんなシワを手軽に改善します。また、エラの張りが気になる方にも、小顔効果を発揮します。
港区でボツリヌス療法が受けられるクリニックをお探しなら、美容外科・美容皮膚科 青い鳥にご相談ください。当院では、従来のボトックスと同程度の効果があり、耐性リスクを低減したドイツ製のゼオミンを採用しています 。
◉ゼオミンは、不純物を極限まで取り除いた高純度のボツリヌストキシン製剤であり、長期間にわたる施術でも効果が低下しにくいという特徴があります 。
◉ボトックスに期待される効果はそのままに、将来的な耐性リスクを心配することなく、安心して施術を受けていただけます 。
◉経験豊富な医師が丁寧にカウンセリングを行い、一人ひとりの状態に合わせた最適な治療をご提案いたします 。まずは、お気軽にご相談ください。
【主な美容効果】
◎表情ジワの改善
◯眉間のシワ
◯額の横ジワ
◯目尻のシワ
◯唇の上の縦ジワ
◯あごの梅干しジワ
◎小顔効果
◯エラ張りの改善
◯フェイスラインのスッキリ化
◎その他
◯多汗症の改善
◯ふくらはぎの筋肉縮小(美脚)
【特徴】
⚪️メスを使わない低侵襲な治療法
⚪️短時間で施術可能
⚪️ダウンタイムがほとんどない
⚪️効果は3-7日程度で現れ、3〜6ヶ月程度持続
【メリット】
⚪️手軽に受けられる
⚪️自然な仕上がりが得られる
⚪️予防効果も期待できる
##ボツリヌス療法は、筋肉の過剰な収縮を抑制することで、シワの改善や小顔効果などが得られます。安全性が確立された治療法ですが、適切な施術には医師の技術と経験が重要です。効果には個人差があるため、事前に医師とよく相談することが大切です。
ゼオミンの特徴〜効き目が弱くならない〜
抗体の形成リスクの低減
ゼオミンの主な利点のひとつは、他のボツリヌス毒素製剤と比較して中和抗体の形成リスクを低減できることです。
これは主に、その独自の組成によるものです。
⚪️複合タンパク質を含まない:ゼオミンは、複合タンパク質を含まないボツリヌス毒素製剤です。複合タンパク質は治療効果には必要ありませんが、抗体の形成リスクを高める可能性があります。
⚪️純粋な神経毒素:ゼオミンには活性神経毒素のみが含まれています。
治療への影響
◎柔軟な治療間隔:抗体形成のリスクが低いことから、注射と注射の間隔により柔軟性を持たせることができます。
◎長期的な治療の可能性:抗体による抵抗性により効果が失われることなく、より長期間にわたってゼオミンによる治療を受けることができます。
臨床使用における考慮事項
ゼオミンを使った治療では耐性が生じるリスクは低いですが、以下の点に留意することが必要です。
●個体差:患者の反応は様々であり、ゼオミンを使用しても中和抗体が形成される可能性は否定できない。
●適切な投与:抗体形成のリスクを最小限に抑えるには、適切な用量と注射技術が依然として重要である。
院長コラム
ゼオミンが「耐性」を生じにくい製剤であることは知られていましたが、これまでは美容医療で使われるのは、神経疾患での使用量に比べ少量であり、耐性を心配する必要はないというのが美容医療に携わる医師の共通認識でした。
しかし、ボツリヌス療法は、美容医療だけでなく、保険診療においても適応が急速に広がっています。もし美容医療での使用で「耐性」になってしまうと、将来ボツリヌス療法の適応がある病気になると、治療の選択肢が狭まることになります。
ゼオミンはドイツMerz社が製造し、米国FDAをはじめ世界の多くの国々で承認されていますが、日本では美容目的では承認されていません(*)。日本には美容目的で使用できる別の承認製剤があるので、導入するかどうか逡巡しましたが、やはり美容目的でのボツリヌス療法で「耐性」を生じさせてはいけないという思いで導入を決断しました。
*日本でも神経疾患での使用は厚生労働省に承認されていて、ゼオマインの名前で帝人ファーマが販売しています。
こんな方に
- 1.耐性の生じにくい製剤でボツリヌス療法を続けたい
- 2.以前に比べボツリヌス療法の効き目が弱くなった
- 3.これからボツリヌス療法を始めたい
施術について
施術について
施術時間 : 15分程度
麻 酔 : 必要ありません
術後診察 : なし
注意事項
入浴・洗髪 : 当日から可能
洗顔・化粧 : 当日から可能
飲酒・運動 : 当日から可能
