ニキビ

ニキビについて

青春の象徴!?

ニキビは日本人の90%以上が経験するありふれた疾患です。国内で行われた調査結果によると、初めてニキビができるのは、平均して男性で13歳、女性12歳。このような「思春期のニキビ」は性成熟に起因しますが、高校生でピークを迎え、この年代の有病率は70%を越えます。


女性に多い大人ニキビ(思春期後座瘡)

「思春期のニキビ」のピークは18歳ですが、男性で40%、女性では50%以上が、そのまま「大人ニキビ」に移行します。「大人ニキビ」に悩む方は、長期にわたりニキビが良くなったり、悪化したりを繰り返しており、ニキビ痕を残しやすいと言えます。

*大人ニキビとは、25歳以上で発症するニキビのこと。



もっと早く皮膚科受診を!

ニキビはあまりにありふれていて病気と思われないのか、受診率が大変低く、およそ1割の方しか皮膚科を受診しません。しかも受診した年齢もおよそ20歳で、ニキビができはじめてからかなり時間が経っています。

このような状況を生んだ一因には、長らく日本のニキビ治療が遅れていたことがあります。2008年にアダパレンが登場するまで、ニキビの初期症状に対する有効な手段がなかったので、皮膚科に通っても治りきらないと思われても仕方ありませんでした。

2014年にはBPO製剤も日本で使えるようになり、これで諸外国と比べても見劣りしないニキビ治療が皮膚科で行えるようになりました。今後は一日も早く信用回復(?)に努めて、「ニキビは皮膚科で治せる」、「ニキビはできたら皮膚科で治す」を常識にしていくことが課題です。


ニキビの発症メカニズム

ニキビは(正式名:尋常性痤瘡)は、脂腺性毛包に発生する慢性炎症性疾患です。

*脂腺性毛包:毛包とは「毛穴」のこと。毛穴には3種類あります。
・脂腺性毛包:皮脂腺が発達している毛穴で、毛はないことも多い
・終毛性毛包:髪の毛などしっかりした毛を生やす毛穴
・軟毛性毛包:産毛を生やす毛穴

ニキビが発症するのは、脂腺性毛包に限られます。脂腺性毛包は顔、前胸部、上背部に多く、ニキビもそうした場所にできます。


面皰(白ニキビ、黒ニキビ)の形成

1)皮脂分泌の亢進
思春期になると性ホルモンの分泌が亢進し、とくに男性ホルモンが皮脂腺の発達、皮脂の分泌を促し、脂性肌を作ります。

2)毛包漏斗部(毛穴の入り口)の閉塞
毛穴の閉塞がニキビ発症の引き金を引きます。毛包漏斗部(毛穴の入り口)では、皮膚の新陳代謝で生じる皮膚の「垢」が溜まりやすく、毛穴の入り口を閉鎖するようになります。すると毛包内に皮脂、皮膚の「垢」が貯留します。それが「微小面皰」、ニキビの初期病変です。微小面皰がさらに大きくなって目で見てわかるようになったのが面皰(白ニキビ、黒ニキビ)です。

3)面皰内でのアクネ菌の増加
アクネ菌は代表的な皮膚の常在菌で、嫌気性菌であり、しかも脂質を栄養分とするため、皮脂がたまった閉鎖空間である面皰は格好の生息部位になります。アクネ菌から炎症を誘発する物質が放出されると考えられています。

炎症性ニキビへの進展

アクネ菌が増殖すると、それに対し好中球(白血球の一種)が集まり、免疫反応が惹起されて炎症性ニキビに進展します。ニキビ治療において抗炎症作用を持つ抗生剤が有効であることからも、免疫反応が大きな役割を果たしていることがわかります。

大人ニキビ(思春期後座瘡)

大人ニキビとは

ニキビは思春期に好発しますが、25歳以上でできるニキビを大人ニキビと呼びます。大人ニキビには、思春期のニキビとは違った特徴があります。

  • 1.思春期のニキビがそのまま継続するタイプと25歳以上で問題になるタイプがあり、前者が多い
  • 2.顎周り、フェイスライン、頚部によくできる
  • 3.閉経期の女性では、口周り、顎によくできる
  • 3.炎症性ニキビ(赤ニキビ)が中心で白ニキビ(面皰)は目立たない
  • 4.生理前に増悪することが多い
  • 5.治りにくいニキビが多い

