制作・執筆:坂田修治(医師:美容外科・美容皮膚科 青い鳥 院長)
(最終更新日:2025年4月13日)
アゼライン酸で美白&美肌ケア
繰り返すニキビやニキビ跡、赤ら顔(酒さ)、なかなか消えないシミやくすみにお悩みではありませんか?
美容皮膚科領域で注目されている「アゼライン酸」は、これらの根深い肌トラブルに対する有効な選択肢の一つです。
美容外科・美容皮膚科 青い鳥では、確かなエビデンスに基づき、患者様お一人おひとりの肌状態に合わせた丁寧なアゼライン酸治療をご提供しています。
アゼライン酸とは?
アゼライン酸は、小麦やライ麦、大麦などの穀物に含まれている天然由来の成分で、私たちの皮膚にも自然に存在する酸の一種です。長年の研究により、以下のような多様な美肌効果を持つことが知られています。
◯抗菌作用: ニキビの原因菌であるアクネ菌の増殖を抑制します。
◯抗炎症作用: 皮膚の炎症を鎮め、ニキビや酒さによる赤みや腫れを軽減します。
◯角化異常の抑制: 毛穴の詰まりの原因となる古い角質の蓄積を穏やかに整え、ニキビの発生を防ぎます。
◯メラニン生成抑制作用: シミやそばかす、ニキビ跡の色素沈着の原因となるメラニンの生成を抑える働きがあります。
これらの作用により、アゼライン酸はニキビ、酒さ、そして色素沈着といった様々なお悩みの改善に貢献します。 当院では、その品質と効果において信頼性の高いロート製薬社の「ダーマセプトRX AZAクリーム」を採用しています。
アゼライン酸治療のメリット
アゼライン酸による治療には、以下のようなメリットが期待できます。
◎ 難治性ニキビへの効果: 炎症性の赤ニキビから、コメド(白ニキビ・黒ニキビ)まで、様々なタイプのニキビに有効性が示されています。特に、他の治療で改善が見られなかった方や、大人になってからも続くニキビにお悩みの方に適しています。
◎ 赤み・酒さの緩和: 炎症を抑える作用により、酒さ(赤ら顔)に伴う赤みやポツポツとしたできものを改善します。比較的刺激が少ないため、敏感肌の方にも選択しやすい治療法の一つです。
◎ 色素沈着の改善: ニキビ跡の色素沈着(茶色いシミ)や、一部のシミ(肝斑など)に対して、メラニンの生成を抑えることで改善効果が期待できます。美白治療の一環としても用いられます。
◎ 比較的マイルドな使用感: レチノイドなど、他の強力な外用薬と比較して、一般的に刺激感が少ないとされています。そのため、肌への負担を抑えたい方や、長期的な使用を検討している方にも適しています。
◎ 総合的なスキンケアの一環として: アゼライン酸治療は、美肌の基本である紫外線対策など、他のスキンケアと組み合わせることで、より効果的な美白・美肌管理を可能にします。当院では、治療だけでなく、日々のケアについても丁寧に指導いたします。
アゼライン酸治療の注意点とリスク
多くのメリットがあるアゼライン酸治療ですが、以下の点にご留意いただく必要があります。
⚫️ 使い始めの刺激感: 治療開始初期に、ピリピリ感、かゆみ、ほてり感、乾燥などを感じることがあります。通常は一時的なもので、使用を継続する、あるいは塗布方法を調整することで次第に軽減していきますが、症状が続く場合はご相談ください。
⚫️ 効果発現までの期間: 効果を実感するまでには、数週間から数ヶ月程度の継続的な使用が必要です。根気強く治療を続けることが重要です。即効性を求める治療ではありません。
⚫️ 紫外線対策の重要性: 他の治療法ほどではありませんが、治療中は肌が紫外線の影響を受けやすくなる可能性があります。刺激や新たな色素沈着を防ぐためにも、日焼け止め(SPF30以上推奨)による紫外線対策を徹底してください。これは当院が重視するトータル美白療法の一部です。
