ゼオミン〜「ボトックスが効かない人」にも選ばれる、耐性リスクに配慮した治療〜【港区・浜松町/大門/芝公園】



1 ゼオミンとは? 〜他の製剤(ボトックス)との違い〜


◉ゼオミン(Xeomin®)は、ドイツのMerz(メルツ)社が製造するボツリヌストキシン製剤です。


◉一般に「ボトックス」と呼ばれる治療は、正確には「ボツリヌス療法」であり、使用される製剤にはいくつかの種類があります。その中でゼオミンは、不要なタンパク質を極限まで取り除いた「高純度」の製剤として、米国FDAをはじめ世界の多くの国々で承認されています。

◉当院(美容外科・美容皮膚科 青い鳥)では、ボツリヌス療法に使用する製剤として、このゼオミンを採用しています。




ゼオミンの最大の特徴——複合タンパク質を含まない「純粋な」製剤


◉ボツリヌス療法に使われる製剤は、いずれもボツリヌストキシン(神経毒素)を有効成分としています。しかし、製剤によって含まれる成分に違いがあります。


◉一般的に広く知られるアラガン社のボトックスビスタ(onabotulinumtoxinA)には、有効成分である神経毒素(150kDa)のほかに、微量ながら複合タンパク質と呼ばれる細菌由来のタンパク質が含まれています。

◉一方、ゼオミン(incobotulinumtoxinA)は、製造工程でこの複合タンパク質を除去しており、有効成分である神経毒素のみで構成されています。この違いが、繰り返し治療を行う際に耐性のリスクとして関わってくる可能性があります。




なぜ「複合タンパク質を含まない」ことが重要なのか?


◉ボツリヌス療法を繰り返し受けていると、ごくまれに体内で「中和抗体」と呼ばれる抗体が作られることがあります。中和抗体が作られると、ボツリヌストキシンの効果が弱まったり、効かなくなったりする「耐性」が生じます。

◉この中和抗体の産生には、製剤に含まれる複合タンパク質が免疫を刺激することが関与していると考えられています。つまり、複合タンパク質を含まないゼオミンは、中和抗体が作られるリスクが低く、繰り返し治療を続けても耐性が生じにくいのです。

ゼオミンの効果はボトックスと同等


◉「不純物を取り除いた」といっても、効果が弱くなっているのではと心配される方もいらっしゃいますが、ご安心ください。ゼオミンの有効成分はボトックスと同じボツリヌストキシンA型であり、眉間のシワ取り、目尻のシワ、エラ張り治療など、いずれの適応においてもボトックスと同等の効果が確認されています。


◉効果が出るまでの期間(3〜7日程度)、持続期間(3〜6ヶ月程度)もほぼ同等です。「効果は同じで、耐性リスクが低い」....これはゼオミンの大きなアドバンテージです。

なぜ当院がゼオミンを使うのか? 〜ボトックス(ボツリヌス療法)の課題の克服〜

当院の製剤選択の考え方....「壊れてから直す」ではなく「壊れない設計」を


◉ボツリヌス療法の製剤選びには、大きく分けて2つのアプローチがあります。ひとつは、「まずは一般的な製剤で始めて、問題が出たら製剤を変える」という事後対応型。もうひとつは、「最初から耐性リスクの低い製剤を選び、問題そのものを起こさない」という予防型です。


◉多くのクリニックが前者のアプローチを取る中、当院はあえて後者を選びました。

◉ボツリヌス療法は、眉間のシワ取りや目尻のシワ、エラ張り治療など、長期にわたって繰り返し行う治療です。「困ってから対処する」のではなく、「困らない仕組みを最初から選ぶ」....これが当院の基本的な考え方です。




「耐性」が起きてからでは遅い、3つの理由


生物製剤であるボツリヌス療法は、どうしても「耐性」の問題から逃れることはできません。中和抗体が作られると、ボツリヌストキシンの効果が弱まったり、失われたりします。