海外での報告ではありますが、大人ニキビ患者は近年増加しています。

大人ニキビはなぜできる

大人ニキビができるメカニズムは基本的には思春期にできるニキビと変わりありません。最近の海外の論文からの引用ですが、次を関連因子としています。

  • 1.ホルモン環境
  • 2.遺伝
  • 3.メイク
  • 3.食生活
  • 4.タバコ
  • 5.ストレス

(参考文献)
Emerging Issues in Adult Female Acne
Joshua AZ,et.al
J Clin Anesthet Dermatol
2017;10(1):37-46

大人ニキビの患者の多くはホルモン異常を示しませんが、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)による男性ホルモン過剰から、大人ニキビが発症することもあります。生理不順があるなら、婦人科受診もすすめられます。



ニキビがどれほど人を苦しめるか?

ニキビはおよそ9割の人が経験するありふれた身近な疾患であり、病気という認識も十分とは言えませんが、たとえごく軽症のニキビであっても心理的、精神的に大きな負担になります。

日本での調査研究からも、ニキビがあることで患者の生活の質(QOL)は、難病とされる乾癬患者と同程度にまで低下し、感情面での影響は、乾癬やアトピー性皮膚炎以上に深刻であることが判明しています。

生活の質(QOL)の改善には、ニキビ自体を改善させることはもちろん、医師と患者との良好な治療関係が大切で、たとえニキビは悪化したとしても、通院して適切な治療を受けているという患者の意識があれば、さらなるQOLの低下を招かないことも示されています。



皮膚科でのニキビ治療〜ガイドライン2016〜

現在、皮膚科を受診してニキビと診断されると、全国的に統一されたガイドラインと呼ばれる治療指針に基づいて治療が行われます。最初にガイドラインができたのが2008年。その特徴は、医学的根拠に基づいて治療をランク付けしたこと、アルゴリズムとして症状に応じた推奨治療を示したことでした。2016年の改訂の目的は、新たに維持療法を示したこと、耐性菌の問題に配慮したことが上げられます。そのガイドライン2016の要点は次のようになります。

  • 1 治療は、「急性期治療(原則3ヶ月以内)」と「維持期治療」に分ける
  • 2 軽症の「急性期治療」としては、アダパレン、BPOに外用抗菌剤(塗り薬)
  • 3 中等症以上の「急性期治療」としては、さらに内服抗菌剤を加える
  • 4 「維持期治療」では、アダパレン、BPOを中心として、抗菌剤は使わない

 

 

当院のニキビ治療〜自由診療として〜 

当院の自由診療としてのニキビ治療の原則は次の2つです。
1 「包括的」なニキビ治療を提供する
2 ガイドラインに沿った皮膚科での治療を妨げない


1 「包括的」なニキビ治療を提供する
ニキビというのは、白ニキビ(面皰)から始まり、赤ニキビ(炎症性ニキビ、膿疱)、さまざまなニキビ跡(赤み、色素沈着、クレーター肌、ケロイド、嚢腫)などさまざまな形態が混在しながら、それが慢性的に繰り返されるのが特徴です。

「包括的」なニキビ治療とは
・ニキビ跡へ移行しないよう、できるだけ早期に炎症を抑えること(急性期治療)
・白ニキビ(面皰)の新生を予防すること(維持治療)
・残念ながら残ってしまったニキビ跡のクレーター肌治療
とニキビの各段階の治療を揃えているということです。
(ただし、当院ではケロイド、嚢腫の治療は行っていません)

2 ガイドラインに沿った皮膚科の治療を妨げない!
現在のニキビ治療は、皮膚科で保険診療として行うのが基本です。したがってガイドラインの治療が続けられない方、効果がでない方に対する治療、ニキビ跡(赤み、色素沈着、クレーター肌)に対する治療が当院の主な役割と言えます。また当院での治療が、ガイドラインに沿った皮膚科での治療を妨げることがないよう、また重複しないよう治療内容を構成しています。


急性期治療(炎症性ニキビ治療)

炎症性ニキビに対する治療で重視したのは、スピード低侵襲です。跡として残さないためにも、炎症性ニキビは速やかに炎症を抑えなければなりません。また治療自体が低侵襲でないと、色素沈着などのトラブルの元になります。

スピード低侵襲という条件を満たすのが、プラズマ、フォトRF(光治療)、ケミカルピーリングです。
この3つの施術を組み合わせた「集中治療」を炎症性ニキビに対する治療としてご用意しています。