治療スケジュール
3〜6ヶ月毎
施術を受けられない方
- 1.ボツリヌス療法でアレルギーが発症した方
- 2.神経・筋疾患(重症筋無力症、ALSなど)の方
- 3.妊娠・授乳中の方
施術の流れ
1 カウンセリング
2 施術
注入部位をクーリングしてから注射することで痛みを和らげています。当院では超極細針(34G)を使用していて、痛みが少ないとご好評をいただいています。
3 施術終了後
メイクをしてお帰りいただけます。施術後生活の制限はありません。
価格表
表情ジワ治療
表情ジワ注入療法 |
価格(税込) |
---|---|
ゼオミン 1部位 10単位 額、眉間、目尻、あご、ガミースマイルなど |
30,800円 |
*本施術は自由診療に基づき全額自己負担になります。
その他のボツリヌス療法
その他のボツリヌス療法 | 価格(税込) |
---|---|
小顔(エラ)治療 40単位 | 71,500円 |
ふくらはぎ治療 100単位 | 112,200円 |
口角リフト 6単位 | 24,200円 |
リップフリップ 4単位 | 24,200円 |
*本施術は自由診療に基づき全額自己負担になります。
その他のボツリヌス療法
口角リフト
あなたのまわりにいつも怒ったような口元をしている人を見かけませんか?
こうした口元の表情は、ネガティブな印象を与えるため対人関係にマイナスの影響を与えます。
表情の補正はボツリヌス療法にお任せください。ゼオミンを注入することで、あなたの口元は「幸せ」の発信源になります。
こんな方に
- 1.無意識に口元が「へ」の字になってしまう
- 2.不機嫌そうにみられがち
価格
その他のボツリヌス療法 | 価格(税込) |
---|---|
口角リフト 6単位 | 24,200円 |
*本施術は自由診療に基づき全額自己負担になります。
リスク
- 1.口の不自然な動き
- 2.口が曲がる
オリジナル美容モデル 〜口角リフト〜
美容モデル1:術前
60代女性:口元の印象の改善を目指して口角リフトを行いました。
美容モデル1:1ヶ月後
小さな変化ですが、口元からネガティブな印象は消えました。
美容モデル2:術前
50代女性:口元が「へ」の字になりやすいと自覚されていました。
美容モデル2:1ヶ月後
無意識な表情を変えられるのがボツリヌス療法です。
医療広告ガイドライン・限定解除要件
◉通常必要とされる治療内容:ボツリヌス療法で使われるゼオミンを極細針を使用して、口元の皮膚の浅層に左右1カ所ずつ注入します。
*カウンセリングから治療終了までの時間:30分
◉標準的な費用:27,500円
*施術料+初診料
◉標準的な治療期間及び回数:通院は1回で、経過に問題が生じなければ、その後に通院治療の必要はありません。
◉デメリット・リスク・副作用:
▶︎ 効果の持続期間に限りがある: 効果は永続的ではなく、一般的に3~6ヶ月程度です。効果を持続させるためには、定期的な施術が必要です。
▶︎ コスト: 自由診療のため、全額自己負担となります。
▶︎ 副作用・リスク: 注入部位に一時的な赤み、腫れ、内出血、軽い痛み、凹凸感などが生じる場合があります。まれに、注入部位や量によって表情、特に口の動きに軽微な違和感が生じる可能性があります。
▶︎ 医師の技術力への依存: 注入する深さや量、部位の判断が効果と安全性に直結します。医師の経験と技術力が不足していると、効果が不十分であったり、予期せぬ副作用のリスクが高まります。
リップフリップ
唇のエイジングは
1)形:立体感が失われる
2)ボリューム:薄くなる
3)色:赤みがうすくなる
として現れます。
リップフリップは、上唇の辺縁にゼオミンを注入することで、上唇をふっくらと立体化して上唇のエイジングを取り戻します。
こんな方に
- 1.唇が薄くなってきた
- 2.鼻下が伸びてみえる
- 3.以前の魅力的な唇を取り戻したい
価格
その他のボツリヌス療法 | 価格(税込) |
---|---|
リップフリップ 4単位 | 24,200円 |
*本施術は自由診療に基づき全額自己負担になります。
リスク
- 1.口笛が吹きにくい
- 2.ストローが吸いにくい
オリジナル美容モデル 〜リップフリップ〜
美容モデル1:術前
50代女性:リップフリップで上唇に4カ所注射しました。