当院がこの問題を重視するのは、以下の3つの理由からです。

理由1:一度できた中和抗体は、簡単には消えない

中和抗体が一度産生されてしまうと、力価(抗体の量)が十分に低下するまでに数年かかることがあります。その間、ボツリヌス療法の効果は期待できません。「効かなくなったら製剤を変えればいい」と言われますが、完全耐性の場合、製剤を変えても同じ血清型(A型)である限り回復は難しいのが実情です。

理由2:耐性のリスク因子は、美容医療に増えている

中和抗体が作られるリスクは、1回あたりの投与量、累積投与量、治療間隔の短さ、製剤の頻繁な切り替えなどで高まることが報告されています。現在の美容医療では、高用量を使う施術が増えており、施術間隔も短くなる傾向があります。こうした背景から、抗体産生のリスクは以前より上がっていると考えられます。

理由3:将来、病気の治療でボツリヌス療法が必要になるかもしれない

ボツリヌス療法は美容だけの治療ではありません。脳卒中後の痙縮、眼瞼痙攣、過活動膀胱など、多くの疾患で保険適用されています。今後さらに適応が広がると予想される中で、美容での使用で耐性ができてしまっていたら、本当に必要なときにボツリヌス療法が使えなくなります。

補足:
美容以外でボツリヌス療法が治療として使われることがある疾患(文献1)

 

多汗症(*原発性腋窩多汗症)
偏頭痛
うつ病
痙性麻痺(*上肢痙縮)
眼瞼痙攣(*)
過活動膀胱(*)
歯ぎしり(ブラキシズム)
斜頸(頚部ジストニア)(*)
三叉神経痛
斜視(*)
アレルギー性鼻炎
よだれ・唾液過多
肛門裂傷
胃不全麻痺
食道アカラシア
レイノー病
間質性膀胱炎
心臓手術後の不整脈予防
瘢痕・ケロイド
脳性麻痺(*痙縮)
本態性振戦
筋膜性疼痛症候群

 

(*):2025年現在で日本で保険適応があります

 

【参考文献】
1) Beyond Wrinkles: A Comprehensive Review of the Uses of Botulinum Toxin
Skyler Coetzee
J Drugs Dermatol
2023 Sep 1;22(9):7243e








ゼオミンだからできること....「製剤の質」で耐性リスクを下げる


耐性を防ぐためにできることは、大きく分けて「運用の工夫」と「製剤の選択」の2つです。


運用の工夫
運用面では、適切な投与量の設計、十分な治療間隔の確保、不要な追加投与を避けるといった対策があり、これはどの製剤を使う場合でも重要です。


製剤の選択
一方、製剤の選択でできることもあります。セクション1で解説した通り、ゼオミンは中和抗体の産生に関与するとされる複合タンパク質を含まないボツリヌストキシンA製剤です。運用の工夫に加え、製剤そのものの免疫原性が低いゼオミンを選ぶことで、耐性リスクを二重に下げることができます。

最新の文献でも、耐性の症状が出てから製剤を変更するのではなく、初めてボツリヌス療法を受ける方にも最初から免疫原性の低い製剤を使用すべきという見解が示されています。


「一人でも耐性を生み出してはいけない」....当院の決断

ゼオミン自体は以前から市場にある製剤であり、日本でも取り扱うクリニックは少なくありません。しかしその多くは、「複数ある製剤ラインナップのひとつ」としてゼオミンを置いている程度です。

当院が他院と異なるのは、ゼオミンを「選択肢のひとつ」ではなく「標準製剤」として採用している点です。ボツリヌス療法を長期にわたってお客様に提供する立場として、「一人でも耐性を生み出してはいけない」という思いが決め手となりました。

製剤を選ぶだけでなく、用量設計・治療間隔・追加投与の判断基準まで含めた総合的な「耐性を作らない仕組み」を整えること。それが当院のボツリヌス療法の根幹です。




ボツリヌス療法「耐性」の治療指針

ステップ1〜製剤や治療手技を見直す〜


治療効果の減弱や消失が見られた場合、必ずしも中和抗体が原因とは限りません。


⚫️不適切な製品の保管や調製
⚫️用量不足
⚫️不適切な注射手技

によっても引き起こされる可能性があります。

この場合、施術内容を調整する(例:用量や注射部位を見直す、注射手技を改善する)ことで効果が回復する可能性があります。




ステップ2〜ステップ1で改善しない場合〜

厳密に医学的に対応するなら、中和抗体の有無を検査で確認が必要ですが、日本では手軽に検査することはできません。そこで症状をよく見て、耐性が「不完全」か「完全」かを見分けて対応します。