おすすめする治療



維持期治療(メンテナンス)

白ニキビ(面皰)形成の抑制

維持期治療のポイントは
1)角化異常を予防し、白ニキビ(面皰)形成を抑制する
2)白ニキビ(面皰)から炎症性ニキビへの進展を防止する
です。

ガイドラインの治療では、白ニキビ(面皰)の予防にはアダパレン、BPO製剤が推奨されています。とくにアダパレン(製剤名:ディフェリンゲル)はもっとも有効とされています。ただし、アダパレン(製剤名:ディフェリンゲル)は赤みやヒリヒリ感など刺激症状が出やすく、使い続けられない方もたくさんいます。そこで当院では、白ニキビ(面皰)の予防としてアゼライン酸(AZAクリア)をおすすめしています。

アゼライン酸は、海外では面皰、炎症性ニキビに対する有効性が認められ、ニキビ治療の第二選択薬と位置づけられています。アダパレン(製剤名:ディフェリンゲル)に比べ作用はマイルドですが、刺激症状も少なく、また麦類に含まれる成分ですので安全性が高く妊娠中、授乳中にも問題なく使用できます。

AZAクリア

【製品説明】
アゼライン酸高濃度配合クリーム。ニキビの原因となる毛穴のつまりを予防します。朝晩の洗顔後、化粧水などでお肌を整えたあとに適量をとって気になる部分またはお顔全体にやさしくなじませて下さい。

【価格】

容量:15g 価格:1,800円(税別)



白ニキビから赤ニキビへの進展予防


白ニキビで炎症つまりは化膿(アクネ菌などによる)が起こるのを予防するのは、大変難しい課題です。なぜならアクネ菌は皮膚でもっともよく見られる常在菌だからです。抗生剤など殺菌作用のある薬剤を使用するのは耐性菌の問題がありますし、また殺菌作用で皮膚の常在菌が乱れると皮膚の状態も不安定になってしまいます。

ホームケアとしておすすめするのは、「抗体」配合コスメのACケアラインシリーズです。抗アクネ菌抗体、抗黄色ブドウ球菌抗体が、皮膚の常在菌を乱さず、炎症への進展を予防します。

ACケアラインシリーズ



ニキビ痕治療

ニキビ痕〜赤み〜

炎症性ニキビの治癒後に赤みが残りやすいことは、どなたも経験上よくご存知のはず。医学的には「炎症後紅斑」といい、その実態は真皮浅層の毛細血管拡張です。ただ、なぜニキビ治癒後に赤みが残りやすいのかはわかっておらず、治療法も確立されていません。

自由診療の立場から言えば、赤色に反応するレーザー治療、光治療、ケミカルピーリングが有効です。

 

ニキビ痕〜色素沈着〜

ニキビに限らず炎症後には茶色の色素沈着が生じることはよく知られています。その発生機序としては、炎症により各種サイトカインが放出され、それがメラニン産生を促すからと考えられています。

炎症後色素沈着の治療としては、ビタミンCの内服に保険適応がありますが、大きな治療効果は期待できません。自由診療ではハイドロキノン外用、トレチノイン療法(メラフェード)、ケミカルピーリング、光治療が有効とされています。

ニキビ痕〜クレーター肌〜

ニキビ痕のクレーター肌の治療で従来有効とされてきたのは、レーザーを使ったスキンリサーフェシング(皮膚の作り替え)です。そのさい表面を「面」で薄く削る方法もありますが、そうした治療ではダウンタイムが長いだけでなく、色素沈着、瘢痕などが生じるリスクも高く、表面を「点」で治療するフラクショナルレーザーを使う治療法が一般的です。フラクショナルレーザーでは、レーザーをシャワーのようにたくさんのレーザービームとしてあてることで、皮膚を「点」で作り替えます。回数をかければ、「点」の集まりが「面」になるというわけです。

しかし、フラクショナルレーザーの治療も楽ではありません。やはりお肌への負担が大きく、長いダウンタイムと色素沈着などのトラブルも覚悟する必要があります。結局この治療もやり通せる方はなかなかいません。