美容モデル1:2週後
リップフリップにはボリュームアップ効果があります。
美容モデル2:術前
50代女性:リップフリップで上唇に4カ所注射しました。
美容モデル2:2週後
リップフリップには鼻下を短く見せる効果があります。
美容モデル3:術前
50代女性:リップフリップで上唇に4カ所注射しました。
美容モデル3:2週後
リップフリップには上唇を立体化する効果があります。
医療広告ガイドライン・限定解除要件
◉通常必要とされる治療内容:ボツリヌス療法で使われるゼオミンを極細針を使用して、上唇の辺縁に合計4カ所注入します。
*カウンセリングから治療終了までの時間:30分
◉標準的な費用:27,500円
*施術料+初診料
◉標準的な治療期間及び回数:通院は1回で、経過に問題が生じなければ、その後に通院治療の必要はありません。
◉デメリット・リスク・副作用:
▶︎ 効果の持続期間に限りがある: 効果は永続的ではなく、一般的に3~6ヶ月程度です。効果を持続させるためには、定期的な施術が必要です。
▶︎ コスト: 自由診療のため、全額自己負担となります。
▶︎ 副作用・リスク: 注入部位に一時的な赤み、腫れ、内出血、軽い痛みが生じる場合があります。口をすぼませる動きに制限が出るため、口笛を吹いたり、飲み物をストローで吸うのに多少困難さを感じることがあります。口の動きに軽微な違和感が生じる可能性もあります。
▶︎ 医師の技術力への依存: 注入する深さや量、部位の判断が効果と安全性に直結します。医師の経験と技術力が不足していると、効果が不十分であったり、予期せぬ副作用のリスクが高まります。
ボツリヌス療法の「耐性」が疑われたら
ステップ1〜製剤や治療手技を見直す〜
治療効果の減弱や消失が見られた場合、必ずしも中和抗体が原因とは限りません。
⚫️不適切な製品の保管や調製
⚫️用量不足
⚫️不適切な注射手技
によっても引き起こされる可能性があります。
この場合、施術内容を調整する(例:用量や注射部位を見直す、注射手技を改善する)ことで効果が回復する可能性があります。
ステップ2〜ステップ1で改善しない場合〜
厳密に医学的に対応するなら、中和抗体の有無を検査で確認が必要ですが、日本では手軽に検査することはできません。そこで症状をよく見て、耐性が「不完全」か「完全」かを見分けて対応します。
不完全耐性(効果が弱くなった)の場合
◎製剤をゼオミンにスイッチする
◎治療間隔を12週間以上あける
◎容量の制限
◉部分的な耐性(効果が少し残っている)の場合、低免疫原性製剤(=ゼオミン)へ切り替えることが推奨されます(文献1)。
◉インコボツリヌム毒素A型(ゼオミン®)は、複合タンパク質やその他の不必要な細菌由来成分を含まない製剤であり、中和抗体形成のリスクが低いとされています(文献2)。
◉実際に、中和抗体が検出された患者がインコボツリヌム毒素A型(ゼオミン®)に切り替えた後、中和抗体の力価が減少し、治療効果が回復した事例が報告されています(文献3)。
完全耐性(まったく効かなくなった)の場合(当院の指針)
[1] 1年間治療を休止する
◉休止するのは、中和抗体の力価が低下して、再びボツリヌス製剤が効果的に使えるようになるのを待つためです。
◉休止期間については、少なくとも6ヶ月間(文献4)の完全な治療休止を推奨するものもあれば、中和抗体の力価が十分に低下するには、数年かかることがある(文献3)とする報告もあります。
[2]休止期間後ゼオミンを使用して試験的に治療して効果を判定する
[2-1]効果があった場合
◉治療を再開しますが、その際には、免疫系の再活性化のリスクを最小限に抑えるため、最も免疫原性の低い製剤(=ゼオミン)を使用することが強く推奨されています(文献4)。
[2-2]効果がなかった場合
再び1年間治療を休止します。
【参考文献】
1) Real-world Implications of Botulinum Neurotoxin A Immunoresistance for Consumers and Aesthetic Practitioners: Insights from ASCEND Multidisciplinary Panel
Niamh Corduff, et al.
