アルテミスリフト〜糸の進化の究極形
現状、糸の進化の終点に位置するのがアルテミスリフト。そのことが、たるみを強力かつ自然にリフトアップすることを可能にしています。
この施術は、以下のような主要な機能と特徴を持っています。
特徴
特殊な五角形のコグ: アルテミスリフトは、特殊な五角形のコグ(突起)を使用しており、従来の三角形のコグに比べて組織に対する摩擦を減少させ、挿入時の損傷を最小限に抑えます。これにより、安全性が高まり、施術後の不快感も軽減されます。
メッシュ構造: メッシュ構造を採用しており、組織が絡みつくことで、組織の成長や再生を促進します。この構造により、施術後も安定した状態を保つことが可能です。
高いリフトアップ効果: 糸を皮膚に挿入することで、たるんだ皮膚を引き上げるだけでなく、周囲の組織が刺激されることでコラーゲン生成が促進され、肌のハリや弾力も向上します。これにより、ほうれい線やしわ、フェイスラインのたるみなどの改善が期待できます。
安全性と持続性
使用素材: 使用される糸にはPLLA(ポリ乳酸)やPDO(ポリジオキサノン)が含まれており、これらは体内で吸収されるため、副作用のリスクが低く、安全性が高いとされています。PDOは約1年で吸収され、PLLAは約2年かけて吸収されるため、それぞれ異なる持続期間があります。
短いダウンタイム: 施術後すぐに日常生活に戻ることができるため、忙しい方にも適しています。施術後の腫れや内出血は通常数日から1週間程度で回復します。
アルテミスリフトは多くのクリニックで導入されており、特にアジア人の骨格に合わせた設計が評価されています。多くの方々にとって魅力的な選択肢となっています。
*本施術は、厚生労働省未承認の医療材料を使用したもので、また自由診療に基づき全額自己負担になります。
糸の特徴
アルテミスリフトの特徴は、以下の点が挙げられます。
特殊な五角形のコグ(突起): 従来のカッティング式のコグとは異なり、独立した型の特殊五角形モルディング式で作成されてます。コグが独立した構造になっているため、糸の強度が高く、強力なリフトアップ効果を発揮します 。従来のコグに比べて、施術後のチクチクなどの違和感を軽減することができます。
強固な3Dメッシュ構造: 従来のメッシュはほどけやすかったため、組織との絡みつきが不十分になり、糸の定着が不安定になる可能性がありましたが、アルテミスリフトではメッシュの糸が交差するすべての部分が結合されているため、非常に強固なメッシュ構造を実現 しています。リフトアップした位置で3Dメッシュに組織が絡みつき定着することで、リフトアップの持続性が高まります。
豊富なラインナップ: PDO(ポリジオキサノン)製とPLLA(ポリ乳酸)製、さらにそれぞれにショートスレッドも用意されており、お顔の症状や骨格に合わせて最適な組み合わせで施術が可能です。PDO製の糸は約1年、PLLA製の糸は約2年かけて吸収されます。ショートスレッドは、従来のスレッドリフトではアプローチが難しかった狭い部位にも施術が可能です。
院長コラム 〜 ボブ+テス=アルテミス 〜
現代の糸リフトの最先端と言えるのがこのアルテミスリフト。
わかりやすく表現すれば、ボブリフトような糸にテスリフトのようにメッシュを被せました。
そうすることでボブリフトより持続が長く、テスリフトよりリフトアップ力が強く、しかもトラブルが少ない最新糸リフトが誕生したのです。
オリジナル美容モデル
1-前
50代女性
ロワーフェイスのたるみを気にされていました。
1-施術1ヶ月後
施術後の違和感、ダウンタイムも軽微だったそうです。
2-前
40代女性
ロワーフェイスの輪郭を気にされていました。
2-施術1ヶ月後
輪郭が細くなったことを実感されています。
こんな方におすすめ
- 1.頬や口元・フェイスラインの「たるみ」が気になる
- 2.ハイフやサーマクールでは物足りない
- 3.ハッキリした結果は欲しいけど、ダウンタイムやトラブルはできるだけない方がいい
施術について
施術について
施術時間 : 60分程度
麻 酔 : なし
術後診察 : なし
注意事項
入浴・洗髪 : 当日から可能
洗顔・化粧 : 当日から可能
飲酒・運動 : 翌日から可能
治療スケジュール
効果を維持するために、1〜2年ごとに続けることをおすすめします。
施術を受けられない方
- 1.妊娠・授乳中の方
施術手順
1 カウンセリング・洗顔
施術前には、十分なカウンセリングが不可欠です。この段階で、ご希望やお顔の状態を確認し、最適な施術プランを提案します。またアルテミスリフトの効果やリスクについても説明し、安心して施術を受けていただけるよう配慮します。
カウンセリングを通じて、自分の理想に近づくための具体的なイメージを持つことができ、施術への不安を軽減することができるようになります。