そこで注目されるのが、プラズマ治療やリジュランです。プラズマを使うと、レーザーに比べ軽く、短いダウンタイムでレーザーのように皮膚を作り替えることができます。リジュランは、メソセラピー(薬剤を細かく皮内注射する治療法)による美肌術で、そもそも熱作用を及ぼさないので熱傷や色素沈着などのトラブルとは無縁で、ダウンタイムも数日軽い赤みが残る程度です。ただしリジュランではクレーター肌の凹みをフラットに近づける作用はレーザーやプラズマより弱くなりますし、鼻への治療はできません。

《学術論文紹介》
どのタイプのニキビ痕(クレーター肌)がフラクショナルレーザー治療に反応するか?
(内容)
アイスピック型、ローリング型、ボックス型に分けて、フラクショナルレーザー治療への反応を検討した。ボックス型がもっともレーザー治療に反応して改善効果が見られた。ついでローリング型で、アイスピック型が最も治療成績が悪かった。
(解説)
ニキビ痕(クレーター肌)に対するフラクショナルレーザー治療の論文は数多くありますが、ニキビ痕のタイプ別に検討したのは他に見当たりません。この論文では使われたのは、エルビウムグラスレーザー(1540nm)であり、他の波長のレーザーやプラズマでも同様な結果が得られるかはわかりません。


Which Type of Atrophic Acne Scar Responds to Nonablative Fractional Laser Therapy?

Kabir S,et al
Dermatologic Surgery 2014;40:288-300


クレーター肌はなぜできる?

炎症性ニキビの重症であるほど、治るのに時間がかかるほどニキビ痕、クレーター肌として残りやすいと考えられていましたが、最近の知見では、

ニキビの生活指導


日本人を対象に行われたアンケート調査では、ニキビ患者は睡眠不足、ストレス、ニキビを触ること、不規則な食生活などをニキビの悪化因子と捉えています。そうした悪化因子でどのようなメカニズムが働いてニキビが悪化するか解明が進んでいます。ただし、あくまで悪化因子であって原因ではないこと、ライフスタイルの変更は実際には難しいこと、治療内容が変更されるわけではないことから、こだわりすぎない方が賢明です。

食事


ニキビと食生活については、昔から議論が続いています。国際的に見ても食事の欧米化により、それまでニキビが少なかった民族にもニキビ患者が増えたというデータもあり、ニキビと食事には何らかの影響がありそうです。また個々人レベルでも「チョコレートを食べるとニキビができる」、「油物を食べるとニキビが増える」などという話を聞くことがあります。

ただ、いまだに特定の食品について、一定の評価は定まっていません。チョコレートについてもニキビに関係すると結論づける臨床試験もあれば、関係しないとするものもあります。結局、ガイドライン2016でも特定の食べ物を一律に制限することは推奨していません。

触らない、引っ掻かない!


アンケート調査によると、ニキビ患者のおよそ90%でニキビを掻くことがあると解答しています。また、ほとんどの人がニキビに触ることは悪いことと認識しています。

その認識を裏付けるようにニキビに触ることが、さらなる白ニキビ(面皰)の形成につながる機序が判明しています。皮膚に触ることで表皮細胞から分泌されるサイトカインが、毛穴の閉塞を引き起こすのです。

ニキビを触る、掻く、潰すという行為は心理的ストレスの解消行動として見られることもあります。こうしたストレスによる「掻破」に関与するニキビはフェイスライン、アゴに見られることが多く、また強いストレスやうつ傾向が潜んでいることもあり、行動修正にはメンタルケアを必要とすることもあります。

隠そうとしない!


皮膚に何かが触れることは白ニキビ(面皰)形成の誘因となるので、ニキビを服装や髪型で隠そうとすることは避けて下さい。口元のニキビをマスクで隠すことはやめましょう。隠すわけではなくても髪の毛先がニキビに触れるだけでも好ましくありません。髪型をニキビのために変えるのが難しいなら、せめて自宅にいる間は髪をまとめておきましょう。




スキンケアの注意点

洗顔(クレンジング)


メイクを落とすにはクレンジングが必要です。オイルクレンジングはニキビに良くないという見解もありましたが、問題ないとするデータもあります。通常の洗顔料だけで落とそうとすると機械的な摩擦が避けられず、ニキビを悪化させてしまうので、クレンジング剤を適切に使うことを心がけましょう。大切なのは、十分な量を使うこと。それは皮膚表面を手が滑らかに滑る量で、指先ではなく手の平全体でなじませ、手の滑りが軽くなるタイミングを洗い流しの目安とします。