Plast Reconstr Surg Glob Open
2024;12(6):e5892
2) Immunogenicity Associated with Botulinum Toxin Treatment
Steven Bellows, Joseph Jankovic
Toxins
2019;11(9):491
3) Continuous Treatment with IncobotulinumtoxinA Despite Presence of BoNT/A Neutralizing Antibodies: Immunological Hypothesis and a Case Report
Michael Uwe Martin, et al.
Toxins
2024;16(10):422
4) Immunogenicity Associated with Aesthetic Botulinumtoxin A: A Survey of Asia-Pacific PhysiciansJ Experiences and Recommendations
Je-Young Park, et al.
Plast Reconstr Surg Glob Open
2022;10(4):e4217
よくいただくご質問
ダウンタイム、リスク・副作用について
1)内出血
2)違和感
3)表情の変化
4)アレルギー(まれ)
5)効かない(まれ)
注入後数日して効果が出始めると、たとえば額を治療したときには、まぶたの重みなど違和感を覚えることがあります。また表情の左右差や表情がなくなるなど、表情の変化が問題になることがあります。
ゼオミンはなぜ「耐性」を生じにくいのですか?
ボツリヌス療法では、ボツリヌス菌の毒素から作られる生物製剤を使用しますが、多くの製剤では神経毒のみではなく、菌体などのタンパク質も含んでいます。
ゼオミンでは神経毒のみで、他のタンパク質を除去することで、中和抗体が産生されることを防いでいます。
ゼオミンの作用機序は?
ゼオミンは神経の伝達をブロックすることで筋肉の動きを抑制します。
目尻の笑いジワで説明すると、シワの原因は眼輪筋の収縮ですが、神経からの指令で収縮します。実際には神経の末端から神経伝達物質が放出され、それが眼輪筋に作用して指令が伝達されます。ゼオミンは神経伝達物質の放出を阻害して神経からの指令を遮断することができます。
表情が変わることはありますか?
ボツリヌス療法は施術直後には効果を確認することができません。そのためお客様から前回はどうだったかお聞きして注入する部位、量を調整する必要があります。
ボツリヌス療法は、お客様と医師で作り上げていく施術です。表情が変わったとか、違和感が続いたとかありましたらお伝え下さい。
同日に2か所以上注入することは可能ですか? また、他の治療と同日に受けられますか?
同日に2カ所以上に注入する事は可能です。
また、他の治療と一緒に受けることもできます。あらかじめお伝えいただければ、スムーズにご案内できます。
ボツリヌス療法とはどのような治療ですか?
⚪️ボツリヌス毒素を注射することで表情筋の過剰な収縮を抑制し、表情ジワの改善や小顔効果を得る治療法です。
⚪️施術は5〜10分で終了し、ダウンタイムがほとんどないのが特徴です。
使用している薬剤は何ですか?
◉当院ではドイツ製のゼオミン(IncobotulinumtoxinA)を使用しています。
◉ゼオミンは複合タンパク質を含まない純粋な神経毒素製剤で、中和抗体形成リスクが他の製剤と比べて低く(0~1.1%)、長期使用でも効果が維持されやすいという利点があります。
ボトックスとゼオミンの違いは?