不完全耐性(効果が弱くなった)の場合

製剤をゼオミンにスイッチする

治療間隔を12週間以上あける
容量の制限

◉部分的な耐性(効果が少し残っている)の場合、低免疫原性製剤(=ゼオミン)へ切り替えることが推奨されます(文献a→詳しくはこちら)。


◉インコボツリヌム毒素A型(ゼオミン®)は、複合タンパク質やその他の不必要な細菌由来成分を含まない製剤であり、中和抗体形成のリスクが低いとされています(文献b→詳しくはこちら)。

◉実際に、中和抗体が検出された患者がインコボツリヌム毒素A型(ゼオミン®)に切り替えた後、中和抗体の力価が減少し、治療効果が回復した事例が報告されています(文献c→詳しくはこちら)。


完全耐性(まったく効かなくなった)の場合(当院の指針)

[1] 2年以上治療を休止する

◉休止するのは、中和抗体の力価が低下して、再びボツリヌス製剤が効果的に使えるようになるのを待つためです。


◉休止期間については、1年とするものもあれば、2〜2.5年の完全な治療休止を推奨するものもあります(文献d→詳しくはこちら)。中和抗体の力価が十分に低下するには、数年かかることがある(文献c→詳しくはこちら)という報告もあります。当院では2年の治療休止を推奨します。

[2]休止期間後ゼオミンを使用して試験的に治療して効果を判定する

[2-1]効果があった場合

◉治療を再開しますが、その際には、免疫系の再活性化のリスクを最小限に抑えるため、最も免疫原性の低い製剤(=ゼオミン)を使用することが強く推奨されています(文献d→詳しくはこちら)。


[2-2]効果がなかった場合
再び2年間治療を休止します。




ゼオミンはこんな方に

 

    • 1.耐性の生じにくい製剤でボツリヌス療法を続けたい
      ゼオミンは耐性を生じるリスクの少ない製剤です。

 

    • 2.他院でボツリヌス療法を受けているが、以前に比べ効き目が弱くなった
      すぐに「耐性」と決めつけることはできませんが、「耐性」問題の経験豊富な医師の診察をおすすめします。

 

  • 3.これからボツリヌス療法を始めたい
    ボツリヌス療法の「耐性」リスクを最小化するためには、初回の治療から耐性の生じるリスクの少ない製剤を使うことが最善です。



価格表

表情ジワ治療

表情ジワ注入療法

価格(税込)

ゼオミン 1部位 10単位
額、眉間、目尻、あご、ガミースマイルなど
30,800円


■最終予約枠(来院時間)
17:30
※この施術が初めての場合:17:00
※施術内容により異なる場合があります

*本施術は自由診療に基づき全額自己負担になります。

その他のボツリヌス療法

 その他のボツリヌス療法価格(税込)
小顔(エラ)治療 40単位 71,500円
ふくらはぎ治療 100単位 112,200円
口角リフト 6単位 24,200円
リップフリップ 4単位 24,200円


■最終予約枠(来院時間)
17:30
※この施術が初めての場合:17:00
※施術内容により異なる場合があります

*本施術は自由診療に基づき全額自己負担になります。



▶口角リフト、リップフリップの美容モデル画像はこちら


 

 

院長コラム 〜「ボトックスが効かない」を防ぐために〜


ボトックス治療(ボツリヌス療法)を続けていると、だんだん効き目が悪くなったり、効果の持続時間が短くなったりすることがあります。「ボトックスが効かない?」、「ボトックス、失敗?」・・

実はそれがボトックス治療の「耐性」問題なのです。



ただし、実際に美容目的でボトックス治療(ボツリヌス療法)を続けて、中和抗体ができてしまう確率は、0.2~0.4%と高くはありません。「美容医療でのボトックス治療(ボツリヌス療法)で使われる量は少ないから心配しなくてもよい」という楽観論が支配的でした。