◆注意◆
1 アイメイク、リップメイクを落とすには、別にポイントメイク落としを使用する
2 ポイントメイク落としを使うときは、こすらないよう気をつけ、たとえば目元はコットンを横に動かさず、目元からまつ毛の毛先に向けて垂直方向に動かす

 

洗顔(洗顔料)


洗顔料をよく泡立てることがポイントです。泡で洗うことは摩擦の軽減、洗浄効果の向上につながります。あらかじめ水で濡らしておいた顔の表面を指先ではなく手の平で力を入れずなでるように洗います。

◆注意◆
1 皮脂分泌の多いTゾーンから洗う
2 髪の生え際やフェイスライン、顎は洗顔料が残りやすいので意識してすすぐ
3 ぬるま湯(35℃程度)の流水ですすぐ
4 回数は1日2回(洗いすぎも要注意)

保湿


女性に多い大人ニキビでは、とくに保湿が重要と考えられています。ただ、化粧水、乳液、美容液、クリームなどで過剰に保湿すると、かえって白ニキビ(面皰)を形成させかねません。保湿用化粧品は、「ノンコメドジェニック」または「ハイポコスメジェニック」と記載させているもの、またはニキビ用のシリーズから選びましょう。

男性ではもともと女性に比べ皮脂の分泌も多く、スキンケアに保湿剤が不要な場合の方が多く、むしろ保湿過剰に注意しましょう。

また、アダパレン(商品名:ディフェリンゲル)を使用すると、刺激症状が出現して、治療の妨げになることがあります。アダパレンを使用するさいには十分に保湿することが勧められますが、その場合は保湿用化粧品ではなく医療用の保湿剤、とくにヘパリン類似物質(ヒルドイドなど)が有用です。

臨床試験により、アダパレン外用前にヘパリン類似物質を用いることで、アダパレンの皮膚刺激症状の頻度が少なく、症状は軽くなり、結果として治療中断例が減ったことが示されています。

UVケア


紫外線対策は、アダパレン、BPO製剤を使用している場合や、ケミカルピーリングを行ったときに必須ですし、白ニキビ(面皰)の形成を抑制すると言われています。ただし紫外線防御指数の高いもの、ウォータープルーフ仕様のものは皮膚残留性が高く、かえってニキビを悪化させる恐れがあります。日常使用するのにはSPF30程度にしましょう。また、クレンジングの習慣のない男性では、洗顔料で落とせるサンスクリーン剤を選ぶ必要があります。



メイクアップの注意点

 

かつては化粧品の中には面皰(白ニキビ)を誘発するものがあることから、化粧することはニキビを悪化させるとして、治療中は化粧することを禁止されてきました。しかし化粧の制限は患者側からすれば、大きな精神的負担になっていました。その後、低刺激で面皰(白ニキビ)を誘発しにくい化粧品が開発され、そうした製品を使って化粧することで、ニキビを悪化させることなく、心理面、感情面、人間関係などで明らかな改善効果が得られることが分かりました。

具体的には、ニキビ、ニキビ痕を「隠す」メイクアップではなく、「目立たなくする」メイクアップを心がけます。「目立たなくする」メイクアップの基本は、補色を用いてニキビを目立たなくするベースメイクアップとニキビから視線をそらさせるポイントメイクアップの組み合わせです。

ベースメイクアップ


ベースメイクアップでは、皮膚色の補正をすることでニキビ、ニキビ痕を目立たなくすることを目標とします。ただし完全に見えなくするのが目標ではなく、あくまでポイントメイクアップと合わせてカバーすることを目指します。

ニキビ、ニキビ痕の赤みには、赤の補色である黄色寄りのファンデーションを使用して色調を整えます。そのときはスポンジを擦るような付け方ではなく、トントンと置くようにのせていきます。そのあとで健常部の肌色に合わせたファンデーションを塗布します。大きめのパフを使って付けると刺激の軽減になります。パフの使い方も皮膚に水平に動かすのではなく、ファンデーションを置くように皮膚に垂直に方向に動かします。

従来、リキッドファンデーションより油分の少ないパウダーファンデーションの方が毛穴を塞ぎにくく望ましいとされてきましたが、最近の調査ではどちらも安全に使用できることがわかってきましたので、現在リキッドファンデーションを使っていたとしても、必ずしも変更する必要はありません。