⚫️ 全ての症状に有効とは限らない: 肌質や症状の程度によっては、アゼライン酸単独では十分な効果が得られない場合もあります。その際は、他の治療法との併用や切り替えを検討します。当院は多様な治療選択肢を持つことが強みです。
⚫️ 費用: アゼライン酸治療は、原則として保険適用外の自由診療となります。費用は全額自己負担となります。
当院のアゼライン酸治療の特徴
港区浜松町に位置する美容外科・美容皮膚科 青い鳥では、アゼライン酸治療を提供するにあたり、以下の点にこだわっています。
◯ エビデンスに基づいた治療提案: 当院では科学的根拠(エビデンス)が確立された治療法を重視しています。アゼライン酸に関しても、ニキビ、酒さ、色素沈着に対する有効性が国内外の多くの研究で示されていることを確認した上で推奨しており、効果が不明確な高額な製剤をお勧めすることはありません。
◯ 丁寧な診察とカウンセリング: 患者様のお悩み、肌質、これまでの治療歴などを詳しくお伺いし、ダーマスコープなども用いて肌状態を正確に診断します。アゼライン酸が本当に最適な治療法なのかを慎重に見極めます。
◯ 豊富な治療選択肢の中からの最適解: 当院は、都内でも有数のレチノイド療法の実績を持つクリニックであり、その他にも様々な美肌治療の選択肢を有しています。アゼライン酸を優れた選択肢の一つとして位置づけつつ、必要に応じて他の治療法(ピーリング、レーザー、内服薬など)との組み合わせや、より適切な治療法への変更も柔軟にご提案できます。
◯ 紫外線対策を含むトータルケア指導: アゼライン酸の効果を最大限に引き出し、健やかな肌を維持するためには、適切なスキンケア、特に紫外線対策が不可欠です。当院では、治療薬の処方だけでなく、日々のケア方法についても具体的にアドバイスし、総合的な美白・美肌を目指します。
◯ 信頼できる製品の採用: 患者様に安心して治療を受けていただくために、品質と有効性が確認されているロート製薬の「ダーマセプトRX AZAクリーム」など、信頼できる製品を厳選して使用しています。
◯ アクセスの良い立地: JR浜松町駅、東京メトロ大門駅、都営地下鉄芝公園駅から徒歩圏内にあり、港区内や近隣エリアにお住まい、お勤めの方にも通いやすいクリニックです。
まとめ:港区で確かな美肌治療をお探しなら
▶︎ 港区でアゼライン酸治療をご検討中の方、ニキビ、赤み、色素沈着などのお悩みをお持ちの方は、ぜひあおぞらクリニックにご相談ください。
▶︎ 当院では、エビデンスに基づいた美容皮膚科治療を信念とし、専門知識と豊富な経験を活かして、安全かつ効果的な治療を提供し、患者様の肌目標の達成をサポートいたします。
▶︎ 繰り返す肌トラブルにお困りの方、浜松町、大門、芝公園エリアで信頼できる美容皮膚科をお探しの方は、ぜひ一度カウンセリングにお越しください。
▶︎ 皆様に「満足の笑顔」をお届けできるよう、スタッフ一同、心を込めてサポートさせていただきます。
**お知らせ**
当院は2003年に自由が丘から港区浜松町(最寄駅:JR/東京モノレール 浜松町駅、都営浅草線/大江戸線 大門駅、都営三田線 芝公園駅)に移転して診療しています。
院長コメント 〜悲運のアゼライン酸!?〜
ニキビ治療薬としても美白剤としても世界が認める実力がありながら、どういうわけか日本では医薬品になれませんでした。それがつまづきの始まり。
莫大な宣伝広告費をかけて売り出してもらえなかったばかりに、日本での知名度は低いまま。
メーカーの製造ラインも貧弱というか、すぐ生産が間に合わないと注文が制限されます。(それならもっとラインを増やせばと思うのですが・・)
アゼライン酸がもっと使われるようになれば、日本女性の肌の悩みも減るはずなのに、残念でなりません。
アゼライン酸の詳しい説明
アゼライン酸とは?