ところが、そんな状況を見直す動きが出始めました。キッカケとなったのは美容医療以外で治療としてボツリヌス療法が使われる疾患の増加(下記)です。



ボツリヌス療法を取り巻く状況は大きく様変わりしています。ボツリヌス療法で検索すると、驚くほど多くの一般診療の医療機関が引っかかります。今のところボツリヌス療法が使われるのは多くは神経疾患ですが、中には脳出血や脳卒中の後遺症も含まれます。今後さらに多くの病気の治療に使われるようになると、将来的には誰もが病気の治療のためにボツリヌス療法が必要になる可能性があります。




「耐性」の何が問題かと言えば、将来ボツリヌス療法が適応となる病気になったときに、ボツリヌス療法が効かないからなのです。



当院ではボツリヌス療法で使う製剤をボトックスからゼオミンに変更しています。厚労省承認製剤のボトックスか、耐性を生じにくいゼオミンか相当悩みましたが、美容でのボツリヌス療法で「耐性」を生じさせることは、何としても防がなければならないという思いが決め手になりました。


補足:
美容以外でボツリヌス療法が治療として使われることがある疾患(文献1)

多汗症(*原発性腋窩多汗症)
偏頭痛
うつ病
痙性麻痺(*上肢痙縮)
眼瞼痙攣(*)
過活動膀胱(*)
歯ぎしり(ブラキシズム)
斜頸(頚部ジストニア)(*)
三叉神経痛
斜視(*)
アレルギー性鼻炎
よだれ・唾液過多
肛門裂傷
胃不全麻痺
食道アカラシア
レイノー病
間質性膀胱炎
心臓手術後の不整脈予防
瘢痕・ケロイド
脳性麻痺(*痙縮)
本態性振戦
筋膜性疼痛症候群

(*):2025年現在で日本で保険適応があります 

【参考文献】
1) Beyond Wrinkles: A Comprehensive Review of the Uses of Botulinum Toxin
Skyler Coetzee
J Drugs Dermatol
2023 Sep 1;22(9):7243e

 




よくいただくご質問

Q

ダウンタイム、リスク・副作用について

A

1)内出血
2)違和感
3)表情の変化
4)アレルギー(まれ)
5)効かない(まれ)

注入後数日して効果が出始めると、たとえば額を治療したときには、まぶたの重みなど違和感を覚えることがあります。また表情の左右差や表情がなくなるなど、表情の変化が問題になることがあります。

Q

ゼオミンはなぜ「耐性」を生じにくいのですか?

A

ボツリヌス療法では、ボツリヌス菌の毒素から作られる生物製剤を使用しますが、多くの製剤では神経毒のみではなく、菌体などのタンパク質も含んでいます。

ゼオミンでは神経毒のみで、他のタンパク質を除去することで、中和抗体が産生されることを防いでいます。

Q

ゼオミンの作用機序は?

A

ゼオミンは神経の伝達をブロックすることで筋肉の動きを抑制します。

目尻の笑いジワで説明すると、シワの原因は眼輪筋の収縮ですが、神経からの指令で収縮します。実際には神経の末端から神経伝達物質が放出され、それが眼輪筋に作用して指令が伝達されます。ゼオミンは神経伝達物質の放出を阻害して神経からの指令を遮断することができます。

Q

表情が変わることはありますか?

A

ボツリヌス療法は施術直後には効果を確認することができません。そのためお客様から前回はどうだったかお聞きして注入する部位、量を調整する必要があります。

ボツリヌス療法は、お客様と医師で作り上げていく施術です。表情が変わったとか、違和感が続いたとかありましたらお伝え下さい。

Q

同日に2か所以上注入することは可能ですか? また、他の治療と同日に受けられますか?

A

同日に2カ所以上に注入する事は可能です。

また、他の治療と一緒に受けることもできます。あらかじめお伝えいただければ、スムーズにご案内できます。

Q

ボツリヌス療法とはどのような治療ですか?