ポイントメイクアップ


ポイントメイクアップの目的は、お顔にニキビより目立つ部位を作ることで患部から視線をそらし、結果的にニキビの目立たないメイクアップを実現することです。眉、アイメイク、リップメイクなどポイントメイクアップは多種多様になるので、できればメイクアップの専門家のサポートを受けることが望ましいでしょう。

またメガネをかけたり、アクセサリーを取り入れたり、髪型や服装でも、ニキビから視線をそらさせる効果が得られます。

ポイントメイクアップ方法に習熟すると、それまでの隠そうという意識が、全体の姿を美しく見せようという意識に変わり、気持ちが前向きになって、QOLの改善にもつながります。

 

 

よくあるご質問(Q&A)

Q

洗顔の回数はできるだけ増やした方がいいのでしょうか?

A

洗顔はスキンケアの基本であり、ニキビに対するスキンケアとして「しっかり洗顔するように」と指導されることもあります。ただし、「しっかり」というのは、洗顔の回数を増やしたり、皮膚を強くこすったりすることではありません。洗顔回数を増やすことは、皮膚を乾燥させトラブルをさらに大きくさせるだけです。ニキビ治療のガイドライン2016では、1日2回の洗顔を推奨しています。これは3回以上の洗顔は推奨しないという意味でもあります。

Q

ホルモン療法は有効でしょうか?

A

ホルモン療法には2種類あり、ひとつは経口避妊薬、もうひとつは抗男性ホルモン薬を使います。
経口避妊薬は海外では多くの国でニキビ治療目的で認可され、数多くの医学的根拠も揃っています。ただし、副作用の懸念もあってガイドラインでは推奨されていません。また、治療抵抗性の大人ニキビでは背景に高男性ホルモン血症があることが多く、その場合抗男性ホルモン薬(スピロノラクトン)が使われることがあります。国内での臨床報告では、副作用による治療中断例が多いことが問題とされています。

どちらの治療も有用であることは否定しませんが、副作用や適応に熟知し、婦人科領域に通じている医師のもとで行われるべきと考えており、当院では実施していません。
*ホルモン療法は、いずれもガイドライン2016では推奨されていません(C2)。

Q

イソトレチノイン(製剤名:アキュテイン)は有効でしょうか?

A

イソトレチノイン(製剤名:アキュテイン)は、ビタミンA誘導体で、海外では長年中等症以上のニキビ治療に使われています。イソトレチノインは、皮脂腺を抑制し、角化異常も正常化してニキビを改善します。国内での承認が遅れている理由は、催奇形性の副作用があるためで、治療中から治療後6週間まで避妊が必要になります。一部の美容皮膚科では、医師が個人輸入で入手して処方していることは承知していますが、このような重大な副作用のある製剤は、正式に厚生労働省の承認を経て、ガイドラインで厳格に適応・使用方法を定めて使われるべきだと考えています。


 

 

 

 

 

Q

ニキビに有効なサプリメントはありますか?

A

ニキビに有効とされているサプリメントとしては、ビタミンA(βカロテン)、B、Eがあります。理論的には効果を期待できますが、どれも医学的なエビデンスはありません。ガイドライン2016でも推奨しない(C2)と評価されています。したがってサプリメントの摂取はおすすめしません。

なお、ビタミンCについては、炎症後色素沈着に対する治療として、保険適応があります。ただしニキビ痕の赤み、色素沈着に対しては、通常内服ではなく外用のビタミンC製剤が用いられます。

 

 

 

 

 

 

Q

イオウ製剤を使うときの注意点は?

A

イオウには、ピーリングと同様に角質を取り除く作用があるため、毛穴の入口部での角質による閉塞予防として使われています。イオウ製剤を使うさいには、1)刺激症状(かぶれ)、2)ドライスキン、に注意が必要です。とくに大人ニキビではドライスキンが背景にあることが多く、イオウ製剤を使うことでかえってニキビが悪化することもあります。

イオウ製剤は安価であることと妊娠、授乳への影響を気にしなくてもよいことから、白ニキビ(面皰)予防のため日本では昔から皮膚科でのニキビ治療で使われてきました。市販薬、コスメにもイオウが配合されたものがあります。漫然と使うことなく、注意点を忘れずにお肌の状態に合わせて使うことをおすすめします。

 

 

 

 

 

 

詳しいお問い合わせ・ご予約はこちらから