◉長期大量投与を伴う治療目的のデータでは、Botox® で 0.3–5.6 %、Xeomin® で 0–1.1 % 程度の中和抗体報告があります。
◉美容領域(低用量・低頻度)での発生は極めて稀で、いずれの製剤でも 1 % 未満と考えられていますが、理論上は Xeomin® の方が抗体誘導リスクが低いとされています。
◉これは、ゼオミンが余分なタンパク質を含まない、純粋な成分だけでできているためです。長く治療を続けても効果が落ちにくいのが特長です。
効果が出るまでどのくらいかかりますか?
◉額・眉間・目尻などでは注射してから3~7日ほどで効果が現れ始めます。
◉エラなど大きな筋肉を小さく(萎縮)させる目的では効果が現れるまで1〜2か月かかります。
効果はどのくらい続きますか?
◉個人差はありますが、3~6ヶ月ほど効果が続きます。
◉当院で使用するゼオミンは耐性を作りにくいため、長期間治療を継続しても、安定した効果が期待できます。
1回でも効果はありますか?
◉はい、1回の施術でもしっかり効果を実感できます。ただし、より良い結果とシワ予防のためには、3~6ヶ月ごとの定期的な治療がおすすめです。
効かなくなることはありますか?
◉当院で使用するゼオミンは、体が薬に慣れて効かなくなるリスクが非常に低い製剤です。そのため、長期間治療を続けても効果が維持されやすく、安心して継続できます。
施術時間は?
◉注射自体は5〜10分ほどで終わります。カウンセリングを含めても30分程度でお帰りいただけます。
痛みはありますか?
◉髪の毛より細い極細針を使い、注射前に冷やすことで痛みを最小限に抑えています。普通の注射と同じくらいの痛みですが、多くの方から「思ったより痛くなかった」という感想をいただいています。
施術後の診察は必要ですか?
◉基本的に必要ありません。ただし、気になることがあればいつでもご相談ください。
施術後の制限はありますか?
◉特に制限はありません。入浴・洗髪・洗顔・メイク・飲酒・運動すべて当日から可能です。
すぐにメイクできますか?
◉はい、施術直後からメイク可能です。ただし、注射した部分を強くこすらないようご注意ください。
妊娠中・授乳中でも受けられますか?
申し訳ございませんが、以下の方は施術できません:
⚫️妊娠中・妊娠の可能性がある方
⚫️授乳中の方
また、施術後の避妊期間が必要です:
●女性:2回の生理が来るまで
●男性:3ヶ月間
エラ張りタイプの見分け方は?
簡単にチェックできます。鏡を見ながら奥歯をギュッと噛みしめてください。
⚪️エラがポコッと膨らむ → 筋肉タイプ(ボトックスが効果的)
⚪️動かない → 骨格タイプ(ボトックスでは改善困難)
エラボトックスでたるみますか?
◉適切に施術が行われれば、たるみのリスクは低いですが、もともとたるみがある方や、エラの筋肉が非常に発達している方では、まれにたるみが気になることがあります。カウンセリングで詳しくご説明します。
安全性は大丈夫ですか?
◉ゼオミン(Bocouture/Xeomin)は、美容目的のしわ治療薬として米国FDA(食品医薬品局)やEMA(欧州医薬品庁)をはじめ、世界50カ国以上で承認されており、その有効性と安全性が確認されています。
食中毒のボツリヌス菌は心配ない?
◉ボトックスは生きた菌ではなく精製神経毒素です。
◉美容医療で用いる 10–50 Units は、注射による推定致死量(約 2 500–3 000 Units)の 1/50–1/300 程度であり、適切に投与すれば安全域は十分に確保されています。
治療を受けられない人は?
以下の方には治療できません:
⚫️妊娠中・授乳中の方
⚫️重い神経・筋肉の病気がある方
⚫️過去にボツリヌス製剤でアレルギーが出た方
⚫️注射部位に炎症や感染がある方
⚫️血が止まりにくくなる薬を飲んでいる方(要相談)
どのくらいの頻度で通えばいい?
◉3~6ヶ月ごとの治療がおすすめです。
◉ゼオミンは効きにくくなりにくいので、ご自身のペースで通院スケジュールを決められます。
ずっと続けても大丈夫?
