2018.01.08更新

数年前アンジェリーナ・ジョリーが癌の予防目的に乳房、卵巣を切除したことが大きなニュースになりました。彼女の場合、BRCA遺伝子に変異があったと報道されています。

予防的切除


遺伝性乳癌の多くはBRCA遺伝子(正確には1と2があります)の変異が原因です。癌は遺伝子の突然変異から生じますが、親から子に遺伝子の変異が遺伝的に伝わることもあります。それが遺伝性乳癌で、乳癌全体の5〜10%を占めます。

BRCA遺伝子に変異があるかどうかは血液検査でわかります。もし変異があった場合、乳癌になるリスクはおよそ70%。そして、もし予防的に乳房を切除すれば、乳癌になるリスクを90%下げることができます。これが予防的に切除するメリットです。

ただし、癌を予防する目的は「癌で死なない」ことのはずですが、今のところ生命予後の改善は証明されていません。予防的に切除した方が長生きできるという保証はありません。おそらく検査で変異が分かれば、予防的な手術を選択しなくても、通常より綿密にフォローすることになるので、たとえ乳癌を発症しても早期発見、早期治療につながりやすいためでしょう。

どういう場合に遺伝性乳癌が疑われるかについて、詳しくは下記サイトの表1をご覧下さい。
http://jbcs.gr.jp/guidline/p2016/guidline/g1/q05/

遺伝性乳癌が気になる方は、まずは下記サイトに掲載されている遺伝カウンセリング外来でご相談下さい。
http://hboc.jp/facilities/index.html

21世紀は個別化医療に向かうと叫ばれて久しいですが、まさにこうした遺伝性腫瘍こそが、究極の個人情報である遺伝子により個別化された医療です。今後は乳癌に限らず多くの癌において遺伝性腫瘍が問題になることが予想されます。現状ではまだ遺伝性腫瘍に対応できる病院は限られていて、早急に整備されることが求められています。

(参考)
遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)診療の手引き(2017年版)
医学のあゆみ 「乳癌のすべて」
国がん中央病院がん攻略シリーズ 最先端治療 乳がん


 

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投稿者: 美容外科・美容皮膚科 青い鳥

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