アゼライン酸は、皮膚科や美容皮膚科で広く使用される多機能な外用薬です:
作用の多様性
アゼライン酸は、抗炎症、抗菌、美白、皮脂抑制など、複数の効果を持っています。これにより、ニキビ、酒さ、色素沈着など、様々な皮膚トラブルに対応できます。
ニキビへの効果
ニキビの原因菌(アクネ菌)に対する抗菌作用があり、同時に炎症を抑え、過剰な皮脂の産生も抑制します。これらの作用が相まって、ニキビを改善します。
色素沈着への効果
メラニン色素の生成を抑制することで、シミやそばかすなどの色素沈着を改善します。特に、ニキビ後の赤みや色素沈着に効果があります。
酒さへの効果
血管拡張を抑制し、炎症を鎮めることで、酒さの症状を改善します。
安全性
局所適用での副作用が少なく、長期間使用しても比較的安全です。
使いやすさ
通常、クリームやジェルの形で提供され、1日1〜2回の塗布で効果が得られます。
相乗効果
他の薬剤と組み合わせて使用することで、さらに効果を高めることができます。
アゼライン酸は、これらの特徴により、多くの皮膚科医に推奨され、広く受け入れられている外用薬です。ただし、個人によって効果や副作用の現れ方が異なる場合があるため、使用する際は医師の指示に従うことが重要です。
ちょっと詳しい(詳しすぎる)作用機序
アゼライン酸のおもな作用は以下の通りです:
抗炎症作用:
炎症性サイトカインの産生と分泌を抑制
CD36/NADPH oxidase経路を阻害し、PPAR-γの発現を上昇させることで炎症を調節
抗酸化作用:
活性酸素種(ROS)の産生を阻害
好中球からのROS放出を抑制
抗菌作用:
Propionibacterium acnesなどに対する静菌作用
バクテリアのチオレドキシン還元酵素を阻害してDNA合成を抑制
抗色素沈着作用:
チロシナーゼ活性を阻害
異常メラノサイトの形成を抑制
角質抑制作用:
ケラチノサイトの増殖を抑制
ケラチンの前駆体の合成を減少
皮脂抑制作用:
5α-レダクターゼ活性を阻害し、テストステロンからジヒドロテストステロンへの変換を抑制
安全性:
局所適用で副作用が少なく、長期使用が可能
このように、アゼライン酸は抗炎症、抗酸化、抗菌、美白など多面的な作用を持つ外用薬として、様々な皮膚疾患の治療に用いられています。
アゼライン酸の副作用
アゼライン酸の副作用について、以下のような特徴があります:
1 一般的な副作用:
⚪️皮膚の軽度な刺激感
⚪️軽い発赤
⚪️乾燥
⚪️かゆみ
⚪️軽度の皮膚剥離
2 副作用の特徴:
⚪️ほとんどの場合、軽度で一過性
⚪️使用開始後数週間以内に自然に改善することが多い
⚪️重篤な副作用は稀
3 頻度:
⚪️副作用の発生率は比較的低い
⚪️研究によると、患者の約5-10%で軽度の副作用が報告されている
4 対処法:
⚪️症状が軽度な場合、使用頻度を減らすことで改善することがある
⚪️保湿剤の併用で乾燥や刺激を軽減できる場合がある
⚪️症状が持続する場合は医師に相談することが推奨される
5 注意点:
⚪️まれに接触性皮膚炎を引き起こす可能性がある
⚪️目や粘膜への接触を避ける
⚪️日光過敏の可能性があるため、日焼け止めの使用が推奨される
6 他の薬剤との比較:
⚪️ハイドロキノンなど他の美白剤と比較して、副作用が少ない
⚪️長期使用でも安全性が高い
7 特定の状況:
⚪️妊娠中や授乳中の使用については、安全性が確立されていないため、医師の指示に従う必要がある
8 まれな副作用:
⚪️重度の皮膚刺激
⚪️アレルギー反応(発疹、じんましん、呼吸困難など)
9 モニタリング:
⚪️使用開始後は皮膚の反応を注意深く観察することが重要
全体として、アゼライン酸は比較的安全な薬剤であり、ほとんどのケースで良好な忍容性を示します。しかし、個人差があるため、使用前に医師に相談し、使用中は自身の皮膚の反応を注意深く観察することが重要です。