◉はい、大丈夫です。ゼオミンは効きにくくなるリスクが低いので、長期間続けても安全です。適切な間隔と量を守れば問題ありません。
表情が固まったりしない?
◉適切な場所に適切な量を注入すれば、自然な表情を保てます。
◉経験豊富な医師が、あなたの表情の特徴を見極めて施術するので、不自然になる心配はありません。
他の美容治療と一緒にできる?
はい、多くの美容施術と併用できます:
⚪️ヒアルロン酸注入
⚪️糸リフト
⚪️ハイフ など
ただし、治療の順番や間隔の調整が必要なので、カウンセリングでご相談ください。
ゼオミン(製剤名:Bocouture)の情報開示
1.1. ゼオミン(製剤名:Bocouture)の医薬品医療機器等法上の承認について
◉当院で美容目的(しわ治療)に使用するゼオミン(Bocouture)は、医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医薬品です。
1.2. 入手経路について
◉治療に用いる医薬品は、当院の医師が国内正規代理店を通じて、製造元であるドイツMerz社より個人輸入の手続きで入手しております。
1.3. 国内で承認されている他のA型ボツリヌス毒素製剤との関係について
◉美容目的のしわ治療(眉間・目尻)においては、アラガン社の「ボトックスビスタ®」が、日本国内で厚生労働省から承認を得ているA型ボツリヌス毒素製剤です。
◉一方で、当院で用いるゼオミン(Bocouture)と同一の有効成分(インコボツリヌストキシンA)を含む医薬品として、帝人ファーマ株式会社が販売する「ゼオマイン筋注用」が国内で承認されています。しかし、この製剤は上肢・下肢痙縮などの治療に用いられるものであり、美容目的(しわ治療)での適応は承認されていません。
◉したがって、ゼオミン(Bocouture)は、美容目的のしわ治療薬としては国内未承認の医薬品となります。
1.4. 諸外国における安全性等に係る情報について
◉ゼオミン(Bocouture/Xeomin)は、美容目的のしわ治療薬として米国FDA(食品医薬品局)やEMA(欧州医薬品庁)をはじめ、世界50カ国以上で承認されており、その有効性と安全性が確認されています。
1.5. 医薬品副作用被害救済制度について
◉本治療は未承認医薬品の使用にあたるため、万が一重篤な副作用が生じた場合でも、国の「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となります。
1.6. 副作用・リスクについて
◉主な副作用として、注射部位の痛み、赤み、腫れ、内出血、血腫、頭痛、眉毛下垂、眼瞼下垂(まぶたが下がる)、ドライアイ、顔面非対称などが報告されています。極めて稀ですが、重篤な副作用として、アナフィラキシー(重度のアレルギー反応)や、A型ボツリヌス毒素製剤に共通するリスクとして、投与部位から離れた部位への毒素の拡散による嚥下障害(飲み込みにくさ)、呼吸困難、全身の筋力低下などが報告されています。
X(旧Twitter)への投稿のまとめ
- ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(1)
典型的な症状は、同じ効果を出すのに使う製剤の量が増えたり、間隔が短くなったりすることだが、見過ごされやすく、問題が過小認識されている。
Plast Reconstr Surg Glob Open.
2022;10(6):e4407 (2022年11月4日)
- ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(2)
これまでの報告例では、耐性を生じているのはボツリヌス療法を受けている患者の0.3~27.6%。高い数値はジストニア(1.3~27.6%)、痙縮(0.3~13.3%)など神経系疾患に対してボツリヌス療法を受けている場合。
Plast Reconstr Surg Glob Open.
2022;10(6):e4407 (2022年11月5日)
- ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(3)
これまでの報告をまとめると製剤別の耐性率は
ボトックス 0.3~5.6%
ディスポート 0~13.3%
ゼオミン 0~1.1%
Plast Reconstr Surg Glob Open.
2022;10(6):e4407 (2022年11月6日)
- ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(4)
一種類の製剤でしか施術を受けていない人での耐性率は
ボトックス 0.6%
ディスポート 5.3%
ゼオミン 0%
Plast Reconstr Surg Glob Open.