A

⚪️ボツリヌス毒素を注射することで表情筋の過剰な収縮を抑制し、表情ジワの改善や小顔効果を得る治療法です。

⚪️施術は5〜10分で終了し、ダウンタイムがほとんどないのが特徴です。

Q

使用している薬剤は何ですか?

A

◉当院ではドイツ製のゼオミン(IncobotulinumtoxinA)を使用しています。

◉ゼオミンは複合タンパク質を含まない純粋な神経毒素製剤で、中和抗体形成リスクが他の製剤と比べて低く(0~1.1%)、長期使用でも効果が維持されやすいという利点があります。

Q

ボトックスとゼオミンの違いは?

A

◉長期大量投与を伴う治療目的のデータでは、Botox® で 0.3–5.6 %、Xeomin® で 0–1.1 % 程度の中和抗体報告があります。

◉美容領域(低用量・低頻度)での発生は極めて稀で、いずれの製剤でも 1 % 未満と考えられていますが、理論上は Xeomin® の方が抗体誘導リスクが低いとされています。


◉これは、ゼオミンが余分なタンパク質を含まない、純粋な成分だけでできているためです。長く治療を続けても効果が落ちにくいのが特長です。

Q

効果が出るまでどのくらいかかりますか?

A

◉額・眉間・目尻などでは注射してから3~7日ほどで効果が現れ始めます。

◉エラなど大きな筋肉を小さく(萎縮)させる目的では効果が現れるまで1〜2か月かかります。

Q

効果はどのくらい続きますか?

A

◉個人差はありますが、3~6ヶ月ほど効果が続きます。

◉当院で使用するゼオミンは耐性を作りにくいため、長期間治療を継続しても、安定した効果が期待できます。

Q

1回でも効果はありますか?

A

◉はい、1回の施術でもしっかり効果を実感できます。ただし、より良い結果とシワ予防のためには、3~6ヶ月ごとの定期的な治療がおすすめです。

Q

効かなくなることはありますか?

A

◉当院で使用するゼオミンは、体が薬に慣れて効かなくなるリスクが非常に低い製剤です。そのため、長期間治療を続けても効果が維持されやすく、安心して継続できます。

Q

施術時間は?

A

◉注射自体は5〜10分ほどで終わります。カウンセリングを含めても30分程度でお帰りいただけます。

Q

痛みはありますか?

A

◉髪の毛より細い極細針を使い、注射前に冷やすことで痛みを最小限に抑えています。普通の注射と同じくらいの痛みですが、多くの方から「思ったより痛くなかった」という感想をいただいています。

Q

施術後の診察は必要ですか?

A

◉基本的に必要ありません。ただし、気になることがあればいつでもご相談ください。

Q

 施術後の制限はありますか? 

A

◉特に制限はありません。入浴・洗髪・洗顔・メイク・飲酒・運動すべて当日から可能です。

Q

すぐにメイクできますか?

A

◉はい、施術直後からメイク可能です。ただし、注射した部分を強くこすらないようご注意ください。

Q

妊娠中・授乳中でも受けられますか?

A

申し訳ございませんが、以下の方は施術できません:
⚫️妊娠中・妊娠の可能性がある方
⚫️授乳中の方

また、施術後の避妊期間が必要です:
●女性:2回の生理が来るまで
●男性:3ヶ月間

Q

安全性は大丈夫ですか?

A

◉ゼオミン(Bocouture/Xeomin)は、美容目的のしわ治療薬として米国FDA(食品医薬品局)やEMA(欧州医薬品庁)をはじめ、世界50カ国以上で承認されており、その有効性と安全性が確認されています。

Q

 食中毒のボツリヌス菌は心配ない?

A

◉ボトックスは生きた菌ではなく精製神経毒素です。

◉美容医療で用いる 10–50 Units は、注射による推定致死量(約 2 500–3 000 Units)の 1/50–1/300 程度であり、適切に投与すれば安全域は十分に確保されています。

Q

治療を受けられない人は? 