2 マーキング・麻酔
糸の挿入デザインを決定してマーキングします。針の刺入部を麻酔します。
*麻酔でも鈍針を使い内出血のリスクを低減しています。
3アルテミスリフト挿入
糸の挿入に使う針は、血管を傷つけにくいよう先端が丸い鈍針になっていています。
アルテミスリフトは、お顔や肌の状態、ご希望に応じて、異なる糸を使用することで、より効果的な結果を提供します。こうして自分のお顔に適した施術を受けることができることで、満足度の高い結果を得ることが可能になります。
4 施術終了後
当日の運動、飲酒はお控え下さい。
気になる事があれば、お気軽にご相談下さい。
アルテミスリフトを受ける際には、施術に伴うリスクを十分に理解しておくことが重要です。例えば、施術後に腫れや内出血が生じる可能性がありますが、これらは通常数日から1週間程度で改善します。また、特殊なコグのついた糸を使用することで、挿入に伴う組織損傷を最小限に抑えて安全性が高まっていますが、それでも、個々人で反応が異なることがあります。
価格表
アルテミスリフト(ARTEMIS LIFT) | 価格(税込) |
---|---|
ミドル(6本) 頬のたるみに |
242,000円 |
ロワー(6本) フェイスラインのたるみに |
242,000円 |
トータル(8本) お顔全体のたるみに |
295,900円 |
■麻酔料 3,850円別途
*本施術は、自由診療に基づき全額自己負担になります。
糸リフトについて
糸リフトの歴史
糸リフト(スレッドリフト)の歴史の主なポイントは以下の通りです:
⚫️90年代後半:ロシアの形成外科医Sulamanidzeらが、非吸収性の有棘糸(APTOS)を開発し、初めて顔の引き上げに使用。
⚫️2000年代前半:WuがWOFFLES thread、IsseがEndo Progressive Face Lift Sutureなど、様々なタイプの非吸収性糸が開発される。
⚫️2000年代半ば:ContourThreadsやSilhouette Liftなど、FDA承認を受けた製品が登場。
⚫️2009年頃:非吸収性糸の合併症が問題視され、FDAがContourThreadsの承認を取り消し。
⚫️2010年代:ポリジオキサノン(PDO)などの吸収性糸が開発され普及。安全性が向上。
⚫️2015年頃から:より進化した吸収性糸(PLGA、PCLなど)が登場。効果の持続性や組織刺激性が向上。
⚫️現在:さまざまな形状・素材の糸が開発され、単独または他の施術と組み合わせて幅広く使用されている。
このように、初期の非吸収性糸から、より安全で効果的な吸収性糸へと進化してきた歴史があります。現在も新しい糸の開発や手技の改良が続いています。
はじめての糸リフト「アプトス」はこうして誕生
1980年代後半、ロシアのマルレン・スラマニゼ医師は、侵襲的な外科的フェイスリフトに代わる、最小侵襲の顔のリフトアップ治療の研究を開始しました。
⚪︎初期の実験では、眉毛を持ち上げるためにシルク糸を使用しましたが、効果は限定的でした。
しかし、これが組織全体を把持できる突起やバーブ(逆棘)付きの糸を作るアイデアにつながりました。
⚪︎1998年、最初の一方向性バーブを持つAPTOS(アンチプトーシス)糸が、創傷縫合用に導入されました。
当初のAPTOS糸は小切開が必要でしたが、これは双方向性バーブを持つ無針糸に進化し、ガイド針を使用して切開なしで挿入できるようになりました。
⚪︎2002年、1本の糸が2本の針に取り付けられた新しいデザインが作られ、1回の穿刺で挿入できるようになりました。これがAPTOS Threadとして知られるようになりました。
さらなる改良版には以下のものがあります:
APTOS Needle(2003年) - 両端針に滑らかな糸を取り付けたもの
APTOS Needle 2G(2005年) - 2本の両端針にバーブ付き糸を取り付けたもの
APTOS Springs(2003年) - 筋肉の動きが活発な部位用の弾性糸
これらの技術と糸のデザインは、解剖学的考慮と結果の経験に基づいて、時間とともに改良されていきました。
要約すると、APTOSは1980年代後半の基本的な縫合糸から始まり、2000年代初頭までにより洗練されたバーブ付きおよび弾性糸システムへと進化しました。スラマニゼ医師と同僚による反復的なデザイン改良を通じて発展し、従来の手術に代わる最小侵襲の顔面リフティング方法の開発につながりました。
糸リフトのリフトアップ・メカニズム
糸リフトによるリフトアップの主なメカニズムは以下の通りです:
物理的な引き上げ効果:
糸に付いた逆棘や円錐状の構造が皮下組織に引っかかり、挿入時の張力で組織を持ち上げます。
糸の両端を固定することで、たるんだ組織を支える足場となります。