2022;10(6):e4407 (2022年11月7日)
- ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(5)
従来、美容施術での使用量は、脳神経系疾患での使用量と比べ少なく、美容での使用では、中和抗体が作られることは疑問視されてきた。
Plast Reconstr Surg Glob Open.
2022;10(6):e4407 (2022年11月8日)
- ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(6)
美容での使用でも、長期間にわたり使われれば蓄積量として多くなること、多量に使う美容施術が増えてきていることから、耐性の問題が懸念される。
Plast Reconstr Surg Glob Open.
2022;10(6):e4407 (2022年11月9日)
- ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(7)
皮膚内に注入する施術(マイクロトキシンなど)が増えているが、皮膚内への注入は筋肉内への注入に比べ、免疫系を刺激しやすい(中和抗体を作り耐性を生じやすい)とされる。
Plast Reconstr Surg Glob Open.
2022;10(6):e4407 (2022年11月10日)
- ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(8)
美容目的でボツリヌス療法を受けた人で、耐性につながる中和抗体を持つのは0.2~0.4%。
Plast Reconstr Surg Glob Open.
2022;10(6):e4407 (2022年11月11日)
- ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(9)
美容目的での使用で耐性を生じたと報告されている13例を分析すると、いずれも受けていた製剤はボトックスないしディスポートで、3例では耐性を生じてからゼオミンにスイッチされていた。
Plast Reconstr Surg Glob Open.
2022;10(6):e4407 (2022年11月12日)
- ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(10)
美容目的での使用で耐性を生じたと報告されている13例を分析すると耐性が生じるまでの治療期間は、2〜72ヶ月。
Plast Reconstr Surg Glob Open.
2022;10(6):e4407 (2022年11月13日)
- ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(11)
美容目的、脳神経疾患目的を問わず、ゼオミン(incobotlinumtoxinA)の単独使用では、耐性が生じたとする報告はない。
Plast Reconstr Surg Glob Open.
2022;10(6):e4407 (2022年11月14日)
- ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(12)
FDA承認製剤のうちボトックス、ディスポートは神経毒に関連したタンパク質や菌体のタンパク質も含むが、ゼオミンは神経毒のみで、他のタンパク質を含まない。
(補足:それが中和抗体ができるのを防いでいるとされる。)
Plast Reconstr Surg Glob Open.
2022;10(6):e4407 (2022年11月15日)
- ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(13)
ボツリヌス製剤の有効成分である神経毒は人体にとって異物であるが、抗体産生に至るまで免疫系を刺激しない。
Plast Reconstr Surg Glob Open.
2022;10(6):e4407 (2022年11月16日)
- ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(14)
ボトックス、ディスポートに含まれる神経毒に関連したタンパク質は、治療効果には関係しないが、中和抗体を免疫系を刺激して、中和抗体を産生させる。
Plast Reconstr Surg Glob Open.
2022;10(6):e4407 (2022年11月17日)
- ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(15)
耐性が生じるリスクは
製剤に余分なタンパクが含まれていないか
使用量
治療回数・間隔
で決まる。
Plast Reconstr Surg Glob Open.
2022;10(6):e4407 (2022年11月18日)
- ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(16)
美容目的のボトックス使用で耐性が生じた場合、のちにボトックスが適応となる神経疾患などを発症した時にボトックスが使えなくなる。
Plast Reconstr Surg Glob Open.
2022;10(6):e4407 (2022年11月19日)
- ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(17)
美容目的であっても、若い時からさまざまにボツリヌス療法を受けていると、将来的に耐性を生じるリスクは高まる。
Plast Reconstr Surg Glob Open.
2022;10(6):e4407 (2022年11月20日)
- ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(18)
耐性を防ぐには、高度に精製された製剤を使い、できるだけ投与量を少なくして、適切に治療間隔を保つことが役立つかもしれない。
Plast Reconstr Surg Glob Open.
2022;10(6):e4407 (2022年11月21日)
- ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(19)
投与量が多くなることが予想されるなら、最初から高度に精製され、中和抗体を作りにくい製剤を選択するのがいいかもしれない。
Plast Reconstr Surg Glob Open.
2022;10(6):e4407 (2022年11月22日)