A

以下の方には治療できません:

⚫️妊娠中・授乳中の方
⚫️重い神経・筋肉の病気がある方
⚫️過去にボツリヌス製剤でアレルギーが出た方
⚫️注射部位に炎症や感染がある方
⚫️血が止まりにくくなる薬を飲んでいる方(要相談)

Q

どのくらいの頻度で通えばいい?

A

◉3~6ヶ月ごとの治療がおすすめです。

◉ゼオミンは効きにくくなりにくいので、ご自身のペースで通院スケジュールを決められます。

Q

ずっと続けても大丈夫?

A

◉はい、大丈夫です。ゼオミンは効きにくくなるリスクが低いので、長期間続けても安全です。適切な間隔と量を守れば問題ありません。

Q

他の美容治療と一緒にできる?

A

はい、多くの美容施術と併用できます:

⚪️ヒアルロン酸注入
⚪️糸リフト
⚪️ハイフ など

ただし、治療の順番や間隔の調整が必要なので、カウンセリングでご相談ください。

Q

ゼオミン(製剤名:Bocouture)の情報開示

A

1.1. ゼオミン(製剤名:Bocouture)の医薬品医療機器等法上の承認について

◉当院で美容目的(しわ治療)に使用するゼオミン(Bocouture)は、医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医薬品です。

1.2. 入手経路について

◉治療に用いる医薬品は、当院の医師が国内正規代理店を通じて、製造元であるドイツMerz社より個人輸入の手続きで入手しております。

1.3. 国内で承認されている他のA型ボツリヌス毒素製剤との関係について

◉美容目的のしわ治療(眉間・目尻)においては、アラガン社の「ボトックスビスタ®」が、日本国内で厚生労働省から承認を得ているA型ボツリヌス毒素製剤です。

◉一方で、当院で用いるゼオミン(Bocouture)と同一の有効成分(インコボツリヌストキシンA)を含む医薬品として、帝人ファーマ株式会社が販売する「ゼオマイン筋注用」が国内で承認されています。しかし、この製剤は上肢・下肢痙縮などの治療に用いられるものであり、美容目的(しわ治療)での適応は承認されていません。

◉したがって、ゼオミン(Bocouture)は、美容目的のしわ治療薬としては国内未承認の医薬品となります。

1.4. 諸外国における安全性等に係る情報について

◉ゼオミン(Bocouture/Xeomin)は、美容目的のしわ治療薬として米国FDA(食品医薬品局)やEMA(欧州医薬品庁)をはじめ、世界50カ国以上で承認されており、その有効性と安全性が確認されています。

1.5. 医薬品副作用被害救済制度について

◉本治療は未承認医薬品の使用にあたるため、万が一重篤な副作用が生じた場合でも、国の「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となります。

1.6. 副作用・リスクについて

◉主な副作用として、注射部位の痛み、赤み、腫れ、内出血、血腫、頭痛、眉毛下垂、眼瞼下垂(まぶたが下がる)、ドライアイ、顔面非対称などが報告されています。極めて稀ですが、重篤な副作用として、アナフィラキシー(重度のアレルギー反応)や、A型ボツリヌス毒素製剤に共通するリスクとして、投与部位から離れた部位への毒素の拡散による嚥下障害(飲み込みにくさ)、呼吸困難、全身の筋力低下などが報告されています。

 




X(旧Twitter)への投稿のまとめ

 

    •  ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(1)
      典型的な症状は、同じ効果を出すのに使う製剤の量が増えたり、間隔が短くなったりすることだが、見過ごされやすく、問題が過小認識されている。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月4日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(2)
      これまでの報告例では、耐性を生じているのはボツリヌス療法を受けている患者の0.3~27.6%。高い数値はジストニア(1.3~27.6%)、痙縮(0.3~13.3%)など神経系疾患に対してボツリヌス療法を受けている場合。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月5日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(3)
      これまでの報告をまとめると製剤別の耐性率は
      ボトックス 0.3~5.6%
      ディスポート 0~13.3%
      ゼオミン 0~1.1%
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月6日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(4)
      一種類の製剤でしか施術を受けていない人での耐性率は
      ボトックス 0.6%
      ディスポート 5.3%
      ゼオミン 0%
      Plast Reconstr Surg Glob Open.