こんな方におすすめ
アゼライン酸は以下のような人に特に適していると考えられます:
- 1.大人ニキビができやすい人
- 2.ハイドロキノンに代わる美白剤を探している
- 3.酒さで治療中の方
- 4.肝斑や色素沈着でお困りの方
- 5.敏感肌の人
- 6.複合的な肌トラブルを抱えている方(多面的な効果があるため)
- 7.長期治療を必要とする方
ただし、個人の皮膚状態や健康状態によって適性は異なるため、使用前に医師にご相談下さい。
使い方
【使用方法】
朝・晩、1日2回塗布します。洗顔のあと水分を拭き取ってから、気になる部分、またはお顔全体にやさしくなじませて下さい。10分ほどしてから、いつも通りの化粧品をお使い下さい。
【副作用】
使用を開始すると、ヒリヒリした刺激感、痒みが生じることがありますが、1〜2週間で治まります。
価格表
| 価格(税込) |
---|---|
AZAクリア(15g) | 1,980円 |
よくいただくご質問
AZAクリアについて
AZAクリアは、医療機関専売の20%アゼライン酸製剤です。
殺菌作用、抗炎症作用、異常角化抑制、メラニン生成抑制の効果があります。
海外では、 酒さ(赤ら顔)、ニキビ、肝斑、悪性黒子、ステロイド皮膚炎などに使われています。
刺激症状が続くときはどうしたらいいでしょう?
使用量を減らす、1日おきに使うなど工夫して下さい。
臨床試験での報告からも刺激症状は多くの方で出現するものの一過性であり、また治療を中止せざるを得なくなった方もいないとされています。
アゼライン酸の安全性について
アゼライン酸は、小麦やライ麦などの穀類由来の成分で、催奇形性試験、遺伝毒性試験、耐性獲得試験のすべてが陰性で、非常に高い安全性が証明されています。
ニキビ治療薬としてのアゼライン酸
アゼライン酸は、
・アクネ菌の殺菌作用
・毛穴入口の角質の肥厚を防ぐ作用
・抗炎症作用
から、海外ではニキビ治療の第2選択薬として使われています(第1選択はレチノイド)。
これまで耐性菌の報告はありません。
アゼライン酸のエビデンス
■ニキビに対する本邦における臨床試験では、12週間のアゼライン酸の使用で、非炎症性皮疹(白ニキビ)減少率は約60%、炎症性皮疹(赤ニキビ)減少率は約70%という結果が得られています(文献1)。
■美白剤としては、いずれも肝斑に対する臨床試験ですが、20%アゼライン酸は、2%のハイドロキノンより効果的で、4%のハイドロキノンと同等の効果が見られたと報告されています(文献2,3)
参考文献
1)尋常性痤瘡を対象にした20%アゼライン酸クリーム(DRX AZAクリア)の基剤対照評価者盲検無作為左右比較試験
林 伸和、他
Aesthetic Dermatology
2012;22:40-49
2)The treatment of melasma. 20% azelaic acid versus 4% hydroquinone cream.
Baliña LM,Graupe K
Int J Dermatol
1991;30:893-895
3)Double-blind comparison of azelaic acid and hydroquinone in the treatment of melasma.
Verallo-Rowell VM, et al.
Acta Derm Venereol Suppl
1989;143:58-61
4)Azelaic Acid: Evidence-based Update on Mechanism of Action and Clinical Application.
Schulte BC,et al.
J Drugs Dermatol.
2015;14(9):964-968