組織反応による効果:
異物反応により、糸の周囲に線維芽細胞が集まり、コラーゲンやエラスチンの産生が促進されます。
これにより皮膚の弾力性が向上し、長期的なリフトアップ効果が得られます。
体積効果:
挿入された糸自体の体積や、その周囲に形成される線維性被膜が、わずかながら組織にボリュームを与えます。
組織のリモデリング:
糸の刺激により、周囲の組織が再構築され、より引き締まった状態に変化します。
血流改善:
糸の挿入により局所の血流が改善され、皮膚の質感や色調が向上することがあります。
吸収性糸の場合の追加効果:
糸が徐々に分解される過程で、さらなる組織刺激や再生効果が得られます。
これらの効果が複合的に作用し、即時的および長期的なリフトアップ効果をもたらします。ただし、効果の程度や持続期間は、使用する糸の種類や挿入技術、患者の皮膚の状態などによって異なります。
糸リフトはこんな方に
糸リフトは以下のような人に適していると考えられます:
1 軽度から中程度の皮膚のたるみがある人:
⚪︎顔の輪郭がぼやけ始めている
⚪︎頬や顎のラインにわずかな下垂がある
2 30代後半から50代の比較的若い年齢層:
⚪︎肌の弾力性がまだある程度保たれている
3 手術に抵抗がある人:
⚪︎大がかりな手術を避けたい
⚪︎ダウンタイムが短い施術を希望する
4 自然な仕上がりを望む人:
⚪︎劇的な変化ではなく、さりげない若返りを希望する
5 フェイスリフト手術の前段階として検討している人:
⚪︎より侵襲的な手術の前に効果を試してみたい
6 以前のフェイスリフト効果を維持したい人:
⚪︎手術後の経過年数とともに効果が薄れてきた場合
7 局所的な改善を希望する人:
⚪︎眉毛、ほうれい線、顎線など特定の部位の引き上げを望む
8 肌質が比較的厚い人:
⚪︎糸が目立ちにくく、良好な結果が得られやすい
9 健康状態が良好で、大きな基礎疾患がない人
ただし、以下のような人には適していない可能性があります:
⚫️極度の皮膚のたるみがある
⚫️非常に薄い皮膚の人
⚫️出血傾向がある
⚫️自己免疫疾患がある
⚫️妊娠中や授乳中の女性
⚫️ケロイドになりやすい体質の人
個々の状況や希望する結果によって適応は異なるため、医師との詳細な相談が重要です。
糸リフトのリスク
糸リフトの主な合併症には以下のようなものがあります:
1 一時的な合併症:
⚪︎腫れ、痛み、赤み(多くの場合数日で軽快)
⚪︎皮下出血、打撲(1-2週間程度で消失)
⚪︎違和感、つっぱり感
2 可視性の問題:
⚪︎糸の透見(特に薄い皮膚の場合)
⚪︎皮膚の凹凸や非対称性
⚪︎ディンプリング(皮膚のくぼみ)
3 触知性の問題:
⚪︎糸の触知(皮膚表面から糸が触れる)
⚪︎結び目や糸端の突出感
4 感染関連:
⚪︎局所感染
⚪︎肉芽腫形成
5 神経関連:
⚪︎一時的な感覚鈍麻や異常感覚
⚪︎まれに顔面神経麻痺(通常一過性)
6 糸の問題:
⚪︎糸の移動や露出
⚪︎糸の破断
⚪︎非吸収性糸の場合、長期的な異物反応
7 効果に関する問題:
⚪︎不十分なリフトアップ効果
⚪︎非対称的な結果
⚪︎過剰な引き上げによる不自然な表情
8 その他:
⚪︎アレルギー反応(まれ)
⚪︎瘢痕形成(特にケロイド体質の場合)
⚪︎色素沈着
これらの合併症の多くは一時的で、適切な処置により改善します。しかし、重大な合併症を防ぐためには、経験豊富な医師による施術や術後のケアが重要です。また、施術を受ける方も術前の十分な理解、術後の指示遵守が必要です。
よくいただくご質問
ダウンタイム、リスクについて
リスクとしては
1)内出血
2)ひきつれ
3)糸の露出(糸が出てくること)
4)表面から糸が触れる
5)表情の違和感
6)糸刺入部位の凹凸
7)神経へのダメージ
などがあります。
糸リフト、それもアグレッシブな施術ではリスクは皆無ではありませんが、生じたトラブルのほとんどは糸が吸収性であることで、トラブルが長引いたり、残ってしまうことを防いでいます。
アルテミスリフトで使用する糸にはどんな特徴がありますか?
ボブリフトのような糸にテスリフトのようにメッシュを被せ、しかも糸とメッシュを固定したことで、テスリフトで多くのトラブルの原因となっている糸の挿入部での折り返しが不要になりました。
ヒアルロン酸やボトックス治療と併用できますか?
ボトックス治療は部位にかかわらず同時に受けていただけます。ヒアルロン酸注入もアルテミスリフトの施術部位と重ならなければOKです。
使用する糸について
長年医療用に使われているPDO(PDS)製の細い糸です。
糸付き針としては、厚生労働省未承認の医療材料です。国内の代理店を通じて、医師が個人的に正式な手続きを経て輸入しています。国内には同等の承認された糸付き針はありません。諸外国において、医療材料に起因する重篤な副作用の報告はありません。