      2022;10(6):e4407 (2022年11月7日) 
    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(5)
      従来、美容施術での使用量は、脳神経系疾患での使用量と比べ少なく、美容での使用では、中和抗体が作られることは疑問視されてきた。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月8日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(6)
      美容での使用でも、長期間にわたり使われれば蓄積量として多くなること、多量に使う美容施術が増えてきていることから、耐性の問題が懸念される。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月9日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(7)
      皮膚内に注入する施術(マイクロトキシンなど)が増えているが、皮膚内への注入は筋肉内への注入に比べ、免疫系を刺激しやすい(中和抗体を作り耐性を生じやすい)とされる。

      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月10日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(8)
      美容目的でボツリヌス療法を受けた人で、耐性につながる中和抗体を持つのは0.2~0.4%。

      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月11日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(9)
      美容目的での使用で耐性を生じたと報告されている13例を分析すると、いずれも受けていた製剤はボトックスないしディスポートで、3例では耐性を生じてからゼオミンにスイッチされていた。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月12日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(10)
      美容目的での使用で耐性を生じたと報告されている13例を分析すると耐性が生じるまでの治療期間は、2〜72ヶ月。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月13日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(11)
      美容目的、脳神経疾患目的を問わず、ゼオミン(incobotlinumtoxinA)の単独使用では、耐性が生じたとする報告はない。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月14日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(12)

      FDA承認製剤のうちボトックス、ディスポートは神経毒に関連したタンパク質や菌体のタンパク質も含むが、ゼオミンは神経毒のみで、他のタンパク質を含まない。

      (補足:それが中和抗体ができるのを防いでいるとされる。)

      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月15日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(13)
      ボツリヌス製剤の有効成分である神経毒は人体にとって異物であるが、抗体産生に至るまで免疫系を刺激しない。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月16日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(14)
      ボトックス、ディスポートに含まれる神経毒に関連したタンパク質は、治療効果には関係しないが、中和抗体を免疫系を刺激して、中和抗体を産生させる。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月17日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(15)
      耐性が生じるリスクは
      製剤に余分なタンパクが含まれていないか
      使用量
      治療回数・間隔
      で決まる。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月18日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(16)
      美容目的のボトックス使用で耐性が生じた場合、のちにボトックスが適応となる神経疾患などを発症した時にボトックスが使えなくなる。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月19日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(17)
      美容目的であっても、若い時からさまざまにボツリヌス療法を受けていると、将来的に耐性を生じるリスクは高まる。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月20日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(18)
      耐性を防ぐには、高度に精製された製剤を使い、できるだけ投与量を少なくして、適切に治療間隔を保つことが役立つかもしれない。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407 (2022年11月21日)

 

    • ボツリヌス療法の耐性に関するコンセンサス(19)
      投与量が多くなることが予想されるなら、最初から高度に精製され、中和抗体を作りにくい製剤を選択するのがいいかもしれない。
      Plast Reconstr Surg Glob Open.
      2022;10(6):e4407  (2022年11月22日)

 




参考文献


a) Real-world Implications of Botulinum Neurotoxin A Immunoresistance for Consumers and Aesthetic Practitioners: Insights from ASCEND Multidisciplinary Panel

Niamh Corduff, et al.

Plast Reconstr Surg Glob Open
2024;12(6):e5892


b) Immunogenicity Associated with Botulinum Toxin Treatment

Steven Bellows, Joseph Jankovic

Toxins

2019;11(9):491

c) Continuous Treatment with IncobotulinumtoxinA Despite Presence of BoNT/A Neutralizing Antibodies: Immunological Hypothesis and a Case Report

Michael Uwe Martin, et al.

Toxins 

2024;16(10):422

d) Immunogenicity Associated with Aesthetic Botulinumtoxin A: A Survey of Asia-Pacific PhysiciansJ Experiences and Recommendations

Je-Young Park, et al.

Plast Reconstr Surg Glob Open
2022;10(4):e4217

 

 

制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2026年2月20日)